確かに14級は一番軽い後遺障害です。それでも、明確な他覚的所見が無い状態での判定ですから、受傷から症状固定まで、丁寧に症状の訴えを整えていくあります。その過程でつまずきがあると、認定は厳しくなります。以下の両被害者さんは、比較的、受傷初期にご相談にいらしたので、つまずき無く誘導することができました。

毎回、様々な苦労と、工夫があります    主治医の方から、3ヶ月で治療費打切りを切り出されたケース

14級9号:頚椎捻挫(40代男性・神奈川県)

   膝の痛みを捨てたケース

併合14級:頚椎・腰椎捻挫(40代男性・埼玉県)

   

ムチウチの後遺症の立証をする為には続きを読む »

 本日は6度目となる甲府セミナー、テーマは弁護士費用特約をがっつり。24社を比較・解説しました(ひーっ!)。マンネリなどありえません!

 恒例の懇親会は4次会まで、血圧と血糖値の上昇を生む居酒屋(焼肉)からカラオケパブ、ショットバー、ラーメン屋、このフルコースを堪能しました。武田の家紋は「四つ割菱」、4に縁の地なのです。

 ご参加の皆様、大変ご馳走になりました。ありがとうございました。

 

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( 最近の異議申立て案件について ② )←前回は   一緒に考えましょう   <Case3 衝撃レベルを考えましょう>

 Cさんはタクシーに乗り込み友人宅へ向かう途中に追突され、「頚椎捻挫」の診断を受けました。その日は約束があったため、病院には行かず、事故から3日経ってから初めて病院に行きました。症状は右手の痺れがかなりひどく、忙しい仕事の合間をぬって7ヶ月間リハビリ努力を続けましたが、症状は良くなりませんでした。ずっとスポーツをしていたにも関わらず、利き手である右手の握力は左手よりも10kg程度低く、神経誘発テストでも陽性反応が出ていました。MRI画像でも症状と一致しており、一部上場企業の勤務、14級9号認定はまず間違いないだろうと感じます。

 しかし、本件は一点、重要な要素が抜けていました。それは、乗っていたタクシーの修理費がとても軽微(バンパー交換程度で10万円にも満たない金額でした。)だったのです。この心配を残しつつ、調査事務所へ申請しました。案の定、主治医の元へ自賠責調査事務所から医療照会がなされ、審査に約3ヶ月かかりました。おそらく物損の資料等も取り寄せたのかもしれません。残念ながら結果は非該当でした。    さて、Cさんの場合、なにが原因で非該当になったのだと思いますか?    これは推測でしかありませんが、自賠責調査事務所はまず常識的に判断をしているように思います。この程度の衝撃で後遺症を残すような大ケガになるのか?、また、救急搬送はもちろん、受傷当日に病院へ行っていないの?・・・事故態様や修理費用の金額、車が自走可能かどうか等、事故の衝撃の強弱について判断の材料はいくらでもあります。

 Cさんの場合には、まずはじめの要素で既に非該当濃厚案件です。しかし、その他の点で調査事務所が判断に迷い、医療調査等を実施するなど、審査に時間を要したのではないかと思います。

 再請求では、医療照会の書類を病院から取り寄せ、もう一方の病院でも同じ書類を記載していただきました。2つの病院に協力してもらい、完璧な医証を揃えて異議申立手続きを実施したのですが、今度も審査期間2ヶ月で非該当の結果が届きました。

 事故態様がいかに重要な要素であるか、まじまじと感じたケースとなりました。    続く。  

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 後遺症となった被害者さんと会うことも無く、電話で話を聞くわけでもなく、ただ、診断書類だけで判断する書面審査・・・時にはびっくりするような判定が帰ってきますが、8割方は「よく見ているなぁ」と感心しています。

 むち打ちに代表される打撲・捻挫は他覚的所見、医学的な証拠は乏しいものです。数値・データから判定<審査員の判断、ではないでしょうか。以下の例、治療経緯や結果もややイレギュラーなパターンと思います。

”人”が審査するものですから  

14級9号:頚椎捻挫(30代女性・東京都)

 

併合14級:頚椎捻挫・肩部痛(40代男性・茨城県)

 

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 後遺障害が二つ以上重なる場合、「併せ技1本!」ではないですが、等級が1~3つ繰り上がります。   ① 第13級以上に該当する後遺障害が2つ以上あるときは、重い方の後遺障害を1級繰り上げる。   ② 第8級以上に該当する後遺障害が2つ以上あるときは、重い方の後遺障害を2級繰り上げる。   ③ 第5級以上に該当する後遺障害が2つ以上あるときは、重い方の後遺障害を3級繰り上げる。    本件は、この併合のルールを睨んでの立証作業でした。人工関節が決まった瞬間、10級はほぼ決定です。それを一つ繰り上げさせた、胸椎・腰椎の圧迫骨折の立証の方がてこずりました。診断権を持つ医師の判断で後遺障害等級が、運命が、左右されることがあります。”被害者側の医療調査”=私達の介入が必要な理由です。 今年、二階級特進の佐藤(シャアVa.)が担当

