脳神経にはたらきかけてうつ状態を改善させる   ジェイゾロフト錠形:錠剤 薬価:錠 25mg1錠 101.3円 有効成分:セルトラリン    SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれるジャンルに分類され、うつ病やうつ状態、パニック障害に処方される薬です。脳内の神経を伝達するセロトニンという物質の濃度を高めることによって、不安な気持ちや緊張状態を緩和させます。24時間効果が持続するタイプの薬で、かつ副作用が出にくいのが特徴です。

 うつ病から立ち直っても再びうつ病に陥ってしまう症状を再燃と呼びますが、この薬はその再燃を抑制する効果が認められた、日本初の抗うつ薬です。薬の効果が実感できるまで2~3週間かかることがあり、そこから徐々に服用量を増量していきます。自己判断で服用を急に中止すると副作用が出ることがあるので、用量・用法は厳守するようにしましょう。また、うつ症状のある場合、服用開始時や服用量が変更された際は、体調や気分の変化に注意し、医師や薬剤師と連絡を密にするように心がけるとよいでしょう。

<「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >     山本さんイラストsj続きを読む »

 おだやかな作用の中間型抗不安薬

ワイパックス 錠形:錠剤 薬価:錠 0.5mg1錠 6.1円 有効成分:ロラゼパム ジェネリック:ロラゼパム「サワイ」(沢井製薬)

    抗不安薬と睡眠薬はまったく異なる薬というわけではなく、現在用いられているほとんどの薬が、ベンゾジアゼピン系とそれに似た化合物となっており、薬が効く仕組みの点からは同じ薬といえます。これらのうち、抗不安効果の高い薬を抗不安薬、催眠効果の強い薬を睡眠薬と呼んでいるのです。

 ワイパックスは、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬で、作用時間は中間型の約12~24時間となっています。肝障害のある人や高齢の人にも使われやすい薬です。不安を取り除く以外にも、筋肉の緊張をほぐす作用、けいれんを抑える作用も認められています。

 人によっては眠気が強く出ることがありますので、医師・薬剤師に相談するようにします。また、アルコールとの併用は悪影響を与えるため避けましょう。   <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >   山本さんイラストsj デパスの時にも説明しましたが、薬を飲む際には、アルコールの接種を控えることをお勧めします。抗不安薬であるワイパックスの場合も同様にアルコールとの効力・作用を互いに強めてしまします。ワイパックスとアルコールとは、相互に中枢神経抑制作用があり、増強すると、眠気等の低下を招く可能性、また、アルコール依存や薬物依存になりやすくなることもあります。

 薬と百薬の長を併せても薬のままとは限らないようです。  

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 うつや不安をおさえて気分を楽にする

パキシル

錠形:錠剤 薬価:錠 10mg1錠 100.5円 有効成分:パロキセチン ジェネリック:パロキセチン「AA」(あすか製薬)等      セロトニンは、人の感情に影響を与える脳内の神経伝達物質。足りなくなると不安を感じるようになったり、うつの症状が出たりします。パキシルは、このセロトニンの量を調節しているセロトニントランスポーターの働きを邪魔します。これによりセロトニンが増えて、神経の伝達が改善されます。その結果、うつ状態が良化し、気分が楽になると考えられます。

 従来の抗うつ薬に多い、口の渇きや便秘などの副作用が少ないのが特徴で、現在、うつ病の主要薬として広く処方されています。   <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >   山本さんイラストsj 神経伝達物質とは、神経の接合部のシナプスで神経から神経に情報を伝えるために分泌される物質をいいます。セロトニンはそのうちの一つであり、セロトニンの量が減ると前頭前野のはたらきが悪くなると考えられています。前頭前野のはたらきが悪くなると、意欲や自発性、社会性(理性的な行動をとること)が低下します。  

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 作用時間が長いベンゾジアゼピン系抗不安薬

セルシン 錠形:錠剤、散剤、シロップ剤 薬価:錠 2mg1錠 5.9円 有効成分:ジアゼパム ジェネリック:ジアゼバム「ツルハラ」(ツルハラ製薬)等      ベンゾジアゼピン系の抗不安剤です。ベンゾジアゼピン系の薬は複数ありますが、体内での作用は基本的には同じで、抗不安作用、睡眠作用、筋弛緩作用、抗けいれん作用などがあります。

