【事案】
バイクで直進中、左路外から飛び出した自動車と衝突、転倒、傷病名の通り左のすねはズタズタに。膝部の近位端から骨幹部まで脛骨の骨折が及び、腓骨も骨幹部で折れていた。受傷直後は最悪、切断の選択もあった。他に左腕(尺骨)骨幹部も骨折。
脚は腰の骨(腸骨)から骨採取し、プレートも複数個所固定する大手術となった。ケガの重篤度から障害認定までの手続きを弁護士から託された。
【問題点】
癒合は非常に難航し、1年後に恐れていた感染症を発症、再び足を切開し洗浄・消毒する手術となった。立証以前になんといっても回復が優先。感染症の再発ないことを祈る日々が続く。症状固定までの治療・リハビリ期間を通じて丁寧にフォローしていく必要があった。
【立証ポイント】
明らかな障害は立証も易しいと言える。しかし、「余すところなく」立証するためには綿密な立証プランを描くことが重要。緻密に細部まで障害を拾い上げて診断書を完成させる必要がある。もちろん具体的に障害を説明するべく、別紙の申述書は欠かせない。外貌写真の提出も必須である。
認定内容は以下の通り。
まず左足関節の可動域は1/2制限で10級11号、左膝関節は同じく3/4制限で12級7号、ここで同一系列の併合として9級相当を確保。
さらに左下肢の短縮障害も2cmの短縮を計測、13級8号を加算、下肢の開放創&手術痕で醜条痕14級5号、腕は特に障害残らず。
以上、併合結果から併合8級とする。ほぼ計算通りの認定となった。ちなみに骨採取した骨盤の変形は外見上目立たないため取りこぼした。以前と違い、最近の腸骨変形の12級認定は厳しい傾向と言える。
(平成26年1月)