③ 足関節脱臼(骨折)について

 脛骨、腓骨と距骨との間の関節が事故により脱臼してしまうことがあります。

 脱臼の際に、骨折してしまうこともあります。また、骨折だけではなく、周囲の靱帯損傷をしてしまうこともあります。単なる脱臼であれば、徒手整復で外れた関節をはめることで治療できます。仮に徒手整復を実施しても関節が不安定な場合は、手術が必要となる場合もあります。しかし、他方で骨折もしている場合、わずかでも骨片が関節内に残存してしまうことがあります。わずかに骨片が残存しているようであれば、そのまま放置して経過観察することがありますが、上記徒手整復をした際に、関節内に骨片が残存してしまった事例がありました。

 その事例の相談者は靱帯、神経、骨の癒合はどれも問題ないにもかかわらず、関節が曲がらないままでした。どの医師もお手上げでしたが、最後に足の専門医に診て頂き、骨・関節内の異物除去術、腱剥離術を実施しました。症状固定時に脱臼した関節の可動域が制限されていても、単なる脱臼であった場合、自賠責調査事務所や保険会社はそれだけで関節が曲がらなくなるとは通常考えません。脱臼した上に骨折や靱帯断裂等があって、関節を曲げる運動に支障が出ていることが証明されてはじめて関節可動域での等級の土台に乗ります。

 例:骨折後の癒合不良、癒合しても変形癒合して関節を曲げる際に骨同士で引っかかること、靱帯損傷で足の運動に支障が出てしまうこと、神経断裂により、自分で体を動かせない事等。

 なお、脱臼後、痛みが事故当初から発症し、症状固定時まで症状が継続していれば14級9号が、さらに脱臼骨折等で骨片や変形癒合等が残存している場合であれば12級13号が認定される可能性があります。

 

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 健康保険を利用した場合、その自己負担額(1~3割の窓口負担)が高額になった場合、月毎の限度額を超えた分の払い戻しができます。お馴染みの精度ですが、その限度額を一目で確認できる忘備録が必要と思いました。業務日誌にUPしておきたいと思います。詳しくは、全国協会健保のHPをご覧下さい。内容は社保(協会・組合)、国保も概ね同じです。   (1)手続きの流れ

1、治療費の支払

2、高額療養費支給申請書の提出⇒(協会けんぽ、組合健保の会社、国保は市町村の窓口)

3、審査=医療機関から提出される診療報酬明細書から検討します。審査期間はおよそ3ヶ月が目安です。

4、払い戻しまで時間を要するため、医療費の支払いに充てる資金として、高額療養費支給見込額の8割相当額を無利子で貸付してくれる「高額医療費貸付制度」があります。   (2)必要書類

・健康保険高額療養費支給申請書

・マイナンバーによる課税情報等の確認申出書(診療月が平成29年7月以前分については、マイナンバーの情報連携が利用できないため、添付不要)

・マイナンバーカードのコピー(表裏)・・・マイナンバーによる情報連携を希望する場合。自己負担限度額の所得区分が低所得者になる方。

<ケガの場合>

・負傷原因届

<第3者によるケガの場合>

・第三者行為による傷病届

<その他>

・公的制度から医療費の助成を受け、窓口負担が軽減されている方は、助成を受けた医療機関の領収書

・亡くなった方の医療費を相続人が請求する場合は、亡くなった方と相続人の続柄がわかる「戸籍謄本」。

・その他書類の提出要請が必要な場合があります。   (3)限度額の表

70歳未満の方(平成27年1月診療分から )

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 本日は弁護士と共同でセミナーを実施しました。神奈川県でのセミナーは久々です。参加者は少なめでしたが、皆さん一様に熱心に聞き入って下さいました。

 交通事故外傷・後遺障害は総論的なテーマで、秋葉が45分受け持ちました。続いて、弁護士は実際の解決事例を基に解説、賠償論の実際に踏み込みました。その後の質疑応答ですが、交通事故に限らず話題が発展、セクハラ問題の示談金の相場など、弁護士から具体的な数字が挙げられました。下世話ですみませんが、「お尻を触ってなんぼで示談」ってな具合です。

 近年、日本人の権利意識の高まりと共に、今までは見過ごされていたセクハラ、パワハラの問題が浮上しています。事実、毎日のように政治、芸能ニュースで取り上げられていいます。人間、それぞれがもつ常識は微妙にずれています。世代間ともなればそのズレは拡大、「昔はこれが普通だった」と言いたいことも、通用しなくなります。古い感覚は常に更新すべきなのだと思います。

 ちなみに、「お尻を触ってなんぼで示談」の示談相場は、刑事罰の罰金を参考に、20~30万円のようです。これで訴えを取り下げてもらえれば御の字です。しかし、政治家や芸能人だと、これが1本(100万円)にも釣り上がるそうです。これは、口止め料込と理解すべきでしょうか。被害者の被害感情よりむしろ、加害者の職業や社会的立場が影響するようです。  

