【事案】

バイクで直進中、渋滞の反対車線からセンターラインを超えて追い抜きをしてきた自動車と正面衝突を避けるため、急ブレーキ、転倒したもの。直後、救急搬送され、鎖骨骨幹部(真ん中あたり)を骨折、その他、全身打撲の診断名となった。 tc1_search_naver_jp     【問題点】

非接触事故であるため、具体的な過失割合に踏み込まずとも、事故状況と責任関係を明確にしておく必要がある。

また、鎖骨で○級、保険として全身打撲を頚椎捻挫に絞って○級と、治療の傍ら計画的に立証作業を進めなければならない。    【立証ポイント】

事故から1ヵ月後、早期に相談を頂いたので万事先手を打つことができた。非接触事故であった為、連携弁護士から刑事事件の経過を監視頂き、相手を刑事処分(略式起訴)とできた。

医療面は、まず、鎖骨を担当した医師に整復方法を確認した。プレート手術をせず、クラビクルバンド固定であるゆえ、鎖骨の変形を予想した。また、手の痺れ等、神経症状もうかがわれたので、近隣の整形外科でリハビリを並行して進めるよう指示した。ここでは鎖骨の癒合の妨げにならない電気治療を選択、これは後に頚椎捻挫の神経症状でも14級を確保するためである。鎖骨の癒合が良好で変形が無かったら・・(それはもちろん良いことですが)何も等級が付かなくなってしまいます。  kクラビクルバンド 適切な時期に症状固定とし、それぞれの病院で後遺障害診断書を記載頂いた。写真では微妙であったが、鎖骨の変形で12級5号の認定を得た。続いて、肩関節で12級6号と骨幹部骨折では珍しい可動域制限での認定も引き出した。さらに、狙い通り頚部の神経症状で14級9号もおまけに認定。

少々、甘い審査に助けられましたが計画通りの併合11級に仕上げた。早期から相談頂き、何度も綿密に連絡を取り合って進めた結果、まさに、後遺障害をコーディネートできたのです。   (平成27年5月)  

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【事案】

自動車で交差点を走行中、右方より信号無視の自動車と出会い頭衝突。その際、右肩鎖脱臼、烏口突起、肋骨を骨折した。 GradeⅢの脱臼状態から肩関節の可動域制限を予断した。症状固定時期にはギリギリ12級7号(4分の3以下制限)レベルまで回復した。 c_g_j_5

【問題点】

症状固定時期、医師に計測を依頼したところ、面談拒否なので計測に立ち会えなかった。診断書の記載を見ると、屈曲50°外転40°・・こんなに可動域はひどくない。私の計測では屈曲は正常、外転は120°だった。医師は計測を目検討でいい加減にした模様。これでは自賠責の怒りを買ってしまう。また、鎖骨の変形の欄に○がなかった。

【立証ポイント】

医師に手紙を出して、修正を依頼するなど働きかけたが、医師は取り合ってくれない。唯一、変形には○をしてくれた。写真を撮って添付、これで変形の12級5号は確保できた。可動域計測は不正確ながら提出するしかない。

案の定、調査事務所は医師に医療照会をかけて、今度は「屈曲は回復」との回答。これで医師の計測はいい加減と判断された。

結果は変形の12級5号のみの認定に。今更、外転の120°を主張しても説得力はない。

このように医師に振り回されて、等級を1つ取りこぼした。本来、併合11級になるべき案件でした。これはメディカルコーディネーターにとって敗北の記録です。早期に医師を見極めて、転院するなど手段を講じるべきでした。今後の戒めの為、あえて掲載しました。

(平成25年11月)  

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【事案】

自転車走行中、交差点の横断歩道上で対抗自動車が右折進入して衝突した。右頬骨を骨折し、プレート固定術を受けた。 tc2_search_naver_jp 【問題点】

右頬骨を骨折し、顔面のしびれが残存した。また、頚椎捻挫も診断され、頚部痛、手のしびれ、さらに肩部痛も訴えていた。重傷であったにもかかわらず、物損で揉めて弁護士対応された。また、医師は肩の痛みを頚椎捻挫が原因とみており、肩についての診断がなかった。

