より具体的にいえば、関節部分の(1)骨折後の骨の変形や(2)骨折後の癒合不全、(3)骨の転移、等が原因として関節の可動域が制限されることがあります。
(1) 関節部分の骨折があり、その後の骨の癒合がうまくいかず、変形してしまい、関節の動きが制限されてしまっても無理はない状態などをいいます。
(2) 靱帯が剥がれてしまい、骨折しただけでなく、靱帯のバネの働きによって骨が引っ張られてしまったことが原因で、骨の癒合がうまくいかないこともあります。
この癒合不全により、関節を動かす際にどこかで引っかかったりする場合があり、物理的に関節が動かなくなることがあります。
(3) 骨折後の骨の転移(骨がズレること)により、関節が曲がらなくなることがあります。
弊所やその他交通事故に詳しい法律事務所や行政書士事務所はこれら(1)~(3)についてを画像(XPやCT等)で確認します。
骨幹部が折れても関節に影響はなく、痛みで曲げられないことは初期にはあるかもしれませんが、痛みは徐々に引いていきますので、ある程度になりましたらリハビリをする必要があります。
そのリハビリをさぼってしまうと、痛みで体を動かさないで筋肉が拘縮してしまい、可動域に制限が生じることがあります。これを一般的に廃用性拘縮といいますが、廃用性の拘縮については、治療努力が認められず、また、頑張れば骨は問題ないので生涯にわたって治らない怪我ではないとみなされてしまう恐れがありますので、ご注意ください。
可動域制限で後遺障害等級が認められるのは、以前に述べました通り(2015年12月1日の記事)、画像上、常識的に見て関節が動かなくなっても無理はないレベルの怪我であること、また、症状固定時期の画像上からそれぞれ明らかであることが必要です。 具体的には、 ①関節部分を骨折後、癒合不良や骨が変形した場合、 ②関節の脱臼後に転位が生じた場合、 ③関節の靱帯を断裂・損傷した場合、 ④神経が切断、損傷・圧迫された場合、 ⑤デビロービング損傷による場合、 ⑥関節面の不整が生じた場合、異物が残存した場合、 等に分類できます。
2つの神経伝達物質を増加させうつ状態を改善
錠形:錠剤
薬価:錠 25mg1錠 33.4円
有効成分:ミルナシプラン
ジェネリック:ミルナシプラン塩酸塩「日医工」
落ち込んだ気分を高揚させ、不安を和らげる効果を発揮する薬です。有効成分のミルナシプランがはたらきかけるのは、脳内で神経伝達を担うセロトニンとノルアドレナリンという2つの物質。セロトニンには気分を楽にする作用が、ノルアドレナリンには意欲を高める作用があるといわれています。これらの濃度を高めることで、うつ病やうつ状態を改善する薬です。このような薬は、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)といわれます。
<「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >
効力がマイルドである薬であり、副作用が少ない安全性の高い薬です。しかし、効果がマイルドであるため、症状が重い場合にはあまり効かないことがあります。症状の軽いうつ病の場合には、トレドミンが処方される場合があります。
神経伝達をスムーズにして憂鬱な気分を緩和させる
剤形:錠剤
薬価:錠 10mg1錠 218.1円
有効成分:エスシタロプロム
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれるジャンルに分類され、憂鬱な気分や不安をやわらげる薬です。神経に情報を伝達する働きを持つ脳内物質の濃度を高め、神経の伝達をスムーズにさせることで、うつ病やうつ状態に作用します。効果が発現するようになるのは、服用を開始してから2~3週間ほど経ってから。そこから、症状によって服用量が徐々に増量されていきます。眠気や口の渇きといった、従来の抗うつ薬による代表的な副作用が起きにくいといわれています。
<「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >
SSRIの特異な副作用として「セロトニン症候群」があげられます。具体的には、混乱、発汗、体のぴくつき、ふるえ、けいれん、発熱等の症状神経過敏があげられます。また、不安感を生じたり、イライラしたりそわそわして落ち着かなかったり、さらには衝動的な行動をすることもあります。これらの症状が出た場合にはすぐに医師に相談ください。
脳神経にはたらきかけてうつ状態を改善させる
錠形:錠剤
薬価:錠 25mg1錠 101.3円
有効成分:セルトラリン
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれるジャンルに分類され、うつ病やうつ状態、パニック障害に処方される薬です。脳内の神経を伝達するセロトニンという物質の濃度を高めることによって、不安な気持ちや緊張状態を緩和させます。24時間効果が持続するタイプの薬で、かつ副作用が出にくいのが特徴です。
