【事案】

通勤でバイク運転中、交差点で左方からの一時停止無視の自動車と衝突したもの。両手首は粉砕骨折し、左股関節の後方脱臼を伴う骨折、さらに左高原骨折・内側側副靱帯損傷も重なり、まともな四肢は右脚のみとなった。長期のリハビリを余儀なくされた。

【問題点】

当初から相手保険会社との関係が悪化、その後、弁護士対応とされる。早期から私達と連携弁護士が介入、症状固定まで密着して進めることになる。治療面では、4肢中3つの部位に手術が及び、治療・リハビリの長期化が懸念された。

【立証ポイント】

まず、労災の申請を急ぎ、相手保険会社と相手弁護士に対して治療費面での安心を促す。続いて、リハビリを進めつつ可動域の計測に余念なく注意を払い、1年9ヶ月目で症状固定に誘導した。

手関節は左右共に受傷のため、日本整形外科学会の標準値との比較になる。主治医と面談を重ね、症状固定時の計測に立会った。左手関節は屈曲・伸展位で10級の基準である1/2にやや及ばずも、橈屈・尺屈の参考数値で10級10号に繰り上げを確認した。ギリギリの数値の場合、計測に立ち会うことが絶対に必要である。

非常に盛りだくさんの障害が認定されたが、手関節の高等級認定の決め手は両親指のIP関節の用廃「10級7号」が部分併合された(結果、左手は9級相当)ことがあげられる。

※ 併合の為、3部位に分離しています。

(令和1年8月)