いつもお世話になっている顧問先生の下へ、雨の横浜に。

 懇親会の写真です。卓上にビールサーバーが設置されており、軽快に杯が進みました。メールのやり取りのみであった先生、スタッフの皆さんとも、ようやくご挨拶が叶いました。また、懇親会は本日合格発表があった社労士先生のお祝を兼ねていました。Y先生、改めましておめでとうございます。そう言えば、明後日は行政書士の試験日です。うちのスタッフも受験します。試験というものは、どうしても実力や努力だけではない、運不運の不確定要素がつきものです。できれば、ツキがあるように、祈っています。

 他にも、顧問先の社長の皆さんと席を共にできましたので、たくさんの有意義な情報、意見を聞くことができました。何より、楽しい時間は二次会のおそば屋さんで〆となりました。終電で東京駅に戻ると、雨はあがっていました。

 オフィススギトモの皆様(新人さんお二人も)、ありがとうございました。  

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 昨年まで重傷案件が続いた栃木県で勉強会、実に1年ぶりとなりました。広く、豪華な施設でびっくりでした。

   基本に戻って、「むち打ち」の解説を行いました。保険会社のみならず、お医者さんも含め、「むち打ちで後遺症は認められないよ」との考え方が一般的です。しかし、単なる打撲・捻挫では説明がつかない症状に悩まされている方々が一定数存在します。そこで、自賠責保険は14級9号「局部に神経症状を残すもの」として、認定する余地を残しています。もちろん、大げさに症状を訴える方、慰謝料目当てに通院を延ばす方、これらは除外しなければなりません。本当に苦しんでいる被害者さんに保険金・賠償金が届くよう、周囲の気付きに期待したところです。

 ご参加の皆様、ありがとうございました。    

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 自賠法に規定される自賠責保険は、交通事故・被害者救済の第一の制度と言えます。今号は目先を変えて、他国の自賠責保険を勉強、日本と比較してみましょう。 (損害保険協会資料より引用、修正・加筆しています)  

 

国名

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 基本は本人(あるいは代理者)記載、署名・印 ⇒ 会社の証明・印 ⇒ 病院の証明・印 ⇒労基に提出となります。(治療費に関するもの以外は病院を経ません)

 以下、主だった書類を整理します。   ① 第3者行為災害届

 事故状況はもちろん、相手と自分の任意・自賠責保険内容の記載はじめ、事故状況や診療内容まで4枚に及び、その他地図の記載など、初めて書く被害者にとって面倒なものです。

「第三者行為災害届」提出時に添付する書類一覧表 

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 弊所では病院同行を原則とした医療調査を行っています。被害者さんの症状を客観的に診ているのは医師に他なりません。やはり、現場に足を運ぶ事が一番です。

 しかし、同時に病院同行は諸刃の剣でもあります。例えば、診察の場において、患者以外の介入を嫌う医師も一定数おります。また、病院内部のルールも病院ごとに違うことがあります。安易な介入は病院との関係を壊してしまいます。医師面談や検査依頼、診断書依頼について、様々なパターンに対応できる者を派遣しないと心配なのです。手前味噌になりますが、メディカルコーディネーターを名乗る以上、どのような医師・病院であっても、ほぼ対応可能です。年間200~300件の病院同行を9年も続けているのです。その蓄積は伊達ではありません。

 例えば、医師面談の場で、わずか二言三言で、医師から症状を聴き取り、要望を伝達します。次の患者が並んでいる診察室で、長々と話す事はご法度、まず、医師の怒りを買います。要点を絞り明瞭簡潔、準備された発言とすべきです。また、保険会社側の調査ではなく、あくまで患者の権利のためであることの理解を得ることも重要です。これには、誠実性が問われます。また、面談を断られても、手紙で伝達する、患者と事前に打ち合わせて望む、ご家族の助けを借りる、医事科の協力を取り付けるなど、柔軟に作業を進めます。また、医師を見限る=転院も手段として残しておきます。残念ながら、まったくご協力頂けない、むしろ患者の権利を損ないかねない医師もわずかながら存在するのです。

