どんなスポーツ、競技でもオフェンス(攻撃)とディフェンス(防御)の場面に二分されるものです。どちらかに偏重しようと、片方を完全に捨てることはないはずです。これは、自動車保険にも当てはまる概念です。 自動車保険における攻撃面、これは賠償保険に置き換えられます。加害者になってしまった時、人をケガさせてしまった場合の対人賠償、相手の「物」を壊した場合の対物賠償、これら賠償問題の解決に自動車保険は絶対に必要です。一方、被害者になることも想定すべきです。ケガをさせられた場合の人身傷害、自動車をぶつけられた場合の車両保険が代表的です。他に、無保険の自動車から重度の障害を被った、あるいは亡くなった場合、人身傷害保険を越える損害額となれば、無保険車傷害保険の対応が加わります。無保険車傷害は、ほとんどの保険に自動担保されています。また、相手への賠償請求を弁護士に委任する場合、その費用負担となる弁護士費用保険も、ディフェンスの保険と言えるでしょう。
この内、人身傷害保険と車両保険は、自身の単独事故による自らの損害を補填することだけに目が行きがちです。掛金が高いので、どうしても、「自爆事故はいいや」と補償を削る傾向なのです。しかし、任意保険をつけていない加害者から、”自らを守るための保険”でもあります。これにも、保険加入の意味が十分にあると思います。皆、自爆事故にはある種の諦めがありますが、他者にやられた場合はそうはいきません。憤慨やる方ない状況に置かれるはずです。そして、何より、無保険の人が「すみません、修理費は全額きっちり払います、治療費も慰謝料も十分に補償させて頂きます」とお財布を開くことなど、ほとんどありません。たいてい、「自分は悪くない」「修理費が高すぎる」とごねて、終には「お金はありません」と居直ることが圧倒的なのです。
事故のおよそ40%は被害事故です。被害に遭った場合、相手が自動車保険に加入しており、かつ、常識的な人であれば、なんとか相手からの補償で解決できます。しかし、日本損害保険協会の統計上、通年約20%前後が任意保険に未加入との現実があります。つまり、街を走る自動車の5台に1台は無保険なのです。意外と思われる多さと思います。しかし、私の経験では、相談会に被害者さんが10名いらっしゃると、その内、1~2名は相手が無保険で・・との相談になるので、「やはり、統計通り」と思います。だからこそ、ディフェンスの保険がより大事に思えるのです。
保険代理店さんがお客様に自動車保険をお勧めする時、車両保険の説明で多くの時間を割くことになります。なにせ、賠償保険だけの保険に比べ、掛金が2~3倍になるからです。掛金が高いことイコール、それだけ事故が多く、保険金がかさむからに他なりません。しかし、ギリギリの家計の中、掛金の負担はできるだけ抑えたいのが人情です。人身傷害保険は個人加入の保険では100%近い加入率です。ただし、車両保険に加入していない方は半数と思います。この方々は対人・対物賠償により、加害者になった場合は保険会社任せでOKです。賠償金の負担と煩わしい(加害者としての)交渉をせずに守られます。ただし、やられた場合、それがケガであれば、最悪、人身傷害でカバーできますが、車両保険に入っていなければ、相手から取るしかないのです。そして、無保険の相手がすんなり修理費を払ってくれることなど、実は大変珍しい現象です。また、仮に自動車保険(対物賠償)に加入している人であっても、過失割合でもめにもめます。これが、交通事故で一番多い紛争になるのです。 東京海上日動さんの優秀な代理店さんは、トップクオリティⅢと社内で表彰されています。売上が一定規模を越えていることが条件ですが、そのレベルを維持する為に、損害率=事故の少なさも重要な評価ポイントになります。トップの保険マンは、「車両保険に加入しない場合、そのお客さまは謝絶します」とまで、徹底しています。理由は、「被害事故の場合、必ずもめる」からです。先の説明の取り、車両保険に加入しているお客様は、加害事故・被害事故の双方で守れますが、車両保険が無い場合、助けきれないことが頻発するのです。そのようなお客さまを抱えていては、経営効率が低下、クオリティの維持ができないと、割り切ってしまいます。かなり、思い切った経営判断と言えます。それほどまでに、徹底しているようです。
自動車保険加入の動機は、大きく加害事故(オフェンス)と被害事故(ディフェンス)対策になります。どこまでの補償を求めるか・・悩ましい問題です。私達のような仕事をしていますと、被害者の悲惨な事故を多く見ていることから、ディフェンスこそしっかり確保したいと考えます。掛金は高いですが、万全の補償で「金持ちケンカせず」を実現したいものです。

だから、交通事故業界に私達が必要とされているのです



”労災を使わせないようにする” こと、これが労災請求の影の部分と言えます。ここで、冒頭の話に戻ります。百歩譲って、会社側が労災請求に勘違いがあっても仕方無いと言えますが、指導する立場である顧問社労士が間違った誘導をすることがあまりにも多いのです。労災を認めない社長の言い分でよく「顧問社労士に聞いたら、労災はでないから」、「社労士がダメと言った」などが多いのです。理由は、その社労士に顧問料を払っているのは社員さんではなく、社長さんだからに他なりません。社長の意に沿うよう働くのが顧問の存在意義と言えます。ケガをした気の毒な社員であっても、”肩入れなどしない”立場なのです。それ以外の理由としては、社労士が単に勉強不足、あるいは面倒だからでしょうか。
社労士先生は企業側、あるいは社長の味方である以上、労働者は自ら請求手続きを押し通すしかないのです。もちろん、労災請求に理解のある社長さんと、それに協力的な社労士先生もおりますが、残念ながらそのようなペアは小数に感じています。とてつもなく多くの被災者が、労災請求を断念しているのではないでしょうか。
被災者は誰を味方に付けるのか? 労災請求の専門家は? もう、答えはおわかりですね。
困った被災者が、このHPにたどり着く事を祈るばかりです。





↑ のイラストは、胸郭を輪切りにしたものです。
メインロードはこんな細い路地が続きます。平日とは言え、2日間一切通行人を見ませんでした。当然、コンビニなどありません。商店は4~5軒ありますが・・まず開いていません。
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自転車搭乗中のヘルメット使用ですが、ついに全国的に努力義務となったようです。ここ数年、死亡事故が年間4000人代と減少傾向になっています。その3割前後は自転車が絡んでいる事故です。
今日は交通事故セミナーで大宮へ。自転車事故に絡めて、交通乗用具の各社比較をテーマとしました。重傷と思ったら、いち早くご連絡を頂きたいものです。
衝撃の大きい追突や、衝突によるバイク・自転車からの転落で腰椎横突起骨折は発生しています。




