佐藤イラストsj佐藤です

 心臓震盪という言葉をご存知でしょうか?    私も依頼者様から伺って初めて知った傷病名です。脳震盪はよく聞くのですが、心臓震盪…。

 心臓震盪とは、「胸部に衝撃が加わったことにより心臓が停止してしまう状態」だそうです。※1比較的弱い衝撃によって起こることが多いらしく、スポーツ中のお子様や若年層に多い症状ですが、一般的に広く知られてはいないようです。

※1:「比較的弱い衝撃とは、胸骨や肋骨が折れたり、心臓の筋肉が損傷するような強い衝撃ではなく、子どもが投げたボールが当たる程度の衝撃です。」

 心臓震盪は衝撃の力によって心臓が停止するのではなく、心臓の動きの中で、※2あるタイミングで衝撃が加わったときに、※3致死的不整脈が発生することが原因と考えられています。

※2:「あるタイミングとは、心臓の収縮のための筋肉の興奮が終わり始める時で、心電図上でT波の頂上から15-30msec(15-30/1000秒)前のタイミングです。」

※3「致死的不整脈とは、心室細動を起こしている状態です。」

hart  調べてみると、まだ1990年代から北米で研究が始まったばかりの傷病名です。ほとんどが前述したスポーツであり、18歳までに多く発症しています。確かに交通事故であればハンドルや転倒時に胸部を強打することもあるので、可能性はあります。しかし、頚椎捻挫や腰椎捻挫と同様に器質的損傷がなく、立証は難しいと思われます。やはり、初期から診断名又は症状を訴えているかどうかの一貫性が鍵になってくるかと思います。しかし、心臓震盪にリハビリが必要でしょうか?リハビリが必要ではないのであれば、どのようにして一貫性を主張すればよいのでしょうか?また、交通事故との因果関係が頚椎捻挫や腰椎捻挫以上に難しいのではないかと考えます。

 この分野はまだ歴史が浅く、整形外科ではなく、循環器内科かもしれません。交通事故はほとんどが整形外科での治療ですが、今後は循環器内科の医師に後遺障害診断書をお願いしに行くときがあるのでしょうか・・・。

 参考文献 心臓震盪から子供を救う会 http://narumi-ecl.co.jp/shinzou-shintou/index.html  

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佐藤イラストsj久々に投稿!

 リハビリってどんな整形外科に通院すればいいの?と迷ってしまう方も多いはずです。今回は弊所が気付いた、ちょっとしたことをお話いたします。     毎月たくさんの病院や整形外科等に伺うのですが、初めて同行する際にはまず、病院の受付の方に注目します。受付は患者さんが真っ先に向かうところです。その受付の方たちの対応でその病院や整形外科の雰囲気や先生の感じまで分かってしまうのです。もちろん数多くの病院へ同行している弊所だからこそわかる部分も多いのですが、被害者の方でも少し分かる部分があるかと思います。

 例えば、受付の方がいつも笑顔で、楽しそうに仕事をしていたり、患者さんとのコミュニケーションもしっかりしている、仕事もテキパキしている、初めての方への対応も丁寧で優しい等です。あとは受付や事務の方々の年齢層も私はよく見ます。  若い方々のみでも年配の方々のみでもなく、いろんな層の方々が一緒に働いているところはいい病院が多いと思います。

 ただ、やはりそのような病院や整形外科は大抵人気があるので、待ち時間が長いというデメリットもあります。皆様がどの点に重きを置くかはそれぞれのご判断でいいとは思いますが、後遺障害申請を狙うのであれば、病院や整形外科の雰囲気に着目してみてはいかかでしょうか。  f_u_42  

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佐藤イラストsj 本日は佐藤が担当します

 先日、病院同行にて主治医が患者さんにこのようなことを仰っていました。

 「あなたは標準体型よりも太っているから、その分頚部に負担がかかっている。まずは減量をしてみてはどうか?頚部の痛み等も軽減する可能性がありますよ。」

 このように仰ったあと、主治医は患者さんのBMIを計測し始めました。

 BMIとは、Body Mass Indexの略で「ボディマス指数」や「体格指数」とも呼ばれているそうです。肥満度を表す指標として用いられます。肥満の基準は国によって異なりますが、日本の基準では以下のようになっています。

 日本肥満学会の肥満度判定基準(出典:日本肥満学会) 

BMI 肥満度判定 18.5未満 低体重(やせ) 18.5~25未満 普通体重 25~30未満 続きを読む »

