世に言う、3メガ損保(※)。東京海上日動、三井住友、損保ジャパン。   ※ 3メガとは○○ホールディングスなどグループ企業(持ち株会社)の呼び方です。正しくは大手3社とよぶべきでしょうか。      国内社20数社から抜きんでた規模を誇る3つの巨大金融カンパニー、その補償内容については、常に他社が追従する傾向と思います。長らく全社同一補償・同一掛金であった戦後の護送船団方式は、1996年金融ビックバンより、各社、自由な掛金、自由な補償が可能となりました。それでも、会社ごとに大きな変化はなく、おおむね横並びは続いているようです。    横並びの補償であっても、ゆっくりとですが各社、約款に独自色をだしています。約款上の支払い条件などは、少々マニアック、契約する前に比較はしないでしょう。ただし、補償範囲はパンフレットで容易に比較できます。その象徴的なものとして、人身傷害保険の「交通乗用具」が挙げられます。    それでは、令和4年1月1日の改定、3メガ損保の変化を比較してみましょう。魏(東海日動)・呉(損保ジャパン)・蜀(三井住友)3国鼎立は崩れたのか、消費者(契約者)は厳しく見ていくべきと思います。あと、乗合代理店さん(複数の保険会社を取り扱う)もね。   続きを読む »

三井住友さん、どうした?  

三井住友、交通乗用具やめるってよ

 それでは、東海日動、損保ジャパンを後目に、交通乗用具を堅持していた三井住友さんはいかがでしょうか? 三井住友、あいおい、AIG・・長らく交通乗用具特約を残していました。念のため、今年改定の全社約款を確認のところ、三井住友さんが廃止したではないですか!

 正確に言いますと、三井住友さんは令和3年1月1日から交通乗用具の範囲を狭めました。自転車、車イス、ベビ-カー、シニアカー(以下、表。三井住友様パンフから転載)は残して、電車・船・飛行機など公共交通機関、エレベーター、エスカレーターなどそもそも乗り物としては疑問のあるものを廃止したのです。これを新たな特約として、人身傷害から分離させたようです。   続きを読む »

毎度! 人身傷害ウオッチャーの秋葉です。

 コロナですっかり研修会が無くなり、今年の自動車保険の約款チェックをサボっておりましたところ、重大な改定がありました。もっとも、大騒ぎしているのは秋葉一人で、業界ではいつもの約款改定の一つに過ぎないかもしれません。それでも一度やめた補償を復活させる・・これは保険商品として珍しい例と思います。

 来年、令和4年の約款が出揃いましたので、今日から3回に分けて解説します。  

損保ジャパン、交通乗用具・復活の日

 およそ個人契約の自動車保険の95%に付帯されている人身傷害保険、これは交通事故におけるご自身のケガを補償するものです。「搭乗中のみ担保」特約を付けなければ、歩行中や自転車搭乗中に自動車事故に遭った場合でも保障されます。それは契約者だけでなく、同居の親族まで補償範囲に入ります。支払い保険金は死亡で○円、後遺障害は等級に応じて○円、入院・通院で1日いくらの決まった補償ではなく、実際の治療費や休業損害はじめ実費の損害に加え、保険会社の決めた基準になりますが慰謝料や逸失利益まで、それら実額での支払いを売りとした保険です。東京海上日動が国内で初めて発売して以来23年、すっかり定着した感があります。      各社、補償の範囲はほとんど一緒ながら、一つだけ絶大な差がありました。それが、交通乗用具への補償です。交通乗用具とは、自動車や二輪車以外の乗用具の総称で、その代表は自転車でしょうか。自転車以外の乗り物は、約款で細かく指定されています。   人身傷害保険と交通乗用具の復習はこちらを 👉 詐欺シリーズ ...

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最近経験した知覚検査について

 この検査は、皮膚の感覚を検査し、末梢神経疾患、熱傷、術前・術後の神経診断や回復時のリハビリに使用されることが多いようです。全部で20本あり、下の品番から「1.65、2.36、2.44、2.83、3.22、3.61、3.84、4.08、4.17、4.31、4.56、4.74、4.93、5.07、5.18、5.46、5.88、6.10、6.45、6.65」とあり、1.65が一番直径の短いものです。

 検査方法としては、まず患者に目を閉じてもらいます。その後、2.83番のモノフィラメントを使い、どこを刺したか当ててもらいます。このとき、皮膚から2センチ程度離したところから1.5秒かけてフィラメントを垂直に下ろします。フィラメントがたゆむまで力を加え、再度1.5秒かけて皮膚から離します。この刺激を3回まで行い、反応をみます。このモノフィラメントで認識できるようであれば、知覚検査は正常と判断され、検査は終了となります。認識できないようであれば、徐々に直径の大きなモノフィラメントにしていき、どこで認識できるのかみます。 6.65については評価にばらつきがありますが、大体同じ評価となります。