 最近の相談でも、「依頼した弁護士が病院同行をしてくれたのはいいですが、医師が怒って、診断書記載が宙に浮いてしまった・・」との相談がありました。弁護士先生自ら病院同行して頂けることは、有難いことだと思います。しかしながら、経験不足から医師の不興を買った可能性があります。また、医師面談が不調であっても、二の矢三の矢を放つほど策を持ち合わせていないようです。繰り返しますが、患者以外の介入など歓迎されるはずもなく、保険会社側の医療調査員も毎度苦労をしています。さらに、重大事件のケガでもあるまいし、弁護士の登場など医師もびっくり、できるだけ相手にしたくありません。およそ、医師は弁護士が大嫌いです。弁護士=医療過誤(の追及)と拡大解釈しかねないほどです。弁護士向けの研修会では、病院同行を試みる弁護士先生に、(医師が弁護士に対して)過大なプレッシャーがあることを伝えています。

 医師・病院に対する「接し方」というものがあるのです。医師の立場や病院のルールを尊重することが第一です。これもよくあるケースですが、弁護士事務所が交通事故案件を受任した場合、即、事務員から病院にカルテ開示を依頼してしまうことです。多くの病院にとって、カルテ開示請求は大変緊張感を伴った事件です。「何か、治療上、問題があったのか?(ケチをつけられるのか?)」と、思ってしまうくらいです。病院によっては、医事課の事務長を通して、主治医から院長まで稟議がかかります。それだけ、カルテ開示は重大事なのです。それを、弁護士がまるで、住民票をとるような気軽さで病院に迫るものですから、病院側も怒ります。まず当然に、「何に利用するのですか?」と回答します。むち打ち程度でのカルテ開示申請など、そもそも非常識なのです。かつて、病院に対して、「何故、すぐに出せないのか!」と電話で怒鳴った弁護士さんがいました。その後、病院との関係修復に大変苦労させられたものです。病院を敵に回して、どうやって保険会社と戦うのでしょうか。    交通事故業務を扱うには、医療業界の常識を知る必要があります。さらに、医師との折衝には、気遣いはもちろん、柔軟な対応と経験が必要です。医師も人間、様々なキャラクターがあり、マニュアル対応では限界があります。どのような場面でも、医師や事務方の表情を読み、病院の思惑を察知する・・「機に臨み、変に応ずる」=臨機応変が必要なのです。これは、ある意味、営業マンの仕事に近いと思っています。医師面談を志す者は知識・経験のみならず、営業力・人間力を磨く必要があります。その点、いくら弁護士先生や行政書士などの資格者であっても、営業センスのない者に任せることは危険であると思う次第です。

 

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 交通事故の専門家?による間違った誘導によって、滅茶苦茶寸前でした。

 自賠責保険は、その基準に則って審査をしていますが、訴えの信用性が第一です。自賠責保険をまるでわかっていない代理人によって、本件は疑いを持たれてしまいました。それ以前に、改善させるべき症状が捨て置かれました。当たり前のことですが、まずは、障害を残さず改善を目指す方が良いに決まっています。その点、回復努力を疑うような、漫然とした通院に留まった被害者さん本人にも責はあると思います。

 依頼を受けた私達はまず、自賠責への信用回復、症状の原因究明、専門医の受診と、ボロボロになった案件の修復作業から始めました。最低の14級を確保しましたが、作業量が膨大ながら、まったく報われない気分になります。残念ながら、交通事故の世界では、自称専門家による2次被害が少なからず存在するのです。  

併合14級:頚椎・腰椎捻挫(70代男性・静岡県)

【事案】

自動車運転中、交差点で出会い頭衝突。右方からの自動車に側面衝突を受け、次いでガードレールに衝突して停止。全身に衝撃を受け、特に親指をドアとハンドルに挟まれて、以後、関節可動域に制限が続いた。 【問題点】

幸い骨折等はなかったが、指の可動域は回復せず、2年以上ダラダラと理学療法が続いた。知人に紹介された弁護士に依頼も、何ら治療面の対策をせず、(無意味と思える)症状固定を延ばす策に。そして、治療先(大学病院・近所のリハビリ先クリニック)双方に、後遺障害診断書を依頼したのはいいが、大学病院の指関節・可動域の計測結果のコピーをクリニックに提出、丸々同じ数値で記載するよう指示したよう。

数本の指の関節可動域すべて、まったく同じ計測数値・・・誰がみても不自然です。当然、自賠責から、「何故ぴったり同じか?ちゃんと計測したのか?」と疑問の回答がくることに。疑わしい診断書、まるで誰かが裏で絵を書いたような計測値・・このような稚拙な申請では自賠責から信用されず、認定は得られない。そもそも、骨折・脱臼、靱帯損傷などの器質的損傷がなければ、可動域制限はまず認められない事を知らないのか・・。

