腓骨神経麻痺も十分、珍しい症状ですが、脛骨神経麻痺での認定は事務所初です。かつての相談者様に一例だけありました。その麻痺の程度は軽度でしたが、今回はひどいもので、膝から下に力が入らず、感覚もおかしく、とにかく変なのです。それでも医師を含め、誰も神経麻痺に気づかず・・。ここで、不本意に解決してしまう被害者さんも少なくありません。その点、首の皮一枚で助かった。代理店さんの気づきに感謝です。

 タイトルのように、医療の素人が軽々しく診断名を口にしてはいけません。患者さんにいらぬ予断を与えて、治療の邪魔になることがあるからです。それでも、ある傷病名の予断をもって医師の見解を求めることは、患者の素朴な姿と思います。私達は今まで、この「予断」で何度も医師の検査を仰ぎ、確定診断に漕ぎつけました。つまり、自らの体を治すことはもちろん、損害賠償を立証するに、患者側が自らを診断する能動性は必要と思うのです。医師に対して完全に受動的では・・医師が傷病を見逃すこともあるのです。本件は、その典型例となりました。   私達の経験則が発揮されました!  

非該当⇒8級相当:脛骨神経麻痺(40代男性・埼玉県)

【事案】

自動車にて右折待ちのため停止中、後続車に追突される。その衝撃により、玉突き事故となり、下肢をダッシュボード周辺に強打。直後から膝~指先までの痛み、神経症状に悩まされる。半年後も改善なく、脚を引きずるほどの症状。

【問題点】

医師も原因不明、保険会社も「ただの打撲で大げさな!」と思っていたよう。やはりと言うか、事前認定での申請結果は「非該当」。相手保険会社の70万円足らずの提示に、本人もあきらめかけていたところ、見かねた代理店さんが弊所に相談を持ち込んでくれた。

【立証ポイント】

アポ時間の5分前、事務所に歩いてくる本件被害者さんを偶然外で見かけた。脚をかばってのおかしな歩き方を期せず観察できたのです。これは大げさな症状ではないと確信した。

早速、事務所で脚を見せて頂いた。実際に触ってみると、完全な下垂足ではなく、麻痺の度合いも中途半端、おなじみの「腓骨神経麻痺」にしては少し変であった。かつて、1件だけ経験した「脛骨神経麻痺」を疑った。本件は、この素人診断からスタートしたのです。 続きを読む »

 私達の仕事、交通事故被害者を救う仕事を被害者さんにプレゼンする場合、最良のスタイルは無料相談会です。相談会には、賠償交渉を担う弁護士、保険手続きを担う者、医療調査を担う者、それぞれの専門家が結集、喧々諤々の議論の上、最良の道を示すことができます。一分野の意見ではなく、色々な分野からの多角的な意見が、解決策の精度を高めていると思います。被害者さんも無料はハードルが低く、気軽に参加できます。    

 交通事故の仕事は通販のように、電話で簡単に契約できるものではありません。何と言っても顔の見える、面談による相談に勝るものはないのです。しかし、現在のコロナ禍ではそれが叶いません。限定的に面談は行っていますが、やはり高齢者や重傷者は敬遠する傾向です。また、重傷者なら平素は直ちに入院先に訪問していますが、病院側が拒絶しがちです。すると、解決までのロードマップを示そうにも、電話やメールだけでは実に心もとなく、十分な契約説明ができません。依頼する側の被害者さんにしてみても、会ったことない人に、自らの重大事を任せられるものではありません。

 新型コロナの影響を最も感じていることは、被害者様との接触不全に極まります。私達の仕事にこそ、3密が必要でした。最近では通信システムを利用してお互い顔見せするなど、工夫をしています。それでも、”被害者さんの面前に専門家が結集する”相談会が最強だったと、今更に感じています。  

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 完全な100:0の加害者からの相談は少ないものです。しかし、60:40など、微妙に自分が悪い事故の相談はなかなかに難しい。

 まず、過失割合の交渉は弁護士の仕事です。明らかに自分の過失が大きい事故のケース、この場合のコントロールは注意が必要です。

 ご自身の保険に人身傷害や車両保険など、相手からの賠償支払いなくとも、ある程度損害の回復が図れるケースは、相手の出方次第です。通常は、相手が争う姿勢を見せれば、こちらも弁護士を立てて対抗します。とくに、相手が不当な請求をしてきた場合です。一方、相手が保険の範囲で我慢してくれれば、争う必要はありません。都合のよい考えではありますが。私達としては、寝た子を起さぬよう、穏便に進めることになります。

 やはり、万全の保険加入があれば安心です。逆に、任意保険の加入なくば、相手からの請求金額は直接、自身のお財布に向けられるものになります。仮に、自賠責保険で間に合う額であればよいのですが、相手が自賠内で許してくれることを期待するしかない状態になります。

 数多くの交通事故で、その解決を左右するものは、何といっても「保険」です。 保険設計で、既に勝敗が決しているとさえ思います。    

 

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 めまいと言えばヒッチコックの映画、そして、事務所の売上表を見る時でしょうか    交通事故などの外傷に限らず、めまいに悩まれている方は多いと思います。めまいの原因は様々で、眼神経そのものに原因がある場合、耳の三半規管の異常、脳神経の影響、自律神経の障害など・・それぞれ、受診科も違いますので、まず、原因部位を特定しなければなりません。まして、交通事故によるむち打ちで発症した場合、その立証は険しい道です。最初から医師と検査設備に恵まれることなど稀です。また、賠償上の理由からですと、本例のように医師が取り合ってくれません。    本件は「外側半規管耳石症(クプラ型)」が診断されたものです。運よく、検査や診断書が整ったので等級認定に至りました。秋葉事務所としても、事務所の経験則に大いに寄与する、貴重なケースとなりました。    続きを読む »

