⑧ ノボラピッド(ノボ ノルディスクファーマ) 注 フレックスペン

   血液中の糖の上昇をおさえて糖尿病を治療する    血液中の糖の上昇をおさえるインスリンは、糖尿病治療のためには大切なホルモン。ペン型注射で投与するこの薬はインスリン製剤の1つで、インスリンの分泌が少なくなってしまう1型糖尿病患者や、2型の中でも食事や運動の療法の効果が薄い患者に処方されます。

 インスリン製剤は、作用が現れる時間と作用の持続時間によって、超速効型、速効型、中間型、混合型、特効溶解型の5種類に分類されます。この薬は、超速効型で、作用発現が15分以内と非常に早いのが特徴です。         生活習慣からではなく、先天性に多い1型糖尿病の方の場合、膵臓からインスリンがでないので、おなじみのインスリン注射があります。重度の糖尿病患者さんは、インスリン注射を携帯しければ命取りです。そこまでいかずとも、即効性のインスリン分泌薬としてノボラピッドは携帯されているようです。   ● 注射剤    ● 有効成分 インスリンアスパルト    ● ジェネリック

 インスリンアスパルトBS(サノフィ)  

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⑦ スーグラ(アステラス製薬)

   国内初なるSGLT2阻害薬    SGLT2阻害薬という新しいジャンルの糖尿病治療薬です。SGLTとは体内のたんぱく質の一種で、糖などの栄養成分を取り込む役目があります。

 この薬は、SGLTが糖を取り込むはたらきを邪魔し、より多くの糖を尿として排泄させます。結果、高血糖が改善されるというわけです。

 糖尿病の治療薬は、体重増加を引き起こすことがあります。しかし、この薬は尿からの糖排泄を促すので、体重増加などの副作用がないのも特徴です。

      ● 25mg(1錠)136.5円     ● 有効成分 イプラグリフロジンL-プロリン    ● ジェネリック

 なし  

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⑥ リオベル(武田薬品工業)

   2つの効果で糖尿病を改善    ピオグリタゾンとアログリプチンという、作用の異なる2つの糖尿病治療剤を配合した薬です。有効成分の1つであるピオグリタゾンは、筋肉や脂肪組織、肝臓でのインスリンに対する感受性を高める作用があります。そのためインスリン抵抗性改善薬と呼ばれます。

 もう一方の有効成分・アログリプチンは、血糖を一定に保とうとするホルモンであるインクレチンを分解しようとする邪魔な酵素(DPP-4)を阻んで、インクレチンのはたらきを助けます。そのためインクレチン関連薬と呼ばれています。       ● LD(1錠)219.4円  HD(1錠)270.5円   ● 有効成分 ピオグリタゾン、アログリプチン   ● ジェネリック

 なし(ピオグリタゾンやアログリプチン単体ではあります)  

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④ アクトス(武田薬品工業)

   インスリンの効き目を上げる糖尿病治療薬    血液中の糖の上昇をおさえるインスリンというホルモン。このインスリンのはたらきが低下すると2型糖尿病にかかりやすくなります。糖尿病の患者の体内では、個々の細胞のインスリン抵抗性が高まり、インスリンの効き目が薄くなっているのですが、それを改善することで糖の消費を高め、血糖値が下がります。これまで、飲み薬としてはスルホニルウレア(SU)系という薬が使われてきましたが、それでは効果が不十分な場合のために開発された新しいタイプの糖尿病治療薬です。      ● 30mg(1錠) 137.5円   ● 有効成分 ピオグリタゾン   ● ジェネリック

 ピオグリタゾン「TCK」(辰巳化学)  

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③ ベイスン(武田薬品工業)

   食後、血糖値の増えすぎをおさえる    食事に含まれる糖類を、腸内で血糖となるブドウ糖へ変化させるために必要な酵素であるαグルコシダーゼ。そのはたらきを妨害することで、糖質の消化・吸収をおさえるのがこの薬です。

 食後に上がりやすい血糖の上昇にブレーキをかけることができて、糖尿病患者の血糖が過度に増えることをおさえることができます。この薬が処方されるのは、食事療法や運動療法などを行っても十分に効果がない場合などで、原則としては薬よりも優先して生活習慣の改善が求められます。     ● OD錠0.2mg(1錠) 38.2円   ● 有効成分 ボグリボース   ● ジェネリック