佐藤イラストsj本日は佐藤が担当します

 最近、依頼者との病院同行や相談会で静岡に行く事が多くなりました。依頼者様と一緒に整形外科を探すことがあったのですが、【交通事故】というワードを言っただけで断られてしまったり、「交通事故として通院しないのであれば診ます」というようなところが多いような気がします。東京と違い、地方では整形外科の数もそこまで多くないので選ぶことが難しいということもあり、毎回苦労しています。しかし、どこにでもたくさんあり、交通事故でも受け入れてくれるのが「接骨院や整骨院」です。被害者の皆様にとってはとても心強い存在でもあるのですが、一度通院してしまうと抜け出すのがさらに大変になってしますのです。

c_g_a_13 先日、静岡の病院同行で、整形外科の中にこんな張り紙がしてありました。

 「交通事故で通院される方へ 当院では、接骨院、整骨院との併用通院はご遠慮していただいております。併用されている場合には、交通事故としての書類等は記載いたしませんのでご了承ください。 また、事故から一定期間、接骨院や整骨院で治療された方は、交通事故との因果関係が不明瞭になってしまうため、当院での治療をお断りさせていただきます。」    確かに気持ちは分かりますが、少し大人気ないのでは?と思ってしまうのは私だけでしょうか。交通事故に遭い、一定期間の治療で完治するのであれば接骨院・整骨院はいいと思います。腕のいい先生もたくさんいらっしゃいますし、夜遅くまで営業しているため仕事終わりに通院出来ます。

 しかし、交通事故においては整形外科をお勧めします。機械でのリハビリが主ですが、中には柔道整復師や理学療法士が勤務していて、マッサージ等をしている整形外科も増えてきています。やはり、まずは医師の診断(判断)のもとで治療を受けていただく事が大事です。ご自身の治療ないしは、後遺症が残った場合の障害認定や賠償問題に、その治療実績が生きてくるのではないでしょうか。  

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山本さんイラストsj  山本です。現在、高次脳機能障害の依頼者様を担当しています。      交通事故で高次脳機能障害となる方の家族や本人から相談が来ることがあります。

 脳を損傷したり、血腫で脳を圧迫したりした場合、様々な症状が現れます。記憶力が低下してたり、事故前と事故後で人格が変化したりした、等多種多様です。

 高次脳機能障害を立証するにあたっては、その人の事故前と事故後の変化を分析し、病院にその症状の立証に必要な検査を依頼したり、検査ができない病院であれば検査先を紹介して頂いたりする必要があります。医師は被害者の事故前を基本的に知りません。よって、人格が変化したり、記憶力が低下してももともとそういう人だったとしか見ない場合があります。脳を損傷した場合には、医師に事故前と事故後との変化を伝える必要があります。

 高次脳機能障害は脳の損傷部位によって現れる症状が変化します。これは、脳の部位によって働きが異なるからです。

 一般的には以下のように考えますが、その部位を損傷したからといって必ずその症状が現れるとは限りません。これも個人差があります。また、その部位を明確に損傷したわけではないが、その部位を損傷した場合にあらわれる症状を発症することもあります。現状の考え方はまだ脳の構造が明確になっていないところがあるからです。

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(1)前頭葉

前頭葉(左右含む)→遂行機能障害(旅行の計画を立てたりできなくなる)

左前頭葉→非流暢性失語(話すとき突っかかってしまう・ブローカー失語)   (2)側頭葉

左側頭葉→流暢性失語(話し方は流暢であるが、中身が意味不明な会話になってしまう)・聴覚失認(会話を理解できない)

右側頭葉→地誌的障害(迷子になったり、自分がビルの何階にいるのかわからなくなったりする)

両側側頭葉の内側→記憶障害(見当識障害)(日時、場所、人の名前を憶えられない等)    (3)頭頂葉

頭頂葉→失行症(日常生活の動作がわからなくなる、道具の使い方がわからなくなる)

右頭頂葉→半側空間無視(視界に入る情報の半分が脳で認識できず、何かにぶつかっても気づかなかったり、並べられた食事を半分は全く手を付けずにいたりする)   (4)後頭葉

後頭葉→視覚失認・相貌失認(人の顔を覚えられない)     先月の某新聞に、脳の構造や働きに関して180の領域に分けたと米ワシントン大のチームが英科学雑誌ネイチャー(電子版)に発表したという記事が掲載されていた。脳の構造はいまだ謎なところが多くあり、前述したように、損傷部位と症状が合致しないこともあります。

 しかし、脳の構造が解明されていけば、医師が家族でしか知りえない症状についても、脳の損傷部位から推測でき、効率的に検査ができれば治療やリハビリ、今後の生活で起こりうる支障等について診察ができるようになる可能性もあります。  

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 骨折の後遺障害は画像審査に尽きます。

 関節が曲がらない、痛みが残った、骨が出っ張っている・・その根拠はすべて画像です。1.受傷時の折れ方、2.手術の固定後、3.癒合状態、この3段階を観れば、訴える症状が裏付けられます。 20140508_6  秋葉事務所では医師面談の際、出来るだけ医師と一緒に画像を観て、予想される後遺症の検討、もしくは、現実に訴えている症状との照らし合せを行っています。ここでの判断が審査側である自賠責・顧問医と同じ見解になれば、問題なく等級が決定します。

 したがって、骨折案件は申請前にほぼ等級の予断が可能です。あとは、間違いの無い等級に収めるべく、該当所見について医師に診断書への記載を求め、関連する必要資料を集積するだけです。

