橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)

(1)病態

 橈骨神経は頚椎から鎖骨の下を走行し、腋の下を通過して、上腕骨の外側をぐるりと回り、外側から前腕の筋肉、伸筋に通じています。橈骨神経は手の甲の皮膚感覚を伝える神経です。橈骨神経の障害が起こる部位は3つあり、腋の下、上腕骨中央部、前腕部です。交通事故では、上腕骨骨幹部骨折、上腕骨顆上骨折、モンテジア骨折等で発症、上腕中央部の麻痺が多いのが特徴です。

 症状としては、手の掌は何ともないのに手の甲が痺れます。特に、手の甲の親指・人差し指間が強烈に痺れるのです。手首を反らす筋肉が正常に働かないので、手関節の背屈ができなくなり、親指と人差し指で物をうまく握れなくなり、手は、「下垂手 = drop hand 変形)をきたします。

 橈骨神経の支配領域は、親指~薬指の手の甲側なので、この部位の感覚を失います。診断は、上記の症状による診断や、チネル徴候などのテストに加え、針筋電図も有効な検査です。患部を打腱器で叩き、その先の手や足に電気が走ったような痛みを発症するかどうかの神経学的検査法を、Tinel徴候、チネルサインと呼んでいます。

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【事案】

原付バイクで交差点を横断の際、右方よりの自動車と衝突、受傷したもの。救急搬送され、診断名は外傷性クモ膜下出血、頚椎・胸椎骨折、右鎖骨骨折、左肩鎖関節脱臼、肋骨骨折、右橈骨遠位端骨折、左小指基節骨骨折、右第3指骨折、右腓骨遠位端骨折など・・。

【問題点】

被害者バイク側に一時停止があり、大けがを負いながら、半分以上の過失減額が予想された。幸い、労災が適用され、治療費は減額なく済んだ。また、人身傷害への加入があり、過失分の回収余地はあった。

その前に、たくさんの受傷部位から、後遺障害を漏らさず認定させなければならない。左鎖骨は肩鎖関節の脱臼で、右鎖骨は骨折・・両上肢の痛み・不具合で難儀も2倍と思う。   【立証ポイント】

角度を工夫して、写真を撮って提出した。右鎖骨の変形は微妙で非該当、左鎖骨は明らかなピアノキーサイン(突出部を押すと沈む)が残り、認められた。しかし、左肩関節の可動域制限は認めなかった。一方、労災では可動域制限を認めた。まさに、画像から因果関係を検討する自賠責と、顧問医の触診により実態から判断する労災、両者の判定の違いを見せつけられた。

(令和5年1月)   ※ 併合のため、他部位の認定を分離しています。   

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 およそ、相談・受任の過半数は捻挫・打撲の軽傷に入るものです。ただし、その内から一定数は軽度とは言えない神経症状に陥り、通院が長びきます。そのような被害者さんに後遺障害14級9号をつけて、実利的な金銭解決を図ります。これが、弊所の考えです。

 一方、被害者さん及びご家族の人生を左右するような重傷案件も少なくありません。そのようなご相談に対しては、先約・予定を飛ばして直ちに駆け付けます。ご本人はもちろん、ご家族の心配は想像を絶するものがあります。できるだけ早く、今後の流れや予想される事態への対処を説明します。これで、ご心配は少なからず解消するものです。でなければ、精神的な疲労で参ってしまいます。

 周囲からの間違った情報や、定かではないネット情報に翻弄されず、正しい解決へのロードマップを引きます。解決まで計画的に進めなければなりません。やはり、ご相談は事故後、早ければ早いほど良いと言えます。死亡案件でも、同じことが言えます。業界の通例では、相手保険会社の対応は荼毘に付すまで、一般的には49日後になります。それまでは、ご遺族にはお見送りに専念することになります。

 死亡事故は取り返しのつかない事態です。秋葉事務所では、死亡の因果関係に疑義でもない限り、とくに調査・証明することはなく、諸手続きのお手伝いに留まり、直ちに弁護士に任せることになります。秋葉事務所の役目は限定的と言えます。生きていればこそ、事務所の力を発揮できるのです。勿論、ご家族の気持ちも、できれば命を取り留めて欲しかったと思います。

 死亡のご相談は、平均年間1~3件でしょうか。今年もすでに2件を数えました。わずかのお手伝いでも、心を込めて尽くしたいと思います。  

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 正中神経麻痺 (せいちゅうしんけいまひ)