【立証ポイント】

相談された際に肩の外転運動をして頂き、動きに一部制限が確認できた。本件では右頬骨骨折と頚椎捻挫を主軸として立証し、肩については腱板損傷しているかどうかを確認する必要があった。病院は右頬骨骨折と頚椎捻挫(リハビリ通院)とで2か所通っていた。前者で3DCTを撮り、自覚症状についてしっかりまとめて頂いた。後者は頚椎捻挫の診断があったが、肩部痛の原因を頚椎捻挫としており、肩腱板の損傷等についての診断がなかった。そこで、肩のMRIを入手後、改めて主治医に腱板損傷の有無を診断して頂くことにした。結果、肩腱板は部分的に損傷している程度であることがわかり、可動域制限の等級が認められるレベルではなかったので、画像所見と自覚症状として肩部痛をしっかりまとめて頂くことにした。

結果、右頬骨骨折については12級13号が、頚椎捻挫で14級9号、さらに、肩腱板損傷についても明確な画像所見が認められなかったものの14級9号が認められた。全体の等級は上がらなくても後の弁護士の賠償交渉上、材料は多い方がよい。

※ 併合のため分離しています。

(平成27年6月)  

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【事案】

バイクでT字路を直進中、左から一時停無視の自動車が飛び出してきたため、衝突を避けようとして転倒、鎖骨を骨折、救急搬送された。診断は右鎖骨遠位端の粉砕骨折で、即、手術でプレート固定を行った。

その後、相談会に早く参加され、レントゲン画像で骨折状態を見たところ、肩関節は外転の制限を予想した。

【問題点】

抜釘後、MRI検査をしたが肩腱板に目立った損傷はなかった。肩関節の可動域は疼痛の影響で外転・屈曲ともに90°であった。整復状態からやや無理のある数値で心配だったが、受傷様態から無理のない回復程度であることから、この数値のまま申請した。

結果は「非該当」、整復は良好で変形・転位が見られないことから「そんなに肩が曲がらなくなるわけはない!」との回答。つまり、自賠責・調査事務所の怒りを買ったよう。

【立証ポイント】

嘘偽りなく肩関節可動域を計測したはずである。この頑固な痛みと可動域制限について、症状固定後も治療を継続した。等級が出ないのならば回復努力に一層力が入る。

一方、原因の究明も進めた。画像鑑定では腱板損傷を思わせる高輝度所見があるものの、決め手となる所見が見出せなかった。そこで、セカンドオピニオンとして、肩関節の専門医の受診に進めた。

改めてMRI検査を行ったところ、鎖骨を固定するためのL字型のフックプレートの影響下に長く晒されて肩峰下、周辺靭帯から三角筋にまで炎症を起していることを突き止めた。このフックプレートは不安定な骨折部の固定に有用ながら、周辺組織にそれなりの負担をかけると言われている。 sakotsu001_20130629132258 この所見から14級9号を目指して異議申立てを行った。これなら自賠責も認めてくれた。そして、症状固定から1年あまり、可動域はほぼ回復した。調査事務所の(可動域制限はないという)判定は正しかったと言わざるを得ない。私達も経験を重ねるごとに謙虚になります。

(平成27年6月)  

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【事案】

自転車搭乗中、後方より自動車に追突される。右肩から転倒、肩関節を脱臼した。救急搬送後、肩関節は整復されたが、以後、疼痛と可動域制限が残存した。

初回申請は他事務所に依頼し、その事務所の指導で可動域制限を主訴とした。しかし、調査事務所は可動域制限を否定、疼痛の残存のみ(14級9号)の評価となった。 kansetu_11【問題点】