 等級申請とは、当てずっぽうにくじを引くような作業ではありません。自賠責の判断を正確な事実に導くために、審査側に問題点をわかりやすく示し、その審査を助ける材料を集めて預ける作業です。

 これが秋葉事務所が提唱している”被害者側の医療調査”です。  

12級13号:踵骨開放骨折(50代男性・東京都)

【事案】

バイクで交差点を横断中、対抗右折自動車と衝突。右股関節の寛骨臼、右足の踵骨を骨折した。 続きを読む »

佐藤イラストsj 佐藤です    「一般用医薬品」とは、医療用医薬品として扱われる医薬品以外の医薬品をいう。すなわち、一般の人が薬局等で購入し、自らの判断で使用する医薬品であって、通常、安全性が確保できる成分の配合によるものが多い。一般用医薬品には「第1類から第3類」に分類されています。

 「第1類医薬品」とは、副作用等により日常生活に支障をきたす程度の健康被害が生ずるおそれがある医薬品のうち、特に注意が必要なものや、新規の医薬品が該当します。また、薬剤師による書面を用いた情報提供が義務付けられているため、薬剤師常駐の薬局やドラッグストアでしか購入することが出来ず、薬剤師が不在のタイミングの場合も購入することが出来ません。要指導医薬品と同様にすぐには手の届かない場所に陳列することとされています。

 「第2類医薬品」は、第1類医薬品以外で、副作用等により日常生活に支障をきたすほどの健康被害が生じるおそれがある医薬品が該当します。「第2類医薬品」の中でも、特に注意を要するものは「指定第2類医薬品」とされており、薬剤師、登録販売者がいる情報提供場所から7m以内に陳列しなくてはなりません。

 「第3類医薬品」は、上記の「第1類医薬品」と「第2類医薬品」に該当しない、比較的安全性の高い医薬品です。

 例でいうと「指定第2類医薬品」に「ケトプロフェン」が含まれているのですが、処方される「モーラステープ」と同様です。ただ、商品名ではオムニードケトプロフェンパップ等で販売されています。「第1類医薬品」には交通事故や風邪等でも使用頻度が高い「ロキソニン」が含まれています。ロキソプロフェンと処方されている方も多いかと思います。

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 ちなみにですが、ロキソニンSは2011年1月から第一三共ヘルスケアから販売が開始されました。今ではすっかりおなじみとなりましたが、当時としては画期的だったようです。しかし現在でも、「ロキソニンって市販のものよりも、病院で処方されたものの方が効くよね。」という方が多いのです。実際に私もそう思っていました。しかし先日、薬剤師である友人にロキソニンの事を聞くと「実際には、ほとんど成分は同じだから違いはないよ。」とのこと。実際にはわかりませんが、本当に効果の違いがあるのか、はたまた服用される方の思い込みによって違いが出ているのか、薬剤師の中でも意見や議論が絶えないようです。  

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 患者さんが主治医に「他の病院で診てもらいたいのですが・・先生、○○病院への紹介状を書いていただけませんか?」と切り出しました。  ・・セカンドオピニオンのためです。

 すると、主治医の顔色が変わって、「俺の診断が気に入らないのか! 勝手にしろ! 他の病院へ行って、もう来なくて結構!」昔はこのように、気分を害して怒りだす先生がいたそうです。

 私もかつて、頑固なおじいちゃん先生で経験しています。最近はセカンドオピニオンがすっかり一般的となって、医師は医大で複数の医師の診断を仰ぐことの大事さを学んでいます。よい医師ほど、「他の医師の見解、治療方針を聞くことも治療の一助になる」と、まさに患者本位に考えます。

 医師は患者の傷病について、その治療実績があれば、症例についての見立て、治療方法を実践できます。しかし、患者を前に「う~ん」と考え込む医師とその病院は、つまり、症例がないのです。すると、「様子を見ましょう」と場当たり的にお薬をだすだけです。それならば、症例のある病院や医師に紹介状を書いて送り出して欲しいものです。 c_g_a_34

 重傷者はその人生がかかっています。医師に気兼ねすることなく、複数の治療方法を吟味するべきでしょう。これは患者の権利ではなく、自己責任ではないかと思います。    しかし、一つだけ注意点があります。セカンドオピニオン先の医師に、今までの治療経過や前医の見解を十分に伝えることが重要です。今まで診てきた医師との連携なく、突然、別の医師に切替えれば、新しい医師は今までの治療経過を参考にできません。その点、前医との円滑な連携が必要です。

 本日の病院同行ではそれを強く感じました。紹介状にできるだけ、治療経緯を記載頂き、何か不測の事態が起きた場合に対応できるよう、前医師と引き継ぎ医師の情報伝達をスムーズにしなければなりません。これも、私達メディカルコーディネ-ターの役割の一つと思います。  