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 とくに重傷者の場合、ご本人はじめご家族の不安はいかばかりでしょう。

 本日は朝に事故の連絡を頂き、即日、神奈川県西部の入院先の病院へ伺いました。そしてご家族に、即時の対策と今後の流れを説明しました。先の見えない事態に被害者の皆さんは心が潰れそうです。そこで、明確に解決までの展望を示すこと、そして何より相談を受ける私達の顔を見ていただくこと、これが安心につながるものと思います。

 このような即時の対応は自動車保険に望まれますが、弁護士さんはじめ多くの業者にとって、多忙の中で困難のようです。そこは秋葉事務所、初期対応は優先順位の最上、予定を入替えて臨みます。

 昨日、初期対応で打合せした7つの項目は以下の通り・・・

① 今後の治療の方針・・・手術、リハビリ、転院、セカンドオピニオンまで展望します。

② 警察への対応・・・現場検証、事情聴取に対する対策、相手への処罰感情への回答、刑事記録の取り寄せの予定まで。

③ 労災・健保手続き・・・過失案件ではマスト、即座に手続きのフォローを行います。

④ 物損交渉について・・・保険会社対被害者でまず交渉、結果に応じて弁護士へ。

⑤ 弁護士選定・・・事案に沿った最良の弁護士と介入時期を検討、そして紹介へ。

⑥ 後遺障害と賠償金の見当・・・障害等級の予断と予想賠償金を見当、そして解決の時期まで及びます。

⑦ 相談体制の確認・・・当面の相談窓口と連絡体制の設定。

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今朝のニュースから自動車保険の復習をしましょう。

 高速道路にカツオ散乱 トラック扉開き次々落下 阪和道

 4日午前9時5分ごろ、堺市美原区の阪和道上り線の美原南インターチェンジ付近で「カツオが路上に散乱している」と、通行していた車の男性から110番通報があった。大阪府警などによると、大型トラックが積んでいた冷凍カツオが約300~500メートルにわたって散乱した。西日本高速道路によると、最大で約6キロの渋滞が起きたという。

 府警高速道路交通警察隊によると、片側3車線の中央を走っていた大型トラックの保冷庫の扉が開き、カツオが次々と落下したという。大型トラックは約15トンの冷凍カツオを積載し、鹿児島県から静岡県へ向かっていたという。約2時間後に撤去されたという。

 府警はトラックを運転していた40代の男性から詳しく事情を聴いている。 (朝日新聞さまより引用)

物損事故に関するご相談で、「道路の落下物にぶつかった場合は?」・・過去にいくつかの事例を経験しています。

原則、その落下物を避けることが出来なかったと証明すれば、物を落とした側の責任が100%となります。しかし、衝突した側に過失が問われるケースもあります。落としてからしばらく経てば、「避けることができたかどうか」の程度で、過失を10~30%程度から50%も取られたケースがありました。その程度ですが、高速道路ともなれば、高速ですので避けることが難しくなり、過失は0に近づくと思います。

より危険な高速道路では、急いで落下物を撤去しなければなりません。実は高速道路での落下物は半端なく多く、管理側、道路公団の悩みの種です。

物を落とした相手が特定できれば、その相手に損害を請求することになります。相手が保険(対物賠償)に入っていれば回収できると思います。ただし、相手が特定できない落下物も多く、この場合、自身加入の車両保険を使うことになります。空中に飛来した物がぶつかった場合、「他物の衝突」なので、一般車両保険は当然として、エコノミー+A特約も補償範囲になります。そして、保険を使ったことによる無事故等級ダウンは1つで済みます(数年前は”据え置き事故”として等級ダウンはありませんでした)。ただし、落下物が地面に落ちて、しばらくしてからこれを踏んだ場合は単なる自爆事故扱いとなります。エコノミー+Aの車両保険では免責です。一般車両保険は有責ですが、、無事故等級は3つダウンです(痛)!