うつ病から立ち直っても再びうつ病に陥ってしまう症状を再燃と呼びますが、この薬はその再燃を抑制する効果が認められた、日本初の抗うつ薬です。薬の効果が実感できるまで2~3週間かかることがあり、そこから徐々に服用量を増量していきます。自己判断で服用を急に中止すると副作用が出ることがあるので、用量・用法は厳守するようにしましょう。また、うつ症状のある場合、服用開始時や服用量が変更された際は、体調や気分の変化に注意し、医師や薬剤師と連絡を密にするように心がけるとよいでしょう。
<「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >
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おだやかな作用の中間型抗不安薬
錠形:錠剤
薬価:錠 0.5mg1錠 6.1円
有効成分:ロラゼパム
ジェネリック:ロラゼパム「サワイ」(沢井製薬)
抗不安薬と睡眠薬はまったく異なる薬というわけではなく、現在用いられているほとんどの薬が、ベンゾジアゼピン系とそれに似た化合物となっており、薬が効く仕組みの点からは同じ薬といえます。これらのうち、抗不安効果の高い薬を抗不安薬、催眠効果の強い薬を睡眠薬と呼んでいるのです。
ワイパックスは、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬で、作用時間は中間型の約12~24時間となっています。肝障害のある人や高齢の人にも使われやすい薬です。不安を取り除く以外にも、筋肉の緊張をほぐす作用、けいれんを抑える作用も認められています。
人によっては眠気が強く出ることがありますので、医師・薬剤師に相談するようにします。また、アルコールとの併用は悪影響を与えるため避けましょう。
<「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >
デパスの時にも説明しましたが、薬を飲む際には、アルコールの接種を控えることをお勧めします。抗不安薬であるワイパックスの場合も同様にアルコールとの効力・作用を互いに強めてしまします。ワイパックスとアルコールとは、相互に中枢神経抑制作用があり、増強すると、眠気等の低下を招く可能性、また、アルコール依存や薬物依存になりやすくなることもあります。
薬と百薬の長を併せても薬のままとは限らないようです。
うつや不安をおさえて気分を楽にする
錠形:錠剤 薬価:錠 10mg1錠 100.5円 有効成分:パロキセチン ジェネリック:パロキセチン「AA」(あすか製薬)等 セロトニンは、人の感情に影響を与える脳内の神経伝達物質。足りなくなると不安を感じるようになったり、うつの症状が出たりします。パキシルは、このセロトニンの量を調節しているセロトニントランスポーターの働きを邪魔します。これによりセロトニンが増えて、神経の伝達が改善されます。その結果、うつ状態が良化し、気分が楽になると考えられます。
従来の抗うつ薬に多い、口の渇きや便秘などの副作用が少ないのが特徴で、現在、うつ病の主要薬として広く処方されています。
<「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >
神経伝達物質とは、神経の接合部のシナプスで神経から神経に情報を伝えるために分泌される物質をいいます。セロトニンはそのうちの一つであり、セロトニンの量が減ると前頭前野のはたらきが悪くなると考えられています。前頭前野のはたらきが悪くなると、意欲や自発性、社会性(理性的な行動をとること)が低下します。
作用時間が長いベンゾジアゼピン系抗不安薬
錠形:錠剤、散剤、シロップ剤
薬価:錠 2mg1錠 5.9円
有効成分:ジアゼパム
ジェネリック:ジアゼバム「ツルハラ」(ツルハラ製薬)等
ベンゾジアゼピン系の抗不安剤です。ベンゾジアゼピン系の薬は複数ありますが、体内での作用は基本的には同じで、抗不安作用、睡眠作用、筋弛緩作用、抗けいれん作用などがあります。
リーゼとの違いは、作用時間が長く24時間以上続くタイプであること。筋緊張緩和作用、抗けいれん作用が強く肩こりや頭痛、熱性けいれんの予防にも使われます。その薬効の高さから、精神科だけではなく、内科や整形外科などでも広く処方されています。
<「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >
抗不安薬とは、不安やそれに関連する心理的・身体的症状の治療に使う薬をいい、精神安定剤と呼ばれる事もあります。
上記作用の通り、1剤で複数の症状に対応できるため、とても便利な薬ですが、他方で、一つの症状のみ抑えたいときには、余分に作用が出るため、副作用も生じやすいことがあります。
作用がおだやかで高齢者にも安心
錠形:錠剤、顆粒剤
薬価:錠 5mg1錠 6.7円
有効成分:クロチアゼパム
ジェネリック:クロチアゼパム「トーワ」(東和薬品)等
心身症(消化器疾患、循環器疾患)における不安・緊張・抑うつ・睡眠障害などの改善、自律神経失調症におけるめまい・肩こり・食欲不振の改善に使われる薬です。また、手術前の過剰な緊張をやわらげるためにも用いられます。
