【事案】
ゴルフ場で無人カートの衝突を受けて受傷、膝部のプラトー骨折となった。プレート固定後、リハビリを続けた。膝関節の可動域は回復傾向。
【問題点】
ゴルフ場は責任を認めるのか否か曖昧であったが、傷害保険での支払いを約束した。具体的な後遺症や賠償金の話はなく、入院・通院の保険金での解決を提示してきた段階で、弊所に相談が入った。
この傷害保険は受け取るとして、後遺障害の評価がされていないこと、休業損害や慰謝料、逸失利益など実額損害の評価がされないまま、定額の保険金での解決は飲めない。懸念点は傷害保険金が賠償金の一部とされることか。
【立証ポイント】
病院同行の上、後遺障害診断書を記載頂き、痛みや不具合の14級9号の提示とした。連携弁護士から改めて、損害賠償金の積算を行い、ゴルフ場に提示した。ようやく、ゴルフ場が契約しているであろう、施設賠償責任保険と、相手の代理人弁護士が登場、ここで初めて示談交渉となった。
賠償保険と傷害保険を切り分ける為に、先に傷害保険の入院・通院、そして後遺障害保険金を受け取った。次いで、賠償交渉の結果、14級9号の慰謝料は承諾、その他損害項目も出揃った。ただし、過失減額はシビアな回答、それでも、傷害保険金とは”別枠で”多額の賠償金の獲得に至った。このような施設での事故では、傷害保険金のみで、なんとなく解決している例が多いと思う。
(令和6年2月)