【事案】
自転車で走行、道路を横断しようとしたところ、右方から自動車が衝突、受傷した。全身を強打し、頭部骨折、くも膜下出血、肋骨骨折、骨盤骨折した。複数の障害認定となったが、本件では、外傷性横隔膜ヘルニアについてまとめる。
【問題点】
救急搬送された病院で治療し、2か月後退院したが、さらにその2か月後に、リハビリ先の病院で背中の痛みを訴え、CT検査後、救急搬送された病院で緊急手術となった。横隔膜のヘルニアを原因とするイレウス(腸閉塞)が生じたため、小腸の部分切除を行った。ただし、事故から4か月後の病変であるため、因果関係で否定される恐れがあった。
【立証ポイント】
因果関係は辛うじて、”腸管外病変によるイレウス”と判断されたよう。
小腸の切除により、長さが100cmを超え、300cm未満となった場合には、11級10号が認定される可能性があったが、本件ではそこまで切除していない。しかし、術後の血液検査や体重変化からの評価となり、胸腹部臓器の機能に障害を残すものとして、13級11号が認定される。
小腸くん
本件では、他にも、顔面陥没で7級12号が、高次脳機能障害で9級10号がそれぞれ認定され、併合6級となった。
※ 併合の為、分離しています
(平成29年3月)