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 高次脳機能障害で、もっとも多く発症する障害は記憶障害です。その記憶障害も、2~3日前、数時間数分前など、直近の記憶が失われる短期記憶障害があります。これは、覚える機能自体が破壊されたと考えられます。パソコンで言えば、メモリーの故障です。

 また、日常の出来事・エピソードを「忘れた」=健忘と言う観点からですと、2種に別れます。逆向性健忘と前向性健忘です。簡単に説明しますと以下の通りです。   逆向性健忘・・・障害を受けた時点より、以前の記憶が失われる。よく物語にでてくる記憶喪失の類です。ひどいと、自らの名前、家族も忘れてしまいます。脳外傷による、脳実質への器質的損傷の他、精神的ショックなどでも発症します。この場合、一過性の症状であることも多いようです。   前向性健忘・・・障害を受けた時点より、以後の記憶が失われる。または、障害を受けた以降、数日・数分前の記憶が保てない。これは、記銘力障害になりますので、短期記憶障害と重なります。

 私が経験した高次脳機能障害の被害者さん数十例からみますと、逆向性健忘はほとんどいませんでした。もちろん、知能障害が顕著で、見当識(今日は何月何日?すら答えられない)が失われ、完全介護状態の重度な患者さんは恐らく、昔の記憶もある程度失われていると思います。やはり、脳外傷によるものの多くは前向性健忘です。

 初めて高次脳機能障害の被害者さんと面談する場合、記憶障害のカテゴライズ、つまり、どのタイプかを観察します。まず、本人に対し、「今朝食べたものは?」「昨夜の夕食の献立は?」と質問します。さらに、家族からの聞き取りから判断します。「昨夜、明日は秋葉事務所に行くよと言ったのに、今朝になると全然覚えていない」などと言ったエピソードがでてきます。

 このような前向性健忘がみられる場合は短期記憶障害と位置づけ、さらに、健忘の時間的尺度から、「数分前のことすら覚えていない」ワーキングメモリーの喪失(即時記憶ができなくなった)と判断します。このような重度は健忘は、先に言いました「覚える機能自体が破壊された」記銘力障害となります。 学術的にはもっと深い話になりますが、私達の仕事からはこのような整理で十分でしょう。これらの観察を後に、記憶・記銘に関する神経心理学検査の数値と専門医の診断に照らし合わせます。    前向性健忘は記銘力の低下ですので、以下の例がわかりやすく、よく研修でも引用します。    自らカップラーメンにお湯を入れて、10分経ってもそのままになっている。家族が、「忘れているよ」と指摘すると・・・

1、「えっ、誰がお湯を入れたの?」 ・・・ 前向性健忘

 10分前に、自分がお湯を入れたことを覚えていません。   2、「いけねぇ、忘れてた」 ・・・ ど忘れ

 これは、うっかりさんです。     2の方は障害ではなく、単なる忘れっぽい人です。通常、カップラーメンのお湯を入れてからの3分は、人生で最も長く感じられる3分のはずです(少なくとも私はそうです)。それ位、強い認識を持つはずですが、1の例はそもそも記憶に留める事すらできないのです。

 よく、エセ高次脳(障害を装う、または大袈裟)の相談者さんへは、このようなエピソード聴取で見破ることができます。    ちなみに、最近のエピソードですが、私が久々に高次脳機能障害の被害者さんとの打合せに、弁護士事務所に行った際、うっかりネクタイを忘れました。このうっかりに、記憶障害をもった被害者さんから笑われました。前向性健忘の被害者さんは、忘れたことすら自覚できない(つまり、覚えることすらできない)以上、自らの症状は決してうっかり忘れたものではないのです。私はすっかり、忘れっぽい人=うっかりさんに思われたことでしょう。   

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 21時~22時位の時間に事故相談を頂く事はたまにありますが、ほんとんどの電話は営業時間内にかかってきます。また、平日を除くと土曜日はわりとかかってきますが、日曜祭日はめったにありません。相談者も気を使って下さっているのだと思います。

 対して、深夜の記録では2:00に相談電話を対応したことがあります。電話にでるなり、「あっ、本当にかかった」と軽く驚いたようでした。相談の内容は発作的と言いますか、交通事故の苦しみの訴えに終始します。何か解決策を模索すると言うより、話を聞いてもらいたい心境なのだと思います。そのような相談者さんは、休日や時間帯に関係なく、突発的に電話をする傾向があります。

 そうであっても、できるだけお話を聞くよう心がけていますが、私達は交通事故の解決に限定した対応しかできません。明らかに心を病んでいる被害者さんへのケアは、別分野と思っています。例えば、カウンセリングが望まれる被害者さんは、心療内科や、その分野の専門家が適しています。  また、今年は北海道からセクハラ電話は数日続きました。弊所の男性が出ると切られてしまいますが、女性が出ると、交通事故の相談を装って話し込みます。新手のいたずら電話、暇つぶしでしょうか、困ったものです。

