【事案】
原付バイク走行中、交差点で一時停止無視の自動車と出会い頭衝突、頭部を強打し、救急搬送された。脳挫傷の診断となった。 【問題点】
受傷初期は、家族を唖然とさせるせん妄(脳外傷で暴れる、性格が攻撃的なる等の症状)が続いた。その後、リハビリを数ヵ月継したところ、他人から見ればまったくわからない程に回復をみせた。その間、弁護士に依頼したものの、高次脳機能障害に経験なく、具体的な指揮・誘導ができていなかった。見かねた家族からの相談で弁護士交代に踏み切った。
【立証ポイント】
幸いリハビリ病院では高次脳機能障害の評価が可能で、既にいくつかの神経心理学検査を行っていた。数値は軒並み正常値に近づいていたので、障害の主訴である易怒性に焦点を当て、繊細な症状を掘り出す必要があった。そこで、他県にお住まいのご実家両親、ご姉妹、そして職場の方、合計5人から事故前後の変化について、文章で質問・回答等、やり取りを合計6回繰り返した。こうして、何度も修正・加筆を重ねて20ページに及ぶ日常生活状況報告書を完成させた。性格面の変化は、この作業が勝負を決めるからである。
こうして、復職不能レベルの障害の立証に成功し、結果を待っていた(重傷分野で国内No.1の)弁護士に引き継いだ。
(平成30年6月)