特徴は、おだやかに作用し、持続時間が短いこと。また、めまいやふらつきといった副作用が出にくいため、高齢者にも向いています。神経症やうつ病など、精神的な要因で体に不調の出る心身症にも使われます。
そのほか、筋肉をほぐす作用から、緊張型頭痛、腰椎症、肩こりなどに応用されることもあります。
急に服用をやめるとリバウンド(反跳性)不眠が起きることがあります。眠れなくなったり、眠りが浅くなったりし、熟睡感が得られない状態です。これを避けるためには、医師の指示通り、ゆっくり薬の量を減らすことが大切です。自己判断で薬を飲むのをやめたり、量を減らすことは避けましょう。
<「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >
リーゼはチアノジアピン系の薬で、以前に説明しましたデパスもチアノジアピン系であり、効果や、急に服用をやめると不眠の副作用があらわれる等の点で共通しています。
どのような薬でも、医師や薬剤師の指示をよく確認して服用をやめる必要があると考えられます。
不安感をやわらげ、うつ病や心身症を改善
錠形:錠剤、細粒剤
薬価:錠0.5mg1錠 9.0円
有効成分:エチゾラム
ジェネリック:エキゾラム(日医工)等
おだやかに作用して、不安や緊張感をやわらげ、気持ちを落ち着かせる、チエノジアゼピン系と呼ばれるジャンルの緩和精神安定剤です。抗不安薬や心身安定剤とも呼ばれています。作用的には、ベンゾジアゼピン系というタイプと似ています。安全性が高く、依存しづらいのも特徴です。また、筋肉をほぐす作用があるので、緊張型頭痛や頸椎症、腰痛症、肩こり、けいれん症の病気などにも使われています。
<「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >
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中・高度のアルツハイマー型認知症に効果
剤形:錠剤
薬価:OD錠20mg1錠 439.7円
有効成分:メマンチン
アルツハイマー型認知症などの脳の神経細胞の障害は、グルタミン酸の過剰とその毒性が関与しているという考えに基づいて開発されたのが、メマリー(第一三共)です。神経細胞の機能異常を抑制することで、認知症の症状が進むのをおさえることができます。
中から高程度のアルツハイマー型認知症に対して処方されますが、病気そのものを治すものではなく、症状の進行を遅らせる薬になります。メマリーはアリセプトやレミニールと併用することで相乗効果を期待されて処方されるケースもあります。 <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より> 高齢者の交通事故被害者の方で、最も多く処方されているのがメマリーだと感じています。副作用としては、めまいを訴える方が多いですが、頭痛や眠気もあるそうなので、一人にせずに、家族の見守りが必要といえます。
アルツハイマー型認知症の進行を遅らせる張り薬
剤形:貼付剤
薬価:18mg1枚 439.7円
有効成分:リバスチグミン
脳内にあるアセチルコリンという神経伝達物質が不足することでおこるアルツハイマー型認知症。アセチルコリンを分解する酵素・アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、脳内のアセチルコリン料を増加させて効果を発揮します。
当初は、飲み薬として開発されましたが、消化器系の副作用が認められたことや、高齢者は飲み下すことが難しいため、同じようなはたらきの薬としては初の張り薬として開発されました。軽度~中程度のアルツハイマー型認知症に用いられます。 <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より> リバスタッチパッチも同様です。張り薬のため、かゆみや発赤などの皮膚症状があるので、新たにパッチを貼る際には、前回と違う場所に貼ることがいいみたいです。
アルツハイマー型認知症の進行を遅らせる
剤形:錠剤、液剤
薬価:8mg1錠 191.5円
有効成分:ガランタミン
アリセプト同様、アセチルコリンと呼ばれる脳内の神経伝達物質を分解する酵素の働きを邪魔し、アルツハイマー型認知症の進行を遅らせる薬です。アルツハイマー型認知症の病気そのものを治すのではなく、あくまでもその進行を遅らせるものです。
1日2回(1回4mg)から飲み始め、体を薬に慣らしていきます。4週間後に1日2回(1回8mg)に増量します。場合によってはさらに増量することがあります。医師の指示にしたがって、毎日決められた量を服用します。 <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より> 副作用としては、消化器症状が多いと言われています。吐き気や嘔吐、食欲不振、下痢、腹痛などを起こしやすいため、ご家族も注意を払うことが大切かもしれません。