 24時間365日事故対応をしている保険会社も含め、電話受付はある種の覚悟がいります。心を強く、できるだけホスピタリティを持って対応するよう心がけたいものです。  

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 連休を丸々休む事はできませんでしたが、この1週間のインターバルで溜まっていた書類が大分片付きました。その点、連休は有難いものです。合間には事故相談の電話も数件ありましたが、盆暮れ含め連休中の相談は大抵が不急の相談で、深刻なものでもありません。それでも、相談を頂ける以上、丁寧に応えていきたいと思います。    さて、今年の前半はおかげさまで多忙でしたが、事業計画の進展もありました。ようやく、事務所引越しの目処が立ち、現在、着々と準備を進めています。来月には皆様にも紹介できると思います。逆に進展芳しくない事は、相変わらず求人でしょうか。応募はポツポツあるものの、なかなかマッチした人材が現れません。交通事故業務を志しているというより、どうも、「行政書士の求人がなかったので」「職にあぶれて、業種に関係なくたくさん応募している」層のように感じます。さらに、応募は40~60代に集中します。年齢で差別する気はないのですが、この世代の皆さんは本来であれば後進に指導すべき立場です。これから、月18万円の契約社員になって、息子(孫?)と同世代である、うちの30歳前後の社員の下について何を学ぶと言うのでしょう。切ない話です。

 また、行政書士求人がより特殊に感じるのは、60歳定年後、あるいは60歳定年を前にした元公務員の応募が少なくないことです。この方々は恐らく、公務員の勤続年数から、特認制度(申請書一枚)で行政書士になったと思います。この方々は、晩年にして民間に下りて、行政手続きのプロを志したのでしょうか? とくに、60歳定年前の特認書士さんは安定した公務員、まして、あと数年で恩給(年金)の満額を捨ててまでの転職です・・・誰がみても不思議でしょう。これは残念ながら、問題を起して事実上のクビ=依願退職をした公務員さんではないでしょうか。役所は制度上、簡単に公務員をクビにできません。刑事犯として起訴すればクビにできますが、できれば不祥事を表ざたにしたくないものです。したがって、不祥事⇒依願退職⇒行政書士バッチ、これが一つのコースになります。60歳前の特認書士は、おっかなくて採用できません。

 断言しますが、秋葉事務所で行政書士の仕事はほとんどありません(許認可はやったことがありません。昨年は相続がたった2件、今年も契約書作成が1件のみ)。実務経験を積む事は全くと言っていいほどできません。士業事務所の体裁ながら、業務は医療調査業、各種保険請求手続きです。これらは、誰でも出来る仕事ではありません。しかし、特殊技術や知識経験が必要、という意味でもありません。人間性を第一に考え、被害者救済の志・理念を絶対条件としています。実際の仕事は教えれば済むことです。(応募欄にHPを必見としていますので)HPを観て頂ければわかると思うのですが、無理解な応募も少なくないのです。

 どの業務であっても、社長の多くは「人材がすべて」と言います。大手企業に優秀な人材が集中することは当然ですが、志と能力をもった原石は必ず残っているはずです。少なくなった若年層ではありますが、埋もれた草莽の士を待つ毎日です。  

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 実家から300メートルほど離れた地域で3件の連続した不審火がありました。交通事故の被害も理不尽ですが、火事、それも放火は絶対に許すことのできない犯罪です。

 ここで少し火災に関する法律の勉強をします。日本は先進国の中でも珍しい、「失火責任法」があります。この法律は、”類焼の被害があっても、火元の人が負うべき賠償責任が免じられる”ルールです。理不尽なルールですが、昔から類焼被害が甚大となる日本特有の法律と言えます。これは明治時代からほとんど変更がありません。   民法第709条の規定は、失火の場合には、適用しない。ただし、失火者に重大な過失があったときは、この限りでない。   (第709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。)    以上の条文によると、失火責任法とは、火元の人が、類焼で他人に損害を与えても、709条の賠償責任を負わない、ことになります。ここでポイントとなるのは、「重過失」です。どんな場合でも責任が免れるわけではなく、火元に重大な過失があった場合を除きます。この重過失の出火例ですが、焼身自殺や保険金目的の付け火など、ほとんど故意の火付けに近くなります。寝タバコ、コンロの鍋の消し忘れ、お風呂の空焚き程度は当てはまりません。    話を戻しましょう。放火は第3者の加害行為ですから、類焼を含め、当然にすべての損害賠償を負うことになります。ただし、ほとんどのケースで、放火犯から(の資力がなく)弁償されることはなく、被害者は自らが加入している火災保険から補償を得ることになります。そして、支払った保険会社は放火犯にその額を請求=求償しますが、やはり、回収は難しいようです。その点からも、放火は通り魔並みに重大な犯罪と言えます。    放火犯は再犯率が高く、一種の病気とも言われています。一刻も早く放火犯が捕まって欲しいと思います。被害の大きかった蕎麦屋さんは、私が子供の頃から30年来行きつけのお店です。大変と思いますが、再開を祈っています。