運命の分かれる「自爆事故か他物の衝突か」・・毎度、その境界線を保険金を支払う保険会社・担当者は検討しています。

 

◆宜しければこちらの記事も併せてお読みください。 詐欺シリーズ ~ ノンフリート等級・すえ置き事故 飛び石や飛来物で窓ガラスが破損などで保険金を利用。据え置き事故詐欺例です。

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こんにちは、金澤です。    今日はたわいもない話なのですが。

 先日いとこから電話があり、久しぶりに電話。なにかあったのか?と思い出てみると、

「アポスティーユ認証したくて行政書士に頼もうと思っているんだけど、いい所知ってる?」との事。。。

恥ずかしながら私はアポスティーユと言う言葉を初めて耳にしました。何それ?と聞いたところ、「そんなのも知らないの?」とコ馬鹿にされ電話を切られる始末。

その後調べてみると、海外の就職が決まった人が必要になる書類。日本の学歴や、犯罪歴等を発行してもらい、それをさらに外務省が、「間違いないですよ」とハンコをくれる、いわゆるお墨付きと言うやつです。

そこで、全国の行政書士、このような仕事もしているのか。と事務所を調べてみる。平均5万~10万円かかるのだ。

まあもちろん彼らもプロとして、任せたら100%の仕事をしてくれるであろう。心配な方は任せるのが一番だと思われますが、庶民の私にとっては高く感じ(従妹も同じなはず)。

15分くらい外務省ホームページで勉強するだけで、意外と簡単な事がわかり、窓口ならすぐ終わり、郵送でもできちゃう手続き。コ馬鹿にされてから約20分後には、アポスティーユのとり方を詳しく教える事ができるまでになり、何とか面目は保てたかな?と思い、じゃあ1万ね。と伝えると、後日1万BND(ベトナムドン)を渡すよと言われ、電話を切られました。  

50円か。

 

もらえるのを楽しみに今日も頑張ります。

   日本にはまだまだ知らない手続きが山ほどあり、色々な仕事もあるものだなーと思いました。  

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何の例えかと言いますと、ズバリ弁護士のことです。正確には保険会社から見た弁護士です。

保険会社 対 弁護士、この構図の多くは交通事故案件になるかと思います。この10年、弁護士と数多くの案件を解決してきました。連携した弁護士はそれこそ北海道から沖縄まで、全国18事務所、弁護士も50人に及びます。交通事故を専門に取り扱う先生もいれば多くのジャンルを扱う先生、業界の有名先生から若手まで、様々でした。良い解決もあれば、残念な解決もありました。残念な解決でも反省や進歩の無い先生とは、以降仕事はしません。それっきりになります。そして、案件を重ね、経験を積んだ先生は、ついに裁判で画期的な判決を取るに至ります。「交通事故のプロ」の誕生です。

交渉でも裁判基準相当額にならなければ、裁判や紛争センターに全件持ち込む、この硬派で頑固な姿勢を貫くと、保険会社も「この事務所は裁判基準じゃないと折れないんだよなぁ・・どうせ、裁判や紛センに持ってかれるなら・・」と交渉でも裁判基準まで払ってきます。保険会社は感情で仕事をしているわけではありません。ちゃんと弁護士の姿勢、所謂足元を見ているのです。

対して、効率・利益を第一に求める事務所は、一つ一つの案件に時間を割きません。交渉が続き、裁判基準満額まであと50万円増額の余地まできた場面では・・依頼者にとって大金であっても、弁護士の報酬はその10%=5万円なのです。その事務所にとって5万円の売上増加の為に、裁判で半年~1年、あるいは紛センで4~6ヶ月解決が延びるなど、経営効率が悪いのです。だからこそ、依頼者に「交渉で大分増額させました。どうしますか?」と聞きます。または「裁判となれば、この提示額の保証はなく、リスクがあります」と説明します。すると、大抵の依頼者は判断ができず、「先生にお任せします」となるのです。これで、安くあげたい保険会社と、早く案件を終えたい弁護士の利害が一致、簡単解決となるのです。

つまり、経営効率主義の弁護士事務所は、保険会社からこう見られているのです。「先生、どうせ裁判はしたくないでしょ、妥協を待ちますよ(依頼者を丸め込んで下さい)。」

交渉解決は楽です、電話とFAXあるいは郵便の往復で解決できますから、保険会社・弁護士共に楽なのです。裁判はそれこそ訴状の作成や証拠の集積、数回の期日に裁判所へ足を運び・・大変な手間と時間がかかります。信じられないかもしれませんが、裁判などしたくない弁護士が多いのです。それを、「紛争(裁判)を未然に防ぐことが弁護士の役目」と美化する先生もおりました。もちろん、その姿勢は人同士の争いでは大事です。しかし、交通事故に関しての請求相手は保険会社という民間企業・全国組織ですから当てはまりません。このような(裁判を避けたい)姿勢=弱腰は必ず保険会社に伝わってしまうのです。

保険会社はバカではありません。交通事故を扱う弁護士事務所への対応について、ある程度リスト化していると思います。依頼者に1円でも多く獲得すべく譲らない事務所、裁判基準の満額の7~8割で手を打ってくれる事務所を識別しています。前者はその姿勢を続けると、裁判や紛センに持ってかれる位なら、交渉でもほぼ満額支払をしてきます。だって、刀を抜かれる(裁判や粉セン)からです。 逆に、交渉である程度の増額で楽に収めたい先生が強気で賠償請求・交渉してきても、

