【事案】

タクシーに搭乗中、運転手が居眠り運転で停車中のトラックに追突、後部座席から前席から飛ばされフロントガラスに顔面を強打した。額を受傷、線状痕・瘢痕は形成外科の数度の手術で回復に近づけた。その他、肩・腰部の痛み、視野の狭窄、難聴などの不調が生じた。

【問題点】

前額部の形成手術が数度に及び、治療期間が長くかかったのは仕方ないが、目や耳の検査が後手に回り、有用な検査結果を残せていない。また、症状固定に向けて様々な検査が必要でありながら、依頼した弁護士が適切なアドバイスをせず、「診断書を待っています」だけの姿勢。その後、相手の保険会社が治療打切りを打診してきたので対応を頼むと、「正式に受任していないので・・」と逃げ腰。依頼者はてっきり委任しているものと思っていたが、丸々1年何もしないで打切りを迎えてしまった。

【立証ポイント】

形成外科はもちろん、整形外科、眼科に医師面談し、実施済の検査結果の回収、追加検査の依頼に奔走する。しかし、検査結果は事故から時間が経ちすぎたので数値が回復傾向、もしくは時期を逸して有用なデータとならかった。肩関節は受傷初期のMRIで水腫が見られるが、その後、目立った所見を得ずに治療が継続された。
結局、治療経過から14級9号だけを確保するに留まった。

※ 併合のため分離しています

(平成26年11月)