【事案】

旅行先でレンタカー搭乗中、直進道路で信号待ちしていたところ、後続車の追突を受ける。直後から頚部痛、手のしびれ、頭痛、耳鳴り等の他、異常に鼻づまりが生じ、しばらくしてから嗅覚や味覚が喪失していることに気が付く。

【問題点】

骨折はなく、神経や脳を損傷していないにもかかわらず耳鳴りを発症している。普通に会話できる分には特に問題なさそうであったため、耳鳴りについては検査で異常が検出されない限り、自覚症状を訴えるのみとなる。各種検査の実施が急がれた。

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【立証ポイント】

本件では別に味覚嗅覚の喪失も主訴となっており、耳鼻科で味覚嗅覚の喪失を立証するため、病院同行をしたが、その際、耳鳴りの検査は既になされいたことが分かった。検査結果の写しを頂くことができたので、内容を確認したところ、オージオグラムを数回実施して頂いていたが、いずれも40dBを超えておらず、約18~16dBにとどまっていた。耳鳴りについては12級は困難と覚悟した。

しかしながら、高音域で難聴が計測されていることから14級は確保できた。嗅覚喪失で12級相当の認定が得られるので、等級そのものについては併合12級で等級は上がらない。しかし、耳鳴りについての治療費や通院慰謝料について、弁護士は強い交渉材料を得ることになる。

通常、オージオグラム検査で40dB超えていなければ、耳鳴りでの障害等級は否定され、等級がつかないことが多いのですが、本件では事故の当初から耳鳴りを訴えており、かつ、必要な検査を実施したことで、調査事務所に症状を信じて頂けたと言えそうです。

※ 併合の為、分離しています。

(平成28年3月)