 リーゼとの違いは、作用時間が長く24時間以上続くタイプであること。筋緊張緩和作用、抗けいれん作用が強く肩こりや頭痛、熱性けいれんの予防にも使われます。その薬効の高さから、精神科だけではなく、内科や整形外科などでも広く処方されています。

<「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >   山本さんイラストsj 抗不安薬とは、不安やそれに関連する心理的・身体的症状の治療に使う薬をいい、精神安定剤と呼ばれる事もあります。

 上記作用の通り、1剤で複数の症状に対応できるため、とても便利な薬ですが、他方で、一つの症状のみ抑えたいときには、余分に作用が出るため、副作用も生じやすいことがあります。  

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 作用がおだやかで高齢者にも安心   リーゼ2錠形:錠剤、顆粒剤 薬価:錠 5mg1錠 6.7円 有効成分:クロチアゼパム ジェネリック:クロチアゼパム「トーワ」(東和薬品)等

   心身症(消化器疾患、循環器疾患)における不安・緊張・抑うつ・睡眠障害などの改善、自律神経失調症におけるめまい・肩こり・食欲不振の改善に使われる薬です。また、手術前の過剰な緊張をやわらげるためにも用いられます。

 特徴は、おだやかに作用し、持続時間が短いこと。また、めまいやふらつきといった副作用が出にくいため、高齢者にも向いています。神経症やうつ病など、精神的な要因で体に不調の出る心身症にも使われます。

 そのほか、筋肉をほぐす作用から、緊張型頭痛、腰椎症、肩こりなどに応用されることもあります。

 急に服用をやめるとリバウンド(反跳性)不眠が起きることがあります。眠れなくなったり、眠りが浅くなったりし、熟睡感が得られない状態です。これを避けるためには、医師の指示通り、ゆっくり薬の量を減らすことが大切です。自己判断で薬を飲むのをやめたり、量を減らすことは避けましょう。

<「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >   山本さんイラストsj リーゼはチアノジアピン系の薬で、以前に説明しましたデパスもチアノジアピン系であり、効果や、急に服用をやめると不眠の副作用があらわれる等の点で共通しています。

 どのような薬でも、医師や薬剤師の指示をよく確認して服用をやめる必要があると考えられます。  

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 不安感をやわらげ、うつ病や心身症を改善

デパス 錠形:錠剤、細粒剤 薬価:錠0.5mg1錠 9.0円 有効成分:エチゾラム ジェネリック:エキゾラム(日医工)等

 

 おだやかに作用して、不安や緊張感をやわらげ、気持ちを落ち着かせる、チエノジアゼピン系と呼ばれるジャンルの緩和精神安定剤です。抗不安薬や心身安定剤とも呼ばれています。作用的には、ベンゾジアゼピン系というタイプと似ています。安全性が高く、依存しづらいのも特徴です。また、筋肉をほぐす作用があるので、緊張型頭痛や頸椎症、腰痛症、肩こり、けいれん症の病気などにも使われています。

<「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >   続きを読む »

 中・高度のアルツハイマー型認知症に効果   メマリー 剤形:錠剤 薬価:OD錠20mg1錠 439.7円 有効成分:メマンチン    

 アルツハイマー型認知症などの脳の神経細胞の障害は、グルタミン酸の過剰とその毒性が関与しているという考えに基づいて開発されたのが、メマリー(第一三共)です。神経細胞の機能異常を抑制することで、認知症の症状が進むのをおさえることができます。

 中から高程度のアルツハイマー型認知症に対して処方されますが、病気そのものを治すものではなく、症状の進行を遅らせる薬になります。メマリーはアリセプトやレミニールと併用することで相乗効果を期待されて処方されるケースもあります。   <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より>    高齢者の交通事故被害者の方で、最も多く処方されているのがメマリーだと感じています。副作用としては、めまいを訴える方が多いですが、頭痛や眠気もあるそうなので、一人にせずに、家族の見守りが必要といえます。  

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 アルツハイマー型認知症の進行を遅らせる張り薬

イクセロン パッチ 剤形:貼付剤 薬価:18mg1枚 439.7円 有効成分:リバスチグミン     

     脳内にあるアセチルコリンという神経伝達物質が不足することでおこるアルツハイマー型認知症。アセチルコリンを分解する酵素・アセチルコリンエステラーゼを阻害することで、脳内のアセチルコリン料を増加させて効果を発揮します。