「先生、どうせ竹光でしょ」となります。抜かない刀ではまったく脅しが効かないのです。 ここまで説明すればお判りと思います。交通事故被害者さんが弁護士を選ぶ場合、最初に解決方針をしっかり聞く事です。「先生、裁判基準満額が取れない場合はどうしますか?」この質問に対し、妥協なき方針、確固たる戦略を提示できない先生は、竹光を差した効率先生と思って下さい。

 

不可能を可能にする秋葉事務所と弁護士の連携記事 →実績投稿:異議申立 連勝中! ④ 頚部の運動障害の認定、弁護士との逆連携の成果

お時間のある方は、あわせてこちらの記事をお読みください。

弁護士の選び方 ① 交通事故弁護士にも2種類あります

弁護士の選び方 ② 専門を見極める

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こんにちは、金澤です。

先日、上司と病院同行をご一緒させて貰いました。

我々の役目は後遺症の審査側に正しく明確な情報が伝わるようにする事。つまり診断書に、被害者の情報を正確に伝わりやすい形でお医者様に書いて頂くように、医師・患者の間に入り調整を図る役割です。どうしても、医療知識がなければ症状の事を的確に伝える事は非常に難しく、だからといってやみくもに痛い痛い、悪い!悪化している!と医師に訴えても、あまり良い結果にはなりません。

そこで我々が知識や経験から、そのような症状であればこのように伝えると、伝わりやすいかもしれませんね。等とアドバイスをしたり、お医者様に、この検査をお願いします!等とお願いをしたり。

現在身体の色々な部分に症状が出ているが、全てを訴えるのではなく、この部分とこの部分を重点的に訴え比率を調整したり、様々な事を考察し、ポイントを絞ることにより、等級を取る確率を上げることが出来るのです。

先日同行した病院のお医者様は、非常に患者さん思いの先生で、患者様の訴える症状・我々の願いに真摯に対応して頂き、丁寧な検査等をして頂けました。 患者に譲歩するのではなく、真摯に向き合ってくださる医師の姿勢に関心致しました。無事医師との面談も終え、良い結果となりました。

ですが、全ての医師がこのような対応をして下さるわけではありません。時には検査をしてもらえる様に現場判断で誘導することもありますし、診断書の記載を誘うときもあるのです。それは不正な記載を誘うのではなく、本当の患者の訴えを審査側に伝わるようにするサポートです。

この仕事に携わるまではそれがどれほど難しいことかは想像をしていませんでしたが、患者一人でこれをしていくにはあまりにも酷な事だと改めて痛感しました。

少しでも皆様のお役に立てるよう、頑張りたいと思います! 続きを読む »

 それでは、昨日の3つの誤った対応について、以下説明します。   >2 ウソはダメ!絶対に

 自身の立場と病院同行の目的、これを正々堂々と言うべきです。できれば数秒で。医師は正当な理由であれば、協力してくれるものです。嘘をつくなど、コソコソした態度は見抜かれます。私達とその仕事は、ただでさえ治療の邪魔になる、医師にとってうっとおしい存在です。誠実な姿勢だけが、医師の胸襟を開くものです。

 秋葉事務所では、仕事をスムーズに進める方便であっても、「嘘は絶対にダメ!」と指導しています。   >4 それを言ったらダメ!絶対に

 「(内心)前の医師が書かないということは、何か問題があるのだろう・・」、診断書の依頼を受けた医師は普通にこう考えるのです。また、病院同士の連携上、リハビリ院は手術した前院の指示に従う傾向があり、その上下関係からも、それを言ったらダメなのです。

 またしても嘘、そして、診断書依頼の基本を無視したNGワードです。このスタッフの経験不足、想像力の欠如が、被害者さんを二次被害に陥れてしまったのです。そして、その責任は、このスタッフを使った弁護士に帰着します。   >6 自賠責の審査は甘くない!絶対に

 受傷から2年、症状固定時期になって急に別の病院で診断書が浮上? 審査先の自賠責は普通に疑います。結局、主たる治療先である、前の2つの病院に医療照会をかけます。当然、病院側はミソのついたこの患者さんの賠償問題に関わりたくないもので・・非協力的な両院からは梨のつぶて、あるいは不正確な回答書が自賠責に戻り・・後遺障害申請は絶望的な結果で帰ってきます。    この前任スタッフには、まったく基本的教育が施されていないと思います。医師面談は簡単な仕事ではありません。仮に弁護士・行政書士・社労士の資格者であっても、専門的な知識や技術、そして教育と経験なくば、単なるど素人なのです。むしろ、対医師への謙虚さに欠けるきらいもあり、ご覧の通り、悪い方へ誘導する危険性があります。