 ボグリボース(東和薬品)  

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 久々にシリーズ再開します。およそ、交通事故外傷に関する代表的な薬は網羅してきたはずです。交通事故外傷から離れますが、新シリーズでは国民のほとんどが直面する生活習慣病の薬を整理したいと思います。

 整形外科で処方されることはない薬ですが、痛み止めの処方の際に、その飲み合わせに禁忌する薬を把握する必要があります。また、普段服用している薬によって、整形外科の治療内容に影響を及ぼすこともあります。つまり、生活習慣病の薬や、その病態の知識は知っておくべきと思うのです。おなじみ、「薬の教科書(宝島社さま)」からの引用になります。(薬価は2016年当時です)  

糖尿病と交通事故外傷

 高血圧、高脂血症、高血糖・・・すでに病院で治療をしていない軽度の方を含めると、40歳以上の方の5人中4人が健康診断でこれらの指摘を受けます。これら予備軍の民さんは、食事の管理や運動で改善を目指していくことになります。それでも改善が進まない方は、薬に頼らざるを得ません。交通事故でケガをした際の投薬においては、お薬手帳を示し、医師・薬剤師から十分に注意を払って処方されます。    骨折した方の場合、糖尿病の治療中でインスリン注射を打っている方は、緊急性がなければ、手術を避ける傾向です。高血糖は手術の危険要因になります。また、骨折の癒合も遅い傾向が指摘されています。経験上、糖尿病の方の外傷は、全般的に治りが遅いと実感しています。そして、自覚症状がしばらくでない糖尿病でも、手足のしびれ、だるさ・倦怠感などがあり、頚部の神経症状と重なることがあります。交通事故外傷の治療では、やっかいな既往症と思っています。

 実は4年前、めちゃめちゃな食生活をしていた秋葉も高血糖に陥り、受診したことがありました。血糖値216mg、A1c9.9%、尿糖3+、完全な糖尿病の数値です。すぐさまメトグルコの服用となりました。この時、インスリン注射も経験しています。今までの生活を猛省し、食事の栄養バランスを徹底的に見直しました。幸い4カ月位ですべて正常値に戻り、空腹時血糖値を100未満、A1cは6.0未満として、現在もキープしています。

 実は、それ(改善)は珍しい事らしいのです。主治医の先生がこっそり教えてくれましたが、食事や運動など自己管理で改善する患者さんは20人に1人位、ほとんどが継続的に薬を処方、または再発を繰り返すそうです。元々の体質が要因である場合は仕方ないことですが、いかに生活習慣病にならないよう、自己管理を徹底することが難しいかを物語ります。20人中19人が治らずにずっと通ってくれる・・内科医は儲かっていいな、と思う次第です。     ① メトグルコ(大日本住友製薬)

   血糖値を下げるために肝臓での糖分の生成をおさえる    最初に定番のお薬です。高用量処方が保険適用で認められ、新規承認された糖尿病薬です。お値段も安い。

 血糖が、その量を調整するインスリンホルモンのはたらきを受けやすくなる効果があります。また、肝臓で糖分が作られるのをおさえ、筋肉や脂肪組織で糖を利用するのを促進し、腸管から糖を吸収するのをおさえるため血液中の糖分の量が減ります。特に、インスリンホルモンのはたらきが悪くなったり、分泌量が減少するなどの2型糖尿病に対して使用されます。また、血液中のコレステロールや中性脂肪の低減効果があり、体重の増加を助長しないので、肥満型の糖尿病患者によく処方されています。

 注意が必要な副作用に、乳酸アシドーシスがあります。現在は多くの国で販売中止のフェンフォルミンという成分で多く見られた副作用です。しかしこの系統の薬は、適切な医師の管理下で服用すると有用性が高いため再評価され販売しています。また、糖尿病薬全般に共通する、血糖値の下がりすぎによる低血糖症も起こることがありますが、糖尿病薬を服用している人には、薬局でブドウ糖を配布しているので、低血糖症の症状や対処法と合わせて入手しましょう。   ● 250mg(1錠) 10.2円   ● 有効成分 メトホルミン   ● ジェネリック

・ネルビス(三和化学研究所)