このままでは、治療による改善はおろか、賠償金の両方を失うことになる。提出書類も不備、不足だらけ。さすがに見かねた知人から、当方への相談に。

【立証ポイント】

自賠責から書類を全部返してもらい、やり直し申請に。両方の病院に同行、医師面談からスタートした。やはり、可動域計測は前任者の入れ知恵のよう。この件に関しては、自賠責に経緯説明書を提出した。

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 「後遺症」と聞けば、大ケガを連想します。しかし、後遺症にも軽重があり、労災や自賠責の後遺障害は1級から14級まで、細かく規定しています。その中には、生涯治らないケガもありますが、5年もすればほぼ治ってしまうケガも含みます。代表的なものは、お馴染みのむち打ち後の神経症状です。また、医学の進歩、形成術の向上から、薄いキズや瘢痕もほとんど消える可能性があります。

 本件は、幸い骨折はありませんでしたが、脚に酷い打撲と挫傷を受けました。腫れもひいて治癒は進みましたが、痣(あざ)が残っています。いずれきれいに消したいとは思いますが、その前に後遺障害申請、等級に応じた慰謝料を取らなければなりません。この辺の知識が被害者さんにあるわけはなく、早めの相談を呼びかけています。

   大変に痛い思いをしたのですから、しっかり賠償金を積み上げなくてはなりません。  

14級5号:下肢醜状痕(40代女性・静岡県)

【事案】

庭にいたところ、道路からハンドル操作を誤った自動車が家に突っ込んできた。自動車と家の壁に挟まれ、脚を受傷。膝関節挫傷の診断となる。

【問題点】

奇跡的に骨折等はなかったが、膝関節に疼痛及び痣(瘢痕=醜状痕)が残存した。醜状痕での認定を申請することになるが、相談会に参加した時点で既に半年以上経過していたので、薄くなってきていた。 続きを読む »

 急なご依頼で前泊、安曇野市に入りました。22:00到着ですので、夕食はコンビニ弁当を覚悟していましたが、ホテルの前に居酒屋を発見、踏み切り越にぼんやり浮かぶ提灯にほっこりです。

 明朝は事故現場の実況見分に立会い、その後、打合せでした。優しいお巡りさんで、これまたほっこり。

 一旦、東京に戻って、今日は山梨市、明後日は八王子・・中央線を行ったり来たりが続きます。  

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 お客様にお勧めした保険・特約が必ずしも、付保頂けるわけではありません。それでも、代理店さまにおかれましては、契約の際に、「お勧めしていたが、お客さまの判断で加入しなかった」と「その保険・特約の説明をしていなかった」では、大違いです。前者はお客様も納得するしかありませんが、後者では信頼が揺らぐ事は間違いありません。これは保険代理業を営むプロにとって、常態的なテーマと言えるでしょう。    今年のケースでは、同居の父が(認知症の影響か)赤信号で交差点を横断、自動車と接触して高次脳機能障害となった件がありました。当然、自身の過失を大きく取られ、相保からの一括対応はありません。しかしながら、契約していた自動車の人身傷害は「搭乗中のみ担保」です。わずか2000円掛金を安くした結果、2000万円を失うことになりました。保険設計上、ご契約者さまの同居に高齢者や子供さんがいれば、「搭乗中のみ」は避けるべきでしょう。さらに弁護士費用特約も未加入で、弁護士にも頼めず、自身で相手の自賠責に被害者請求をする難儀となりました。通販系の保険なら、自己責任で済まされますが、本件は代理店担当者がおりました。契約者様は事故が起きて、初めて対応する保険契約がないことを知ったのですが、時既に遅しです。担当者に責任はないとはいえ、悔やまれます。損保代理店さんは、家族構成や自動車の使用範囲など、契約者さまの観察に遺漏無く、保険設計する姿勢が大事と思います。  

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 先週の金曜日は久々に埼玉県で研修会でした、毎回、研修会はレジュメ作成から始まります。レジュメの完成時には知識の整理が終わり、私にとってそれだけで大変な学習効果となります。また、今回は、保険会社の支払部門であるサービスセンターの職員さんのご参加も頂きました。対保険会社の立場からの講義ですから、どのような反応があるのか、興味を持って望みました。

 様々な立場の参加者によって、様々な解釈を知ることができます。保険会社側の説明、代理店の立場、被害者・加害者・お客様の主張、警察・検事の調査、医師の診断、弁護士や私達請求側業者の視点・・・これらが交錯する交通事故、利害が異なるそれぞれについて、単純な敵対関係で語るには早計です。私達は、保険金支払担当者の意見を常に傾聴しています。一方からの情報に縛られては、多角的に物事を見ることができず、石頭になってしまいます。今回の研修も、講義はもちろん、懇親会からも様々なご意見、情報を仕入れることができました。お付き合い頂いた皆様に感謝です。  お招き下さった、会長、H取締役、A社の皆様、ありがとうございました。    