まず、画像を精査した。肩関節は整復されており、確かに目立った変形や転位は見られなかった。さらに、リハビリ記録で肩関節の可動域数値が記録されており、数値は回復傾向であった。しかし、先の事務所は「医師の計測の際、肩関節は痛みが生じるところで止めて下さい」と2分の1制限を示唆した。症状固定時にそれほどの制限はないはず。この事務所、一歩間違えれば詐病教唆である。

【立証ポイント】

画像から脱臼の際に上腕骨大結節にわずかな骨折があり、症状固定時の画像でも遊離骨片が発見できた。器質的損傷が残存している以上、12級13号が妥当として異議申し立てする方針とした。加えて可動域制限が認められる画像所見ではないことを依頼者に説明し、可動域制限で等級を狙うのは諦めさせた。

作業としてCT検査を依頼したが、主治医は疼痛の原因を筋硬結とみており、当然ながらこのような面倒事に協力的ではなかった。それでも手紙で検査を依頼して渋々実施させたところ、骨片が現在も残っている3D画像を確保できた。これにて主治医も原因は筋腱だけではなく骨片にもあると認め、医療回答書に記載して頂いた。さらに、画像所見をより強固にするため、画像読影を読影医に依頼、鑑定書を作成した。これら医証を揃えて異議申立てを提出、続く調査事務所からの医療照会に再び医師と丁寧に対応した。こうして本来あるべき結果の12級13号が認められた。

総括すると、本件は「”画像を見ない””安易に可動域制限を装わせる”法律家に任せた結果、間違った方向に誘導されてしまった」と言えます。これも被害者の2次被害の典型例でしょう。依頼先を選ぶ際、被害者は慎重、賢明な判断が必要です。後遺障害の世界は画像読影力がものを言うのです。

(平成27年8月)  

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【事案】

タクシーに搭乗中、運転手が居眠り運転で停車中のトラックに追突、後部座席から前席から飛ばされフロントガラスに顔面を強打した。額を受傷、線状痕・瘢痕は形成外科の数度の手術で回復に近づけた。その他、肩・腰部の痛み、視野の狭窄、難聴などの不調が生じた。

【問題点】

前額部の形成手術が数度に及び、治療期間が長くかかったのは仕方ないが、目や耳の検査が後手に回り、有用な検査結果を残せていない。また、症状固定に向けて様々な検査が必要でありながら、依頼した弁護士が適切なアドバイスをせず、「診断書を待っています」だけの姿勢。その後、相手の保険会社が治療打切りを打診してきたので対応を頼むと、「正式に受任していないので・・」と逃げ腰。依頼者はてっきり委任しているものと思っていたが、丸々1年何もしないで打切りを迎えてしまった。

【立証ポイント】

形成外科はもちろん、整形外科、眼科に医師面談し、実施済の検査結果の回収、追加検査の依頼に奔走する。しかし、検査結果は事故から時間が経ちすぎたので数値が回復傾向、もしくは時期を逸して有用なデータとならかった。肩関節は受傷初期のMRIで水腫が見られるが、その後、目立った所見を得ずに治療が継続された。 結局、治療経過から14級9号だけを確保するに留まった。

※ 併合のため分離しています

(平成26年11月)

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【事案】

バイクで直進中、後方より追い越ししてきた自動車が急に左折したため接触、転倒したもの。その際、右の鎖骨・肩甲骨・肋骨・橈骨・尺骨を骨折した。 5a70f3c738c69a35df4c65fb69bb2364 【問題点】

この被害者は若く体力十分、元々頑強な体で仕事も医療関係から知識も十分、そしてリハビリもアスリートのような根性で・・・結果、驚異的な回復をみせる。相談会に参加された時に「骨癒合を待ち、なるべく早期に症状固定する」方針とした。もちろん「できるだけ治す」ことが最大目標である。しかし、一定の障害が残ることが確実なケガながら、中途半端な回復によって適切な等級を取りこぼすことを懸念したからである。

【立証ポイント】

砕けた鎖骨、ぱっくり横断骨折した肩甲骨の画像をしっかり撮って提出すること、後は可動域の計測を間違いなく記録することに尽きる。主治医はもちろん理学療法士と打合せしを済まし、受傷から7か月後に症状固定、診断書を作成した。