・メトホルミン塩酸塩「トーワ」(東和薬品)など  

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 保険会社側の医療調査とは・・被害者さんの治療費を支払う立場の保険会社の目的は大きく3つです。この交通事故でケガをしたのか?、その治療行為や費用は正当か?、いつまで治療費を負担すべきか? でしょうか。

 正当な、妥当な、治療費の負担が保険会社の姿勢です。これらの為に、保険会社内部の医療調査班、あるいは外注の調査会社を通じて行われます。その調査費用は保険会社側が負担します。

 一方、私共が担っている医療調査は、この事故で必要となった治療や検査、期間について、相手保険会社の疑義が生じた場合、その証明を整える為に奔走します。それは医師面談、診断書や画像の回収になります。これらの作業は、長じて後遺障害の審査に繋がるものです。

 しかしながら、被害者さんの訴える症状について、医師から十分な診察や検査結果が得られず、相手保険会社(まず審査は自賠責保険)が後遺障害を認めない場合もあります。この場合、医療調査は苦しい作業になります。素人ながら、被害者さんの訴える症状を丁寧に聞き取り、患部を触り、とくに画像や検査データを拝見します。もちろん、これらの作業は”医師法に抵触しない範囲で”行います。同法から、勝手な診断や見立てをしてはなりません。

 今回もこの苦しい作業をもってしても、活路は見出せませんでした。専門医にお連れし、精査を重ねましたが、新たな診断名がつくような所見は得られませんでした。つまり、後遺障害の再請求を断念です。さらに、弊所にとっての厳しさとは、これら医療調査の費用が十分に確保できないことです。被害者さんにとって結果として賠償額が上がらなかった作業に、被害者さんのお財布を開いて頂くことに躊躇があります。そこで、担当弁護士さんから費用捻出頂くことが多くなります。ここで、被害者さんの自動車保険・弁護士費用特約から頂けないか? がポイントになります。

 しかし、弁護士費用特約、これが最も難関です。行政書士にも相談料など設定されていますが、保険会社の感触とは・・「医療調査? 何の?」と、まったくの想定外の作業なのです。冒頭、加害者側の医療調査には費用を捻出する保険会社も、弁護士や行政書士が医療調査をする?・・ピンときません。これは仕方ない事だと思います。私共は医師でもなく、医療調査ができる人とは思われませんし、「被害者にとっての医療調査?」、その必要性など考えも及ばないのです。

 結果として、本日の医療調査から新たな所見は得られず、弁護士に賠償交渉を引き継ぐことになりました。弁特社から頂けるのは、わずかな相談料だけです。これでも有難いとには変わりませんが、病院同行3回、うち専門医に誘致して、診断書類からMRI画像の精査など、手間暇、経費、技術、これら専門的な作業の対価には到底見合いません。ある意味、弊所の敗北なのです。

 それでも、医療調査が功を奏し、賠償金50万円だった事件が3000万円まで上がったなど、このような大幅に増額した件は何度もありました。これらは決して大げさな数字ではありません。私共の医療調査は報われることもあるのです。この点で、ギャンブル性が高い仕事と言えます。あまり、他の行政書士にお勧めできない理由かもしれません。それでも、毎年届くお中元・お歳暮を目にしますと、解決して何年経っても謝意を示して頂ける依頼者様がおります。それらを励みに、今日も病院同行を重ねています。

 

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 若宮橋。 美しい橋脚の眺めに、思わず写メを残しました。

 若宮公園にかかる橋です。これを渡ると、森の里の住宅街を経て七沢に通じます。七沢は神奈川リハビリテーション病院行で何度か足を運んでいますが、未だ温泉には未湯です。    さて、本日は紹介状の依頼で病院同行でしたが、医師にうっかり、「セカンドオピニオンのような・・」と言ってしまいました。紹介状の依頼とは、別院への転院を意味します。セカンドオピニオンは現在の病院にかかりつつ、別院での診察を受けて意見を伺うものです。これは似て非なるもの、医師からも念を押された次第です。    