(1)病態

 上肢には、腕神経叢から、正中神経、橈骨神経、尺骨神経、3本の末梢神経が走行しています。各々の神経の走行や支配領域は異なり、どの神経が障害されているかで、症状は異なります。腕神経叢からはじまった正中神経は、肘の前面を通り、手首のあたりで手根管の中を通過、それぞれ支配する指に枝分かれします。

 交通事故では、上腕骨顆上骨折で正中神経麻痺を、橈・尺骨の骨幹部骨折では、前骨間神経麻痺を、手関節の脱臼・骨折、手掌部の開放創では、手根管症候群を発症しています。同じ正中神経麻痺であっても、損傷を受けた部位で傷病名が変わることがあります。正中神経は前腕屈筋群と母指球を支配していますので、上腕骨顆上部でこの神経が麻痺すると、手は「猿手 = ape hand 状」に変形をきたします。

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 肘部管症候群 (ちゅうぶかんしょうこうぐん)   (1)病態

 尺骨神経が、肘部管というトンネルの中で絞扼・圧迫されているものです。肘の内側のくるぶし=上腕骨内上顆の後ろに、尺骨と滑車上肘靭帯で形成された肘部管というトンネルがあり、このトンネルの中を尺骨神経が通過しています。トンネル内は狭くゆとりがないため、外傷による打撃、圧迫、引き延ばしにより、神経麻痺を発症します。

 肘の内側のくるぶしの後ろをたたくと、痛みが指先にひびくチネルサインが陽性となります。フロメンテストも陽性となります。

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 弊所は、加害者の加入する自賠責保険に関する手続きが主要業務になります。しかし、事故とは常に相手がいるものでもなく、相手がいてもほんとんど自身の責任となる事故もあります。すると、頼りになる保険は、健保や労災はもちろん、自らの契約保険である自動車保険(人身傷害保険、自損事故保険)、その他傷害保険や共済でしょうか。それらに対する請求でお困りの方も少なくありません。これは今に始まったことではないのですが、微増傾向にあると思います。

 単なる入院・通院の日数から計算される保険であれば、それが間違っていなければ、増額交渉や手続きの必要はありません。やはりと言うか、お困りや相談の多くは後遺障害となります。何級が認定されるのか?に尽きるわけです。「保険会社に請求書と診断書を提出したところ、〇級との提示されました。これで良いのでしょうか?」とのことです。診断書の記載に問題があること、必要な検査が未実施であること、画像の評価が問題なしとされたこと・・・理由は様々です。それだけ、後遺障害の認定はシビアで、医師や保険会社に任せたままでは、思わぬ低等級、非該当を食らうこともあるのです。

 必要な検査を追加し、診断書に訂正・追記を依頼し、書面で詳しく事情を説明して再申請する・・被害者さんには中々にハードルが高いものです。そのお助けをする事務所は、地味ながら必要な存在と思います。秋葉事務所は保険金請求のプロを自負しています。今月も後遺障害案件で、自損事故の再請求について相談を受けています。    後遺障害に関する査定が低い・・保険会社の単なる払い渋りとは違うようです。専門的な審査が必要なので、自賠責保険へ諮問頂くと、認定精度は安定すると思います。  

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 精子・卵子が出来なくなった場合です。交通事故では珍しく、秋葉事務所でも認定は1件のみです。一方、勃起障害(ED障害)はいくつの相談・受任がありました。ざっと等級は以下の通りです。   (男子)

・常態として精子が存在しないもの = 7級相当   ・勃起障害、射精障害 = 9級相当    いずれも、単なる泌尿器科では対応できないことが多く、勃起障害を立証するリジスキャン検査を実施できる病院は限られます。   (女子)

・常態として卵子が形成されないものは7級相当     7級相当:生殖機能障害+11級10号:排尿障害(20代男性・東京都)   【事案】

 歩行中、自動車の衝突を受け、骨盤を骨折した。自動車は逃走したが、後に逮捕され、幸い任意保険の存在を確認できた。内臓損傷は数箇所に及び、大腸・小腸の切除と一時的な人工肛門の増設を含め、腹部に数度の手術を施行した。不幸にも、最初の術中に低酸素脳の状態が生じ、脳にも障害を残すことになった。主な症状を列挙すると、生殖機能、排便・排尿の障害、脳由来の神経症状から軽度の言語障害と易疲労性、体感バランス・筋力の低下、4肢の軽度麻痺、さらに、胸腹部・背部・臀部の広範囲に瘢痕・手術痕を残した。   【問題点】

 非常に多くの障害を残したことから、検査、診断書記載について、それぞれ担当した専門科の医師の協力を取り付ける必要があった。自賠責保険が規定する障害の系列について、立証作業を整理・構築でき、必要な検査を熟知している事務所に依頼できるか否か・・本件事故の解決の第一歩を誤ってはいけない。   【立証ポイント】

