【事案】

バイクで直進中、T字路で対向自動車が急に右折、衝突したもの。初期診断名は左足関節脱臼骨折、左脛骨天蓋骨折、右橈骨遠位端骨折、モンテジア骨折、外傷性肝損傷、腹腔内出血、びまん性脳損傷(脳の障害はなし)・・以上、左脚と右腕に障害必至の重傷である。 【問題点】

モンテジア骨折(尺骨骨折による橈骨の肘関節脱臼)による肘関節の可動域はほぼ正常に回復、回内・回外も12級の基準以下、わずかの変形癒合が確認できる。これでは神経症状の残存による12級13号が限界。なんとか橈骨遠位端骨折による手関節の可動域制限で10級10号としたいが、わずかに基準外。他には正中神経の軽度麻痺によるしびれ、手術痕である醜条痕が残存した。

【立証ポイント】

手関節の掌屈・背屈の可動域は10級の基準である1/2制限にわずか5°オーバーしている。この場合、参考運動である橈屈・尺屈が1/2となれば繰り上げ10級となる。ここでモンテジア骨折の影響が大きく寄与する。モンテジア骨折により、尺骨の長さが微妙に伸長、やや転位もあるため、手関節、特に尺屈の可動域に影響があった。この参考運動の1/2制限による繰り上げで10級を確保した。なによりのポイントは上記すべての計測の意味を医師に説明し、理解を得た上で正確に記録したことに尽きる。 ちなみに尺骨の変形は「15°以上の屈曲」はなく、正中神経麻痺もしびれを残す程度のため、等級とはならなかった。もちろん手術の傷も掌以下の面積で非該当。

2か所の損傷を複合的に一つの障害として観察していくこと、さらに複数の症状について、最も高い等級にまとめる設計図を描くことが大事です。

※ 併合のため分離しています

(平成26年5月)  

 

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【事案】

バイクで直進中、交差点で左方より一時停止無視の自動車と衝突、左橈骨遠位端骨折、左尺骨開放骨折、肩甲骨骨折、第一胸椎横突起骨折、右腓骨外顆骨折、第7頚椎骨折、肋骨骨折、鼻骨骨折となる。骨折箇所の多さでは過去1、2位の多さ。

【問題点】

骨癒合は概ね良好ながら、ここまで折れると体幹バランスの異常、様々な神経症状が残存する。具体的にはめまいやふらつき、体幹の傾斜、頭痛、軽度の顔面神経麻痺と嗅覚障害もあるよう。これらを評価する等級は12級13号が限度、さらに本人の生活上の問題から早期に症状固定し、職務復帰を急ぐことになった。

【立証ポイント】

可動域制限を正確に計測するのみ。まず手首10級+肩関節12級で上肢は9級を確保。嗅覚について、専門医の診断では事故との因果関係に疑問はあったが、これだけのケガなので14級の認定は得た。その他の部位について、可動域は正常値レベルに回復、さらに癒合良好のため神経症状も12級に届かず。このように上肢以外は14級のオンパレード、あと一つ上位併合させることができなかった。しかし本人が解決を急ぐため、即弁護士に引き継いだ。

私としては回復も認定等級も中途半端な印象が残った案件であった。

(平成25年5月)  

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【事案】

歩行中、右方から来た車に衝突され、右上肢について「右肩関節脱臼」、「右肘打撲」、「右橈骨遠位端骨折」を受傷したもの。

【問題点】

整骨院に偏った治療を行い、柔道整復師も適切に整形外科を案内しなかったことから、右上肢全体がズデック骨萎縮の状態に。受傷した三大関節全てに著しい機能障害(10級レベル)が残存。

1.肩関節の損傷は著しい機能障害を根拠付けるか?

2.手関節の損傷は著しい機能障害を根拠付けるか?

3.肘関節の損傷は著しい機能障害を根拠付けるか?