 当初は、飲み薬として開発されましたが、消化器系の副作用が認められたことや、高齢者は飲み下すことが難しいため、同じようなはたらきの薬としては初の張り薬として開発されました。軽度~中程度のアルツハイマー型認知症に用いられます。   <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より>    リバスタッチパッチも同様です。張り薬のため、かゆみや発赤などの皮膚症状があるので、新たにパッチを貼る際には、前回と違う場所に貼ることがいいみたいです。  

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 アルツハイマー型認知症の進行を遅らせる   レミニール 剤形:錠剤、液剤 薬価:8mg1錠 191.5円 有効成分:ガランタミン      アリセプト同様、アセチルコリンと呼ばれる脳内の神経伝達物質を分解する酵素の働きを邪魔し、アルツハイマー型認知症の進行を遅らせる薬です。アルツハイマー型認知症の病気そのものを治すのではなく、あくまでもその進行を遅らせるものです。

 1日2回(1回4mg)から飲み始め、体を薬に慣らしていきます。4週間後に1日2回(1回8mg)に増量します。場合によってはさらに増量することがあります。医師の指示にしたがって、毎日決められた量を服用します。   <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より>    副作用としては、消化器症状が多いと言われています。吐き気や嘔吐、食欲不振、下痢、腹痛などを起こしやすいため、ご家族も注意を払うことが大切かもしれません。  

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 日本生まれのアルツハイマー薬   アリセプト 剤形:錠剤、細粒剤、ゼリー剤、ドライシロップ剤 薬価:D錠5mg1錠 334.7円 有効成分:ドネペジル ジェネリック:ドネペジル塩酸塩「YD」(陽進堂)等

 

 さまざまな種類に分類される認知症。そのうち、最も多いアルツハイマー型認知症が進むのを遅らせる薬です。

 脳内のアセチルコリン分解酵素という物質のはたらきを邪魔することで症状の進行を遅らせることができます。軽度から中程度のアルツハイマー型認知症に用いられますが、病気そのものを治すのではなく、病状の進行を遅らせるための薬です。つまり、病状の変わらないことが、薬の効果を示しているといえます。また、薬の量は徐々に増えていきますが、これは薬の使い方であらかじめ定められているものですので過度に心配することはありません。

 薬を飲むことが難しいお年寄りのためにさまざまな剤形が用意されています。また、ジェネリック品が多いことも特徴です。ジェネリック品を使用すると、薬の費用は5割~6割におさえることができます。

 2014年中には、アルツハイマー型とは異なるレビー小体型というタイプの認知症への使用も認められました。レビー小体型認知症に効果がある薬としては世界初となります。   <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より>  

※ レビー小体とは、神経細胞に出来る特殊なたんぱく質で、レビー小体が大脳皮質や脳幹にたくさん集まってしまうことによって、神経細胞が壊れて減少し、認知症の症状が出現します。   佐藤イラストsj 高齢者の高次脳機能障害では、認知症との切り分けが大変難しい案件が多いのです。医師ですら、高次脳機能障害ではなく認知症として片づけてしまっているケースを何件も見てきました。これから高齢者の交通事故が増えていくと予想されます。高次脳機能障害を扱える専門家を被害者、もしくはご家族が身ら選ばなくてはなりません。

 今日から4回シリーズで佐藤が解説します。現在、高齢者の高次脳機能障害を担当しています。   

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佐藤イラストsj  患者さんにとっては深く知る必要はないのですが、後遺障害申請を弁護士や行政書士に依頼する際に「あ、この人たちは専門家だ」を分かるようになるためには依頼者も少し知っておく必要があるのではと思いましたので、説明いたします。

 MRIとは、Magnetic Resonance Imagingの略です。Magnetic(磁気)、Resonance(共鳴)、Imaging(画像)、つまり、磁気の力を利用して体の内部をより精密に検査する方法です。

 MRIといってもいくつかの撮影方法があります。それらには着目する観点が違うため、症状や部位によって様々です。

T1強調:水や液性成分・嚢胞が黒く、脂肪組織は白く見えます。腫瘍はやや黒く見えます。 このT1強調画像では、身体の解剖学的な構造が見やすいと言われています。

T2強調:脂肪組織だけではなく、水や液性成分・嚢胞も白く見え、腫瘍はやや白く見えます。このT2強調画像ではあ、病変の拾い出しに有効と言われています。

T2*強調:T2スターと呼びます。T2と同様に水や液性成分が強調されるので、関節検査では、関節液を見かけ上の陽性造影剤として利用することで、微細な損傷を検出することができます。また、新旧を問わず微小な出血を検出することも可能です。 pics325