日本生まれのアルツハイマー薬
剤形:錠剤、細粒剤、ゼリー剤、ドライシロップ剤
薬価:D錠5mg1錠 334.7円
有効成分:ドネペジル
ジェネリック:ドネペジル塩酸塩「YD」(陽進堂)等
さまざまな種類に分類される認知症。そのうち、最も多いアルツハイマー型認知症が進むのを遅らせる薬です。
脳内のアセチルコリン分解酵素という物質のはたらきを邪魔することで症状の進行を遅らせることができます。軽度から中程度のアルツハイマー型認知症に用いられますが、病気そのものを治すのではなく、病状の進行を遅らせるための薬です。つまり、病状の変わらないことが、薬の効果を示しているといえます。また、薬の量は徐々に増えていきますが、これは薬の使い方であらかじめ定められているものですので過度に心配することはありません。
薬を飲むことが難しいお年寄りのためにさまざまな剤形が用意されています。また、ジェネリック品が多いことも特徴です。ジェネリック品を使用すると、薬の費用は5割~6割におさえることができます。
2014年中には、アルツハイマー型とは異なるレビー小体型というタイプの認知症への使用も認められました。レビー小体型認知症に効果がある薬としては世界初となります。 <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より>
※ レビー小体とは、神経細胞に出来る特殊なたんぱく質で、レビー小体が大脳皮質や脳幹にたくさん集まってしまうことによって、神経細胞が壊れて減少し、認知症の症状が出現します。
高齢者の高次脳機能障害では、認知症との切り分けが大変難しい案件が多いのです。医師ですら、高次脳機能障害ではなく認知症として片づけてしまっているケースを何件も見てきました。これから高齢者の交通事故が増えていくと予想されます。高次脳機能障害を扱える専門家を被害者、もしくはご家族が身ら選ばなくてはなりません。
今日から4回シリーズで佐藤が解説します。現在、高齢者の高次脳機能障害を担当しています。
患者さんにとっては深く知る必要はないのですが、後遺障害申請を弁護士や行政書士に依頼する際に「あ、この人たちは専門家だ」を分かるようになるためには依頼者も少し知っておく必要があるのではと思いましたので、説明いたします。
MRIとは、Magnetic Resonance Imagingの略です。Magnetic(磁気)、Resonance(共鳴)、Imaging(画像)、つまり、磁気の力を利用して体の内部をより精密に検査する方法です。
MRIといってもいくつかの撮影方法があります。それらには着目する観点が違うため、症状や部位によって様々です。
T1強調:水や液性成分・嚢胞が黒く、脂肪組織は白く見えます。腫瘍はやや黒く見えます。 このT1強調画像では、身体の解剖学的な構造が見やすいと言われています。
T2強調:脂肪組織だけではなく、水や液性成分・嚢胞も白く見え、腫瘍はやや白く見えます。このT2強調画像ではあ、病変の拾い出しに有効と言われています。
T2*強調:T2スターと呼びます。T2と同様に水や液性成分が強調されるので、関節検査では、関節液を見かけ上の陽性造影剤として利用することで、微細な損傷を検出することができます。また、新旧を問わず微小な出血を検出することも可能です。
まだ色々とありますが、今回はここまでの記載にしておきます。
剤形:錠剤 薬価:5mg1錠 43.7円 有効成分:ゾルピデム ジェネリック:ゾルピデム酒石酸塩「AA」(あすか製薬)等
ハルシオンやロヒプノールとは異なる非ベンゾジアゼピン系に分類される睡眠導入剤です。作用時間は超短時間型になります。寝つきの悪いタイプの不眠に用いられる薬で、比較的安全性が高く高齢者にも使用しやすいとされています。不安や緊張感をほぐして気分をリラックスさせて眠りに誘います。
薬に対する慣れ(忍薬性)が低いので、安定した効き目を維持しやすいのも特徴となっています。 <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >
剤形:錠剤 薬価:1mg1錠 14.2円 有効成分:フル二トラゼパム ジェネリック:ビビットエース(辰巳化学) フルニトラゼバム{JG}(日本ジェネリック)等
ハルシオンと同じベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤。超短時間型のハルシオンとは異なり、中間型の薬で、途中で目が覚める(中途覚醒)タイプの不眠症に多く処方されます。
比較的安全性が強く、効き目もよいので選ばれることの多い薬です。この系統の睡眠剤は複数ありますが、違いは主に持続時間。この薬は中時間型で、24時間前後に効果がなくなります。寝つきが悪く、夜中に何度も目を覚ましてしまう人に向いています。 <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >
感情に関わる神経に作用して自然な眠りに導く
剤形:錠剤
薬価:0.25mg1錠 26.4円