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 毎月のように、弊所の依頼者様が労災の顧問医の診察を受けています。純粋な業務災害の依頼は少ないものですが、通勤災害は数多く、交通事故の解決に労災請求が被ってきます。そして、自賠責保険で後遺障害の認定を得ますが、前後して労災の障害給付の請求もすることになります。両者は9割がた同じ審査基準と言えますが、部位・症状によって違いがあります。これは、毎度のテーマでもありますが、最大の違いは、文章審査を原則とする自賠責に対し、労災は顧問医の診察があることです。    違いの一例 👉 労災は半袖、自賠責はノースリーブ、裁判はタンクトップ以上!?    よく違いが生じる障害 👉 実績投稿:TFCC損傷、自賠責と労災の違い    障害給付の申請を提出すると、担当者から顧問医の診察するよう要請が入ります。およそ月1~2回、各地の労基署の第〇曜日に顧問医がまとめて診察をしているようです。診察者が多い場合や、予定が合わないと翌月になりますので、その分審査が遅れます。この診察には弁護士でも同席できませんので、事前に症状を文章にしておき、持参します。もちろん、労災側に専用の用紙にて記載を求められることもあります。先に自賠責で妥当な等級がついている場合、その認定票や診断書・検査サマリーなどを提出することも多いものです。労基の職員によると、それらは審査書類に当たらないものの、それなりに参考になるそうです。

 さて、被災者さんが診察に臨む前に、諸々のアドバイスをしています。多くの場合、認定されるべき等級は固まっています。その等級に合致するよう、穏当に済めば良いと思います。ところが、顧問医によって、それが大きくぶれる経験もありました。たいていの顧問医は、労災の認定基準に照らして診断内容をまとめますが、やはり、診断権という権力を持った医師、勝手な診断を下すこともあるのです。労基の職員によると、はっきり言いませんが、”個性的すぎる”医師もいるそうです。そのような先生に当たってしまうと・・結果が読めません。医師の判断は、つまり、人間の判断ですので、医師の独自見解が入ってしまうことがあるのです。その点、画像審査を主眼とする自賠責保険の方が、ぶれを感じません。    被災者さんに最後のアドバイスとして、顧問医の当たり外れを説明することになります。文字通り、最後は「GOOD LUCK」を祈ることになります。    

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 自賠責保険の後遺障害審査で必須となる画像、主にレントゲン、CT、MRIなどですが、これを集めるのに一苦労があります。病院によっては、患者自らの請求ですら、快く応じてくれません。提出先や理由を聞かれ、申請書を書くこともあります。ただ、フィルムの時代から比べれば、現在はCDやDVD-ROM化していますので、病院側の手間は減ったと思います。

 また、別の問題として、その価格があります。パソコン操作でソフトに焼くだけの手間、それも15分もあれば完了するものです。手間賃に等しいものと思います。およそ500円~2000円が多かったと思います。クリニックですと、純粋にソフト代として10円~100円だけ、中には0円もありました。一方、医療情報の開示にあたるので、カルテ開示同様、厳密なルールのもと、開示費用に扱いで5000円~数万円がありました。それなりの規模の病院で、費用名目や価格も決まっている印象です。

   前置きが長くなりましたが、私共のような業者、もちろん保険会社からの請求も多いと思いますが、それらに対して異常に高額な請求をする病院が存在します。確かに昔はレントゲンフィルムをコピーする手間があり、フィルム代も安くはないので、画像1枚=1000円程度は普通でした。しかし、現在はディスクに焼くだけ、パソコンのひと操作で完了するのです。それを、未だに画像1枚当たり=〇〇円で計算する院が残っています。レントゲン数枚ならまだしも、CTやMRIは言わば連続写真のようなもので、一部位の画像が数十枚になるのです。数度にわたり検査したとすれば、100枚を超えることは珍しくありません。

 かつて、フィルムが廃れつつある中、ある大学病院に画像を依頼したところ、「1枚あたり1000円ですので、フィルムコピー代は、えーと合計246000円ですが、払えますか?」との回答でした。ほとんどの患者は諦めるはずで、それを期待したような物言いでした。数年前まで、この有名大学病院はディスクに焼かず、(CTやMRIまでも、わざわざ観ずらい)フィルムの対応で、その高額な費用で困っていました。現在はそのような意地悪はしなくなり、ディスク1枚=2000円位で焼いてくれるようになりました。弊所では、この医事課の責任者に、さんざん苦言し続けたかいがあったと思っています。