 まだ色々とありますが、今回はここまでの記載にしておきます。  

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 緊張や不安をほぐし不眠症を解決する マイスリー

剤形:錠剤 薬価:5mg1錠 43.7円 有効成分:ゾルピデム ジェネリック:ゾルピデム酒石酸塩「AA」(あすか製薬)等

 

 ハルシオンやロヒプノールとは異なる非ベンゾジアゼピン系に分類される睡眠導入剤です。作用時間は超短時間型になります。寝つきの悪いタイプの不眠に用いられる薬で、比較的安全性が高く高齢者にも使用しやすいとされています。不安や緊張感をほぐして気分をリラックスさせて眠りに誘います。

 薬に対する慣れ(忍薬性)が低いので、安定した効き目を維持しやすいのも特徴となっています。    <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >  

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中途覚醒タイプの不眠に用いられるお薬   ロプヒノール

剤形:錠剤 薬価:1mg1錠 14.2円 有効成分:フル二トラゼパム ジェネリック:ビビットエース(辰巳化学) フルニトラゼバム{JG}(日本ジェネリック)等

   ハルシオンと同じベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤。超短時間型のハルシオンとは異なり、中間型の薬で、途中で目が覚める(中途覚醒)タイプの不眠症に多く処方されます。

 比較的安全性が強く、効き目もよいので選ばれることの多い薬です。この系統の睡眠剤は複数ありますが、違いは主に持続時間。この薬は中時間型で、24時間前後に効果がなくなります。寝つきが悪く、夜中に何度も目を覚ましてしまう人に向いています。   <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >  

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感情に関わる神経に作用して自然な眠りに導く   レンドルミン 剤形:錠剤 薬価:0.25mg1錠 26.4円 有効成分:ブロチゾラム ジェネリック:ブロチゾラム{JG}(日本ジェネリック)  

 感情に深い関りがある視床下部や大脳辺緑系にはたらいて神経をしずめて、不安やけいれんをおさえ、眠りへと導く作用がある薬です。速効性があり、翌朝への影響が比較的少ないといわれています。

 睡眠薬として広く使用されている系統で、比較的安全性が高く効き目も良いので不眠症の治療の際、まずこの系統が使われる事が多くあります。普通の錠剤タイプの他、水なしで飲める口腔内崩壊錠もあります。

 睡眠導入剤全般に共通する副作用ですが、翌朝に眠気やふらつき、倦怠感や脱力感などが残ることがあります。特に高齢の人は、力が入りにくくなる事から転倒にも注意して下さい。一般的に就寝前に服用し、30分以内に床に就くようにします。服用後にテレビを見たり本を読んだりすると、脳に刺激を与えてしまうことから効力が発現してもうまく眠りにつけない事があります。また、アルコールを飲んだ状態で服用すると、効果が強く出すぎてしまうのと同時に、副作用の発現を助長してしまうことがありますので避けましょう。

 <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >  

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 寝付きの悪さを改善し不眠を解消するお薬

ハルシオン 剤形:錠剤 薬価:0.25mg1錠 14.7円 有効成分:トリアゾラム ジェネリック:トリアゾラム{EMEC} (サンノーバ)等

   睡眠薬として、最も一般的に用いられるベンゾジアゼピン系睡眠導入剤には、① 超短時間型、② 短時間型、③ 中間型、④ 長時間型の4種類があります。どういった不眠なのかを医師がしっかりと判断して適切なものが処方されます。

 ハルシオンは、その中の超短時間型に分類される薬で寝つきの悪いときや一時的な不眠に適しています。翌朝の眠気や不快感がなく使いやすいのが特徴です。その反面、中止時に不眠になりやすい「反跳性不眠」が起こることもあります。