有効成分:ブロチゾラム
ジェネリック:ブロチゾラム{JG}(日本ジェネリック)
感情に深い関りがある視床下部や大脳辺緑系にはたらいて神経をしずめて、不安やけいれんをおさえ、眠りへと導く作用がある薬です。速効性があり、翌朝への影響が比較的少ないといわれています。
睡眠薬として広く使用されている系統で、比較的安全性が高く効き目も良いので不眠症の治療の際、まずこの系統が使われる事が多くあります。普通の錠剤タイプの他、水なしで飲める口腔内崩壊錠もあります。
睡眠導入剤全般に共通する副作用ですが、翌朝に眠気やふらつき、倦怠感や脱力感などが残ることがあります。特に高齢の人は、力が入りにくくなる事から転倒にも注意して下さい。一般的に就寝前に服用し、30分以内に床に就くようにします。服用後にテレビを見たり本を読んだりすると、脳に刺激を与えてしまうことから効力が発現してもうまく眠りにつけない事があります。また、アルコールを飲んだ状態で服用すると、効果が強く出すぎてしまうのと同時に、副作用の発現を助長してしまうことがありますので避けましょう。
<「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >
寝付きの悪さを改善し不眠を解消するお薬
剤形:錠剤
薬価:0.25mg1錠 14.7円
有効成分:トリアゾラム
ジェネリック:トリアゾラム{EMEC}
(サンノーバ)等
睡眠薬として、最も一般的に用いられるベンゾジアゼピン系睡眠導入剤には、① 超短時間型、② 短時間型、③ 中間型、④ 長時間型の4種類があります。どういった不眠なのかを医師がしっかりと判断して適切なものが処方されます。
ハルシオンは、その中の超短時間型に分類される薬で寝つきの悪いときや一時的な不眠に適しています。翌朝の眠気や不快感がなく使いやすいのが特徴です。その反面、中止時に不眠になりやすい「反跳性不眠」が起こることもあります。
使用上の注意として、寝るすぐ前に飲むようにしましょう。仮眠の前や、夜中に一時的に起きて仕事をする場合などの服用は勧められません。また、日常的なストレスによる一時的な不眠に対しても服用は勧められていませんが、そのような場合には、服用する量や方法など医師の指示を守るよう、より一層心がけて下さい。長期連用時、反動で眠れなくなる、イライラや強い不安感、ふるえを生じるなどの症状が出る事があるので、こういった場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
<「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >
眠れない・・大変辛い症状です。交通事故外傷で治療中の患者さんにも、しばしばみられる兆候です。薬に頼らざるを得ない場合もあり、医師から処方されることになります。
やはり、過剰に薬を服用しますと、倦怠感、痙攣、震え、記憶障害、というような副作用が確認されています。服用後は用事などせず、直ちにベッドに入り寝る体制を整えましょう。副作用も恐ろしいですが、第一に危険なのは、その薬に対する依存や執着です。軽い気持ちで服用してしまうと一瞬が一生の戦いになってしまいます。
また、第二に危険なのはこうした軽度の薬の服用から、先程申し上げました通り、長期にわたって服用を続けますと、薬物中毒化し、違法ドラックへの入門のきっかけへとなり得るのが現状でございます。例に、イギリスでハルシオン服用中の旦那が自覚のないまま妻を銃殺してしまった事件が起き、現在はハルシオンの使用は中止されているそうです。この事件が引き金となり、一時的に違法薬物のきっかけとなったと耳にしました。
現代の日本はストレス社会です。不眠症はご自身には全く関係ないと思っていても、いつ、何がきっかけで、誰にでも簡単に起こり得る症状の一つです。ただでさえ、現代の日本はストレス社会と言われていますが、薬に頼る前に、自然治癒を始めてみてはいかがでしょうか。半身浴や、お香、運動、食事、観葉植物などをお部屋に飾るなど生活の一部に何かを加えるだけで意識も向上してきますよ。
今日から、眠剤の代表的な4種を堀越が解説します。
慢性的な疼痛やがんの痛みをおさえる鎮痛剤
剤形:錠剤、カプセル剤 薬価:00錠25mg1錠 38.6円 有効成分:トラマドール
慢性的な痛みや治療困難ながんの痛みを抑える薬です。痛みをおさえる神経系統の働きを高める効果があり、軽度から中等度の強さの痛みに用いるオピオイド鎮痛薬(弱オピオイド系)に分類されます。
オピオイドとは麻薬系という意味で、強オピオイド鎮痛薬の代表的なものがモルヒネです。
同じ有効成分を使用したワントラムという薬もあります。こちらは、2015年に発売された新しい薬で、薬の構造を工夫し、1日1回飲むだけで効き目が続くようになっています。
<「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >
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