結果、可動域は文句なしの10級、これに鎖骨と肩甲骨の双方の変形12級5号が併合された。これは写真を添付すれば一目瞭然。

普通の人なら1年間は症状固定できない受傷様態である。しかし回復力の差や体力差を考慮し、適切な時期に症状固定する必要がある。

(平成26年11月)  

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【事案】

渋滞で停車中、後続車に追突された。頚部と肩部に痛みを残す。いわゆる頚肩腕症の症状。後遺障害認定に向け、弁護士から当方へ対応の依頼を受けた。

【問題点】

頚椎捻挫は目立った神経学的所見なし。また、肩関節周囲炎が事故外傷によるものか否かが問題。

【立証ポイント】

肩に関してはMRI所見に加え、オブライエン・テスト、CATテスト、HFTテストにて陽性を記載いただく。肩に造詣が深い医師で助かった。しかし、決め手は症状の一貫性と比較的若い年齢。中高年の肩関節周囲炎は加齢が原因とされるからです。

頚椎捻挫もついでに14級認定、併合14級とした。

(平成25年3月)    

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【事案】

自転車で走行中、交差点で対抗右折の二輪車と衝突、転倒したもの。その際、右鎖骨の骨幹部(真ん中辺り)を骨折した。その11か月前も交通事故で右鎖骨の肩寄り(遠位端)を骨折して癒合したばかり。

【問題点】

11か月前の遠位端骨折は「非該当」となっていた。異議申立も検討したが、可動域は回復し、今回の骨折でプレート固定をしたため、今更感が漂う。仮に狙っても14級9号ならば、加重障害となるだけなので今回の事故で14級9号を取ることにした。 可動域制限や変形がなくとも、痛みや違和感はすぐに消えるものではない。数年苦しむのであれば、せめて14級9号を確保するのが私たちの仕事。

【立証ポイント】

一年後の抜釘を待ち、症状固定とした。癒合状態良く、変形も皆無、周辺靭帯も問題なし。それでも痛み、違和感を丁寧に説明した診断書を主治医に記載いただく。この辺の細やかな説明が14級9号認定の確率を高める。提出後、わずか3週間で認定いただいた。

ちなみに数年前には左の鎖骨も折っていた。私がいれば3回とも14級獲ってあげたのに・・・。

(平成26年8月)  

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【事案】

自転車で走行中、左路側帯に駐車中の自動車が急発進し、右転回したために前方をふさがれて衝突。肩から路面に落ちた。GradeⅡ型の亜脱臼となり、クラビクルバンドで固定した。 k 【問題点】

主治医は「靭帯が固まればもうやることはない」「少し変形するのは仕方ない」と治療を終了した。しかし、痛みは激しく、肩の可動域制限もあったので、ある行政書士に相談したところ、(提携している?)接骨院を紹介された。しかし、ここでは後遺障害診断書が書けないので、結局、また病院に戻った。ところが「最初から見ていないので診断書を書けない」との対応。このように迷走した状態で相談会に参加された。

【立証ポイント】

肩鎖関節の治療に実績のある病院にお連れし、疼痛の緩和と肩関節可動域の回復を目標に治療を継続させた。痛みどめの注射と運動療法の効果はあったものの、やはり変形(ピアノキーサイン)だけは残った。しかるべき時期に症状固定、ROM計測と写真撮影を行い、12級5号を確保。

疼痛緩和や可動域回復について、接骨院に効果があることは承知している。しかし、急性期から症状固定までしっかりリハビリを行う整形外科も存在する。そして診断書は病院でしか書けない。被害者は良く考えて治療先を選ぶべきだろう。

(平成25年6月)  

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【事案】 バイクで走行中、交差点で左方よりの自動車と出合頭衝突したもの。その際、鎖骨の肩側を脱臼した。肩鎖靭帯、烏口肩鎖靭帯の断裂を伴うGradeⅢ型の脱臼である。手術で鎖骨のプレート固定が必要となった。