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 私達は交通事故外傷を担当しますので、整形外科への同行が圧倒的です。それ以外では、総合的にリハビリ科、脳外傷の場合は脳神経外科、排尿関係は泌尿器科、目鼻耳口の感覚器障害には眼科、耳鼻科、口腔外科などでしょうか。どの科であっても、慣れたもので特に緊張はありません。

 しかし、過去、最もアウェイ感を感じたのは、産婦人科です。

 

 例として、若い女性の恥坐骨骨折ですが、画像を観ると仙骨と腸骨が歪んでいるような・・仙腸関節障害の疑いを持ちました。将来の分娩に対する不安もあり、早速、産婦人科医の見解を求めて病院同行しました。

 待合室では、お腹の大きなお母さん達がぐるりと囲み、幸せムードに溢れています。これだけで、すでに場違いな雰囲気です。しばらくすると、看護師さんが被害者さんに、「今日はどうしましたか?」と症状を聞き取りに近づいてきました。妊娠に関する受診ではないので、本人が答えるも、詳細は私が説明するつもりでした。ところが、看護師さんは真っ先に、私に「お父さんですか?」と聞いてくるではないですか。

 当然、「いえ、違います」と回答した瞬間です、周囲の空気が一瞬揺らぎました。スマホ操作や雑誌を開いていたママさん達、明らかに耳がこちらに集中しています。まるで、待合室の空気に「お父さんではない?・・じゃあ、お前は何なんだ?」と文字が浮かぶようです。一気に週刊誌のゴシップ記事モードにスイッチが入りました。

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 前任の弁護士先生の能力を疑うわけではないのですが、14級9号の見立てに失敗しています。交通事故専門・弁護士事務所を謳っていても、その先生に数百件もの後遺障害申請経験などあるわけもなく、せっかく賠償交渉での活躍を期待して依頼されたものの、その力を発揮することなく解任となりました。もし、秋葉事務所に預けてくれれば、14級という”のし”を付けてお返しできましたのに。 餅は餅屋、でしょうか

非該当⇒14級9号:頚椎捻挫 異議申立(60代男性・埼玉県)

【事案】

自動車走行中、交差点で左方から自動車が進入し、衝突したもの。直後から首の痛みだけではなく、上肢のしびれ等の神経症状に悩まされる。

【問題点】

交通事故に強いという前任の弁護士に依頼していたが、非該当となり、相談会に参加された。症状固定時に上肢のしびれが残存しており、症状固定後も治療を継続していた。前任の弁護士は「あきらめましょう」と、異議申立てをしない方針であったため、やむを得ず、弁護士解任に踏み切った。  続きを読む »

 何としてでもわが子に病院を継がせたい、その気持ちはわかります。そもそも、昔から技術職は世襲が普通で、秘伝の伝授のような感覚を持つものでした。医術はその最たるものだったと思います。  ちなみに、漫画家の手塚 治虫 先生は、医大を卒業、ご存知の通り医師免許をもっています。手塚家も代々医師が多く、3代遡る曾祖父は手塚 良仙 先生、有名な緒方 洪庵 先生の適塾の出身で、福澤 諭吉 氏と共に同塾で学びました。功績として、江戸で天然痘の種痘所を開設した中心メンバーで、予防接種の礎となりました。その後、軍医で西南戦争に従軍、赤痢で病没しています。その生涯は、手塚作品の『陽だまりの樹』にドラマチックに描かれています。他に医師を題材とした作品は、無免許医の『ブラックジャック』が有名ですね。  話を戻しますが、現代であっても、親が医師であれば、若手医師にとって家にベテラン医師がいる恵まれた境遇となります。あらゆる職業で、世襲そのものは決して悪い事ではないと思います。私の解釈では、不正をしてでも(つまり、能力が担保されない子に)無理に世襲させることが諸悪の根源であり、機会均等は原則、ルールは常にフェアであるべきと思います。能力が担保されない医師に苦労させられるのは患者です。私達も仕事柄、問題のあるドクターを何度も目にしています。では、一切の不正を廃し、跡継ぎが医師試験に受からない院は廃業させるべきでしょうか・・。