 ご本人・ご家族は各事務所を吟味し、その評価から弊所を選んでいただいた。ご期待に応えるべく、まず、後遺障害を系列ごと3つに作業を分類し、それぞれの主治医に面談を重ねた。生殖機能障害の立証については、2つの面から試みた。   続きを読む »

 泣きそうになりますが、以下等級を確認します。   (男子)

・両側の睾丸を失ったもの = 7級13号

・陰茎の大部分を欠損したもの「生殖器に著しい障害を残すもの」 = 9級17号

・一側の睾丸を失ったもの「胸腹部臓器の機能に障害を残すもの」 = 13級相当

(女子)

・卵巣喪失 = 7級相当

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 秋葉事務所には珍しい傷病名のご相談、受任が多いのですが、振り返るとシモの後遺障害も多数経験しております。排尿障害は毎度の症状で、件数も多いのですが、排便の認定は今のところ1件です。    シリーズ1回目は、排尿障害について実例から振り返ります。

 排尿障害とは、おしっこにまつわる後遺症です。大きく分けて、① 閉尿(尿がでない、でづらい、尿意が乏しい)、② 頻尿(尿の回数が頻繁になる、尿意がありすぎる)、③ 尿失禁(尿意がすると我慢できない、くしゃみ程度で漏れる、知らずに漏れてしまう)です。事故外傷では、主に腰椎・骨盤の骨折後、馬尾神経にダメージが加わると発生します。

   等級は程度に応じて、   ① 閉尿 = 9級11号・11級10号・14級相当 

 排尿検査(ウロフロー)の残尿量、あるいは糸状ブジー(※)の使用によって程度が決まります。    ※ ブジーとは?・・・食道、直腸、尿道、尿管、鼻涙管など、管状臓器の内径を拡張させるために用いる医療器具。    ② ...

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 ショーファー骨折 = 橈骨茎状突起骨折(とうこつけいじょうとっきこっせつ)

  (1)病態

 ショーファー骨折とは、橈骨茎状突起部の手関節内骨折であり、運転手骨折とも呼ばれています。交通事故では、運転手がハンドルを握った状態で骨折することが多く、この別名がついています。自転車で横断中、自動車との衝突で、手のひらをついて転倒したときにも、この骨折が起こります。

 手関節において背屈・橈屈の強制で起こり、茎状突起が舟状骨と衝突します。よって、舟状骨骨折も視野に入れて治療が行われています。

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 橈骨遠位端骨折からもう一つ、バートン骨折を解説します。コーレス骨折、スミス骨折、バートン骨折は、いずれも橈骨の遠位端骨折ですが、バートン骨折は橈骨遠位端部の関節内骨折ですから、橈骨遠位端骨折の中では、重症例です。

橈骨遠位端骨折について、より細かく診断名とした分類は以下の通りです。

   (1)病態

 バートン骨折は、スミス骨折の一種であり、橈骨の前方部分だけに骨折のあるものをバートン骨折と呼んでいます。橈骨の関節内骨折であり、骨片とともに手根骨が背側あるいは掌側に転位することから、橈骨の手関節における脱臼骨折と覚えてください。遠位骨片が手根骨とともに背側に転位しているものを背側バートン骨折、掌側に転位しているものを掌側バートン骨折と呼びます。

 交通事故では、自転車やバイクに乗車中の転倒で、手のひらをついた際に、橈骨遠位端部が手関節部で骨折するのですが、橈骨・手根関節脱臼骨折であり、靭帯や関節包を損傷していることが多く、難治性です。症状は、事故直後から、手関節の強い痛み、腫脹、関節可動域の制限が起こります。手関節に変形が見られることも多く、手指に力が入らず、十分に握ることができません。骨折部は不安定であり、反対側の手で支える必要があります。手指にしびれが生じ、後になって、親指の伸筋腱が切断されていることが発見されることもあります。   (2)治療

 ほとんどで、関節靭帯や関節包の損傷を合併し、整復も難しく、手術が選択されています。

 受傷直後のXPで、関節面の転位が2mm以上認められる関節内骨折では、完全な整復の必要から手術が選択されています。橈骨の短縮は5mmが許容範囲であり、6mm以上は疼痛や前腕の回内・外障害が予想されるところから、やはり、手術が選択されることになります。

 術後、小指側の手関節に慢性的な痛みを感じるときは、尺骨の茎状突起部の偽関節の可能性が予想されるところから、XP、CTで確認しなければなりません。関節外骨折であっても、背側に20°以上転位しているものは、手術が必要となります。    (3)後遺障害のポイント   Ⅰ.