20141121_1

【問題点】

弁護士から紹介を受け、脱臼の程度から変形と可動域制限を予想し、堂々と併合9級の獲得を宣言した。

しかし、主治医は非常に難しいタイプの医師で「障害は残らない」と断言、患者以外の者の関与を嫌った。ここではまともな後遺障害診断書は無理と判断し、近隣にあるリハビリ先の整形外科で、ROM測定、裸体の写真撮影を行い、診断書を仕上げた。

【立証ポイント】

靭帯断裂を伴う脱臼の場合、鎖骨の転位を避けるためにプレートは抜釘できない。したがって変形はかなり微妙であったが、添付した写真からわずかなピアノキーサイン(鎖骨が盛り上がる)を認めて頂いた。かなりギリギリの併合9級だが、受傷の程度から予断し、しかるべく医師に診断いただければ目標等級に届く。弁護士も依頼者もびっくりの結果であったが、調査事務所も私もしっかり見ていますので。

(平成26年10月)  

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【事案】

原付バイクで走行中、交差点で信号無視の自動車と出合頭衝突したもの。その際、鎖骨と肋骨を骨折した。

【問題点】

受傷初期から弁護士に依頼していた。この弁護士は物損の交渉をしてくれたもの、後遺障害は事前認定(相手の保険会社に丸投げ)の方針。リハビリの甲斐なく、腕が上がらない被害者を心配したご長男から相談が入る。しかし、委任している弁護士がいる以上、限定的なアドバイスしかできない。正式に当方に契約をスイッチしたが、時すでに遅く、結果は「骨癒合が得られている」と「非該当」の通知。

【立証ポイント】

まず、XPとMRI画像を精査した。確かに骨癒合に問題はないもの、仮骨形成(骨の癒合の際にみられる、新しくできた不完全な骨組織)が不自然に膨らんでいる。新たに3.0テスラのMRI検査を実施、仮骨部が「軟骨化嚢胞」となっていることを突き止める。これが拳上不能の原因かもしれない。しかし、主治医はこれを可動域制限の原因とは認めず、疼痛による運動制限からくる関節硬縮と判断した。原因究明のため、放射線科医の画像鑑定を行ったところ、「肩峰下滑液包に液体貯留、棘上筋、肩鎖靭帯にも輝度変化を認める。」とあり、鎖骨下嚢胞化構造と相まって肩腱板も含めた複合損傷が明らかとなった。これを基に異議申立てを行い、改めて可動域制限を認めて頂いた。20141127_2このように、画像読影で医師の見解が分かれることがしばしばある。医師によっては「癒合良好」で済ましてしまう。立証側もしっかり画像所見を検討し、しかるべき精査をしなければならない。

本件は早くから法律家が関与しながら、障害の原因追求と精査を怠ったために大変な苦労を強いられた例といえる。

(平成25年10月)  

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【事案】

自転車走行中、後方より250ccバイクに衝突され転倒、肩を痛める。

【問題点】

事前認定の結果は「非該当」。骨折等の器質的損傷がない痛みや可動域制限は後遺障害の対象にはならないのが原則。また、40歳以上の被害者が肩の痛みを訴えても、年齢からくる肩関節炎とされる可能性が避けれない。

【立証ポイント】

非該当の結果を受け、相談会にいらした。早速MRIを観たが、肩腱板損傷らしき所見は見当たらない。しかし、訴えに真実がある以上、異議申立を引き受けた。再度、精度の高いMRIを実施、検査前に技師に細かく注文させて頂いた。そして放射線科医に画像鑑定を依頼したところ、目立った損傷はなくとも「腱板疎部に炎症性変化あり」と読影された。

この結果をもとに、自覚症状、治療経過を文章で説明し、現在の仕事や家事への支障はもちろん、肩関節周囲炎と区別するために事故前のスポーツ歴やケガなど皆無な健康状態を主張した。