 警察や損害保険協会等、ここ30年の統計上、およそ20%の自動車・バイクが任意保険に入っていないと言われています。この20%、私が新卒で保険業界に入った時から、なかなかに安定した数字です。それなりに多い数字かと思います。

 交通事故の加害者が強制保険(自賠責保険)だけの加入で、任意保険に入っていなかった・・・さすがに、20%よりは下ります。それでも、弊所がお預かりした交通事故の相談の7件に1件程度は、相手が任意保険に入っていないケースです。すると、相手からの補償はほぼあてになりません。「私が悪うございました」と、お金を持ってきてくれる加害者は極めて稀です。私の30年近い歴から2件だけでした。

 この場合、まず、自身加入の保険をフル稼働する必要があります。まず、人身傷害保険の加入を探します。ご自身所有の自動車だけでなく、ご家族加入の保険、独身(婚姻歴無し)で単身住まいの方は、実家の保険すら調べます。人身傷害がなければ、相手の自賠責保険に請求をかけます、被害者請求という自賠法で定められた制度を活用するのです。3か月程度の通院で済む軽傷であれば、これで足ります。

 稀に自賠責保険すら未加入のケースも存在します。自賠責の加入ない自動車は、ほぼ無車検車です。日本に一時滞在の外国人で、不法就労者に多いようです。その場合、政府の保障事業への請求になります。数年に一度、この手続きの依頼が入ります。また、後遺障害を残すようなケガの場合に付け加えますが、人身傷害保険がなくとも、再びご自身・ご家族加入の自動車保険から無保険車傷害保険を活用します。

 最初から、加害者が責任もってご自身のお財布からすべて払ってくれれば良いのですが、その確率は極めて低く、加害者はたいていお金を持っていません。また、持っていても「持ってない」と言います。こうして、被害者は自身の損害の回復の為に、ケガをおして奔走することになります。常に被害者は不利なのです。    そして、各方面に相談するも、「相手が無保険では・・・」ほとんどの弁護士がさじを投げてしまいます。法律の専門家であっても、保険や補償制度に詳しいわけではありません。仮に各保険による救済方法を知っていても、その保険に請求する作業にわざわざ有償で弁護士が代理するまでもない、という判断に帰結してしまうのです。構造的に無保険車による被害者は、自ら奮闘するか、「あきらめ」に追いやられます。     人身傷害保険を活用した損害回復につて、以前の記事が具体的です。

 ⇒ ときに「人身傷害保険への請求が交通事故解決の最大の山場」となる     ある日、交通事故被害に遭って、相手が無保険だからと言って、簡単にあきらめることなどできましょうか。    さらに言えば、ご自身の人身傷害保険の少ない補償額で我慢できますでしょうか。    人身傷害保険から裁判基準額で回収する方法もあります。問題は、それを弁護士が知らない、あるいは、面倒がってやらないことでしょうか。

 それぞれ策はあるのです。私たちは法律のプロではありませんが、交通事故のプロです。ぜひとも、ダメ元でも結構ですからご相談下さい。

 最近も弁護士事務所や損保関係者から、無保険車による交通事故被害者を2件ご相談頂きました。各保険の最大活用こそ、弁護士の法律行為・賠償交渉以前に絶対に必要な作業なのです。私達は弁護士はもちろん、医師、損保、お役所窓口と毎度、皆で知恵を絞っています。    今日も、各地で無保険車による被害が何件も発生しているはずです。願わくは、その被害者さん達とめぐり合いますように。    

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 事務所開設以来、何度も説明していますが、関節の可動域制限、つまり、上肢下肢の機能障害で12級や10級をとるためには、単に関節の可動域の数値が3/4や1/2になっているだけではダメです。そのような制限が起こる、物理的な理由が必要です。それは、まさに画像から判断されます。

 例外的に神経の断裂や絞扼(締め付けられている状態)から、関節の自動運動が制限されることがあります。そのような例外を除くと、骨折後の癒合状態に問題がなければ、「極端な可動域制限は起きない」ことが医学的な常識です。

 ネットで交通事故・後遺障害の情報が氾濫して以後、関節の計測を大げさに装う輩が少なからず発生しました。自賠責保険・調査事務所は当然に数値を疑います。名前はだせませんが、ある行政書士・弁護士事務所から、「あまり関節を曲げるな」との指示を受けた被害者さんもおりました。これは、立派な詐病教唆です。

 その点、私たちは事前にレントゲンやMRI画像を精査していますから、申請前から自賠責の判断を予想しています。常に、機能障害をとるべくギリギリまで詰めますが、結果的に正しい認定に誘導します。本件も、神経症状の14級を確実に取り込みました。

 ただし、画像からでは判断できないが、演技ではなく、リハビリをサボったわけでもなく、実際に曲がりの悪いケースも稀に存在します。原因を究明、審査側にその事情を伝える立証作業こそ、難易度は高くなりますが、私たちの挑戦すべきテーマとなります。   神経麻痺など難しい案件、どんと来い!  