 周辺はいたって普通の閑静な住宅街です。それでも、たまに空き巣やピッキング被害が聞こえてきます。都心より郊外の住宅地の方が、むしろ治安が悪く感じます。     <埼玉新聞:4月28日より>

 27日未明、越谷市蒲生西町2丁目の住宅街で、火災が3件相次いだ。けが人はいなかった。越谷署によると、3件の火災は同じ通り沿いの160メートルの範囲。同署は不審火の可能性も視野に出火原因を調べている。

 同署によると、27日午前3時40分ごろ、越谷市蒲生西町2丁目の木造2階建て住宅1階のガレージ部分を焼いた。出火に気付いた世帯主男性(73)が119番した。約15分後、約80メートル離れた住宅の玄関に置かれていたビニールシートが燃えた。1分後、約80メートル離れた鉄筋4階建て店舗兼住宅から出火し、一部を焼いた。

 現場は東武スカイツリーライン蒲生駅南側の住宅街。

■ 被害男性「本当に悔しい」

 不審火のあった3軒のうち4階建てのビルは、1階がそば店、2階以上が店を営む家族らが住む住宅となっている。店を営む男性が消防車の音で目を覚まし窓から外を見ると、1階の倉庫付近で火災が発生していたという。

 男性は「その時は他でも火事が起きていると思わなかった」。男性は家族と手を振りながら消防車を呼び止めようとしたが、倉庫と隣接していた製麺所などが焼けた。壁で仕切られていた厨房(ちゅうぼう)や客席は火こそ入らなかったものの、熱により天井などが激しく損傷し、剥がれ落ちた。

 男性は「最初は小さい火だった。消防車を待っている間に自分たちで消火活動を行っていれば、ここまで被害が大きくならなかったかもしれない。本当に悔しい」と声を落とした。

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 中央線で1時間も揺られればお尻が痛くなりますが、そのような弱音を言っている場合でない重傷案件です。早速、入院先を訪問。今回は弁護士先生も一緒でした。

 ご本人にお見舞い、ご家族と打合せ、医師面談と続きます。

 これから、身体障害者手帳の申請、介護申請、そして、各種の検査を推進し、自賠責保険の後遺障害認定に備える・・・やることが目白押しです。弁護士も、後見人の選定、休業損害の請求、刑事記録の開示等、賠償交渉までに多くの準備を進めます。    弁護士に相談はしたけど・・・「等級が出るまで待っています」「手帳や福祉関係の申請は市役所に行って下さい」「後遺障害も保険会社に任せましょう」・・・これでは、賠償交渉まで被害者とご家族が諸手続きに忙殺され、ふらふらになります。そして、相手の保険会社主導が続き、つまり、交渉も後手に回ります。

 「初期対応」、口にするには簡単ですが、大変な作業です。ネットの派手な宣伝では見えてこないと思います。

 重傷の被害者さんこそ、これができる事務所を選んで欲しいと思います。

     

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 恒常的に求人を続けています。私共のような小事務所に限らず、企業では有為な人材の確保が最重要課題です。秋葉事務所の採用率は非常に低く、採用条件は厳しいと思います。学歴や資格、能力は確かに有用ですが、それより、まじめで、ホスピタリティがあり、クールな一面をもった、メディカルコーディネーターとしての適性を重視しています。 まぁ、一般事務職員にはそのような要求はありませんので、普通に事務仕事ができればOKなのですが。

 最近も女子の事務スタッフ(男子も、もちろんOKですが)の応募をかけています。過去、採用した皆さんはそれぞれ人生の転機に離職していきましたが、ある共通点がありました。

 それは、年齢に関係なく、女子社員は、いつのまにか、「お母さん」みたいになってしまうことです。    栄養ドリンクを飲んでいると、「先生、栄養ドリンクは体に良くないですよ、しっかり食事してますか」と、一々うるさい。    ゴミ捨ての際、「先生、また、カップラーメンを食べましたね。カップラーメンは食べないほうが良いと言っているじゃないですか」、このように叱られます。     言い方は多少気を使っているにせよ、完全に関係性のベクトルはお母さんです。もちろん、気遣いの言葉であり、微笑ましい側面もありますが、職場でお母さんは勘弁して欲しいものです。言われて喜ぶ男子もいるのでしょうが・・。  

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 先日、新人スタッフさんから、こんな感想を聞きました。それは、秋葉(ボス)が社員に対して「○○さん」と敬称で呼んでいることを、意外に思ったそうです。