医学的な証明が弱くとも、症状の一貫性、そして訴えに信ぴょう性があれば道は開けます。

(平成26年2月)  

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【事案】

横断歩道を歩行中に自動車にはねられたもの。

【問題点】

機能障害は残存しているものの、10級の認定にはぎりぎりであった。

【立証のポイント】

適切な症状固定時期を選定し、医師に症状固定を依頼する。医師はまだ症状固定は早い、とのご見解であったが、主旨をご説明したところご納得いただけた。

可動域測定が本件の要となるため、可動域測定の立会いを依頼し、立ち会う。正しく間違いのない測定であるかを見させていただき、無事に10級に該当する可動域とを立証できた。

また、画像所見について医師と面談を行い、可動域制限の原因について認識を共有しておいた。

無事に10級10号が認定された。

(平成26年11月)  

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【事案】

原付バイクで交差点を走行中、後続の左折車に巻き込まれた。

【問題点】

骨癒合は良好であり、変形もほとんどわからない状態であった。遠位端ではないが、肩関節に可動域制限が残存しており、この原因をどうつきとめていくかが問題であった。

抜釘は行わないとの主治医の見解であった。

【立証のポイント】

まず、なぜ抜釘を行わないか、について主治医に面談をして確認をした。すると、「ブルガタ症候群」という不整脈のため、全身麻酔が危険である、とのご意見であった。

そこで、抜釘を行わない旨、また受傷時も大がかりな手術不可であった旨を診断書にまとめていただいた。

その後、MRI撮影を依頼し、放射線科医に鑑定を依頼。肩関節唇の損傷を明らかにする。

肩甲骨の精査を行うため、3DCTの撮影を依頼する。

決定的な原因はつきとめることはできなかったが、様々な所見を少しずつ積み上げていくことはできた。それらをすべてまとめあげ、申請を行う。無事に機能障害で10級10号が認定された。

(平成26年8月)

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【事案】

バイクで青信号の交差点を走行中、信号無視をした自動車に側面から衝突された。

【問題点】

相談時、症状固定時期について迷っておられた。

MRIが撮られていなかった。

通院中の病院が閉院してしまった。

【立証のポイント】

MRI、CTの撮影を依頼し、ただちに症状固定の依頼を主治医に行う。

画像について精査を行い、また肩の腱板についての精査も行った。

損傷を一つの角度からではなく、さまざまな角度から想定してみることが大切であり、本件はまさにその一例である。

症状固定時期について主治医の理解をいただき、また可動域測定の立会いをさせていただき、正しい計測がなされているかどうかを確認させていただいた。

機能障害で、10級10号が認定される。

(平成26年7月)  

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【事案】

原付運転中、対向自動車が急に右折してきて衝突した。

【問題点】

鎖骨に偽関節が疑われた。

骨癒合について、新たな画像所見を撮り、なおかつその状態について医師と共通の認識を持つ必要性があった。

【立証のポイント】

MRI、CTの撮影を依頼し、その後主治医と面談、偽関節についての認識のすり合わせを行う。

鎖骨の変形については、写真撮影を行った。ただし、プレート固定がなされ関節授動術を受けており、変形については認定は難しいと思われた。

症状固定時には後遺障害診断書に、間違いのない可動域についての記載を求め、偽関節についての所見、変形についての所見をご記載いただいた。

変形としての認定はなかったが、機能障害で10級10号が認定される。

(平成26年6月)  

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【事案】

バイクで直進中、交差点で左方より一時停止無視の自動車と衝突、左橈骨遠位端骨折、左尺骨開放骨折、肩甲骨骨折、第一胸椎横突起骨折、右腓骨外顆骨折、第7頚椎骨折、肋骨骨折、鼻骨骨折となる。骨折箇所の多さでは過去1、2位の多さ。

【問題点】

骨癒合は概ね良好ながら、ここまで折れると体幹バランスの異常、様々な神経症状が残存する。具体的にはめまいやふらつき、体幹の傾斜、頭痛、軽度の顔面神経麻痺と嗅覚障害もあるよう。これらを評価する等級は12級13号が限度、さらに本人の生活上の問題から早期に症状固定し、職務復帰を急ぐことになった。