1.2.については器質的損傷の状態から正確な計測が行われれば10級は手堅いと見るが、傷病名が「右肘打撲」にとどまる肘関節についても10級が認定されるか。整骨院の施術にも相当な問題があると考えられるため慎重に申請する必要があるだろう。

【証明ポイント】

1.3大関節全てについて正確な計測の実施を受けた。

2.3大関節それぞれについて機能障害が生じた理由を後遺障害診断書に詳細にお示しいただいた。特に肘関節については重点的に説明を受けた。

以上の結果、肩・肘・手、それぞれについて10級が認められた。

(平成25年6月)

—————————————

後遺障害実務に詳しい方はおそらくここで「ん?」と思われたことでしょう。併合は通常1回であるため、10級+10級で併合9級になるのではないか?と。しかし本件は8級相当。なぜでしょうか。

・・・実は本件には隠れルールが適用されています。以下、認定文から抜粋します。

『・・・前記1.2.および3.の障害は、同一系列の障害ですが、認定基準上、1上肢の3大関節のすべての関節の機能に著しい障害を残すものは第8級に準ずる障害として取り扱うこととなる・・・』

(別表第二備考6)

 

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【事案】

バイクで直進中、交差点で自動車と出合頭に衝突。その際、小指と薬指を骨折する。 【問題点】

骨折の癒合状態によっては深刻な可動域制限を残す。指の場合、用廃か否かは1/2以下の可動域制限が起きなければならない。そして親指以外はその用廃の本数で等級が決まる。正確な可動域測定が勝負となる。

【立証ポイント】

小指は1/2制限に及んだが薬指は至らず。しかしその他の指の測定に誤計測が多く、医師に計測の修正を手紙で依頼する。誤計測が多いと、肝心の障害指の計測に疑義が生じてしまうからである。

(平成25年1月)  

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【事案】

横断歩道を青信号で渡っているところ暴走自動車に跳ね飛ばされたもの。加害者は自賠責のみの無保険自動車。軽度意識障害有り、画像所見有り、日常生活を送る上での若干の違和感残存。周辺症状として嗅覚、味覚の異常。他、整形領域のダメージも大きい。

【問題点】

①高次脳機能障害の有無と程度 ・脳損傷に付随して発生した嗅覚障害、味覚障害の証明 ・整形領域の障害の証明 ・無保険者傷害保険への請求手続き

【対応】

①高次脳機能障害(7級4号認定) 当初作成された意識障害に関する自賠責所見は慌てて作成された「異常なし」というものであったため(このこと自体は超多忙な医師、やむを得ないこともあります。これを責めてしまっては全員が不幸になります。理解する、ことを出発点とすれば以後の修正が可能となります)、カルテを取り付け内容を精査、家族や医療従事者の証言を集め、書式の内容が実情と解離している事実を資料化。再度医師と面談し事実の通りに訂正していただいた。その後、DWIやT2スターイメージなど画像所見が脳損傷を捉えていることを主治医とともに確認。器質的損傷の証明が十分であると確認し、程度の証明に移行。被害者本人、家族と何度も面談して日常生活状況報告書を仕上げ、神経心理学検査の専門的医療機関を訪ねて必要な検査を受け、一式レポートにまとめ、全て総合して被害者請求とした。

②付随する嗅覚、味覚障害(嗅覚12級相当認定、味覚14級相当認定) 必要な検査(オルファクト検査、アリナミンPテスト、ろ紙ディスク法における最高濃度液検査)をコーディネート。単体としての評価とは別に、高次脳機能障害の残存を周辺から裏付ける証明になるため、手は抜けない。

③整形領域・長管骨の変形(12級8号認定) 後遺障害診断時、整形主治医と面談。XPに角度計を当てて計測を受け、後遺障害診断書にその事実をありのまま記載していただいた。

④無保険者傷害保険への請求手続き ・まずは加害者本人を相手に損害賠償請求訴訟。返す刀で無保険者傷害保険への保険金請求訴訟。これがいわゆる「宮尾メソット」。 ・本件は弁護士特約が使えるが、同特約は「加害者側への損害賠償」には使えるものの無保険者傷害には使うことができない(これを使えると豪語するのは某有名法律事務所の弁護士さん。断言しますが、無理です)。