14級9号:鎖骨遠位端骨折(50代男性・神奈川県)

【事案】

バイクで直進中、左方脇道よりの自動車と衝突、鎖骨骨折したもの。鎖骨は肩に近い方、遠位端であるが亀裂骨折レベル。治療は、クラビクルバンドを着用、保存療法とした。

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 本日、東京都心でも37度まで気温が上昇しています。各地で40度越えも観測されているようです。酷暑でありながら、ご存じの通り、東京都民の動きはコロナで制限されています。テレビの聞き取り調査では、およそ70%の都民が旅行や帰省を控えているそうです。まさに、逃げ場のないの暑さの中、エアコン全開の部屋に籠っている方が多いと思います。

 一方、我が家は、子供の頃から夏休みだから特別に出かけようとの風習はありませんでした。両親は忙しかったのでしょう。ただし、学生時代になると夏は長期、季節をまたいで海外へ行ったものでした。中国では気温45度、海抜-145mのトルファン等、新疆ウイグル自治区を1か月かけて西へ、マイナスの気温と標高4,693mになるカラコルム峠超えのバス。めちゃくちゃ気温差・高低差のある旅でした。

 国外へ出ない年は剣道の夏合宿で、最後の夏となった大学4年蒔の関西遠征は思い出に残っています。深夜の高速バスで神戸三ノ宮まで、その後、兵庫~大阪を転々と、転戦を重ねたものです。夏休みは、自身の成長を促す特別な時間、一生の思い出に残ることばかりでした。

 比べて、社会人になると、暦通りに仕事、でなければ、家でゴロゴロです。休み明けまで、疲労を少しでも回復したい期間です。疲労回復も大事ですが、もう少し時間の使い方を工夫したいものです。そこで、今年は色々と思索にふけりたいと思います。    普段は目の前の業務に追われていますが、今こそじっくり経営のことを考え、アイデアを練りたいと・・。経営では、時代の変化や世の趨勢を読み解く分析力が大事だと思います。既に、昭和~平成~令和と、3つの時代を生きています。その間、様々な事象の変化を鋭敏に捉えたものが、成果を出していると思います。通信手段を例にとると、私が就職したときはポケベルでした。その後、携帯電話が小型化、ビジネスに限らず一般に普及が進み、現在はスマホが主流で、携帯は今年滅びるそうです。この変化を、昭和から予想した人達が存在していたはずです。そして、ビジネスに結び付けることができた人は、大きな成功を得たと思います。   21世紀のアトムが黒電話! 昭和38年当時、携帯電話は予想できなかったようです。    さて、そのようなことをつらつら考えていましたところ、ほほをさわると昨日から剃っていない無精ひげが気になりました。髭と言えば、ヒゲダン。考えてみると、そのヒゲダンも、3元号でそれぞれ違うものを指すではないですか。  

ヒゲダンとは?

 

令和 ⇒ Official髭男dism(オフィシャルひげだんディズム)

   今、もっとも熱い人気バンド。30歳以上は「オフィシャル髭男爵」と言い間違えがち。

 私もキーボード&ボーカルだったので、バンドのスタイルに共感します。ヒット曲「Pretender」は、コロナがなければ、今カラオケで最も歌われているナンバーでしょう。

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公務員、就職では人気ですが・・

 先日、連携している弁護士先生から、担当している案件の賠償結果を教えていただいたのですが、今後ますます厳しくなるであろう公務員の逸失利益について、触れたいと思います。    今回の事例は、女性で公務員の方です。夫、子どもと暮らしておりましたが、育休中に事故に遭ってしまいました。1年間の治療を経て、後遺障害申請をした結果、頚椎捻挫で14級9号が認定されました。事故から3ヶ月で復職を果たしますが、体調が優れない日は有給休暇を使用して治療に励んでおられました。

 さて、今回の事案ですが、後遺障害慰謝料と通院慰謝料については、弁護士の基準で満額を請求し、議論の余地はなかったようですが、休業損害と逸失利益について、争いがありました。交通事故の場合、主婦は年収約370万円で請求できるのですが、今回の女性は公務員としてそれよりも収入を得ていましたので、主婦と公務員のいいとこどりで請求することにしたそうです。

 先に説明しておかなければならないのが、公務員であることの特殊性です。公務員は、よほどのことがない限り、減収しません。会社員や自営業者では、事故による休業等が多くなると評価や売り上げが下がり、事故前よりも減収してしまうことがありますが、公務員ではそれがありません。つまり、弁護士が逸失利益を請求しても、「公務員の方は、怪我をしても給料が下がらないので、怪我による逸失利益はありませんよね?」と言われてしまうのです。

 今回の件では、主婦の休業損害(通院日が認められる傾向にあるため、休んだ日よりも金額が大きくなる可能性が極めて高い)と公務員の逸失利益(年収が主婦よりも多いため)で請求したが、復職中は主婦の休業損害でもOK。但し、復職後は公務員の休業損害となったようです。逸失利益については、公務員を全面否定され、主婦として賃金センサスで認定されたようです。

 今回のケースでは、いいとこどりの金額には及ばなかったものの、依頼者様満足の結果となったので、一安心でしたが、男性の場合、主婦が認められる可能性は極めて低いため、どのような交渉になるのでしょうか。大怪我によってキャリアが断たれた等は除き、ムチウチや圧迫骨折など、交通事故にて頻発している怪我の場合、男性公務員は諦めることしかできないのか、今後注目していかなければならないと思っております。   ※:本件は裁判ではありませんが、紛争処理センターでの和解斡旋でのケースです。  

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金澤です。

 

久しぶりにキングダム愛好マスコットで。

 

久しぶりにビックリするラーメンに出会ったので、日記です。

最近は病院同行等で各地に行くと、ラーメン屋さんに入って地元のラーメンを食べています。

 