【立証ポイント】

可動域制限を正確に計測するのみ。まず手首10級+肩関節12級で上肢は9級を確保。嗅覚について、専門医の診断では事故との因果関係に疑問はあったが、これだけのケガなので14級の認定は得た。その他の部位について、可動域は正常値レベルに回復、さらに癒合良好のため神経症状も12級に届かず。このように上肢以外は14級のオンパレード、あと一つ上位併合させることができなかった。しかし本人が解決を急ぐため、即弁護士に引き継いだ。

私としては回復も認定等級も中途半端な印象が残った案件であった。

(平成25年5月)  

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【事案】

歩行中、右方から来た車に衝突され、右上肢について「右肩関節脱臼」、「右肘打撲」、「右橈骨遠位端骨折」を受傷したもの。

【問題点】

整骨院に偏った治療を行い、柔道整復師も適切に整形外科を案内しなかったことから、右上肢全体がズデック骨萎縮の状態に。受傷した三大関節全てに著しい機能障害(10級レベル)が残存。

1.肩関節の損傷は著しい機能障害を根拠付けるか?

2.手関節の損傷は著しい機能障害を根拠付けるか?

3.肘関節の損傷は著しい機能障害を根拠付けるか?

1.2.については器質的損傷の状態から正確な計測が行われれば10級は手堅いと見るが、傷病名が「右肘打撲」にとどまる肘関節についても10級が認定されるか。整骨院の施術にも相当な問題があると考えられるため慎重に申請する必要があるだろう。

【証明ポイント】

1.3大関節全てについて正確な計測の実施を受けた。

2.3大関節それぞれについて機能障害が生じた理由を後遺障害診断書に詳細にお示しいただいた。特に肘関節については重点的に説明を受けた。

以上の結果、肩・肘・手、それぞれについて10級が認められた。

(平成25年6月)

—————————————

後遺障害実務に詳しい方はおそらくここで「ん?」と思われたことでしょう。併合は通常1回であるため、10級+10級で併合9級になるのではないか?と。しかし本件は8級相当。なぜでしょうか。

・・・実は本件には隠れルールが適用されています。以下、認定文から抜粋します。

『・・・前記1.2.および3.の障害は、同一系列の障害ですが、認定基準上、1上肢の3大関節のすべての関節の機能に著しい障害を残すものは第8級に準ずる障害として取り扱うこととなる・・・』

(別表第二備考6)

 

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【事案】

原付バイクで直進中、対向自動車が駐車場に入るため急に右折して衝突。肩から転倒して左上腕骨の大結節、肩甲骨、左第6、7、10肋骨を骨折。 kata【問題点】

癒合状態は良好なものの、肩関節の可動域制限が改善しない。職業もフリーターでなかなか復職しない被害者に対し、相手保険会社は治療費を打切る。その後健保でだらだら接骨院でのリハビリが続き、症状固定しないまま1年が過ぎた。病院も半年以上ご無沙汰になってしまい、診断書の記載に難儀して連携弁護士に相談に訪れた。

【立証ポイント】

症状固定しなければ話が進まない。まずは病院への通院を再開し、なぜ肩が挙がらないのか精査する必要がある。弁護士から案件を預かり、主治医に面談してMRI検査を追加依頼する。靭帯の損傷を検証し、骨折箇所の確認と可動域制限の理由を診断書に落とし込み、可動域の計測に立ち合って外転90度を計測していただく。

大結節の骨折状態と癒合状態が可動域制限に直接影響があるのかがポイント。わずかながら肩甲骨骨折もあり、それら複合的な原因があったものとして10級を確保する。

さらに逸失利益の確保のため、復職を急がせるなど生活再建に厳しい指導を行う。ケガから早く社会復帰させることも私たちの使命と思っています。

(平成25年9月)  

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