 最近になっても、個人経営のクリニックで、このようなフィルム時代の名残のような1枚=〇〇円対応がありました。ディスクに焼くだけの手間で、例えば18枚のレントゲンを(おそらくワンクリックの手間なのに)、1枚=2000円+消費税、さらにディスク作成費用加算と言った、ひどい請求がありました。画像検査専門の病院では、放射線科の読影報告書付ながら、ディスク1枚のコピー代は2~3千円です。ただディスクに焼くだけを、いくら自由診療だからと言って、病院側の悪意すら感じます。    このように、自由診療扱いをいい事に、めちゃくちゃに価格幅があることは、業界全体の不審になるものと思いま。つまり、健保治療のようなガチガチの点数制限はないまでも、ある程度の価格相場、推奨金額を決めて頂けないものか、医師会に対して切に願っているのです。  

 

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 私共の業界では、当たり前に使用する専門用語で「ROM」があります。これは医療、とくに整形外科において、医師はもちろん理学療法士・作業療法士などを含め、日常用語レベルです。また、介護関係者にも通じます。    改めて、説明をしておきましょう。   関節可動域をROMと略します(Range of Motion)。これは、体の関節が痛みや傷害などが起きないで運動できる範囲のことです。関節可動域は、どれだけ動くかを角度で表記します。関節可動域は、患者に必要なケアやリハビリ計画を立てるために重要な計測数値です。関節を中心とした身体機能を評価することで、障害の程度や困難となる生活を把握し、改善目標を立てるために役立ちます。

 計測する分度器をゴニオメーターと呼びます。秋葉事務所では4種のゴニオメーターを常備しています。  

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 市場が移転した豊洲埠頭は道幅広く、周囲を億ションに囲まれた新しい街です。本日はこちらに病院同行でした。やや潮風を感じます。      最寄り駅はゆりかもめの市場前です。セカンドオピニオン外来でしたので、予約通りにスムーズに受診できました。ビル内の新しい病院ですが、院内は従来の病院とかけ離れたもので、ホテルのような内装でした。    さて本件ですが、開放骨折を伴う難治性の骨折の治療は、時間がかかります。ひと昔前なら切断肢のレベルだったと思います。専門医の説明によると、骨癒合が進むまで、変形を矯正する為の再手術はしばらくできないそうです。しかしながら、変形・湾曲した長管骨は再骨折の可能性が高く、再骨折すれば直ちに骨の形成術が可能となるそうです。    難治性骨折の治療は長期戦です。幸い労災治療なので、相手保険会社のプレッシャーは弱く、じっくり治療を進め、再手術と症状固定の前後やタイミングを検討することができます。本件は相手が一方的に悪い事故ながら、労災治療のメリットを活かしています。  

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 健康診断で唯一、異常の指摘を受けているがLDLです。いわゆる悪玉コレステロールと言われているものです。この数値が高いと、血管内にプラークが生じ、血管が狭く固く(動脈硬化)してしまい、心筋梗塞や脳梗塞に繋がります。つまり、脂質異常症は、警戒すべき成人病の一つです。

 脂質異常症は、それが自覚症状として、なんらかの発症を得ることがなく、静かに体を蝕むサイレントキラーの一種と呼ばれています。今年の数値は170でした。ここ数年、高値のまま、やや下がってきてはいます。その基準値ですが、119以下を推奨されています。また、140以下なら問題ないとの文献もあります。そして近年の研究結果から、LDL単体の数値だけでなく、HDLとのバランスや中性脂肪の数値と並べて、総合的に判断すべきとされています。

 確かに医師の判断にも幅ができたようで、140超えたら即スタチン服用としない傾向です。その人の体質や、家族の血管系の疾患なども加味して、200未満なら、食事と運動、生活習慣の改善で足りると判断する医師も多いようです。また、高血圧や糖尿病の人は、血管へのダメージがダブルでうなぎ上りで危険度がぐっと上がるそうです。その場合は服薬がより推奨されます。私の場合、20代から現在まで、血圧や中性脂肪が標準値よりもかなり低いので、医師は「それほど危険視する必要はない」とのことです。

 また、LDLが豊富な食品として卵の黄身がありますが、食生活上、控えるよう指導されていたことも、過去のものです。LDLの70~80%は体内で生成されるもので、食べ物からの影響は少ないことが分かってきたからです。脂質や油ものを控えることは変わりませんが、総合栄養食として優れた卵を控える必要など、余程に過剰摂取しない限りないそうです。

 このように、健康診断の数値をどう判断するか、薬の処方、長じては生活習慣の改善とその取り組み方まで、エビデンスは日夜変化しているのです。ただし、来年はLDLを140アンダーにするよう、日々取り組みたいと思います。    