 一方、患者の相手側である(病院に治療費を支払う)保険会社の医療調査員は、専門職ながらより過酷な立場です。医師に面談を申し入れても2ヶ月先にされ、その約束の日に行っても、「急患なので」と面談できなかったり、面談できてもわずか5分で切られ、さらに面談料5000円の請求です・・医師からの敵視が普通で、苦労の連続です。保険業界でも長く続かない職種の一つです。医療調査と医師面談の仕事は、医師から短時間で情報聴取できる専門知識、医師の警戒を和らげる誠実性・人間力、そして交渉力・忍耐力、これらが必要で、日夜、医療調査員は修練しているのです。

 基本は私達、被害者側の医療調査とて同じです。この仕事には十分な教育が必要なのです。弊所では、基礎となる保険会社側の医療調査からも学んでいます。本件は、秋葉事務所が最初から医師面談していれば、それ程難しい案件ではなかったのです。医師との関係を悪化させた状態からの受任でしたので、それは修復は大変でした。    ちなみに、先の例の続きですが、   7、秋葉と山本は、両方の病院に同行し、医師面談を重ね、医師の理解を得て無事に修正計測と新たな部位の計測を実施、診断書への追記を頂き・・紆余曲折をものともせず、正確な後遺障害診断書の完成と、審査側を助ける十分な書類の集積を完了しました。

 後は、8、無事に○級認定! を待つだけです。   続きを読む »

 以前、ネットで拝見した弁護士先生のホームページに、「医師面談を売りにしている事務所があるが、それは止めるべき」との意見を目にしたことがあります。

 理由ですが、「医師は賠償問題を持ち込まれることに警戒感と嫌悪感を持つので、却って患者と医師の関係を悪化させることになる」との説明です。

 受任のおよそ90%について医師面談を実施している私共にとって、まるで反対意見を突きつけられたようです。    秋葉の返答はこうです・・「同感です」。    以前の記事を読んで頂ければ、医師面談について慎重に考えていることがお判り頂けると思います。⇒ 改めて病院同行の是非を問う

 この記事を読めば本日の記事は終わりですが、あえてこのテーマを繰り返した理由があります。最近、弁護士事務所から医師面談の依頼を受けた件で、前任者のお粗末な仕事によって苦労させられたからです。事案の経緯から説明します。   1、自動車同士の衝突複数(0:100)で、複数の骨折を負った被害者さんですが、一定の治療を経た後、関節可動域の制限が残ったので、その計測と後遺障害診断書の記載依頼の為、(前任の)スタッフが付き添いました。   2、そのスタッフは、医師面談を前にして、被害者さんと「私は(被害者さんの)従妹ということで」という体で、口裏を合わせて臨んだそうです。   3、ここの医師は真面目で頑固さんタイプでした。一箇所の計測が独自方法(日本整形外科学会の計測基準と違う)、さらに、一箇所の計測を医学的な判断から拒みました。医師には臨床上の判断、専門職としての理由があります。それは尊重すべきで、逆らっても無駄です。   4、仕方ないので、リハビリ先の医師に計測を依頼することにしました。スタッフは事前に、「「前の病院が診断書の記載を拒んだので」、と言って書いてもらいましょう」と、言い訳を作って面談しました。   5、リハビリ先の医師は、「前院の主治医が書かないのなら、うちでも書きません」とぴしゃり。   途方に暮れて、「ダメでした」と弁護士に報告です。   6、窮した弁護士は、ここに至ってようやく、秋葉への依頼となったのです。それも依頼内容は、「新しい病院に連れて行って、診断書を書いて欲しい」です。    どこがまずかったのでしょうか?・・・3つの赤字について後編で指摘、いえ指導します。   続きを読む »

 交通事故で怪我をして、症状固定となり、腰痛が後遺症として残ったとします。    腰が痛いから整骨院で保険を使って通えるか?

 → 不可能です。

 ただし、何かをしていて急に痛みが増した。 その何をしていて痛めたかの具体的な原因があれば使うことは可能です。

 整骨院に来る患者様の中には慢性腰痛の患者様もいらっしゃいます。整骨院で保険適用になるのは、厚生労働省では現在の定義は外傷性が明らかな骨折、脱臼、打撲および捻挫であり、内科的原因による疾患は含まれない」「外傷性とは、関節等の可動域を超えた捻れや外力によって身体の組織が損傷を受けた状態を示すものであり、いずれの負傷も、身体の組織の損傷の状態が慢性に至っていないもの」と、されています。

 つまり慢性の腰痛などは一切保険適用とはなりません。私が以前働いていた整骨院では、自費診療に力を入れている整骨院でしたので、そのような慢性治療は完全自費で治療をしておりました。ですが世の中には慢性腰痛にも保険を適用している整骨院が80%以上だと思います。    その例 ⇒ 柔整師の健全化に僭越ながら提案    確かに、慢性的な痛みがある腰でも、捻る・かがむ等の動作で急激に痛みが強くなった場合はそれは急性の怪我として保険を使用することが出来ます。その治療を的確に行い、一刻も早い治癒を目指すのであれば立派だと思いますが、大体はだらだらと保険を引き延ばし、「次は肩で請求しておきますよ」等と言って、全身治療などと名目をうち、全身マッサージをしてあげているのです。整骨院に通う後期高齢のお年寄りを見ていると、内科に通い、使いもしない薬を大量に処方している医師もどうかと思いますが、柔道整復師業界もこのままでは困ったものだなと思います。