 「さん」付けは丁寧なのでしょうか。私どものような小事務所や少人数の会社は、もっと親近感のある呼称・敬称を使うのかもしれません。まして、歳が一回り以上離れた部下や弟子には、苗字や名前の呼び捨てでも、さほど高圧的ではないでしょう。

 逆に、社員・部下から「先生」と呼ばれることには、いまだに違和感を感じています。行政書士は地味な実務家のイメージが強く、「先生」とは大袈裟に聞こえます。実際、行政書士は世間から先生と呼ばれていません。行政書士の集まりで、お互いに「先生」と呼び合っている姿には少し引いてしまいますが、これはフィリピンパブで「(誰もが)社長さん!」と呼ばれているようなものなので、ご愛嬌でしょうか。 やはり、「先生」は医師、弁護士、政治家、文筆家・芸術家、(学校の先生も)などが、違和感のない対象と思います。

 一方、ある弁護士事務所では、ボス弁も含め弁護士同士お互いに「○○さん」と呼び合っています。さらに、スタッフからも「○○さん」で統一、「先生」と呼ばせない事務所もあります。これは、先生呼ばわりされることで、知らず知らず、自分が偉くなったと増長しない為の戒めかと思います。外部から見ても、事務所の雰囲気に謙虚さを感じます。これは学ぶべき姿勢と思います。    この機に、社内での呼び名・敬称を統一しようかな、と考えています。よくある例から検討してみましょう・・・    山本 大暁(やまもと ひろあき)に対して、    山本くん・・・却って(上司の態度が)偉そうに感じるのは私だけではないと思います。    山本ちゃん・・・ありがちですが、(そんなキャラか?と)ためらいがあります。また、部下からボスへはないと思います。呼ばれたらぶん殴りたくなります。    山さん・・・これは、人情派の中年刑事に決まっているので却下。    山ちゃん・・・なにか居酒屋の店名みたいです。これも下から上には使えません。    では、上から下限定で進めます    ヒロくん・・・ファーストネームからは、ちょっと子供じみています。依頼者の前では使えません。相手が女子ならセクハラ一歩手前になります。     親近感UPにはあだ名も良いかもしれません。昔の刑事ドラマは必ずこれです。「太陽にほえろ」の場合、マカロニ、ジーパン、テキサスと、ほとんどならず者同士の呼び方でしたが・・。本人が納得しているかどうかに限らず、現在ではパワハラ確定です。    念のため、考えてみます    シャウカステン・・・(ドイツ語)レントゲン写真をみる機械の名前です。彼がよく画像を観ているから・・ですが、噛みそうですし、一般的にはソーセージか何かに聞こえます。   続きを読む »

 先週末は恒例の首都圏相談会でした。年々、参加者は減少傾向かな?と思っていますが、今年に入って、毎月10人を超えるご参加を頂き、参加者さまからも「今まで相談したところとはレベルが違う! 目から鱗!」とのご感想をいただいています。まだまだ、呼びかけが足りないと反省すべきでしょうか。    さて、今回もバラエティに富んだ傷病名が出揃いました。交通事故外傷でも後遺障害は、画像の分析、関節の機能障害(可動域制限)は実際にゴニオメーターで計測、診断書の内容分析、不足する検査の検討・・等々、もはやルーチン化しているような対応・対策が続きます。

 さらに、賠償論は弁護士が担当しますが、今回は多くの相談者さまで賠償面での問題が山積でした。いくつか所感を述べます(守秘義務がありますので、詳細は割愛・脚色しています)。   ○ 既に裁判にて係争中ながら、依頼している代理人(弁護士)と方針が違っているまま進んでしまっている。どうしたら良いか?

⇒ これを今更、相談会で議論しても、時既に遅しです。今更、裁判取り下げ、弁護士交代しても、恐らく結果は好転しないと思います。

 弁護士に依頼する際、最初に解決方針をしっかりすり合わせるべきです。交通事故の解決方法は一つではありません。依頼者の意向はもちろん、弁護士の経験・力量から様々な解決パターンに分岐します。「任せたから、安心」ではありません。あくまで、解決を計るのは依頼者本人です。その自覚なくして、納得のいく解決などありません。   ○ 忙しくて、あるいは病気で、事故の解決を放置していた。これから進めたいが・・