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佐藤イラスト 今日は佐藤が担当します  要指導医薬品とは、次のアからエまでに掲げる医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされており、かつ、その適正な使用のために薬剤師の対面による情報の提供及び薬学的知見に基づく指導が行われることが必要なものとして、厚生労働大臣が悪事・食費寧製審議会の意見を聴いて指定するものである。   ア その製造販売の承認の申請に際して、新法第14条第8項第1号に該当するとされた医薬品であって、当該申請に係る承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないもの イ その製造販売の承認の申請に際してアに掲げる医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能、効果等が同一性を有すると認められた医薬品であって、当該申請に係る承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないもの ウ 新法第44条第1項に規定する毒薬 エ 新法第44条第2項に規定する劇薬

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win  前回で子供が骨端線や骨端核を損傷しても、後遺障害等級が認められる可能性は極めて低いことを述べました。しかし、他方で、骨端線や骨端核を損傷しているだけではなく、同じ部位で骨折もしている場合があります。

 骨折しているかどうかはレントゲンで確認できる場合もありますが、関節等を骨折している場合がありますので、わかりやすいCT画像での確認も医師にお願いしてみてください。

 子供の場合は大人に比べて骨折後の骨の癒合するスピードが速く、回復が早いです。よって、子供の場合は、大人に比べて骨折でも等級を狙うのが難しくなります。

 ところが、稀に骨折後、骨片が残存する場合があります。痛みが続いており、かつ骨片が残存している箇所と一致している場合には、14級9号、12級13号が認められる可能性があります。

 先程述べたように、子供は大人よりも骨の癒合スピードが速く、回復が早いです。よって、等級を狙うのであれば、事故から半年が経過した場合、すぐに症状固定をする必要があります。

 この点、症状固定せずに、数カ月で完治できるのであれば、医師と相談して検討した方がいい場合があります。骨片の場合ですと、手術する必要性も検討しなければなりません。

 子供にその判断を求めるのは現実的ではありません。

 親や親戚の大人、主治医が、子供にとって何がいいのかを真剣に考える必要があります。

 子供のお怪我には、損傷部位だけではなく、症状固定時期にもご注意を。  

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win  子供の骨には大人と違い、骨端線、骨端核というものがあります。これらは、成長軟骨のことをいい、骨の隙間に線や分裂した骨を指します。 kottannsen  成長の過程で、骨端線や骨端核が徐々に消えていきます。大人の骨になると骨端線等は基本的に消えますが、稀に跡が残っている場合があります。この跡はレントゲンで薄く線が見えることがあります。

 骨端線は、主に長骨の端の部分にある骨幹と骨端の境目部分に見えます。例えば、腕や足の骨、指の骨の端にあります。骨端核は、主に踵や膝、肘に見えます。骨端核の場合、線状というより、骨の欠片のように見えます。  これら骨端線等は交通事故外傷により、損傷することがあります。骨端線損傷により骨端線が広がったり、骨の位置がずれてしまったりすることで痛みが生じます。治療方法としては、骨のズレを整復後、ギプス等で固定し、骨癒合を待ちます。

 子供の骨端線損傷の場合は、成長過程で骨の癒合するスピードが大人よりも早く、症状固定時期(およそ事故から半年後)にはきれいに骨が癒合する場合が多いです。

 その際に痛みが残存する場合がありますが、基本的に後遺障害の対象ではありません。何故なら、骨端線や骨端核の損傷による痛みは成長と共に消えていくため、将来にわたって残存する症状ではないからです。

 なお、骨端線等を損傷することで骨の成長に左右差(怪我していない方との比較)が出ることがありますが、基本的に左右のバランスが成長と共に取れてきますので、左右差が出ることは少ないです。また、仮に事故(怪我)から数年経過後、左右差が出たとしても、その事故(怪我)によって左右差が出たことの因果関係は不明と判断されることが多く、また、医師もその事故(怪我)が原因でなったと診断するのは非常に困難です。

 以上から、子供の骨端線等の損傷で後遺障害等級が認められる可能性は極めて低いといえます。  

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mikurasu

 「医療用医薬品」とは、医師若しくは歯科医師によって使用され又はこれらの者の処方箋若しくは指示によって使用されることを目的として供給される医薬品のことを指します。

 ちなみに「医療用医薬品」も新薬(先発医薬品)とジェネリック医薬品(後発医薬品)に分けられます。 交通事故に遭われた場合には、ロキソニンやリリカ、トラムセット等を服用している方も多いと思います。ロキソニンは、ジェネリック医薬品も多数出ているのですが、リリカ、トラムセットはまだ日本では認可が下りていないようです。他にもノイロトロピン等様々なものが処方されています。

 神経症状に効果があるとされるリリカやトラムセットですが、強力な薬品になればなるほど副作用も強いのです。リリカの副作用としては眠気が一番多い症状です。25㎎、50㎎、75㎎と3段階あるので、処方された場合には主治医と話し合ってご自身にはどの量がいいのか決める必要があります。  17666