 現状の世襲率が低下すれば、地域医療の窓口たるクリニック、かかりつけ医の減少は確実です。これは直接、患者にしわ寄せとなります。そして、医療業界全体の盤石な体制にも逆らうことになるかと思います。二代目が通うことになる私大医学部の莫大な授業料は減少し、その系列病院の経営にも影響必至です。国公立大、有名私大の医学部に入学できる学生は選ばれた少数です。世襲医師の数を保っているのは、実は二流三流、無名医大の存在なのです。そこにはとんでもない額の学費が動いていると思います。医大や諸医師会への寄付金などもあります。どの業界に同じく、公正・不正問わず、あらゆる利権が渦巻いていることは想像に難くありません。行き着くところ、巨大な医療業界や医師免許制度の抜本的な見直しなのですが、それでも医師会はその政治力を背景に、簡単に利権を損なうような改革はしないでしょう。

 病院も民間企業であるところ、商店に例えれば、代々老舗のお店にとって新規参入者など認めたくないものです。一族の利権・マーケットを守るためには、アンフェアと言われようが、どこの馬の骨ともわからない(大学OBの子ではない)、コネのない(権力者、親族の口利きもない)、取引のない(寄付金を払っていない、ことも含まれますでしょうか)者は、できれば排除したいはず。商売の許可・資格を得るための学校なら、試験で足枷したい・・・このような扱い・慣習はどの業界でもまったく同じです。不公平とは考えず、公益などを持ち出した理由ある秩序と割りきっているかと思います。この構造は歴史が示す通り、そう変わるものではありません。歴史の長い国にとって、”見えない世襲制”とでも言いましょうか、階級制度は表向き廃止されても、脈々たるものが存在し続けています。今回の医大への一斉調査は、「せめて試験制度は公正さを保つこと」、これに留まるように思います。

 親は医師ではないが、志を持って努力している医学生にはエールを送りたい気分です。「2代目のボンボンに負けるな!」「心技伴った良い医者になって!」と。  

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 正式な統計データがあるわけではありませんが、お医者さんの世襲率は9割に及ぶと言われています。実際は9割もいないと思いますが、お医者さんを親に持った子供さんの医学部への進学率は当然に高く、むしろ、親御さんが医者なのに医者になっていない子供さんは珍しい位です。

 私達も日々、個人開業医へ病院同行していますが、個人開業医はほとんど代々同族継承です。他の商店や企業に同じく、家業として継承されています。よく比較される弁護士事務所ですが、多くのボスが事務所の継承問題に頭を悩ましています。つまり、子供が易々と司法試験に受からない現実があるからです。すると、弁護士事務所ボスは、「医者はいいよなぁ~」と愚痴をこぼします。何故か、医者の子は医師免許にほとんど受かるからです。

 このような前置きから、昨今ニュースとなっている東京医大の入試不正問題にすんなりつながると思います。試験で作為的な操作があるのだから、裏口入学はもちろん、医師免許そのものに不正があっても不思議でないと、皆が思うことでしょう。大学病院側の言い分ですが、今回の女子受験者に対する扱いの背景について、医師となった女子が一定の専門科に偏重してしまう、夜間勤務医、僻地勤務医が減ること等、医大側は堂々と釈明しました。これら諸問題は、医療の現場では既に常態化しています。医大側の言い訳は、一見、全体の福祉にかなう様に聞こえます。しかし、それは別の方法、制度改定で対策すべきで、絶対にフェアでなければならない試験でこっそり調整するなど、問題のすり替え甚だしいと思います。そして、この言い訳は表向きで、誰もが裏金の臭いを感じるはずです。  

6大学医学部で不適切入試か 文科省が説明求める

   文部科学省が、全国81大学の医学部医学科の入試を対象に実施している調査で、調査のきっかけとなった東京医科大のほか、少なくとも6大学で「不適切な入試の疑いが高い」として同省が説明を求めていることが、関係者の話で分かった。

 文科省は23日に公表した中間報告で、「不適切な可能性が高い事案」として

(1)学力検査での得点が同等でも、面接試験で女性や浪人回数の多い受験生を不利に扱った

(2)調査書や出願時の書類評価で現役生にだけ加点し、多浪生と差をつけた

(3)合格圏外の同窓生の子どもらを合格させた

(4)補欠合格者への繰り上げ合格の連絡を得点順ではなく、下位の特定の受験者へ先にした

の4事例を示した

 また、「疑惑を招きかねない事案」として

(1)出願書類に保護者らの氏名や出身校を書かせ、面接で家庭環境や経済状況を詳細に質問

2)補欠合格者の決定が学長や学部長に一任され、公正性を証明する資料がない

(3)合否判定資料に受験者の氏名・年齢・性別・出身校・備考(同窓生・教職員)などの情報が記されているなど

 の5項目も挙げた。

 柴山昌彦文科相は不適切入試の疑いが高い大学の名前は明かさず、大学側の自主的な公表を求めた。ただ、関係者によると、少なくとも6大学があてはまると判断され、文科省が「合理的な理由があるのか」などと説明を求めている。