本日は、交通事故の相談の件で平塚に行ってまいりました。

そこで、今まで食べた事のない、ラーメンの常識からは外れたラーメンに出会いました。

 

ご厚意で連れて行って頂いたのですが、店までの道中でこんな話を聞かされました。

「最初行ったときは二度と行くかと思った」

「腐っているのかと思った」

「その後付き合いで行く羽目になり、3回目に行ったとき、美味い!と初めて思った」

 

正直、興味はあるものの、不安と焦りで汗がでました。

せっかく紹介いただいたのに、残すわけにはいかない。

心の中で色々な思考が交差します。

 

お店に到着。

むかしからある老舗ラーメン屋風。

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どんでん返し…

1.忍者屋敷の扉のからくり。 2.歌舞伎の強盗返のこと。 3.上から転じて、フィクションなどのストーリー展開技法の一つをいう。同様に、話や形勢、立場などが正反対にひっくり返って逆転したことにも用いられる。

 ストーリー展開におけるどんでん返し(どんでんがえし)は、小説や映画の中で用いられる技法のひとつである。

 大方の読者や視聴者の予想を大きく裏切ったり、一旦終結したかに見えたストーリーを大きく覆したりするような結末が用意されているものが典型である(この種の結末の付け方は、英語ではsurprise endingにあたる)。芝居を途切れさせることなく大規模な舞台転換を短時間で行う歌舞伎のどんでん返しから転じて名付けられた。どんでん返しはエンディングに限らず、次々に事態が変遷し、推測、推理が何度も覆されていく様態を意味する場合もある。 <出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』>    どんでん返しの一般的な意味は以上のようです。さらに、”大”がつくと、ものすごい急展開、大逆転の結末と、どんでん返しの程度を強調するだけでなく、ある昔のアニメにたどり着きます。   『巨人の星』の 大どんでん返し とは?    昭和の野球漫画・アニメ、スポ根ものの元祖です。主人公、星 飛雄馬は、父親によって幼少から野球の超英才教育を施され、巨人軍のエースに成長しました(この父、ちゃぶ台返しで有名な星 一徹は太平洋戦争従軍で肩を負傷し、プロ野球選手の夢を絶たれていました)。努力と根性を地で行く、野球漫画の草分けでしょうか。

 その英才教育で象徴的だったのは、左投げピッチャーにするための、右利きから左利きへの矯正です。野球はじめ、多くのスポーツでは左利きが有利とされています。したがって、左利投げ・左打ちへの矯正は、実はそう珍しいものではないのです。

 さすがに、ピッチャーで右利きの選手が左投げに変えるのは大変です。しかし、バッターでは右利きながら左打ちは普通に大勢います。大谷 翔平選手、イチロー選手、松井 秀喜選手、巨人の阿部 慎之助選手と一流どころが名を連ねます。

 さて、『巨人の星』の劇中、この左投げ矯正を「大どんでん返し」と呼んでいました(本来の意味とちょっと違うと思いますが)。さらに後の続編『新・巨人の星』では、(前作最終回で魔球によって酷使した左肩が壊れてしまい)引退した星 飛雄馬が、元々右利きであったことから、今度は右投げピッチャーで復活します。これもまた、「大どんでん返し」、しかも、リバース。    かなり、長い前置きですみません。言いたかったことは、上肢の後遺障害についてです。    今年は上腕・前腕のおケガ、等級認定必至の件を7件受任しています。上肢の障害では、圧倒的に肩関節が多く、手関節がそれに続きます。実は腕の後遺障害は珍しい部類に入るのです。私たちの業界では、同じ傷病名が重なるジンクスがありますが、腕のみにあらず、肩や手首・手指の件も加算すると、今年は上肢の当たり年と言えます。

 上肢・下肢の後遺障害において、利き腕のケガによる等級の差はありません。仕事や日常作業では、当然に利き腕のケガの方が不便が多いと思います。しかし、自賠責保険や労災に限らず、世の障害制度の評価では、左右差は関係ありません。そうなると、後の賠償交渉上で、利き腕の障害による困窮点を強調しなければなりません。これは、損害の個別具体的な事情になります。したがって、私達は医療調査や障害申請の段階で、利き腕を必ず聴取して、弁護士にその情報を引き継ぐことになります。等級に結びつかなくても、具体的な被害者独自の困窮点の調査も、私達にとって大事な業務なのです。単に手続きを担うだけでは片手落ちです(洒落?)。    さて、最近の被害者さんで、左腕にひどいケガを負った方がおりました。利き腕は左腕とのことです。しかし、ここで「大どんでん返し!」。実は、幼少期に親御さんから右利きに矯正されていたのです。これも珍しいことではなく、世の道具が圧倒的に右利き仕様になっていることから、親が子供の将来を思って、大どんでん返しをするのです。左利き専用の道具が増えた現在でも、ドアノブやボタンの配置を見れば・・右利き優先社会を実感しますよね。

 この被害者さん、お箸や筆記用具は両手が使えるそうです。前から気付いていましたが、左利きの人は器用で天才型が多い。ちょっと練習すれば両手使いにもなるのです。多くの右利きさんは両手使いができません。ちなみに、サッカー選手は両脚が使えると有利なので、左右どちらでも蹴れるように練習するそうです。優秀なストライカーは、左右どちらの脚でも得点しています。左利きの名手と言えば、メッシ、マラドーナ、中村 俊輔選手と、もはや挙げるまでもありません。ちなみに、格闘技でもその傾向は同じく、ボクサーの左利きは相手にとって超やりにくいそうです。    以上、本日の記事は「大どんでん返し」を知らない、うちの若い社員向けに書きました。