 では、実際に腰痛・慢性腰痛に対して、どのような基準で保険が効くのかを書いていきます。明らかな急性の腰痛であれば文句なしで保険が使えます。代表例としては、ぎっくり腰です。

 ぎっくり腰の中にも種類があり、

・筋肉を傷めたぎっくり腰

・関節を痛めたぎっくり腰

 等いろいろありますが、どちらも割と多いです。

 ただ保険を使えるか使えないかの線引きが難しいのが、慢性的に腰痛があるけれども、急に痛みが増したというパターンです。患者様が明らかに “何かをして痛めた” と訴えてきているのであれば保険は使えます。ただ、「いつも痛いけど“最近特に”○○日前位から特に痛い」と言われ、原因は?と聞いても具体的な原因が明らかではない。そんな場合は怪我としてみなすことが困難なので保険は使いません。(使えません)

 原因を一緒に見つけてあげられるなら〇だと思いますが、原因をでっちあげるのは×です。

 怪我をしているなら具体的な原因があるはずなんです。

・何かをしようと前かがみになってから痛みが増した

・掃除をした後から痛くなった

・朝起きて動き出そうとしたらピリッと痛みが走った

 等の原因がなければそれは慢性的な痛みの一つです。決して保険を使ってはいけません。まず今日はそんなところで!  

慰謝料を増額するためには緻密な戦略が必要です。

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交通事故被害者さんに対する無責任なアドバイス・・「弱気ではダメ、保険屋には強気でガンガン言うべき」・・・元保険会社側の秋葉が検証します。

あくまで、保険会社側からの視線ですが、生意気な被害者、具体的には被害者感情丸出しの態度、乱暴な口調、過大・増長した請求や滅茶苦茶な請求、あるいは、「担当者を代えてくれ」、「会社のお客様相談に陳情」・・・これらは、絶対に自身に不利に跳ね返ってくると思います。

弱気の態度では保険会社に舐められる?・・確かに一理ありますが、賠償請求とは、証拠書類を揃えて紳士的に理路整然と交渉することで果たせばよいのであって、ケンカ腰で口論することではありません。保険会社の担当者も人間ですから、当然、「俺は被害者様だぞ!」との態度では頭にきます。恨みを買えば、露骨な意地悪はしないにせよ、今後、良い対応は望めません。100件もの案件を抱える担当者にとって、「よく吼える犬だなぁ」位にしか思わないのです。

仮に担当者を変えても、それは口調が柔らかくなるだけ、もらえる賠償金など大して変わりません。彼らは同じ穴の狢(ムジナ・・・穴熊のことらしいです)です。ケンカ上等の交渉態度では、いずれどこかで足を引っ張られます。また、最悪は弁護士対応となって突き放されます。 続きを読む »

こんにちは、金澤です。

今回は、少し面白い治療の話をしていきます。普通に今日の内容でお金を取りセミナーを開ける位のお話だと思います。お金を取るなら相当深いところまで掘り下げますが、今回は分かりやすくを目標に!治療といっても、柔整師の施術ですけどね!内容としては、精神的疾患に対して手技によるアプローチ。整骨院で働いていると色々な患者さんを診る事になります。よく観察をすればするほど、深い所まで診る事になります。

今回のテーマなのですが、実際整骨院に長く通う患者さんの半数以上は精神的な疾患を抱えている方と感じます。(あくまで私の感覚であり、残り半数弱は普通です。)程度は様々ですが、完全に鬱の患者さんもいれば、躁鬱の方もいます。整骨院に長く通う傾向にあるのは、精神的に弱い方が多い傾向にあると感じます。一見は普通そうだけれど目に元気が無い。もう心身ともに疲れが限界。と言う人が集まります。

完全に鬱の方に対しては毎日マイナスの発言を聞いたり、弱音を聞いたりしているとこちらの精神も疲労しますので、半分は聞き流したりと工夫が必要です。約5年現場で患者さんを診てきましたが、気持ちが落ち込んでしまっている患者さん・精神的疲労。慢性疲労がひどい人。全員に共通点があります。それは、ほぼ全員呼吸が浅いことです。極端な例えですが、普通なら一呼吸で肺に入る空気が100だとすると、大体60かそれ以下と言う方がほとんどです。呼吸が浅いと、身体の酸素濃度が薄くなります。酸素濃度が薄いと倦怠感も出ますし、頭の回転も落ち、ぼーっとします。細胞の活性も低くなり、身体の回復力も落ち疲れが一向にとれません。これが続くと、気持ちが滅入ってきて色々な事が重なると、心の中の何かが崩れてしまうのだと思います。