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 さて、先週末は月例の東京相談会でした。私が参加する前も含めれば、夏休みの8月を除いて実に14年間も毎月開催しています。今回は、相談者様がやや少なく5名、平均参加者の14枠が埋まりませんでした。「プライドが許さないので、中止にするか・・」とは、もちろん考えません。

 たった一人の相談者でも全力で対応することになります。主催者の宮尾氏は毎回前日入りしますが、今回は鉄道事故の影響で新幹線内に5時間缶詰、深夜に東京駅到着となりました。私達も含め、相談員は手弁当での参加ですが、告知した以上は万難を排して実施しています。ジュリーの件では、チケットを買った観客以外(つまり、被害者でもなく関係のない人達)から様々な意見が噴出、侃々諤々の様相です。しかし、人によって、ましてアーチストであれば、とりわけプライドの持ちようは違うと思います。文句が許されるのは、さいたまアリーナの観客のみです。ただ、ビックスターでもこの場合、ポ-ル・マッカートニーやミック・ジャガーだったら・・と思ってしまうのです。

 首都圏相談会はNPO法人の主催でスタートしました。過去、たったの一度も中止はありません。回を重ねるごとに、弁護士、医師、行政書士等のボランティア参加が続き、国内最高峰の相談会を目指して継続してきました。弊所も9年間欠かさず毎月参加してきました(秋葉はインフルエンザ罹患で1回だけ休みましたが)。相談会は最高の経験則の場、おかげさまで私達は多くの相談者さまから鍛えられているのです。

 何事も「継続」こそ最強、最も誇るべきもの=プライドではないでしょうか。

 今回の相談会の内容ですが、実に半数は既に弁護士に依頼していた被害者さんでした。受任者は受任したものの無策が続き、依頼者の不安を拭うことが出来ませんでした。この業界の難解さは、スマホの購入のように商品の比較ができないことに尽きます。生まれて初めて交通事故にあい、ネットで専門家を検索、わらをも掴む思いで依頼したが・・どうも宣伝と違う。これが、「次回は他メーカーにしよう」で済まないのが交通事故です。「解決方針を示さない」「対応が遅い」「連絡がつかない」「専門家ではないかも?」「宣伝と違う?」・・疑いを持ったら、交代も視野に入れるべきです。その判断が遅れると取り返しがつかないことになります。被害者さんにとって、依頼者を選任することは自己責任なのです。  

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 私達は医師、弁護士、そしてあらゆる職業の依頼者さま・・多種多様な人間と接しています。様々な相手に対し、こちらの希望を伝え、意見を通すにも、その人その人によって話法・アプローチは違います。相手によって、対応を変えていく必要があるのです。この当たり前のセオリーですが、「言うは易し、行うは難し」です。日々、若手にうるさく指導していますが、私も完璧に出来ているとは思えません。相手の性格や考えをいち早く察知する、対人洞察力を磨かねばなりません。それには、多分野の人と交わり、様々な経験を積むことが効果的なようです。多様な考え方、物の見方を、心がけていきたいと思います。    さて、私の家族もしばしば世間様と一線を画す解釈をします。子供時代のように毎日顔を合わせていると気付かないことですが、大人になって客観的に振返ると、相当にズレていることに気付きます。

 以下、実家での親子の会話・・   (私)「ガッキー、いいよね」と話題を振ると、

 

(親)「えっ??」

(私)「新垣(あらがき)さんのことだよぅ」

(親)「あぁ、偽ベートーベンの人ね」

  → 何故に微妙に古い人? 読みも間違っているし、どうして 新垣 結衣さんではなく、忘れかけていた新垣 隆(にいがき)さんになるかなぁ?