 トラムセットはオピオイド系の医薬品で、モルヒネのような成分を含んでおり、特に症状の重い方以外はなるべく服用を避けた方がいいかもしれません。副作用はやはり眠気が多いのですが、吐き気や嘔吐等の症状が出る場合もありますので、注意が必要です。どちらも夜にのみ処方されるケースが多いのですが、車を運転したり、お仕事をされる場合には危険ですので、要注意です。

 厚生労働省は、ジェネリックの使用促進に力を入れており、80%以上を目標にしています。やはり高齢化によって医療費が負担になっているため仕方のないことだとは思います。しかし、同じ成分を使用していても効果は全然違ってくるという意見も少なくありません。症状や、程度によって患者自身が新薬とジェネリック医薬品の使い分け、見極めをしていかなければならないのかもしれません。  

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mikurasu  医薬品といっても実は細かく分類されていて、「医療用医薬品(処方箋)」、「要指導医薬品」、「一般用医薬品」の3つに分けられます。またその中でも、一般用医薬品は、「第一類医薬品」、「第二類医薬品」、「第三類医薬品」に分けられます。

 「医療用医薬品」とは、医師若しくは歯科医師によって使用され又はこれらの者の処方箋若しくは指示によって使用されることを目的として供給される医薬品をいう。

 「要指導医薬品」とは、次のアからエまでに掲げる医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされており、かつ、その適正な使用のために薬剤師の対面による情報の提供及び薬学的知見に基づく指導が行われることが必要なものとして、厚生労働大臣が悪事・食費寧製審議会の意見を聴いて指定するものである。

ア その製造販売の承認の申請に際して、新法第14条第8項第1号に該当するとされた医薬品であって、当該申請に係る承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないもの

イ その製造販売の承認の申請に際してアに掲げる医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能、効果等が同一性を有すると認められた医薬品であって、当該申請に係る承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないもの

ウ 新法第44条第1項に規定する毒薬

エ 新法第44条第2項に規定する劇薬

44条 毒性が強いものとして厚生労働大臣が薬事、食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医薬品は、その直接の容器又は食説の被包に、黒地に白枠、白地をもって、その品名及び「毒」の文字が記載されていなければならない。

  2 劇性が強いものとして厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医薬品は、その直接の容器又は直接の被包に白地に赤枠、赤字をもって、その品名及び「劇」の文字が記載されていなければならない。

 「一般用医薬品」とは、医療用医薬品として扱われる医薬品以外の医薬品をいう。すなわち、一般の人が薬局等で購入し、自らの判断で使用する医薬品であって、通常、安全性が確保できる成分の配合によるものが多い。

(厚生労働省HPより抜粋) 続きを読む »

 よい休暇をとっていますか? 私は一向にはかどらないのですが、溜まった事務仕事です。息抜きに記事を書きましたのでよかったらご覧下さい。 (やや長文です)

・・・・     昨年から減少傾向ですが、相変わらず、労災や自賠責の認定上、グレーな扱いとなっている傷病名の相談がみられます。    代表的な2大傷病名は「脳脊髄液減少症」と「MTBI」です。これらの傷病名を冠した被害者の皆さんは、事故以来、頚部・頭部の疼痛・しびれに留まらず、めまい、吐き気、動悸、不眠、起立痛、関節痛、生理不順、意欲低下、健忘、鬱(うつ)、情緒不安定・・あらゆる神経症状、脳障害・精神疾患症状をきたすことになります。しかし、画像や検査にはっきりとした原因が現れません。

 それらの症状は交通事故を契機としますが、多くに共通することは高エネルギー外傷ではないことです。高エネルギー外傷とは曖昧な表現ですが、「強い外力により、身体内部の広い範囲で組織が破壊されているケガ」です。自賠責では「器質的損傷を伴う外傷」と読み替えることができます。高エネルギー外傷の反対は骨折や靱帯損傷のない、打撲・捻挫の類で軽傷となります。

 軽傷かつ軽い衝撃ながら、長引く症状に悩まされる被害者の皆さんは、捻挫の診断名では納得できず、自分の傷病名を血眼で捜します。医師も原因がわからず、患者は病院を転々とする、ドクターショッピングに陥ります。骨折や人体組織に相当の破壊があれば、医師も症状を解明すべく、懸命に検査を実施し、経過観察を続けます。しかし、軽い衝撃であること、さらに検査上「異常なし」となれば・・どの医師も「心因性?」と相手にしなくなるからです。実際、症状を訴える患者のほとんどが心身症、または別の原因(加齢による神経症状、更年期障害)と言われています。

 もちろん、事故との因果関係はあるが、器質的損傷が判然としないだけで、嘘偽りなく苦しんでいる患者さんも存在します。極めて少数ですが。

 また、この2大傷病名はなぜか特定の病院、専門外の医師の診断に集中しています。まったくもって不思議です。一方、脳神経外科や脊椎の専門医にお会いすることが多いのですが、多くの医師はそれら傷病名に懐疑的です。臨床上、原因不明の患者の存在を否定はしませんが、確定的な診断を控えます。つまり、医学的にすべての症状が解明されているわけではないのです。謙虚に言えば、まだ推論の段階でしょう。