ただ問題なのが、呼吸を深くしようとしても、肺を包む肋骨が動かず、膨らまなくなってしまっていることが多いです。肋骨の間に肋間筋と言う筋肉があり、これが作用しないと肋骨も動かなくなります。この肋骨の動きをよくするために、肋間筋の治療・肋骨のモビリゼーション手技を用いる事で、肋骨の動きが良くなります。そうすると肺が膨らむスペースが出来ます。体内の酸素濃度が上がり、自己回復力が向上するのです。この治療+胸椎アジャストをしっかり決める事ができると、胸椎から出る肋骨のROMがさらに広がり、さらに胸椎に付着する交感神経幹のストレスを一気に取り除き、身体を一瞬で副交感神経優位に転換させることが出来るのです!

上記治療に+αで行うとしたら、実際に、呼吸に使う筋肉、主に横隔膜をはじめとした筋肉を治療します。これだけで相当呼吸が深くなり、患者さんの身体の負担を取り回復力を上げる事ができるのです。勿論、横隔膜の機能が徐々に低下していく場合もありますが、交通事故被害者の患者さんも大半がそのような状態になっている印象でした。

以前、参加した医師との勉強会での内容なのですが、交通事故・スポーツ外傷などの高エネルギー外傷が起こると一瞬で横隔膜・肋間筋が強縮し、肋間のROMが悪くなり呼吸が浅くなる。ついでに交通事故だと胸椎にまでムチウチが及び、胸椎から発生する肋骨の可動が落ちると習った事があります。あくまでも一つの考え方として参考程度ですが、施術の視野が広がる一つだと思います。

このように、簡単な治療一つでも非常に有効な効果が期待できるので、いつか整骨院と精神科医の連携が来る日があってもいいのにと思っています。精神科のお医者さんは、精神疾患は薬で治すもの、と言う固定概念があり、肋間筋やら胸椎やらに関心が無い方が多いと聞きました。また柔整師は柔整師で、相変わらず薬なんか使ったら余計悪くなる!等と頑固に主張します。そんなことよりお互いの関心が深まり、良いとこ取りをした治療の方が必ず患者さんは救われると思うんですが、いつか連携が訪れる事を願うばかりですし、そんな橋渡しができたらなとも思います。

勿論このような治療も正解の無い世界。私が交通事故被害者様に対し安易な口出し等することは有りませんし、そこばかり見ると他を見落としますので、少しでも観察する視野を広げる一つとしていきたいと思います。もし柔整師が読んでたら、必ず治療の幅が広がる良い記事だと思うんですが、いかんせん柔整師はプライドが高く素直じゃないからなー。

では、長くなりましたが終わりです。ありがとうございました。

 

なかなか、病院と整骨院の連携はうまくいきません。 →整形外科Vs接骨院・整骨院 医師と柔整師が少しでも歩み寄れる環境になるためにも、柔整師がきちんとする必要がありますよね~

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こんにちは、金澤です。    今回は、昔流行した「寝ているだけで筋トレ」について書いていきたいと思います。

 一昔前EMSと言う、主にお腹、太ももなど全身に電気を当てることで筋肉を運動させ、寝ているだけで筋力アップ・ダイエットの効果があるというものです。理にかなっていると言えば理にかなっていますが・・・

 整骨院やエステサロンでやるのは高すぎます。1回2000円~3000円程出して、効果が表れるまでには実に10回ほどは必要でしょう。効果が表れ始めるまでに30000円。とは言え、多くの人がそこまで続かないので、店も手をうち、回数券などを販売します。ですがそこまでお金をかけても結局微々たる効果です。過大広告のようにはいきません。

 ちなみにあの機械も高いです。よく営業さんが回ってきましたが、業務用は100万円です。私も知り合いの整骨院で使わせてもらいました。市販で2万そこらで売っている機械とどう違うのか、いまいちわかりませんでした。(笑) なんとなく気持ち筋肉が披露したような感じはありました。あ、ここで回数券を提案するのかな? と感じた瞬間でした。機械の投資分も改修しないといけないですしね。必死です。

 つまり、筋トレ・ダイエットは自分で努力するものであると思います。やはり甘えに寄り添ってきた脂肪、怠けた人のもとを去った筋肉どちらも取り戻すにはお金ではなく、努力なんだと思います。運動が苦手なら、他で努力すればいいのです、カロリー計算をして食事制限に気を使うなど、頑張ればいいだけです。  

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 19日(水)は病院同行で浜松市、本日21日(金)は研修会と懇親会で沼津でした。

 静岡県では確実に連携先、仕事仲間の輪が広がっております。恒例の懇親会も和気藹々、当地の居酒屋さんはチェーン店であっても、お刺身のレベルが段違い!お酒もお魚も楽しみなのです。

 残念ながら、今回は写真を撮り忘れました。(下の富士は以前の出張にて撮影)

 毎度、ありがとう静岡!