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 交通事故の解決において、”多くの場面”で弁護士の活躍は欠かせません。しかし、”すべての場面”ではありません。必ずしも賠償交渉が必要ではないケースも存在します。

 本例の場合も、受傷初期の段階で賠償金を十分に勝ち取れるか否か、法律の専門家である弁護士ですら判断するのは難しく、受任はある意味ギャンブルとなります。仮に弁護士費用特約があったら、受任はしてくれますが、恐らく「等級が取れるまで」待っているだけで、それまでは、女性事務員が電話対応のみ、ほとんど放置は目に見えています。

 これは、「細かいことは自分でやって下さい」「弁護士の仕事は賠償交渉だけ」と考える法律事務所が多いからです。しかし、自分ですいすい諸事務を進めていける被害者さんばかりではありません。こうして、多くの被害者さんは難渋の日々を送ることになるのです。

 弁護士以外の活躍が望まれる場面、本例はその典型だと思います。   私達に任せて!  

11級7号:胸椎圧迫骨折(40代男性・神奈川県)

【事案】

原付バイクで走行中、交差点で左折の際に転倒し、さらに後続車にひかれて受傷した。顔面や肋骨を骨折、第11胸椎を圧迫骨折した。

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 損Jだけではなく、他社も同様の動きがあり、今後、非対面募集がスタンダードになるよ うです。従来の対面募集の原則は、はんこ制度と並んでもはや絶命危惧種、意思確認の電子化は時代の要請と言えます。それが、皮肉にもこの半年間、新型コロナで実証が進んだようです。弁護士はじめ士業は原則、対面による契約です。しかし、私たちの業界もこの半年間で“対面契約の原則“が有名無実化しています。それでも基本は変わりません。依頼者様に契約内容を十分ご理解頂けるよう、鋭意工夫したいと思います。

  非対面による保険契約手続きの対象拡大   <日本経済新聞さま2020/8/13記事より>    損害保険ジャパン株式会社(取締役社長:西澤 敬二、以下「損保ジャパン」)は、With/Afterコロナの社会において非対面・非接触による商取引のニーズが高まっていくことをふまえ、保険募集方法の見直しを行いました。2020年4月6日から特別措置として非対面での保険契約手続き(以下、「非対面募集」)の対象をすべての保険商品・契約手続きに拡大していますが、特別措置期間終了後も一部を除き非対面募集を継続します。   1.背景

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 交通事故の示談交渉、そのおよそ80%は保険会社同士、あるいは一方が保険会社の交渉になります。

 交渉事は何かとストレスがあるものです。損害を回復しなければならない被害者さんは大変です。どう考えても、請求する側が不利だと思います。

 その交渉ですが、加害者が無保険である場合はさらに大変です。この無保険とは、任意保険未加入を意味します。自賠責保険の未加入はそれなりにレアケースですので、ここでは除外して話を進めます。通常、任意保険の担当者が当事者に代わって交渉します。当事者同士では感情的になりやすく、また、知識も不十分ですから、話し合いが難航します。ですので、保険会社を介する交渉がベターです。    本日のテーマは、保険会社を介さない交渉、前述の通り、相手に任意保険がないケースです。すると、たまに当事者に代わって謎の人物がしゃしゃり出てきます。その人物が法律関係者であれば、一定の信頼はあります。代理権限のある弁護士はそれこそが仕事です。それ以外では、保険代理店さんもよく登場します。保険知識がありますから、保険の限度内での解決ではスムーズに話が進むと思います。しかし、そのような名刺を出してもおかしくない職業の方達ばかりではありません。

 謎の人物の介入・・当事者の親兄弟・家族内なら変に思いませんが、どうも違います。当事者の職場関係者、もしくは親戚を名乗ります。よく、「○○の叔父です」と自己紹介してきます。この謎の叔父さんを、私達は「変なおじさん」と呼んでいます。  

 志村けんさんの「変なおじさん」は、変質者の「変」と解しています。交通事故における変なおじさんとは、どのような権限で介入してくるのか不明だから、「変な立場のおじさん」と言うべきでしょうか。昭和の頃は、ベンツで乗り付け、素人っぽくないダークスーツにサングラス、ローレックスなど腕に巻いた風体が多く、何故か交渉中はたばこをプカプカよく吸います。変を通り越して「怖いおじさん」でした。現在は民事介入に関する法律が厳しくなったので、このような怖いおじさんを見なくなりました。ほぼ絶滅種と言ってよいでしょう。

 かつて、交通事故介入を職業としている人達は「示談屋」さんと呼ばれました。もちろん、金品を報酬としていたら、弁護士法72条違反、いわゆる非弁行為ですから処罰の対象です。それでも、もめ事はしのぎ(お金)になりますので、しつこく活動していたものです。しかし、平成、令和と時代が巡り、絶滅種と思いきや、スマートに進化した新種がわずかに生き残っていました。普通っぽく、怖い風体は避けています。物腰も脅し調ではありません。なかなかに知識もあり、よく勉強しています。

 それでも、何らかの目的をもって、まさかボランティアではないでしょうが、代理人の体で介入です。繰り返しますが、当事者から委任されていたとしても、有償であれば違法です。では、無償ならOKなのか?・・まさか、無償なわけないでしょう。このような輩は、叩けば半年も干したことがない布団のように、埃がバンバン出てくるものです。できれば、相手にしたくありません。    先日、生き残った絶滅危惧種を発見しました。対して、こちら側は弁護士費用特約を使わせて頂き、正規の資格者である弁護士を代理人にしました。法的に認められた代理人は今後の交渉において、権利不明の変なおじさんなど相手にしません。ここで、「だっふんだー」とは言いませんが、変なおじさんは役に立たず退場します。相手方は、このまま自分で交渉するか、改めて弁護士を雇うかの選択を迫られることになります。    現在、弁護士費用特約の普及から、交通事故で弁護士を雇いやすい環境にあります。ますます、変なおじさんは数を減らすと思います。    

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金澤です。

先日、テレビを見ていました。

ニュース番組の内容でした。

その内容は、PCR検査が一回4万円で受ける事ができる、予約殺到!