 この5年間、私も大勢の「脳脊髄液減少症」「MTBI」患者にお会いしました。どうみても心因性か、外傷性頚部症候群、バレリュー症候群、自律神経失調症にしかみえない被害者さんがほとんどです。そもそも、専門医すらわからない症状について、素人の私に判断できようがありません。

 前提として、労災・自賠責の認定基準は、それらの診断名を直接に後遺障害とは認めていません。多くは、因果関係なし=非該当か、神経症状の一環として14級9号の判断とします。14級を超える立証は私の努力では不可能です。稀に弁護士が裁判での認定を目指しますが、ほとんどが負け戦です。医師が証明しきれないもの、特定の医師による推論的な診断しかないものを争うわけですから、当然に苦しい戦いとなります。

 そのような状況でありながら、この2大傷病名に積極的に取り組んでいる弁護士先生には頭が下がる思いです。

 私達は医療調査及び保険請求から「事実証明」を果たすことが使命です。医学的な解明は医師の範疇、それも臨床医ではなく研究医の分野です。私達は医学の進歩を待つしかないのです。したがって、「出来ること」と「出来ないこと」を明確に表明することが被害者様に対する誠意と思っています。

 事実証明とはサイエンス(科学)に則った証明なのです。ある専門医は「医学的な根拠がない傷病名は、サイエンスではない」とバッサリです。

 つまり、推論の段階である傷病名を追うことは、UFOや心霊現象、超能力の存在を証明する作業と同じなのです。

 現在の科学が万能とは言いません。医学的な解明が進み、自賠責の認定基準も変わるかも知れません。しかし、現状、私達に出来ることは、謙虚に被害者さんの症状を聞き取り、現在の科学をもってできる医証を揃えて審査にふすことです。これが「脳脊髄液減少症」と「MTBI」に対する、純粋なスタンスではないでしょうか。交通事故外傷・立証の現場に、サイエンスの対極である「オカルト」「超自然」を持ち込むわけにはいかないのです。     最後に、かつて経験した最高クラスのオカルト相談を・・   相談者:「自動車に乗っていたら、急に光に包まれてすごい衝撃を受けました。その後、意識を無くしたのですが、気がついたら、自動車は塀にぶつかって止まっていました。数日後から、頭痛、めまい、浮遊感、悪夢に悩まされて・・・病院では頚椎捻挫だそうです。念のためMRIを撮ったら頭に何か写っていると言われました。」

秋葉:「何が写っていたのですか?」

相談者:「わかりません。医師は事故とは関係ない、古い脳梗塞の跡?と言っていました・・。」

秋葉:「いずれにしても、自損事故で外傷性頚部症候群となり、神経症状が起きているのではないでしょうか?医師もそう説明していませんか?」

相談者:「いえ、私は事故を起したのではありません。恐らく、UFOに襲撃され、宇宙人によって頭にチップを埋め込まれたのかもしれません・・きっとそうです。」

 (ここでXファイルのテーマが流れる ♪)

秋葉:「(アブダクト=宇宙人による誘拐事件か!)  それでは、保険会社ではなく、宇宙人に埋め込まれたチップを取ってもらい、賠償請求をしましょう」

相談者:「はい、そうします。どこに連絡したら良いでしょうか?」

秋葉:「テレパシーでもう一度、UFOを呼ぶことです。」

相談者:「わかりました。ありがとうございます!」

秋葉:「お大事にして下さい。」

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win  前回述べた3つの靭帯が骨化していく病気について、簡易にではありますがまとめました。

 これらの病気のうち、特に後縦靭帯骨化症と黄色靭帯骨化症は、せき髄を圧迫する病気であり、これらを患っている方が交通事故に遭われた場合、ムチウチ等の症状と同様、ないしはそれ以上に辛い症状がでることがあります。

※ 前縦靭帯骨化症の場合、せき髄を圧迫しないので前述したように症状が出ることはあまりありませんが、後縦靭帯骨化症が併発しているケースが多いです。

 しかし、一部症状がムチウチの症状と酷似しているため、事故によるものか、病気によるものかの区別ができない場合が多くあります。また、調査事務所もムチウチの後遺症(後遺障害)については症状が信用できるかどうかでみております。MRI画像上で後縦靭帯骨化症等が判明すれば、「既往症あり」として、等級を認めないケースもあります。

 それでは、交通事故に遭われた場合、完全に等級が認められないのでしょうか。

 結論として、事故前から症状があり、症状が交通事故後によりひどくなった場合に、既存障害を前提として等級を認めてもらうように申請をする場合があります。

 例えば、まず交通事故以前に後縦靭帯骨化症を診察されていれば、その時の症状と交通事故後の症状とを比較し、前者が14級9号レベルの症状であった場合で、かつ後者の症状が12級13号レベルの症状であった場合、12級13号を現存障害とし、14級9号を既存障害として認められることがあります。これは自賠独自の「加重」の計算で、