⇒ 病気は確かに不可抗力なので気の毒です。しかし、それらを考慮したとしても、もはや言い訳にしかなりません。

 被害者=賠償請求者である以上、何も請求しなければ、相手も知らん顔にならざるを得ません。また、加害者側の保険会社もいつまでも案件を抱え込むわけにいきませんので、弁護士を使って「債務不存在確認訴訟」をうってきます。ここに至ってから、相談会に参加されても、私共の対応も極めて限定されます。穏便に裁判を終わらせる、つまり、相手の言い分を飲むことが最善かもしれません。ここでしっかり争うにも、後遺障害の認定や治療費・休業損害の立証など不十分のままで・・やるべき事(損害の立証)を逸して数年、もはや戦いようがないことも多いのです。    市町村・自治体や弁護士会の無料相談を除けば、東京で14年も毎月開催している、民間による無料相談会は大変貴重なものです。最後の駆込み寺足りうる覚悟を持って開催しています。それでも、万策尽きて「あきらめましょう」との対応になってしまう。「何でもっと早く相談に来てくれなかったのか」・・非常に悔しい思いを噛み締めています。   

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 昨年6月購入のハイビスカスが越冬、早くも4月20日に第一輪が咲きました。好天気・高気温が続いた4月を象徴する出来事です。

 フラメンコダンサーが舞うような艶やかな花綸もわずか2日で散ってしまいますが、今年は何輪開くか楽しみです。枝葉が大分成長しましたので少し窮屈そう、一回り大きい鉢に植え替えしてあげねばなりません。  

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 春の重傷認定シリーズの③から⑤は同一案件です。この記事3つを書くことも大変ですが、実際の立証作業も、期間にして6ヶ月、病院同行8回、大変なボリュームでした。通常の3人分どころか、特殊性から5人分の作業に感じました。

 重傷と言うには12級は低目かもしれませんが、本件被害者さんは、事故と手術でずたずたになった腹部の形成のため、背中とお尻から広範囲に皮膚を採取しました。これだけも、被害者の苦しみがうかがわれます。

 本件は併合4級となり、後は十分な賠償金の獲得を連携弁護士に引き継ぎました。相手保険会社の反論はもちろん、裁判になっても、私が集めた医証で一蹴できると思います。

 

12級相当:背部+臀部の瘢痕(20代男性・東京都)

【事案】

歩行中、自動車の衝突を受け、骨盤を骨折した。自動車は逃走したが、後に逮捕され、幸い任意保険の存在を確認できた。

内臓損傷は数箇所に及び、大腸・小腸の切除と一時的な人工肛門の増設を含め、腹部に数度の手術を施行した。胸腹部の手術瘢に加えて、植皮のために背部・臀部の広範囲から皮膚採取を行った。

【問題点】

後遺障害診断書には書ききれないので、別紙記載が望まれる。

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 手術中に心肺停止などの循環器系のトラブルから、低酸素脳の状態になると、予後、様々な障害が残ります。

 低酸素脳とは・・・循環不全または呼吸不全などにより,十分な酸素供給ができなくなり脳に障害をきたした病態を低酸素脳症という。低酸素脳症には,通常,組織への血流量の低下(虚血)と,血液の酸素運搬能の低下(低酸素血症)の2つの病態が混在していることが多いため,低酸素性虚血性脳症(hypoxic-ischemic encephalopathy)とも呼ばれる。原因として,心筋梗塞,心停止,各種ショック,窒息などが挙げられる。心停止により脳への酸素供給が途絶えると,意識は数秒以内に消失し,3~5分以上の心停止では,仮に自己心拍が再開しても脳障害(蘇生後脳症)を生じる。  <日本救急医学会さまより>    本件も不幸にして、障害が残ってしまいました。交通事故の障害としては、二次的な障害になりますが、因果関係は”事故の手術による”直接的なものですから、自賠責は等級認定します。高次脳機能障害では毎度お馴染みの作業ですので、ポイントを抑えた作業になりました。  

7級4号:低酸素脳・神経系統の障害(20代男性・東京都)

【事案】

歩行中、自動車の衝突を受け、骨盤を骨折した。自動車は逃走したが、後に逮捕され、幸い任意保険の存在を確認できた。

内臓損傷は数箇所に及び、大腸・小腸の切除と一時的な人工肛門の造設を含め、腹部に数度の手術を施行した。不幸にも、最初の術中に低酸素脳の状態が生じ、脳にも障害を残すことになった。

低酸素脳を原因とする「神経系統の機能又は精神の障害」は、弊所初の受任である。

【問題点】

主な症状は、軽度の言語障害と易疲労性、体感バランス・筋力の低下、4肢への軽度麻痺が確認できた。加えて、精神面でもダメージがあり、落ち込む、鬱になるなど、派生する症状も見逃すことはできない。

【立証ポイント】

深刻な知能・記憶の障害はなく、従前と変わらないことから、高次脳機能障害との診断名は採用されていない。それでも、立証の手法は高次脳機能障害を踏襲することなる。リハビリ科の主治医と面談を重ね、神経症状を大きく2つに分けて、立証作業を進めた。

1、運動機能の低下 → 医師と日常生活動作検査表を作成し、麻痺の詳細を明らかにした。加えて、言語障害は言語聴覚士の先生と協議、リハビリ過程で実施したディサースリア検査(発声発語器官の検査)に加えて、SLTA検査をリクエスト、”話し方がゆっくりになった”点について客観的データを揃えた。