という内容でした。

 

これを見て、私は疑問に思いました。

普段病院同行をしていると、最近はよくPCR検査のポスター?案内?が貼ってありますが、

1回1万以上の病院を見たことがありません。

相場は8000円ほどに感じます。

 

なぜ報道番組は4万円の検査をあえて報道するんだろう?

と考えましたが、これが国が行う印象操作か?と思ってしまう程です。

 

一回4万のPCR検査を、予約殺到!と報道する。

医療機関のHPなどを見ると、実際は1万円以下でやっている所が多い。

気軽に受けさせるための植え付けをしているのか・・・

 

それとも高いから検査なんか受けない。という先入観を先に植え付け、検査数を減らしているのか・・・

 

それとも、コロナの影響で経営が悲鳴を上げている医療機関の自由診療(利益)の為に報道しているのか・・・

 

 

まったく、国もテレビも何を考えているのか、下民のわたくしにはさっぱりわかりません(笑)

 

これだけは確かなのは、PCR検査4万円は高い^^;

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金澤です。

先日、回転ずしに行きました。

独り身なので、いつもは弁当を買って食べたり総菜を食べたりしています。

たまに外食をするくらいなのですが、

 

この暑さのせいで食欲がなく、どうしても食べたいものが無く、ひらめいた先はお寿司でした。

 

今の時代、お寿司も手ごろになりましたよね。

高級店でなければヒトサラ100~300円くらいで食べれちゃいます。

いつも私は回転すしに行っても、6皿位でお腹がいっぱいになるので、コスパ抜群です。

 

本題に入りますが、大体いつも飲食店に入る時はコロナを考えて、バリケードがあったり対策のしてあるお店に入るんですが、

その日は熱さのせいか、はたまた慣れか。

軽い気持ちで回転すしに入り、カウンター席に着きました。

 

レーンに流れているお寿司はいつも食べません。

注文して、届いた品をいつも食べるのですが。

いつも通り注文をしてお寿司を待っていました。

 

いつも通り、注文の品がレーンから流れてきました。

その姿を見た瞬間、ハッと青ざめました。

 

あたりを見回すと、お店は満席。

レーン脇には友達・家族・恋人の集団が楽しそうにお話をしながらネタをつついてます。

 

やってしまった。

これじゃあ、飛沫のオンパレード!!

 

頭の中は後悔と、目の前にあるネタをどうするか…

 

それより、まってくれよと。

カウンター席の横にはバリケードがあるのに、なんで肝心なレーンにはバリケードもなければ、

皿の上にカバー?もかかってないんだよ!(怒

 

最近回転ずしは、カバーをかけてレーンに流れているお店も増えてきているだろう!?

なんで、今この時期にそれくらいもしていないんだ!

 

 

 

呆れた私は、いつも絶対に最初に頼む中トロ2皿を諦める事にしました。

悲しみに打ちひしがれながら、100円の青さ汁を注文。

青さ汁は、蓋つきの器に入り、店員が持ってくることを知っていたからです。

 

青さ汁を飲みほし、消毒作用のある生姜ならば。と思い生姜を一口二口食べ、店を後にすることに。

 

不思議そうに見る店員。

もし、自分がバイトなら、お客にわけを聞き、店長に掛け合い料金を引き、今後の企業努力として大切な意見有難う御座います位言って帰すけどな~

 

と思いながら会計で、当然のように中トロ二皿と青さ汁のお会計をして、店を後にしました。

 

 

それにしても、大丈夫かい、みんな。

よくあんな飛沫のかかった回転すし、あんなに幸せそうな顔して食べれるな…

満員御礼の回転すし店を見て、

コロナは当分収まらないだろうな~

と改めて確信しながら、マックを買って帰りました。

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 今年の事故統計の上半期さえ出揃っていない中、まだ、データからの分析はできません。

 しかし、4~6月の4半期をみると、緊急事態宣言による交通量の激減、一部では自動車の走行量が70%減ったと言われています。すると、当然、自動車事故もその数字に倣って減ることになるはずです。しかし、重傷事故の数は一定、むしろ微増との記事をみました。⇒ コロナ渦中での交通事故件数    最近では、拡大する感染状況から、医療関係者のコメントをよく目にします。ある医師はテレビで、「4~5月は救急搬送される交通事故患者が0人、そのおかげで、救急救命のスタッフをコロナ対策に回すことができた」旨の発言をしていました。この病院だけの傾向とは思えません。やはり、交通事故の被害者は一定期間減っていたのだと。そして、6月以降、発生数が回復傾向とはいえ、今年一年は昨年までの数字には到底及ばないでしょう。