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(1)病態と治療

      コーレス骨折・スミス骨折は、橈骨遠位端骨折のことです。橈骨は上腕2本の骨の親指側の骨です。遠位端とは、その手関節に近い部分のことです。大まかにいえば橈骨遠位端骨折ですが、その折れた方向によって、それぞれ名前が付けられています。医師によって診断名にバラつきがあります。印象では、コーレス・スミスのように折れ方がはっきりしていない場合、橈骨遠位端骨折と付けているようです。   手の甲側に折れた=コーレス骨折    手のひら側に折れた=スミス骨折    倒れたとき、手をついた際、橈骨遠位端骨折が生じますが、手のつき方で折れた方向が2分します。転倒時に手の平をついて倒れたときは、Colles(コーレス)骨折、手の甲をついて倒れたときは、Smith(スミス)骨折となるようです。

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 先月のセミナーからのテーマです。地方で活躍している保険代理店さん向けの内容です。題目は「弁護士の選び方」です。60人を超える弁護士と仕事をしてきた経験から語りました。

 Zoomなど、通信手段が発達した現在、依頼者様との距離感はぐっと縮まった感があります。地元の先生を第一に考えることも捨てがたいと思いますが、弁護士を探す範囲を広げてはいかがでしょうかとの提案をしました。以下、レジュメから抜粋します。

 日弁連設立当初の弁護士人口は5,800人、その後増加し、2024年9月1日現在で45,694人となっています。2001年の司法制度改革の影響から、この20年で2倍以上に急増しています。その内、東京都の弁護士は22,655人ですから、日本の弁護士のおよそ半分が東京にいることになります。

 この統計から、専門性の高い弁護士は、東京に多く存在し、HPも豊富ですから選びやすいと言えます。もちろん、地域の法律事務所の存在こそ地元を支える、無くてはならないものです。ただし、地元先生は、ある分野に専門特化するより、幅広く地域の依頼・事件に当たる必要があります。何でも屋にならざるを得ない環境と言えます。一方、東京の弁護士は飽和気味、特徴のない何でも屋は埋もれてしまう傾向です。東京の弁護士は1~2つの分野に造詣深く、専門特化した事務所が切磋琢磨の状態なのです。

 秋葉事務所でも、この数年、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬のような通勤圏はもちろん、山梨、静岡、長野、福島を超えて、全国から普通にご相談・ご依頼があります。弁護士を探している被害者さんも、相談内容によっては選択を広げる必要があります。例えば、地元の先生に頼みづらい相続や家族問題、その代表的な案件は離婚です。これも、奥様からの希望の多くは「女性弁護士」です。理由はよくわかります。地場産業や地元企業と戦う場合も、地元の弁護士より、完全なよそ者の方がやりやすいことが多いのです。もちろん、交通事故においても、弁護士の力量に差が出る案件が少なくありません。    求められる代理店の理想像は、事故や悩み事の中継センターです。各種の専門家のネットワークが、直ちに顧客様の利益につながるはずです。多くの専門家を確保することが代理店様の実力であり、持続的なテーマと思います。  

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 一つは、交通事故治療に関して何度もお世話になっていた院です。いつも混んでいる院ですが、先生がお一人で診察をしているので、大変だなぁと思っていたところです。閉院まで通っていた秋葉事務所の依頼者さんも、急遽、転院となりました。

 もう一つは同行したことがない院です。現在の依頼者さんが一時期通っていたので、後遺障害申請にてその院のレントゲンが必要なのですが・・電話がつながりません。外見も完全に閉院したそうです。どうしよう・・。

 10月だと言うのに、気温30度超えの片浜駅。過疎化の波は病院にも・・・。  

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 都心では古い施設はどんどん無くなっています。昔ながらの銭湯はもちろん、大型化したスーパー銭湯も巨大資本のプロデュースした施設が優勢です。旧いものは廃れ、流行りの美麗な施設に入れ替わっていくものです。

 地方都市では、まだ昭和の香がする施設は健在です。今回の飯田出張に選んだのは、そんなスーパー銭湯+ホテルが合体したものでした。昭和っぽさで言えば、宴会場も充実しています。毎度、ビジネスホテルのカラッカラに乾燥した空気や、部屋の半分を占めるベッドに辟易していますが、この施設は和室なのです。同じ1泊5~6千円を支払うなら、断然、和室に軍配です。

 その名も地名から名づけられたようで「砂払温泉」。↑ 見た目も激渋の威容です。温泉を名乗るも、温泉法に定める温泉ではないと思います。法整備のない昔から温泉を名乗っているのかと思います。

 この日は、東京から4時間余りバスに揺られて飯田駅に到着です。駅からおよそ1kmなので、てくてく歩きましたが、折悪く急な土砂降りに見舞われ、部屋に入るなりシャツとズボンを絞って干すことに。そのまま、浴衣を羽織ってお風呂へドボン。日曜日でしたが、浴室は混雑もなく、のんびり浸かることができました。夕食は近所の町中華で済ませました。

 次回の宿泊はどこにするか・・目ぼしい宿が見つからなければ、またここにしようと思います。  

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重要な事です!

