【事案】
信号のない横断歩道を横断中、右折してきた原付バイクに衝突される。救急搬送後、すぐに手術となり、約2ヶ月の入院を余儀なくされた。直後から手首の痛み、不具合に悩まされる。
【問題点】
相手方に任意保険の付帯がなく、加害者との交渉は難航した。毎度のごとく、無保険の相手では自賠責しか頼ることができなかった。また、手首の可動域制限の数値が12級になるかどうかギリギリのラインであった。
【立証ポイント】
本件は抜釘せずに症状固定とした。後遺障害診断では、医師に怒られながら計測に立ち会い、なんとか12級の数値に落とし込むことができた。
また、最終のレントゲンで尺骨茎状突起が癒合せずに遊離骨片となっていることを見つけたため、医師に追記を依頼し、偽関節での合わせ技で併合11級を獲得する方針で申請をかけた。1ヶ月で結果が返ってきたが、尺骨茎状突起の偽関節は認められず、可動域制限のみの認定であった。
尺骨茎状突起骨折の偽関節・・過去、長管骨の変形で12級8号が数件認められていることから、偽関節を主張して再び申請を行ったが、「遊離骨片となっていることは認めるが、骨端部のほとんどを欠損したものとは捉えられない」という理由で認定はされなかった。「偽関節」か「遊離骨片か」・・・根元からそっくり折れなきゃダメ?、骨片の大きさ? 担当者の独断? 認否を分かつ基準が不明瞭に感じた。
認定例 👉 12級8号:尺骨茎状突起骨折(20代男性・東京都)
この認定を覆すことは厳しいと判断し、12級6号で手続きを進めていくことにはなった。モヤモヤが残る案件となった。
(令和5年2月)