(親)「あの人、元気のないテリー伊藤さんみたい」

  → お二人に対して同時に失礼です。

 ちなみに、新垣さんは本物の方で、偽は佐村河内 守さんです。一体どこから話題を修復すべきか・・。

・・・もはや、話題の継続を断念しました。    他にも、   (私)「宇多田ヒカルはすごい才能だよね」と話題を振ると、

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 最近、ポストに入るDMは少なくなったようです。あまり効果が見込めないのか、往時に比べ減ったと思います。電子メール、電話のキャッチセールスはぼちぼちでしょうか。ポストのDMやメールは捨てればすみます。この手間も塵も積もればの世界です。一体それらの対応に、年間どれくらいの時間を取られているのでしょう。

 何より忙しい時の電話は辟易させられます。それでも、「忙しい中、すみません」と切り出す姿勢には、最低の礼儀は存在しています。しかし、最近増えてきたFAXの宣伝には、差出人の恐縮を微塵も感じません。事務所のFAXはジェットプリンターの複合機です。毎回、当方の紙とインクがその宣伝に費やされます。捨てる手間だけでは済まず、見ず知らずの相手からの勝手な宣伝活動にこちらの実費が消費されているのです。

 チラシの印刷代に郵送料や配布費用をかけたDMは、少なくともこちらに実費はかかりません。しかし、通信料はかかるにせよ、こちら側の許可もなく、費用負担を強いるやり方はいかがなものでしょうか。宣伝側にしてみれば、その手間ひまにおいてFAX宣伝は楽でしょう。最初から紙・印刷代も払わずにすみます。その図々しい態度に沸々と怒りが沸いてきます。ほとんどのチラシには、「今後、FAXが不必要であれば、不要にチェックしてFAXを返送して下さい」とあります。またしても、こちらに送信料の負担をかけようとします。何故、相手の一方的な宣伝行為に、こちらがそこまで手間と費用をかけさせられるのでしょうか。このようなFAX宣伝をしている企業さん・・その根性が気に入らないと思うのは私だけでしょうか。

 

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 裁判で勝っている弁護士先生、優秀な弁護士先生は押しなべて損害の「立証」が優れています。    交通事故裁判では、慰謝料の相場がある程度固定していますので、争点は逸失利益、次いで過失割合が多なります。加えて、金額の増額幅の大きさは介護費用が最たるものと思います。重度の障害で介護状態となった場合、その介護費用の取得に関して、優秀弁護士 or 残念弁護士 がぱっくり割れます。過去、一緒に仕事をした弁護士さんはもちろん、判例などに目を通すとその違いに刮目させられます。   (優れた先生)

個別具体的なケースの証明に、家族介護人と職業介護人の併用、公的サービスと自助努力、これらについて詳細に表やグラフで示し、具体的に必要な金額を明瞭にします。そして、おむつ一つから細かい明細表を作成し、介護備品の必要性・金額を具体化します。自宅介護の場合は、工務店の改築見積程度ではなく、介護住宅専門の建築士の鑑定書を提出します。とにかく、細かく、具体的、現実的、誰もが納得できる案であり、これら資料の作成にまったく労を惜しまないのです。

(残念な先生)

赤本の類似例や判例を検索、それを主張して終わりです。同等級・同年齢・同程度の損害の前例を用いて請求額の根拠としていますが、個別具体的な立証とは程遠く、これでは裁判官の心証を捉える事はできません。相手保険会社は様々な根拠を示して、介護にかかる諸費用の一般例で反論してきます。ほとんど前例 対 一般論の戦いです。これでは、裁判官の判断もおざなり、ぼんやりとした和解額を押し付けてきます。問題は、それでも相手保険会社の提示より増額していますから、依頼者に「勝った」と思わせてしまうことです。    自賠責の別表Ⅰ 1級:常時介護、2級:随時介護 ・・・これらはご本人はもちろん、ご家族にとって一生をかけた戦いなのです。緩い解決など絶対に出来ません。裁判で介護費用を最大に立証し、勝ち取れる先生に任せなければ、(勝った気分ながら?)数百万~数千万円を取りそびれることになります。

 できれば弁護士に依頼する前に、「介護費用の請求について、どのような方策をお持ちでしょうか?」と聞いてみるべきです。そこで、具体的なプランを示すことがなく、不明瞭な回答、難しい法律論で煙を巻くような先生には、依頼しないことです。介護費用の請求方法を知らないからです。    現在、重度介護者の介護費用の獲得に向けて、弁護士事務所から様々な調査の指示を受けて動いております。”被害者側の調査”、これが勝負を決める事をその弁護士が承知しているからです。

介護は被害者だけではなく、家族の問題です

 

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 事務所にこの秋、最大の贈り物が届きました。秋の味覚と言えば松茸、まさに秋の王様です。