 テレワークや出勤制限もありますから通勤災害はじめ、労災事故も当然に減るはずです。深夜営業の飲食店への規制は、そのまま、帰宅上のタクシー事故の減少にもつながます。先日、タクシー運転手さんも、「お客さんは半減どころじゃなく、1/3以下だよ」と嘆いていました。転職も検討しているとのことです。

 経済活動の低下、これは全体的にはよくないことですが、副産物として、交通事故を含むケガ人の減少という好転もあったのです。

 一方、秋葉事務所の相談数・受任数もこの傾向が如実に数字に表れています。とくに、新規の相談数は前年比の55%です。連携先、弁護士事務所に聞くと、やはり一定の減少は間違いないようです。それでも、うちの事務所に限ってある傾向が浮かんできます。それは、交通事故の最多傷病名でもある、頚部・腰部捻挫の類、いわゆるむち打ちの相談・受任の減少が明確ながら、重傷者の受任、あるいは後遺障害等級12級以上の受任数は変わっていないのです。軽傷・軽症者が減っていることは、世間の統計と同じ傾向と言えます。しかし、それ以上に、私達の助力がより必要な被害者さんとは、そのご縁が強いことを示していると思います。

 交通事故外傷・後遺障害に特化した事務所、そのニッチな取り組みが世に浸透していないことは通年のテーマです。今年のような交通事故数の減少期も、それは変わらないものです。今後も、私たちをを必要とする被害者さんに、声が届くようにしなければなりません。一層の工夫が必要ですが、目の前の被害者さん個々を確実に助けていくルーティンこそ堅持したいものです。

 営業的に、短期では宣伝力が物を言いますが、長期では実力が評価されます。年々の紹介の増加こそ、長い目で見た実力のバロメーターではないでしょうか。日々、間違いのない仕事を重ねていくこと、今後もコロナや災害等、世の中の影響を受けながらも、それは変わらないと思っています。  

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 むち打ちに限らず、ここ数年の傾向から、初回認定でいけそうな案件も再請求(異議申立)を強いられるケースが増えたと思います。

 交通事故数が減少傾向なのに、後遺障害の申請件数がなぜか微増中・・・不思議です。申請者が増えていることは、障害者の数が増加したと言うより、被害者さんの賠償意識が高まったからではないでしょうか。すると、自賠責保険・調査事務所も、微妙な案件に対する審査の難度を上げることにつながりかねません。数年前なら、甘い認定に助けられる案件も、厳しい判定にさらされているようです。本件も初回申請の読み違いから、結局は受任して認定を取りました。

 

非該当⇒併合14級:頚椎・腰部捻挫(40代男性・神奈川県)

【事案】

自動車搭乗中、交差点信号待ちで後続車の追突を受ける。直後から頚部痛、腰部痛に悩まされ、以後、9か月にわたり理学療法を継続した。

【問題点】

症状固定時に相談会に参加された。後遺障害診断書他、書類をチェックさせて頂いたが、このままの提出で認定は取れると予想した。認定後、弁護士の仕事かと思っていたところ、非該当の結果となり、再度の相談となった。今度は正式に受任して再請求を試みた。

【立証ポイント】

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          真の恐怖に触れる        

恐怖 双子の老婆

 一卵性双生児ですから、私も子供の頃はよく母と伯母を間違えました。当たり前にそっくりでした。母姉妹の小さい頃や学生時代はおそろいの制服で、写真の通り、それは可愛かったと思います。しかし、月日を重ね、共に老婆と呼ばれるようになりました。かつて、全国的人気の双子のお婆さん、きんさん・ぎんさん(※1)を覚えているでしょうか。仲の良い二人、老いてもそこはかとなく可愛さを感じるものがありました。これが人気の理由だと思います。

 しかし、母姉妹はきんさん・ぎんさんタイプとは別物です。母姉妹は仲が悪いのです。お産の時、母が後に分娩されたので妹となっています。伯母が姉ぶると、負けん気の強い母は、「(生まれた時は、)あたしがあんた(姉)を先に蹴り出したんだ」と言っていました。子宮の中からすでに戦いが始まっていたとは恐ろしい。気の強い5人姉妹の中でたも、母と双子の姉はまさに竜虎、気性の激しさは2トップと言えます。常に熾烈なセンター争いの、前田 敦子と大島 優子(※2)、それどころか、名勝負数え歌、藤波 辰巳と長州力(※3)だったのです。

※1 双子姉妹のタレント、成田 きん(なりた きん)及び蟹江 ぎん(かにえ ぎん)の愛称。100歳を過ぎても元気であったことからマスメディアに注目され、その後、テレビ出演やCDデビューを果たした。その姿は「理想の老後像」と言われ、1990年代の日本において国民的な人気を誇った。(ウィキペディアより)

※2 前田 敦子と大島 優子…AKB48の代表的なセンター。少し古い例えですみません。

※3 藤波 辰巳と長州力…レスラー。新日本プロレスでのライバル。猪木の後継者を巡る名勝負を繰り広げた。すごく古い例えですみません。     他の双子さんを詳しく観察する機会はありませんが、双子は一心同体だからこその近親憎悪もあるのでしょう。実際の関係性など余人には測りがたいものです。母が存命なら今年80歳、その二人が80歳になって、仲良くちょこんと床の間の前に和装で並んで座っている姿を想像して下さい。

   