2、精神機能の低下 続きを読む »

 季節は初夏を迎えようとしていますが、春の重傷認定シリーズ①②に3つほど追加します。この3つは同一案件です。内容ギッシリなので、3つに分けて整理したいと思います。

 第一弾は、案件としてはレアな臓器腹部の障害です。排尿障害の事案は何度も経験してしますが、生殖機能の障害については2度目です。今回、初のリジスキャン検査を実施しました。検査のできる病院と医師は少なく、患者の誘致が必要です。また、費用も健康保険が使えませんので、相手保険会社と(自由診療で高額な)検査費用を巡る折衝が必要です。この点、弁護士の交渉力がものを言います。医療調査の行政書士(あるいは医療調査員)と、対相手保険会社に備える弁護士、この両輪が立証活動を順調にするのです。

 交通事故の中でもとくに重傷案件の場合、行政書士・弁護士の単独受任では心もとないと思います。片方だけの活躍では、本件の立証は難しかったと思います。この両輪体制と専門性を評価、ご依頼下さった依頼者さまの慧眼に敬意を表しています。

   チームで戦っています。士業の連携こそ、専門性が活きるのです!  

6級相当:骨盤骨折・生殖機能障害 排尿障害(20代男性・東京都)

【事案】

歩行中、自動車の衝突を受け、骨盤を骨折した。自動車は逃走したが、後に逮捕され、幸い任意保険の存在を確認できた。

内臓損傷は数箇所に及び、大腸・小腸の切除と一時的な人工肛門の増設を含め、腹部に数度の手術を施行した。不幸にも、最初の術中に低酸素脳の状態が生じ、脳にも障害を残すことになった。

主な症状を列挙すると、生殖機能、排便・排尿の障害、脳由来の神経症状から軽度の言語障害と易疲労性、体感バランス・筋力の低下、4肢の軽度麻痺、さらに、胸腹部・背部・臀部の広範囲に瘢痕・手術痕を残した。

【問題点】

非常に多くの障害を残したことから、検査、診断書記載について、それぞれ担当した専門科の医師の協力を取り付ける必要があった。

自賠責保険が規定する障害の系列について、立証作業を整理・構築でき、必要な検査を熟知している事務所に依頼できるか否か・・本件事故の解決の第一歩を誤ってはいけない。

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 足指はまだ、審査中の1件が残っていますが、シリーズはここまでにしましょう。本件も自賠責の併合・相当の判定ルール上、大変に勉強になるケースです。

 指シリーズは全般的に内容が地味です。ところが、実はメディカルコーディネーターの実力が試される部位なのです。肩や膝の関節と違い、指は関節が多く、計測に大変な時間と手間がかかります。医師も一番、計測が嫌だと思います。もっとも少なからず、計測は理学療法士に一任することになりますが、理学療法士さんにとっても、指の計測の頻度は少なく、面倒な作業でしょう。一方、診断側だけではなく、審査側である自賠責・調査事務所も、毎度、診断書の記載不足=「計測が不足していますので追加計測を!」にうんざりだと思います。

 ここでのポイントは、「全て計測する必要はない」と言うことです。無駄な計測作業を割愛する、しかし、自賠責が要求する計測は漏らさない・・・これこそ、私達の経験と技術が集約される場面なのです。双方の負担を減らし、間違いの無い等級認定に導くには、知識はもちろん、医師と円滑に折衝できる人間力も必要です。これができる事務所は極めて少ないと思います。

もう、指はすべてうちに任せて!

9級相当:足指欠損・機能障害(40代男性・東京都)

【事案】

バイク運転中、交差点で自動車と出会い頭衝突、足を受傷。足関節開放骨折に加え、足指すべての指がやられた。それぞれの症状は以下の通り。

・母指(親指)→ 硬直、可動域制限

・示指(人さし指)→ 硬直、可動域制限

・中指 → 壊死、欠損

・環指(薬指)→ 壊死、欠損

・小指 → 変形、可動域制限 続きを読む »

最新の認定結果が届きましたので、実績投稿:指シリーズ を再開します。

3本目は、骨折・脱臼に伸筋腱断裂が加わり、小指を除いた4本に障害が残ったケースです。比較的、手指の障害は少ないもので、前任の弁護士も手をこまねいていた様子。何度も言いますが、後遺障害申請を医師任せ、自賠責任せ・・つまり、他人任せ、運任せにしては危険です。事前に障害等級を設計して、計画的に検査・診断書作成を進め、審査側に遺漏なく症状を伝えなければなりません。これをサボると、「何級になるのかな?取りあえず申請してみよう」・・まるでくじ引きになってしまいます。認定漏れがあっても文句言えませんよ。 後遺障害を設計する気概が必要です!