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 ざっくり、血液検査のことを指すものと解釈していました。観血的手術の際、術前検査で血液を調べ、数値が問題なければ手術、との流れでしたので。

 誤解があってはいけないので、少し詳しく調べてみました。   (1)CRPとは

 Cリアクティブプロテインという、たんぱく質の一種を指します。体内で炎症が起きたり組織細胞に障害が起こると、このたんぱく質が増えます。検査の数値から、どの臓器に異常が起こっているかまではわかりませんが、炎症状態の経過を知るには重要です。検査値が非常に高い場合は、結核などの慢性感染症、関節リウマチなどの膠原病、心筋梗塞、肝硬変、悪性腫瘍などが想定されます。軽度の上昇はウイルス感染症、内分泌疾患などが考えられます。CRPの基準値は0.30mg/dL以下となります。   (2)CRPの異常値が出た場合

 CRPが高いときは、まず原因を調べます。関連する検査として、白血球数・白血球分画・フィブリノゲンなどです。正確な病態を把握するためには、他のいろいろな検査や自覚症状、診察などから総合的に判断していきます。CRPは年齢とともにわずかに増加するもので、喫煙者は非喫煙者より高値を示します。また、妊娠後期でも増加します。風邪など、細菌・ウイルス感染後でも高値を示しますので注意が必要です。    経験上、開放骨折と言って、折れた骨が皮膚を突き破った場合、MRSA・感染症に対する警戒が続きます。開放骨折の患者へは、CRP検査がしばらく繰り返されます。熱でも出た場合、医師の警戒はMAXとなります。  感染症にならないよう、手術前の血液検査でも確認必至の数値なのです。  

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 今月になって、そろそろ10年のお世話になっている保険関係者様が2名、ご病気で入院となりました。私と佐藤、それぞれお見舞いに伺うことになりました。緩解と1日も早いご退院をお祈りする次第です。    週末に健康診断を控えて、目下、体を作っています。酒を断ち、食事のバランスとカロリー制限中です。体重は落ちますが、筋肉を保つために筋トレも欠かすことができません。齢50を超えてみますと、健康でいることが一つの目標となっています。なにせ、剣道部の同期達の中で、卒業以降、入院や手術していないのは私だけです。唯一、薬もまったく飲んでいなません。これは、日ごろの健康管理や節制の効果だけではなく、生まれついての健康体に感謝すべきと思います。

 しかし、ちょっと油断すれば血糖値は上がりますし、LDLコレステロールは慢性的に高値です。毎年、健康診断の数値をみて、糖質制限や脂質制限などテーマを決めて取り組むことになります。残念ながら、それが中高年の姿、病院知らず・薬知らずは、地道な努力を重ねるしかないのです。      

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 根治療なので約2ヶ月を要しました。数年ぶりの歯科通いでしたが、大きな変化として、クラウンに対する健保適用の拡大です。    歯の後遺障害、復習 👉 顔面の後遺障害 ⑧ 歯の後遺障害    元々、金ピカ・銀ピカの金属を被せる場合は健保適用です。セラミックや、インプラントなど、白く仕上げるものは自由診療で高くついたのです。今回、白いプラスチック製でも健保OKとなっていました。自費負担が5000円位と、大変に経済的です。今度、別の歯のクラウンがダメになったら、健保で白くできます。よかった。   (以下、厚生省のHPより)

 CAD/CAM冠(キャドキャムかん)・・歯の模型をコンピューターでスキャン、プラスチックとセラミックの混合材で形成する被せ物(歯)です。自由診療となるセラミック製よりは強度が落ち、将来的に変色することがデメリットです。しかし、白い歯を安価で保つことのメリットが上回ると思います。

 それでも、自由診療でバリバリ稼ぐぞ!と言った歯科医では、この健保治療をしてくれそうにありません。通っていた歯科医は大丈夫ですが、都心の歯科医にて健保治療を押し通すのは、過酷な戦いを強いられます。    戦いの記録 👉 夏休み特別企画~歯医者の恐怖    最近のニュースで、きぬた歯科へのグーグル(だったかな?)の書き込みで、患者に成りすまして悪評を書いた都内の歯科医が、開示請求によって明らかになったそうです。同業者の嫉妬、どの業界でも怖いものです。    