 事務所の皆で2本ずつ分けました。その後、それぞれの家庭での賞味方法を追跡、確認しました。王道、松茸ご飯が3票、そのまま焼き松茸は1票、思案中が1票です。私はお腹が空いていたので、帰りの電車でそのまま生で丸かじり(ワイルドだぜぃ)・・・するわけはなく、実家に届けました。実家は相変わらず粗雑で、野菜炒めに混ぜたようです。  

 山梨のTさま、昨年のシャインマスカットに続き、お心遣いありがとうございました。  

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 秋葉事務所では恒常的に求人を続けておりますが、採用率が低く、常に苦戦しております。    通常、売上好調の企業は人手不足から求人を行うものです。一方、仕事を増やしたくても人がいないから、業務拡大できないとジレンマを抱える企業もあります。うちの場合は後者でしょうか。誰でもできる仕事と言っては失礼ですが、短期の養成で戦力になるのであれば、非正規雇用者(契約社員・パート・アルバイト)を採用すれば足ります。仕事の量で雇用調整ができますので、経営上も理にかないます。しかし、被害者と一緒に医師面談し、検査の依頼や正確な診断書の作成に誘導する仕事は、技術、経験、臨機応変が必須の専門的な技術職です。そして、何と言っても情熱と志が根底になければ、軽薄な調査業に成り下がります。被害者側の医療調査員=メディカルコーディネーター(MC)の登用と育成は簡単ではないのです。

 例えば、鎖骨骨折後の変形一つをとっても、医師が臨床上、「後遺症ほどでもない」と判断するところ、「自賠法上では後遺障害に該当する」ことをご理解頂き、後遺障害診断書に記載いただくよう、医師を説得するのです。医師も人間ですから、簡単に「はい、わかりました」となりません。このような折衝には、相当の交渉力と熱意が必要です。もう一例を挙げますと、顔面醜状痕を気にして形成手術を続ける女子に対しても、「早く顔のキズで12級の認定を受けて、その後、時間をかけて美容整形で改善していきましょう」と、損得勘定を促します。このような説得も、短時間で依頼者さまと信頼関係を形成しなければ上手くいきません。誠実さと人間力がものを言います。

 保険会社側の調査員は、事故の状況や損害程度について、公正中立に「事実」を調べる仕事です。当然、事実は一つです。そこには保険会社にとっての不利益も含まれるでしょう。その点、”保険会社から雇われた”彼らの立場に限界を感じてしまいます。逆に、私達の調査は同じ事実の追求であっても、あくまでも調査費用を負担した依頼者の利益を目指して出発します。しかし、利益優先で事実を歪曲するような調査があってはいけません。倫理感も絶対的に必要です。利益追求が過ぎれば、保険金詐欺の教唆・誘導へ、誤った方向へ進んでしまいます。事実という天床を限度に、どこまで依頼者の利益を引き上げるか・・この仕事は常にこのような葛藤を強いられているのです。

 簡単にMCを採用できない理由は、倫理感・人間性に行き着くことになります。そして、”自賠責保険が規定する1~14級まで140種の後遺障害・35系列の傷病名とその立証方法を熟知し、地域の専門医・検査先等、医療情報を把握、そこに被害者さんを誘致でき、後遺症を正確に後遺障害認定に結びつける作業”・・・この習熟には数年が必要です。マニュアル片手にではなく、できれば、徒弟制度のように専門事務所でしっかり実地経験を積む必要があると思います。    かつて、病院内で小学生の女の子の鎖骨骨折後の変形を確認・撮影したことがありました。泣きべそ寸前の女の子の洋服の胸元を引き下げながら、「もう少し、見えるように下げてね」とカメラ片手に中年男(私です)が奮闘しています。後ろにお母さんが控えていますが、お母さんが一言、

 「私が居なかったら、秋葉さん捕まりますよね」。

 私達の仕事はこのようなリスクも日常茶飯事なのです。

 そこで、本記事のタイトルに戻ります。女性特有の調査には、やはり、女子の担当者が必要なのです。他にも、骨盤骨折した年頃の女性に「おしっこが出ずらくなりませんか?」と聞く必要があります。中年女性の場合は、「先生、尿漏れもひどいのですが」と恥じらい無く聞かないことまでも説明してくれますが、若い女性は医師に対してさえ隠しがちです。隠れた後遺障害を聴取するにも、女子力が必要となります。

 だからこそ、今秋からの募集は女子MCの発掘を第一目標にしています。

 秋葉が捕まる前に、志ある女子は是非とも声をあげて頂きたいと思います。  

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