 使用上の注意として、寝るすぐ前に飲むようにしましょう。仮眠の前や、夜中に一時的に起きて仕事をする場合などの服用は勧められません。また、日常的なストレスによる一時的な不眠に対しても服用は勧められていませんが、そのような場合には、服用する量や方法など医師の指示を守るよう、より一層心がけて下さい。長期連用時、反動で眠れなくなる、イライラや強い不安感、ふるえを生じるなどの症状が出る事があるので、こういった場合は医師や薬剤師に相談しましょう。   <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >   堀越さんイラストsj 眠れない・・大変辛い症状です。交通事故外傷で治療中の患者さんにも、しばしばみられる兆候です。薬に頼らざるを得ない場合もあり、医師から処方されることになります。

 やはり、過剰に薬を服用しますと、倦怠感、痙攣、震え、記憶障害、というような副作用が確認されています。服用後は用事などせず、直ちにベッドに入り寝る体制を整えましょう。副作用も恐ろしいですが、第一に危険なのは、その薬に対する依存や執着です。軽い気持ちで服用してしまうと一瞬が一生の戦いになってしまいます。

 また、第二に危険なのはこうした軽度の薬の服用から、先程申し上げました通り、長期にわたって服用を続けますと、薬物中毒化し、違法ドラックへの入門のきっかけへとなり得るのが現状でございます。例に、イギリスでハルシオン服用中の旦那が自覚のないまま妻を銃殺してしまった事件が起き、現在はハルシオンの使用は中止されているそうです。この事件が引き金となり、一時的に違法薬物のきっかけとなったと耳にしました。

 現代の日本はストレス社会です。不眠症はご自身には全く関係ないと思っていても、いつ、何がきっかけで、誰にでも簡単に起こり得る症状の一つです。ただでさえ、現代の日本はストレス社会と言われていますが、薬に頼る前に、自然治癒を始めてみてはいかがでしょうか。半身浴や、お香、運動、食事、観葉植物などをお部屋に飾るなど生活の一部に何かを加えるだけで意識も向上してきますよ。

 今日から、眠剤の代表的な4種を堀越が解説します。  

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 慢性的な疼痛やがんの痛みをおさえる鎮痛剤

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剤形:錠剤、カプセル剤 薬価:00錠25mg1錠 38.6円 有効成分:トラマドール

   慢性的な痛みや治療困難ながんの痛みを抑える薬です。痛みをおさえる神経系統の働きを高める効果があり、軽度から中等度の強さの痛みに用いるオピオイド鎮痛薬(弱オピオイド系)に分類されます。

 オピオイドとは麻薬系という意味で、強オピオイド鎮痛薬の代表的なものがモルヒネです。

 同じ有効成分を使用したワントラムという薬もあります。こちらは、2015年に発売された新しい薬で、薬の構造を工夫し、1日1回飲むだけで効き目が続くようになっています。

 <「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生 より >   秋葉先生イラスト鳥無しsj続きを読む »

 やはり、交通事故外傷の仕事には最低限、薬の知識が必要です。初回申請はもちろん、異議申立てや裁判用資料の作成にも、まず、レセプトで治療内容と処方薬を確認します。レセプトを読み解く場合、医師がどの薬を処方したかによって、患者さんの症状の類型・軽重の予想がつくからです。秋葉事務所では、書類をただ右から左へ、提出代行だけの軽薄な仕事はしていません。地味ながら、薬の知識も必須なのです。    今日から不定期掲載、事務所全員持ち回りで薬の基礎知識を解説していきます。今までの「薬シリーズ」改め、「新・薬シリーズ」で代表的な薬を取り上げます。前シリーズでは、痛み止めを中心に、整形外科の処方薬を解説しました。

 出典は難しい医学書ではなく、「薬の教科書」(宝島社)監修 立川 康之 先生から抜粋させて頂きます。まずは、薬理・効能だけを把握します。より深い知識は、別の機会に譲りたいと思います。担当は以下の通りです。明日の1回目は前シリーズで残した痛み止め、トラマールを秋葉が取り上げます。    心のストレス    不眠      痴呆   山本さんイラストsj 続きを読む »