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 前回 👉 後遺障害診断書に無駄な記載 ①   ③ 職業

 これは無駄と言うか、無理に書かれない方が良い情報です。このシリーズに挙げることをためらいましたが・・あえて書きましょう。

 医師によっては、患者の名前や住所、生年月日を事務方や患者本人に、あらかじめ記載させる院もあります。そのような患者情報の欄の中で、職業欄はそう重要ではないため、空欄のままとする医師が多いものです。私共も空欄だからと言って、「先生、職業欄に”会社員”と記載が漏れています」など、わざわざ言わないものです。ところが、訴えの信憑性が検討される”むち打ちの14級9号”では、少し気を遣います。例えば、以下の職業はそのまま書くより、書かない方が良いと・・   〇 タクシー運転手

 おそらく、保険会社の社員では、タクシーの運ちゃんに偏見を持っている人が多いと思います。内心、「タクシー運転手は事故慣れしているので、嘘くさく半年も通ったのでは?」と、疑念される事を懸念してしまうのです。むち打ちですぐ温泉療養をしたがるので、保険会社から嫌われています。

  〇 生保外交員

 保険慣れしており、生保のおばちゃんは、都合よく会社員と自営業者の立場をとります。何より、外務員(ほぼ自由業)ですから、通院日数を稼ぎやすいのです。通院の傷害保険に入っていれば、〇日いくらで保険金がでますので、頑張って通うのでは・・と思われます。どうしても、過剰通院と思われる危機感を覚えてしまうのです。   〇 水商売全般

 こちらも残念ながら、保険会社から疑念を持たれがちです。とくに、休業損害で、自分で書いたいい加減な(お手盛り)休業損害証明書が上がってくれば、胡散臭い被害者成立です。源泉徴収票のない自営業者全般に言えますが、第3者の証明が乏しいのです。まして、税金の申告をしていないキャバ嬢(自営業者が多いのです)は、その休業の証明に受任した弁護士も苦慮します。かつて、病院に通って休業しているはずが、(店とグルで)出勤していた方もおりました。

 やはり、お堅い会社員や公務員の肩書が安心できます。職業によっては、あまり具体的に書きたくありません。せいぜい自営業と記載頂くようにしています。   〇 一部上場企業

 逆に、「〇紅」「〇下電器」「〇ニー」など、名の知れた大企業の方は、その信用は絶大です。1日あたりの給与が3万円以上あるような方は、慰謝料や保険金の為に、必死に通院日数を稼ぎません。そもそも、多忙で責任のある部署についていれば、通いたくても通えないのです。そのような身分の方が、業務時間を削ってまで何日も通っている・・症状の深刻度・信用度は爆上がりです。そこで、職業欄にあえて企業名を記載頂いたこともありました。    画像に写る骨折など、はっきりした証拠のない、自分が「痛い」と言っているだけの打撲捻挫での申請には、この職業欄にちょっと気を付けることになります。もちろん、有名企業以外の職業の被害者さんであっても、いたって真面目な方で、ひどい症状に悩まされての申請もあります。そのような人達の信用を担保しなければなりません。そこで、医師が職業欄にタクシー運転手と書こうとした瞬間、「先生、簡単に”会社員”でいいです」と言いたくなるのです。    

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 症状や障害の状態によって、後遺障害診断書の記載項目は絞られます。すべての欄に記載する必要はありません。当たり前ですが、腕の骨折で、目や耳の障害の欄に記載しないでしょう。私達は医師面談の際に、「先生、そこの記載は必要ないです」とお伝えすることがあります。医師や病院スタッフに対し、いらぬご負担となるからです。ご多忙の中の記載依頼ですから、病院側への配慮です。このサイトを医師が観ているとは思いませんが、いくつか挙げてみます。    ① 頚部の運動障害

 打撲捻挫の類で、首が曲がりづらくなったことなど、自賠責保険は認めてくれません。何度に制限されようと、審査上はスルーされます。この角度が必要となるのは、頚椎の骨折・脱臼、あるいは固定術施行の場合です。わざわざ、計測頂くのは申し訳なく、よく提言しています。しかし、医師の無駄な記載率1位だと思う位、ここをしっかり計測・記入下さる先生が多いのです。