 現存障害(12級の224万円)- 既存傷害(14級の75万円)=149万円の保険金支払い となります。

 裁判上でもこの計算方式が踏襲されることが多くなります。したがって、この差分を前提に裁判基準へと計算し直し、弁護士は相手方保険会社に対して請求する傾向です。    oushoku mri20160324_0000続きを読む »

win  靭帯が骨化していってしまう病気として、ここでは①後縦靭帯骨化症、②前縦靭帯骨化症、③黄色靭帯骨化症をあげていきたいと思います。

 これらの具体的な原因については不明といわれており、これらのうち①後縦靭帯骨化症、③黄色靭帯骨化症は、国の特定疾患(難病)に指定されております。

 しかしながら他方で、要因として肥満や糖尿病等の生活習慣病や遺伝的要因があげられています。   ① 後縦靭帯骨化症について

 後縦靭帯骨化症とは、椎体の後面についている靭帯が骨化(骨に変性する)する病気です。

 この骨化した靭帯が脊髄や神経根を圧迫すると、手足の痺れ、首・背中・腰の痛みが生じ、最悪、運動障害も生じる可能性があります。また、排尿障害も起きる場合もあります。

 症状が重い方は、靭帯を圧迫している骨を削る除圧術、除圧後に骨移植やプレート・スクリューで固定する固定術等の手術を行う必要があります。  sekitsui21-large  ② ...

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win

 ある相談者は腰の痛みを訴えていました。診断書を確認したところ、当初は腰部打撲等と診断され、その後CT画像を撮影し、結果、仙骨骨折と診断されていました。診断当初から腰から臀部にかけての痛みを訴え、CT画像撮影は事故から少ししか経過していませんでしたので、12級13号ないしは14級9号が認められそうでした。

 前回の例と異なり、相談段階で画像CDを用意できたので、画像確認をしてみました。

 仙骨部分をXP画像で確認すると、尾底骨部分が曲がっているようにみえました。尾底骨部分は人によっては通常よりもまがっていることがありますので、これのみでは判断できません。   c_g_sp_8  その後、CT画像を確認してみました。

 尾底骨部分に他の部分と比較すると、「骨傷」が確認できました。しかしながら、骨折しているようにはみえませんでした。3DCTも確認しましたが、やはり骨折箇所は見当たらず、骨折レベルには至っていない状態でした。

 尾底骨部分の疼痛は後遺障害等級が認められにくいため、結論として14級9号が認められる可能性がわずかにあるのみでした。    前回の例を含めて、お医者様は治療に役立つかどうかで検査や画像をみますので、後遺症(後遺障害)の立証については初めから考えていません。治療上必要か否かで観ております。前回の例では、骨折していなかったのですが、痛みはその箇所にあるため、投薬治療して痛みを抑えていました。本件の例も同じく、リハビリができない箇所である上に治療上痛みを止めるために投薬するしかない場合です。

 医師が後遺症(後遺障害)を認めたとしても、診断を立証できる程度の証拠を提出する必要があります。 とある医師は自分が検査内容や後遺症(後遺障害)を決めるものであると言っておりましたが、実際、申請しても後遺症(後遺障害)が認められない(非該当)場合が多くあります。医師は後遺症(後遺障害)の立証を知る方は非常に少ないです。お詳しい医師が近くにいれば心強いですが、極めて稀です。

 月に1回行っている相談会では、主に後遺症(後遺障害)での立証に必要な情報をお教えできますので、もしよろしければご参加ください。    

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 タイトルのみでは意味不明かと思いますので、具体例をあげつつ述べていきたいと思います。以下の例は実際にあった相談内容です。  

<例1> 相談の際、診断書を拝見しました。

 診断名に「骨折」と記載されていました。相談者の痛みの部位と医師から説明を受けた骨折部位とが一致していると考え、後遺障害診断書に疼痛及び画像所見を記載して頂くことにしました。

 相談当日には画像を持参されなかったので、後日、画像をすべて収集し、実際にみてみました。しかしながら、骨折したと説明を受けた箇所をいくらみても骨折しているようには見えません。事故当日の画像から最後に撮影された分すべてを見ても骨折箇所がわかりませんでした。  c_g_a_6 実際に後遺障害診断書を依頼する前に骨折箇所を主治医(個人で経営されている整形外科)に質問してみました。主治医は改めて画像をみてくださいましたが、そもそもどこなのかよくわかっていないよう様子でした。主治医によると、骨折については紹介元の病院で診断されており、ここではリハビリのみを頼まれていた、とのことでした。

 やむを得ず、紹介元の病院に依頼者と共に行き、骨折しているかどうかを確認すると共に、念のため画像も撮影しました。そこでは当時依頼者を診察して下さった医師は他の病院に移ってしまい、他の医師に診て頂くことになった。その結果、骨折箇所がなさそうであること、さらに、最初に撮影した画像を診ても、骨折箇所は不明であること、さらに、大元の医師は単に「骨折の疑い」と記載していることがわかりました。