佐藤イラストsj久々の投稿です  先日、医療に従事している方に医療現場についてお話を伺う機会がありましたので、その一部をご紹介いたします。    総合病院の整形外科等だと分かりやすいのですが、整形外科には大きく分けて3つの分類があるそうです。① 脊椎、② 上肢、③ 下肢です。割合としては前述の順番で1:2:3だそうです。後期高齢化が進むご時世のため、年配の方がまず悪くするのは足腰なのだとか。運動や食事の量が減るため等原因は様々ですが、骨粗しょう症になり、ちょっとつまずいて転んでしまっただけで骨折して車椅子生活なんてことを耳にすることが増えてきました。そこで、これからの医療現場を考えて、国家主導で下肢専門の医師を多くしようとする活動が始まったため、上記のような割合になっているとの事でした。  kaigo4  一方、交通事故で(特にバイクの方)、ケガをされる方は上肢の骨折等が多いため、最近では上肢専門の医師を増加させる動きもあるようです。しかし、上肢は比較的保存療法が多いため、まだまだ数が増えていないのが現状だそうです。

 交通事故で最も多い傷病名はなんといっても「頚椎捻挫」「腰椎捻挫」です。まだ割と軽い症状の方は個人整形外科でいいかもしれませんが、神経症状が重篤な方は専門医に診ていただくのが安心です。しかし、専門医がなかなかいないのです。上記の割合でもわかるように脊椎の部門の先生が少ない中、さらにその中で名医を探さなくてはならない・・・被害者はやらなければならないことが多すぎます。交通事故で苦しむ方が少なくなるように、これからもサポートできる体制を保ち、頑張っていこうと改めて思った日でした。  

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最終更新:2019.12.19

ここ数年、交通事故業界で一種のブームと言えるのは、「画像鑑定」ではないでしょうか。

 

 

交通事故に遭われた被害者の皆さん。弁護士からこんなことを言われていませんか?

「画像鑑定に出しましょう。」「MRIを撮る病院を紹介します。」

でも、その画像鑑定など行う前に考えてほしいことがあります。

ある一定の事務所から、同じ読影医の鑑定書が毎月、毎月自賠責へ送られているんです。審査側はいったいどのように思うでしょうか?

 

交通事故で後遺症認定の為の画像鑑定の有効性は?

 

私の経験から言いますと、画像読影は医師の力量に大きな差があります。手術を行っている専門医なら、切る前に人体の中身をレントゲンやCT、MRIでわかっていないと困りますので、執刀医は力量ありと見ます。しかし、総合的な整形外科医や個人開業医は、読影力の差がすさまじく、レントゲン画像ならまだしも、CT、MRIはお手上げだと、正直に言われる先生がおりました。そこで、放射線科医という、読影の専門医が望まれるようになったのです。とくにアメリカでは、診断医は画像読影を放射線科医に丸投げするのが普通とまで言われています。アメリカは医療過誤に対してシビアなので、医師も読影判断の正誤に対して慎重なのだと思います。

日本でも遠隔読影、つまり、医師が遠隔地の放射線科医に読影を任すスタイルが広がりつつあります。今後、読影専門の医師の活躍は広がりそうです。その一環ではないですが、交通事故を扱う弁護士や行政書士が依頼者の障害立証のため、画像鑑定書を放射線科医に依頼する、新しいビジネスが一部で活気を帯びているのです。 20140508_6 弊事務所でも、以前から複数の医師に画像読影を依頼し意見を求める、場合によっては意見書や鑑定書を記載頂くなど、障害の立証に数多くの助力を頂いておりました。一部の被害者は画像所見が見出せず、訴える症状を認めてもらえない事態に陥ります。そこで、医師の鑑定は非常に有難いものとなります。しかし、やはり弊害が起こるものです。それは、特定の事務所から、同じ放射線科医の鑑定書が、毎月、何件も提出されてくることです。

自賠責保険の調査事務所は毎年、6万件前後もの後遺障害審査を行っています。その内、特に異議申立で、毎度毎度、同じ読影医の鑑定書が付されていると・・自賠責はどのように思うでしょうか?

これは画像鑑定書に限らず、後遺障害診断書にも言えます。特定の医師の書く診断書が急増すると・・誰かが裏で関与しているのでは?と自賠責・調査事務所は考えます。つまり、不自然に集中した同一医師の書く診断書は、疑いの目が向けられるのです。その医師に毎度、診断書や鑑定書を依頼している背後関係(特定の弁護士等)を調査事務所は直ちに把握します。保険会社にいた私は、普通にそう考えています。

鑑定費用を頂く医師にとって、依頼する弁護士等は御得意さんです。毎度、被害者寄りの、調子のよい所見が上がってきます。それを調査事務所は承知しているのです。これでは、フェアな鑑定にはならず、長い目で見れば、被害者救済は遠のくばかりです。本来、医師は中立的な見地から所見を診断すべきです。鑑定依頼者の顔色をうかがい、鑑定代金を念頭に仕事をしていないことを祈るばかりです。