無保険者傷害の示談解決に経験のある弁護士に事案を引き継ぎ、対応を終了した。

※ 本件は併合事案のため、他の後遺障害に関する実績と内容が重複しています。

(平成25年2月)  

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【事案】

バイクで直進中、左側から急発進した自動車と接触、左手首を骨折する。 c_g_j_27【問題点】

橈骨をプレート固定、抜釘後もほぼ骨の癒合は問題ない。しかし可動域制限は深刻で、1/2制限の10級レベルに。さらに掌にしびれが残存。主治医も「経過は良好」、「リハビリで回復するはず」と後遺障害には消極的な姿勢。

そして毎度の事ながら「半分しか曲がらなくなった!」と言っても10級はそうやすやすとは認められない。橈骨の癒合が変形なく良好であれば、12級に落として判断されるからである。

【立証ポイント】

深刻な可動域制限の原因についてあらゆる可能性を追求することから始めた。

まず手根管症候群を疑い、神経伝達速度検査を行う。若干の異常数値を得たが、これでは弱い。

続いて3.0テスラMRIで徹底検査し、TFCC損傷が疑われる画像所見を見出す。まだ決定的ではない。

しかし、この画像から尺骨の先端(茎状突起)が骨片化(折れた骨の破片がくっついてない)している?ことを発見。そこで受傷時からのXP(レントゲン写真)を徹底的に見直し、主治医に「先生、尺骨茎状突起が骨片化していませんか?これ偽関節と言えませんか?」と意見具申。ここまでくると当方の熱意、執念に医師も呆れ顔、「参った」とばかりに「尺骨遠位端骨折」の診断名を追加、茎状突起の偽関節化を診断書に記載して頂いた。

(参考画像)

最後に手首の可動域の測定だけではなく、回内・回外の測定もお願いし、完全無欠の診断書を完成させた。

結果は「可動域制限」10級10号、「長管骨の変形」12級8号が認められ、併合9級に。10級を追いかけ、追い抜いてしまった・・・。

お医者さんには迷惑でしたが、我ながらいい仕事をしたと自画自賛。

(平成24年8月)  

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【事案】

バイクで直進中、対向自動車の急な右折による衝突。

【問題点】

事故受傷からの7か月が経過しており、顔面の8cmの醜状痕も薄まりつつあり、被害者請求を急がなければならない状況であった。

また、手関節可動域については3/4以上の可動域制限はない状況であった。

【立証ポイント】

醜状痕については被害者の職業柄、人と接する仕事で客に不快感を与える可能性があること等を訴え、醜状のデジカメ画像を多用するなどして後遺障害診断書を作成した。

手関節可動域は12級レベルには達していないため、骨癒合の不整と神経障害による疼痛の持続を立証して臨む。

結果、醜状9級+手関節12級=併合8級の認定となる。

(平成24年1月)  

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【事案】

自動車で右折待ち停車中、後続車に追突を受け、そのまま反対車線に突き出されて対抗車のトラックに正面衝突したもの。右手首TFCC(軟骨)損傷、頚部軸椎骨折、第2腰椎圧迫骨折、顔面挫傷となった。 【問題点】

手首は手術の成功とリハビリ努力で可動域を回復、12級の4分の3制限とならず非該当。頚部の骨折も小さく、保存療法で完治。腰椎は後屈に大幅な可動域制限を残すものの変形癒合11号にとどまる。それぞれの受傷か所について自力回復が功を奏し、障害認定は低めとなってしまった。そのような状態から異議申立てを受任。

【立証のポイント】

腰椎の可動域制限について専門医の診断を受け原因を追求。関節硬縮ではないことを主張も、受け入れられず同等級のまま。労災より厳しい自賠責の審査基準が壁に。これは訴訟で再度主張していくことにする。

手首は器質的損傷と疼痛が認められ、12級を新たに認定、結果併合10級となる。ケガの重篤度に対し後遺障害が軽い為、全体的なバランスを考慮してくれた結果と思う。

調査事務所の厳しさと温情、両方を感じる異議申立てであった。

(平成23年12月)  

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