10級7号:手指の骨折・脱臼、伸筋腱断裂(50代女性・神奈川県)

【事案】

バイク運転中、対向車線からの右折自動車の衝突を受ける。手指を損傷、診断名は以下の通り。

・母指(親指)→ 伸筋腱断裂

・示指(人さし指)→ 中手骨開放骨折、伸筋腱断裂

・中指 → 伸筋腱断裂

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 暖かい日に海辺で昼寝、少しお休みを頂きました。

 ややうねりがあり、魚の接岸はまだ早いようでした。

 それでも、誰もいない海、空はとんびの旋回を見上げるのみでした。    

 今は静かな海ですが、GWになると喧騒に包まれます。  

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 また新しい保険が開発されました。<朝日新聞4月の記事より>    独り暮らしの高齢者が誰にもみとられず自宅で亡くなる「孤独死」。賃貸住宅で亡くなった場合、大家がスムーズに対応できるよう必要な費用を補償する保険商品が増えてきた。超高齢化社会で家を貸す側も居住者の「もしも」に備える必要が高まっているようだ。

 損保ジャパン日本興亜は6月から、火災保険とセットで「孤独死」に対応した保険を売り出す。居住者が亡くなった後の部屋の清掃や修復、遺品整理や見舞金など、オーナーに必要になる費用を補填する。その後、空室が続いた場合の家賃も1年間まで補償する。出費や損失補償額を各100万円までとした場合、保険料は年2万5000円。

 三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険は、同様の商品を共同開発し2015年10月に発売。今年2月末時点で、両社で計1万2千件の契約があった。「高齢化の伴う突発的な事態に備えたいとのオーナーのニーズは高まっている(三井住友海上)。こうした保険が広がることで、独り暮らしの高齢者が賃貸住宅に入居しやすくなることも期待される。

 東京都監察医務院によると、東京23区内の65歳以上の単身世帯の人が自宅で亡くなり、死因がはっきりしない孤独死は2016年で3175人。10年前より焼く1300人増えた。

 以前から「家賃補償保険」がありました。これは、空き室の家賃収入減のリスクを回避するため、アパートオーナーに勧める商品でした。しかし、掛金が高いのか、あまり売れた印象を持っていません。社会的なニーズに今ひとつ・・だったのかも知れません。この保険が、現在の社会問題に即応した特約をつけて新しく生まれ変わった印象です。

 現在、高齢者社会の進行と共に、若い人の自動車保険や働き盛りの医療・傷害保険などは当然に契約数が減少しています。逆に、新しいニーズとして高齢化のリスクに対応する商品が続々と開発されています。この保険も、「高齢独居者の入居増加に対する貸主のニーズ」から生まれたものです。オーナーは若い人ならともかく、独り暮らしの高齢者の入居は、病気や孤独死の問題が想定され、敬遠したいものです。この保険の普及によって、「高齢独居者の入居問題」の緩和に期待がかかります。  

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 以前も指摘しましたが、頚椎捻挫で14級が認定される場合、診断名に腰椎捻挫があれば、高い確率で腰も認められます。例え、症状が重くなく、MRIも撮っていなくても容易に認定されます。弊所では、これを「ついで認定」と呼んでいます。

 14級は何個ついても併合で等級が上がる訳ではなく、保険金も同じです。後の賠償交渉において、たくさん14級をとることで、障害の困窮をより主張はできますが、劇的な増額効果は望めません。14級同士の併合はそれほどうれしい成果にはならないのです。

 頚部や腰部の神経症状は、治りづらく、再発を繰り返す傾向です。また、頚椎を傷めやすい人は、同じ脊椎である腰も同様の傾向です。自賠責は、既に14級認定者が2度目のむち打ち事故で申請してきた場合、「加重障害」扱いが可能です。加重とは「既に14級の障害者だから、同部位に同じ程度の障害が重なっても0円ね」とのルールです。ならば、既に頚で14級をとった被害者さんは、二度目は別部位の腰で申請を試みます。これに対して、自賠責は「先の14級認定で味をしめたな?」と考えます。したがって、このような申請者に備えて、腰も加重障害とすべく、(障害程度としては弱く、単独の申請では非該当かもしれないが)前もって14級にしておくのかもしれません。

 どうも、自賠責が併合認定を推奨、「14級認定なら両方つけとこう!」、このような運用しているように見えます。

ゲスの勘ぐりでしょうか?

併合14級:頚椎・腰椎捻挫(70代女性・山梨県)

【事案】

自動車運転中、飲酒運転の自動車に正面衝突される。頚部痛のみならず、手のしびれ、頭痛等、強烈な神経症状に悩まされる。 【問題点】

事故当日は独歩で帰宅したが、あとから症状がひどくなり3日後には入院してしまった。また、車がなくては不便な場所の為、ある程度回復するまでは一人で病院に通院することが出来ないことが懸念された。

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