 

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こんにちは、金澤です。    突然ですが、今日は世の中にもう一つ存在するサ道をご紹介いたします。日本には、剣道・柔道・茶道等々日本を伝統する文化がある。では、皆様は“サ道”と言う言葉をご存知だろうか?近年はだいぶ浸透してきているが、やはりまだまだ駆け出しの道である。

 私はサ道を歩み始めてまだ5年ほどだ。サ道とは何か?ズバリ、サウナ道である。  サウナを愛する人、サウナ道を歩む人の事をサウナ―と呼ぶのは、アップル社のロゴがリンゴのマークと言うくらい当たり前の事なので割愛致しますが、サ道と言う本がある。これはタナカカツキと言う漫画家が書いた本である。余談ではあるがタナカカツキはコップのフチ子ちゃんと言うキャラクターの生みの親でもあり、サ道はモーニングコミックスで連載されていた。

今回はそこで、サウナの気持ちよさがイマイチ分からないという方の為に、本格的にサ道を初めて5年(サウナが好きなのは幼稚園から)の私がサウナの魅力と、おすすめの立ち回りを書きたいと思います。   1.サウナの本当の気持ちよさ

~サウナの正しい立ち回りをすると、物凄い充実感が得られます。これをサ道では「サウナトランス」「整う」と言います。   2.サウナトランスでは何が起こるか?

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 14級9号「局部に神経症状を残すもの」、後遺障害等級で一番軽い等級ながら、認定は簡単ではありません。丁寧に治療経緯・残存する症状を示す必要があります。とくに症状の連続性・一貫性が大事であるところ、被害者さんの都合から上手くいかないことがあります。

 また、訴える症状が相当に重くとも、画像所見などの他覚的所見がなければ12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」には至りません。いずれも、ご依頼を受けた私達にとって難しい仕事になります。

厳しい戦いが続きます

併合14級:頚椎・腰椎捻挫(40代男性・埼玉県)

 

個人賠14級9号:頚椎損傷(40代男性・東京都)

 

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先日、ご相談に来られた方がこんなことを仰っていました。    「自賠責の被害者請求を弁護士に任せていたのですが、ずっと放置されていたようです。そのことを問い合わせると、まず先に労災の後遺障害申請をしてきてくださいと言われました。言われた通りに労働基準監督署に行くと、担当者から「まずは自賠責の申請からと最高裁の判断で決まりましたので。」と、半笑いで門前払いされてしまいました。」    確かに後遺障害については、労災に申請後、「自賠責の結果が出てからでないと…。」と言われて結果を待たされていました。特段の事情がない限りは支給調整の関係からか前述のような対応が日常茶飯事です。しかしながら、最高裁が「自賠責と労災の請求順序」など判断したのでしょうか? 気になって調べてみました。    平成30年9月27日の判決です。

 事例としては、被害者Aが中型貨物自動車運転中、加害者Bのセンターラインオーバーによって正面衝突し、肩腱板損傷等の重傷を負いました。労災にて治療を継続しましたが、可動域制限が残り、後遺障害等級12級6号の認定(おそらく自賠責・労災ともに)がおりました。尚、Bの車両には自賠責保険加入がありましたが、任意保険はなかったものと思われます。(詳細が記載されておりませんので、推測でしかありませんが…。)

 今回はBによって起こされた第三者行為による労災事故のため、Aへの治療費や休業損害等を支払った国(労災)が、自賠責への求償権を手に入れます。第三者行為届を提出する際に、念書兼同意書を添付するのですが、その中に求償についても記されております。

 この点が今回の裁判でのポイントのようです。今回の自賠責の支払金額は、傷害部分120万円限度と後遺障害部分224万円があるのですが、労災の求償とは按分せずに「Aが自賠責へ、自身の補償(慰謝料・逸失利益)を請求・受領することが優先される」という判断がなされたのです。つまり、既に労災が支給した治療費や休業損害など、実費的なものの求償は後回しとなる、被害者により優しい判断がされたというわけですね。

 結論として、本件の判決は、自賠責と労災の申請自体の順番が確定したわけではありませんでした。念書兼同意書に記載があるように、「自賠責と両方請求する場合には、重複している場合、自賠責の方(任意保険会社がいる場合にも含む)で全て終わってからでないと支給しませんよ」と、被っている請求項目について、支給の順序があることに変わりありません。本判決は別の話しで、自賠責に対する本人の補償請求(労災先行支払いの治療費や休業給付と被らない慰謝料など)と、労災の求償(既払いの治療費・休業給付)が競合した場合、被害者救済=本人への支給が優先するという司法判断です。

 それにしても交通事故に労災が絡むとややこしいですね(汗)

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