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        古い写真が語るもの      

幽霊の正体

 年が明けて令和2年、お正月休みは実家で遺品整理という名の捜査再開です。与えられた時間は3日、じっくり取り組みました。    生前、「生きてるうちに物を整理しなくちゃ」と、母は終活の素振りを見せていたものの、実際は、「何だよ!全然やってないじゃないか」と愚痴を言いながらの作業でした。自らの寿命が分かっていれば、終活もはかどろうものです。しかし、誰しも予期せぬ突然は在りうることです。まずは、自分も死後の整理リストでも作ろうかな、と考える次第です。

 さて、毎週の遺品整理は、ほとんど大量の衣服の処分に費やすことになり、このまま掘り続けたらアンモナイトの化石が出土しそうです。何層にも折り重なった地層から”その写真”を発掘するまで、実に半年も要したのです。    

 煤けた緑色の1冊の写真アルバムらしきものが、形を表しました。焦げた匂いに、、全体的にはカビ臭い。神経質とは程遠い私ですが、このまま素手で触ることがためらわれました。親指と人差し指で角をつまみ、擦り切れた表紙を少しめくると、バラバラと数枚の写真がこぼれてきました。

 白黒写真とセピア色の写真、あるいはカラーらしきものも混ざっていました。その写真は母の幼少期から成人するまでの数枚でした。今まで観たことのない写真ばかりです。こんなに写真が残っていたのか・・。写真嫌いの母でも、さすがに両親(私からは祖父母)は、最低限の記念写真を撮っていたようです。    そして、この写真から、「ある事を忘れていた・・」と気づかされました。    「もしかしたら・・。」    秋葉家の亡霊について、早くも謎が解けてしまった。     幽霊の正体はまったく簡単なことでした。     知っていればどうということでもなかった。        母は一卵性の双子。      窓の幽霊は母が化けてでたのではなく、双子の姉だったのです。   続きを読む »

        この世にないものを追ったことがありますか      

週末探偵の誕生

 斜陽の差し込みが窓の陰影を濃くした実家の前に、私は今日も立っていました。ちょっとした幽霊騒ぎなど時間が経てば・・のはずですが、町内会の噂は広がるばかりです。母は幽霊となってまで、一体どんなメッセージを残したいのだろうか。まったく霊感のない私には何も見えません。生まれてこの方、不思議な現象に遭遇したことは皆無です。有名な幽霊スポットでも、一人平気で夜釣りができます。どうせ、私には何も見えないからです。多分、よく釣れる好ポイントを隠すため、誰かが流したデマではないか、そのような推理をしています。    あれから毎週、日曜日に実家に帰っては、どうせ見えない霊と向き合う作業となりました。実体のない想念がいつまでの家の中に漂っているとしたら・・何かおまじないや魔法陣でも組んで召喚してみるか(コックリさんしか知りませんが)・・・ええぃ、何を馬鹿な!。非科学的なことは信じていません。それでも、茜町の怪談・秋葉家の亡霊の謎を解く事は、最早、私のもう一つの仕事なのです。なぜなら、実家が事故物件では・・父が介護となればヘルパーさんの確保が困難になります。また、将来、家を売却するにも安くたたかれてしまいます。それこそ、リアルなオカルトです。

 このままでは、めまいで後遺障害12級を取ってしまいます。もう、必死です。ネットや書籍で幽霊について調べました。死への準備や心構えなど無く、急に亡くなった人間は、その想念がエネルギーとして物質社会に残存するのでしょうか。結局、実証的な文献は皆無、何ら証明できる方法に近づくことができません。非科学的なことを科学で解明しようと試みることこそ、矛盾しています。だからと言って、霊視だの霊能力者だの、超自然を商売にしている連中は、うさん臭さしか感じません。連れてくれば、きっと、母の霊が見えると言うに決まっています。何か見えなきゃ、お代を取れないからでしょう。お札も石も売れません。「見えなかったから、今回は交通費だけでいいです~」と、実費だけで帰る霊能者を見たことがありません。

 何より事実関係の確認からです。ことあるごとに「母を見た」と言う、認知症の父から話を聞いても詮無きこと、とりあえず、一向に進まない母の遺品整理を毎週日曜日に進めました。さらに、あれからすっかり怯えている山口さんを見つける度に、慎重に母の目撃者や出現場所を問いただしてみました。

 こうして、私の週末探偵(それも心霊探偵)の日々が始まりました。  

One more time, One more chance

 くだらない噂話などしない山口さん、誰がとは特定を避けながら、母の目撃情報を毎回1つは教えてくれました。その一つを言い終わると、毎度一瞬で自宅に滑り込みます。あれから山口さんの自宅玄関には、塩が盛られています。要らぬ迷惑をかけてしまった。

 さて、その、目撃情報ですが・・・   1、向いのホーム

 ・・・母が実家最寄りの蒲生駅(東武伊勢崎線)に居た?   2、路地裏の窓

 ・・・問題の出窓を指すのでしょうか、この目撃談がもっとも多く、3件聞きました(1件は山口さん含む)。   3、交差点

 ・・・母を含め家族がよく利用した、近くのセブンイレブンのある交差点でしょうか。    噂の多くは尾ひれがつくもの。おそらく、ほとんどは見間違いや、幽霊騒ぎ下の無責任な好奇心がそう見せているだけかと思います。    そして、ある法則性に気付いてしまい、この目撃談の信憑性を大きく下げることにしました。

 もうお気付きの方もいるかと思いますが、小タイトルの通り、目撃場所は山崎 まさよしさん(※1)の名曲、「One more time,One more chance」にでてくる歌詞です(※2)。偶然か、それとも、名曲の普遍性が一致させたのか・・。

 私は、目撃場所を聞くたびに、「こんなとこにいるはずもないのに ♪ ...

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