 結論として、最初に診察した医師は骨折していると直接診断しておらず、紹介状や依頼者の口頭説明等で伝言ゲームのように骨折していることにされてしまったようです。

 依頼者は怒っており、訴えたいようなことを言っていました。しかし、骨折していたのに骨折を見逃したのであれば医療過誤になりうるといえますが、骨折していないのに骨折と診断されたことについては、依頼者に損害が発生しているわけではないので、訴えるだけ無駄です。依頼者をとりあえず説得して保険手続きを進めることにしました。

 しかし、痛みについては嘘ではなさそうでした。骨折が原因であったと考えていれば治療すればいずれ良くなると思えますが、今回では痛みの直接の原因が最後で不明になってしまい、より不安になってしまった依頼者には気の毒なことになってしまいました。  

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 年間100人に及ぶドクターとお会いしています。お医者様と言っても同じ人間、色々な性格の先生がいらっしゃいます。何の商売でも中身は人間です。

 さて、本日、同行した整形外科の先生は、以前から良い評判を聞いておりました。本日お会いして、噂以上と感激しました。膝を受傷した被害者さまが手術を終え、リハビリのために選択した個人開業医です。

 まず、受付の事務の方はにこやかで親切です。リハビリ室は明るく、理学療法士の先生は、常に患者に言葉をかけながら熱心に作業、技術の高さをうかがわせます。看護師さんも明るくキビキビ動き回っています。

 そう、これらは”良い病院”の特徴です。

 そして、いよいよ院長先生の診断です。扉を開けて名刺を出すと、立ち上がり会釈をして受け取ってくれました。このような礼儀正しい医師は100人に2~3人です。

 そして、肝心の診断ですが、まず、説明がゆっくり丁寧、MRI画像を示して患者の理解を促しています。そしてなんと、触診で前病院には記載のなかった、「後十字靱帯損傷」を診断、ストレスXPを実施していました。本来、膝の動揺性を診断するにあたって、「ストレスXP」は私達がしつこく熱心に先生にお願いして、ようやく実施されるものです。それを初診時から・・!

 人格を備えたドクターは、診断力も兼ね備えているケースが多いように思います。病院全体のホスピタリティ(本来、病院の語源)が高い病院は、このように優れたドクターが存在しています。私達の仕事は、”被害者さんの為になる”よい病院を見つけることでもあります。

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 行列ができることがうなずけます。    

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 交通事故の相談で重傷者のお話を聞くことがありますが、診断書を確認すると、時折事故から期間が空いてから診断されることがあります。

 重症であれば普通、直ぐに痛みや症状を医師に相談し、真っ先に検査をして診断されるはずです。それでも何故、後になってから怪我がわかるのでしょうか。相談者に確認すると、他の部位の治療を優先していたからという理由がよくあげられます。確かに、怪我の部位や重さによっては優先順位が下がる場合もあります。 例えば、腕を骨折している他、頭蓋骨骨折・脳挫傷をしている場合、一命をとりとめるため、頭部の治療を優先し、その他の骨折部位については後回しになることがあります。しかし、それはあくまで命に係わったり他に治療を集中しないと取り返しがつかない可能性があったりする例外的な場合です。

 相談者の中には通常見逃さないような場合ばかりでした。何故このような事が起きてしまったのでしょうか。後に病院同行で医師からお話を伺ったり、相談者のお話しを伺ったりしているうちに、以下のようなことが主な理由としてあげられそうです。

 ① 部位が専門家でないと明らかにならない場合で、担当医師の専門ではなかった場合。

 ② 相談者が主な症状で頭がいっぱいで他の症状を我慢していた場合。

 ③ 事故の後に怪我をした場合。

 ①の理由の場合  この主張はよくあることですが、後遺症(後遺障害)の申請では理由になりません。何故なら、症状を訴えれば、通常の医師であれば専門医に紹介して治療をするよう指示するはずだからです。仮に医師が紹介もせず原因不明のままにするようなことがあればすぐに転院を考える必要があります。

 ②の理由の場合  結論として、我慢する必要はないので、しっかり医師に伝えてください。①の理由と同様、後遺症(後遺障害)の申請では理由になりません。 何故なら、重傷といえるレベルの怪我の痛みは通常我慢できるものではなく、気づかない方がおかしいからです。それでも期間が空いてから症状を訴えて診断されると、事故と関係ない怪我ではないかと保険会社や調査事務所が疑ってしまいます。

 ③の理由について  時折、事故と関係ないのに事故で怪我したことにしようとする相談者がおります。そのような詐欺まがいのことをなさると、保険会社は、後遺症(後遺障害)はおろか、治療費の支払いをも打ち切ってきます。仮に事故と関係ある他の怪我の治療費であってでもです。また、後遺症(後遺障害)の申請で、事故で生じた怪我の申請をする場合でも不利に働く恐れがあります。決して嘘はつかず、この場合は我慢して下さい。  

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