② 関節機能障害

 上肢・下肢の骨折後、関節の可動域が制限されることがあります。ただし、画像上「曲がらなくなった」ことがわかるような、骨癒合後の変形や転位(骨がずれてくっつく)、骨が癒合しなかった場合など、物理的に関節が曲がらなくなった状態が障害認定の前提です。つまり、問題なく癒合した場合、可動域制限があっても障害認定は否定されます。明らかにひびが入った程度の骨折で、関節の角度がひどくても、「高度な可動域制限は起きないはず」との結果は見えています。可動域制限を装う悪だくみに加担しないため、嘘や大げさな記録は当然にダメです。嘘くさい角度など、かえって悪印象、痛み・不具合の14級9号の審査に悪影響すらあると思っています。

 また、この30年間の整復術をみていますと、金属(プレートや髄内釘、ワイヤーなど)が、手術の技術と共に進歩しており、可動域制限なく治る傾向です。昔と違って、ヤブは少なくなったと思います。おかげで私共にとっては、機能障害の等級は取りづらくなった印象です。もちろん、患者さんにとっては良い事に違いありません。したがって、明らかに12級レベルの制限がなく治ってる場合や、ほぼ正常値に回復しているのであれば、無駄な計測・記入は控えてもよいと思います。

 ① ②いずれも、医師によっては「通例として、受傷箇所の計測・記録はするもの」と律儀に考えます。その場合は従うようにしています。    つづく 👉 後遺障害診断書に無駄な記載 ②  

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 今月から数回の歯医者通いです。以前、歯医者との苦闘の日々をつづったことがありました。    👉 夏休み特別企画~歯医者の恐怖    都心の歯医者は怖いのです。現在、通っている歯医者さんは普通で、健保治療が中心です。↑のような「なんとか自由診療に誘導するのだ」と言った院とは違います。

 医療者と言えど民間企業ですから、利益追求の姿勢自体は非難されることではありません。ただし、人の健康を支える仕事ですから、露骨な利益優先には、引いてしまいます。医師と言うより、経営効率主義の社長さんと化しています。そのような医師に診てもらいたい患者はいないと思います。    

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 威張る・・・威勢を張って偉そうにする。えばる。    「威」を張る人は、周囲の人へ高圧的、支配的な態度や言動で威厳を保とうとします。周囲から「威」を認められている人は、改めてそのような態度を張る必要はありません。周囲からひんしゅくを買うのは、「威」を過剰に張ること、そもそも「威」がないのに無理している人でしょうか。そのようなトホホ感を示す人や態度について、「格好つけやがって」と揶揄する場合、大阪では「いきっている」と言うそうです。    さて、私達の仕事では、弁護士や医師など、先生と呼ばれる人達に毎日のように関わります。当然に敬意をもって対しています。また、警察官や役所に手続きをお願いすることもあり、平身低頭の日々です。ある意味、お金を支払う立場の保険会社も権力者に値しますので、無礼な物言いは許されません。当たり前ですが、周囲に対して敬意を払うことこそ、仕事の基本姿勢と言えます。

 これは、何も特別なことではありません。すべての仕事に言えることであり、仕事に限らず、他人はもちろん、友人や家族に対しても、人として周囲に敬意を払うことが基本、そう習ってきたと思います。ただし、実際の社会では、敬意の欠片もない人が散見されます。人それぞれですから、一々気にしていられませんが、仕事上、異常なまでに威張る人には辟易させられます。

 ある弁護士ですが、交通事故相談会において、靴を脱いでイスに胡坐をかいていました。相談者に対して、すでに座り方まで親分気取りなのです。当然に言動も高圧的でした。この弁護士さんとは一緒に仕事はできないと感じました。医師も威厳がある職業ですが、15年間で1000人ほどの医師面談を振り返ると、異常に威張る先生は10~20人に1人位でしょうか。多いのか少ないのか・・やや多い印象です。元より尊敬を受ける職業ですから、そこまで威を張る必要などないのですが・・。

 弁護士、医師に限らず、過剰に威張る人には特徴があります。地位やポストが高い人、優秀な人には少なく、下位のポスト、微妙な立ち位置の人に多いようです。警察やヤクザも下っ端がもっとも威張っていて厄介です。何等かの鬱屈がそうさせているのかもしれません。本当に偉い人や人格者は、他者の立場、高低・優劣によって態度や言葉使いを変えることがありません。総じて謙虚な人が多かったと思います。    

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