 

 

後遺症が認定される信頼性の高い画像鑑定とは

 

その点、私達は医師に頼る前に、一次的に画像を観ます。そこで、素人ながら、ある程度の所見や疑問を掴んでから、読影医と打合せをします。この作業の過程で、どうしても所見の見出せないものは、はっきり「ダメ」と言います。当たり前ですが、所見がなければ「所見なし」と依頼者にはっきり診断を下すべきなのです。被害者さんの症状を十分に吟味せず、「弁護士費用特約があるから、ダメもとで鑑定しましょう」、そして「なんとなく(苦し紛れ?)所見ありと書かれた鑑定書が上がりました」・・この姿勢、プロセスには疑問を感じています。

私達は何より、医師の中立性について、常に気を使っています。つまり、特定の医師に偏った診断を仰ぐことを抑制しています。そこで、日々の勉強、読影の鍛錬が生きてくるのです。自信のある所見、そして、依頼者の症状の真偽を十分に検討した案件のみ、医師の意見を求めるようにしています。

軽々しく、頻繁に、診断書や鑑定書を医師に依頼しないことが、医師の診断の信憑性を担保するのです。

医師が「お金を貰って、弁護士の片棒を担ぐ」ようなことがあってはならないのです。また、そのような疑いの目を向けられては、画像所見が得られず苦しんでいる被害者は浮かばれません、

最近の相談会でも、参加される被害者さんから、他事務所の指揮で得た鑑定書を目にするようになりました。そこに毎度おなじみの鑑定医の名を見て、苦笑しています。交通事故業界の鑑定ブーム、困ったものです。

画像鑑定に出す前に決着を付け後遺症認定を受ける

 

秋葉事務所でも、画像鑑定に出すことはあります。

ただ先程も記述した通り、弊所では事前に画像を観て、所見のあると判断できるものしか持ち込みません。

安易に鑑定書を書かない完全に中立の立場に立つ信頼できる数少ない医師だからこそ、我々も安心して画像鑑定に出せますし、医師も快く画像鑑定して頂けます。

 

それも大切なのですが、画像鑑定に出す前に通院先の医師の診断書に所見を書いてもらう。

そうすることで画像鑑定も必要ない可能性もあります。

そのように所見がくまなくかかれた診断書等を完成させるために、弊所では被害者と共に病院へ付添い、医師に頭を下げ患者さんのかわりにお願いしています。

 

解決までの道筋を立て、忠実に正確に実行できるからこそ、高い等級を取りこぼしなく取得できるのです。

 

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佐藤イラストsj今回はあまり重要視されていない検査をご紹介します。    筋萎縮検査というものもあります。ほとんどの個人整形外科医では行われませんが、記載しておきます。神経症状が起こると、その腕をほとんど使わなくなり、筋力が低下するため、腕が以前に比べて細くなるといった現象が起こるのです。その計測の方法は肘の関節から直角に10センチ上を計測することを上腕周径、10センチ下を計測することを前腕周径といいます。患側と健側で1センチ以上差があるときは記載していただくのがいいでしょう。しかし、利き腕や、スポーツ歴等により元々1センチ以上の差がある方もいらっしゃるため、この検査結果は参考程度にしか見られていないかと考えております。

※ 上記の考えはあくまで、頸椎捻挫であり、頚髄損傷等の深刻な神経症状を起こしている場合は参考に留まらず、他覚的所見として判断されるかと思います。

 よく行われるテストで握力のテストがあります。普通に握力計測を行うため、特に解説は必要ないかと思いますので、割愛させていただきます。

 その他に10秒テストというものがあります。グーとパーを交互に行い、10秒間に何回できるかをみるものです。一般的には10秒間に20回を下回ると運動障害ありと判断されます。ただ、この検査も参考にされる程度で目立った所見ではないかと思われます。

 握力  事務所には一応、握力計、メジャーが備えてあります。

 このように頚椎捻挫の診察で行われているものの大半は自覚症状に基づいたものです。後遺障害診断書に有意な所見が記載されているとしても調査事務所はその部分のみで判断はせず、総合的に判断しているかと思います。どういう要件が揃えば認定を得ることができるのか・・・これからも追求の日々です。  

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