 通勤中や業務中に交通事故にあった場合、相手方への請求に加え、労災への給付申請が可能なことはみなさんご存じかと思いますが、本来であれば双方から満額(逸失利益や休業損害など重複するものは控除されます)もらえるはずが、この知識が欠落したために労災の給付が満額もらえない!?といった可能性がございます。

 今回は被害者の方が行使するものというより、これを知っている弁護士に任せないと損しますよ?という内容です。

 例えば、通勤中にAさんは後続車に追突され、頚椎捻挫を負ったとしましょう。半年通院したが、症状が残存したため、自賠責保険に後遺障害申請をした結果、非該当という結果となり、弁護士さんに賠償交渉を依頼、示談になったとします。そのあと労災にも障害給付申請をしたところ、14級が認定されたとします。この場合、通常であれば、障害(補償)給付が56日分、障害特別支給金が8万円、障害特別一時金が56日分(ボーナスがある方のみ)をもらえますが、「ある一定の文言」が示談書になければ、障害(補償)給付がもらえなくなります。    なぜかというと、労災は示談を行う場合に下記説明をしているのです。    示談を行う場合について~東京労働局HPより抜粋~

 なお、労災保険の受給権者である被災者等と第三者との間で被災者の有する全ての損害賠償についての示談(いわゆる全部示談)が、真正に(錯誤や脅迫などではなく両当事者の真意によること。)成立し、受給権者が示談額以外の損害賠償の請求権を放棄した場合、政府は、原則として示談成立後の労災保険の給付を行わないこととなっています。      解決方法としては、示談の際に「労災の給付については除く」や「今後も労災保険による補償を受ける」という文言を明記する必要があります。もちろん示談前に労災を取り切ってしまっても問題ありませんが、自賠責保険での等級>労災での等級となった場合には、賠償交渉で弁護士が不利になりますのでその点も注意が必要です。

 何にせよ、適切な方法を知っている専門家を探していただくことが第一です。  

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 本日は代理業協会のwebセミナーにて講師を拝命、2時間で2テーマを務めました。

 第二部は「弁護士の選び方」などと、大仰なテーマでしたが、レジュメの作成段階でびっくりの統計を目にしました。それは、各県の弁護士数です。まず、以下の表をご覧下さい。 (弁護士会発表)

   日弁連設立当初(1949年)の弁護士人口は、5,800人、その後増加し、2024年9月1日現在で、45,694人となっています。2001年の司法制度改革の影響から、この20年で2倍以上に急増しています。

 その内、東京都の弁護士は22,655人ですから、日本の弁護士のおよそ半分が東京にいることになります。

 弊所でも病院同行の多い山梨県は・・たったの126人です。これでは地方の弁護士過疎も理解できます。  

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 中央林間なら数度ありますが、病院同行先としては初めて降り立った町です。弊所では、この辺一帯をディープ神奈川と呼んでいます。 ↓ 改札から見下ろすホームは、まるでヨーロッパの駅舎のようでした。

 駅を降りるとすぐショッピングアーケードとなる計画都市です。通常は駅ビルで展開するはずが、これは中々におしゃれです。早々にハロウィン仕様となっていました。

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 ガレアッジ骨折 = 橈骨骨折 + 尺骨の肘関節脱臼   (1)病態

 橈骨骨幹部骨折に伴い、尺骨頭の背側に脱臼を生じたものをいいます。先に説明しているモンテジア骨折の逆バージョンです。

 XPで「単なる腕(橈骨)の骨折」とされ、肘関節までXPを行わないと、尺骨頭の脱臼を見逃します。町の整形外科では、あり得る話です。また、血管や神経などの軟部組織が損傷しているときもあるので、MRI、神経学的検査、関節鏡検査、筋委縮検査も必要となります。   (2)治療

 一昔前はギプス固定が主流でしたが、現在はプレート固定術が選択されます。整復が不十分では、回内・外運動に機能障害を残します。   (3)後遺障害のポイント

Ⅰ.

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