【事案】
車イスにて交差点を横断中、左折してきた対抗自動車に衝突され横転したもの。全身打撲、とくに強打した肩の痛みに悩ま され、リハビリを継続するも挙上不能が続いていた
【問題点】
主治医の見落としにより、肩腱板断裂の発見が救急搬送から約3ヶ月後、そこからの専門科の受診となった。その後、専門医によって関節鏡下・腱板再生(縫合)術が施された。術後は良好、執刀医は「MRIの画像所見がないと後遺障害診断書を作成できない」との判断、診断書の記載を断られてしまった。
あきらめて示談に応じるところ、見かねた保険代理店さまからの相談が入った。
【立証ポイント】
直ちに自宅へ訪問し、現状の把握と可動域の計測を実施した。ご本人曰く、腕は上がるようになったそう。しかし、それはリハビリ指導から、上がり易いように斜めに挙上訓練した結果であり、正しく計測すると1/2超えるのがやっとであった。
これで「治った」とする主治医を説得すべく病院同行へ。今度は私達から事情を説明、主治医の理解を得て、肩関節の計測と診断書記載までこぎつけた。可動域計測については、外転が3/4以下の数値となり、理想的な診断書が完成した。
(参考:肩腱板損傷・棘上筋の断裂)
その診断書に手術前のMRI画像の打出しを添付し、盤石な申請書類を整えた。およそ1ヶ月半の審査期間を経て、無事に12級6号認定となった。
医師の言うことを真っ正直に聞き、後遺障害申請をせずに進めていたら、どれほど低額な示談金で解決していたのだろうか・・・と考えさせられる案件となった。
(令和4年1月)