 より細かく領域を区分する場合には、正常域を緑、低下域を青、防御低下域を紫、防御喪失域を赤、深部圧痛のみor測定不能を赤+黒斜線で当該部分を塗ります。その他、異常な応答や3秒以上の反応遅延、皮膚の乾燥、硬化、光沢、色調及び発汗異常など、特記すべきことがあれば記載することとなっています。

 もちろんこの検査も他覚的所見として捉えることは可能ですが、やや自覚症状に重きを置いた検査であるため、審査側はそこまで重要視していないのではないかと考えます。現に6.65でも判別不可の被害者であっても、神経症状は醜状痕に含めての評価に留まっております。とはいえ、「神経症状も評価に含まれる」という文言を付けてもらうことが、示談交渉で役立ってくるのです。残存した症状をあますことなく後遺障害認定に結びつけられた被害者こそが、最後に笑うことができるのです。    おなじみの針とブラシは鞄の中に持っているよ  

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 本件もコロナの影響下、症状固定が遅れに遅れました。長期間の治療費をみて頂けることはありがたいことです。しかし、治療期間が長いということは、回復が進んだ結果として後遺障害等級が薄まる危険性があります。

 お金より、お体の回復が第一であることは言うまでもありません。しかし、積極的な治療が一段落すれば、適当な時期に、それもなるべく早く症状固定を推奨しています。別に治療がそこで終わるわけではありません。症状固定後は健保を使って治療を続けるだけです。

 被害者さんの「相手の保険会社に何が何でも治るまで治療費を出させる!」意気込みは解りますが、中途半端な回復まで引っ張った結果、もらえるはずの後遺障害保険金が数10~100万円単位で下がり、その損失は得てして、相手に負担させる治療費より高額なのです。この点、被害者は損得勘定をすべきと思います。

 これは、ズルい計算とは思いません。なぜなら、障害が今後軽快するのか、悪化するのか、未来のことはわかりません。誰も保証はしてくれないのです。だからこそ、症状固定という区切りで障害を決めるしかないのです。この選択こそ、被害者の権利と思っています。

本件はコロナはじめ様々な事情から延びてしまいましたが、 等級はなんとか薄まらず、想定通りに確保できました  

10級10号:右橈骨遠位端骨折・左橈骨遠位端開放骨折、14級9号:脛骨高原骨折、9級16号:顔面線状痕(40代男性・埼玉県)

  【事案】

バイクで幹線道路を直進中、右折してきた車に衝突される。救急搬送され、目視(左手首は開放骨折)・XP・CTにて骨折が判明、ただちに手術となり、およそ2ヶ月の入院と長いリハビリ通院を余儀なくされた。 続きを読む »

 既存の弁護士費用特約を専用商品としたものですが、これまで少額短期保険としての発売では、ミカタとフェリクスが知られておりました(注:フェリクス少額短期保険は、2020年3月31日以降、ミカタに事業譲渡されました)。

 今回はジャパン少額短期保険が専用商品を取り上げます。ジャパン少額短期保険とは、レスキュー損害保険株式会社の100%子会社です(両社とも聞き慣れない保険会社です)。弁護士保険以外にも、専用商品と言うか変わり種保険をいくつか販売しています。

 これら弁護士費用保険は自動車保険に付帯される特約より、補償がワイドに、または珍しい補償が含まれています。以下、ジャパン少額短期保険の説明に続き、比較表にしてみましょう。  

痴漢冤罪ヘルプコール付 弁護士費用保険 ジャパン少額短期保険   保険料月590円で痴漢冤罪に備えておこう!   加害者になった時の個人賠償責任保険も!   続きを読む »

 まさに、新型保険です。ドローンの普及と共に、当然にトラブルが頻発してきました。保険というものは、既存のリスクに追従して開発されるものです。 ドローン保険  東京海上日動火災保険    備えあれば憂いなし「ドローン保険」 損害補償と損傷リスクに備える   続きを読む »

 某雑誌の「ユニーク保険」特集をパクった記事かもしれませんが、変わり種保険をここでも取り上げましょう。    規制緩和によって認可が非常に厳しかった保険事業ですが、「少額短期保険」と呼ばれる保険会社が登場、個性的な保険が開発されています。これまで、弁護士費用特約を専用商品にした「弁護士保険ミカタ」(ミカタ少額短期保険)などを知っておりましたが、他にも続々とユニークな保険が発売しているようです。

 その前に、まず「少額短期保険」会社について簡単に解説します。  

少額短期保険とは?

 保険業を始めるには当然に莫大な資金が条件で、資本金500億円前後の会社から1000億円の東京海上日動(総資産は1兆1926億円!(令和2年))まで、超大企業が認可を受けるものです。このように、金融機関を担う大会社の独占が続いていた業界ですが、規制緩和の流れの中、小規模保険業が生れました。

 保険業のうち、一定の事業規模の範囲内において、保険金額が少額であり、保険期間が1年(第二分野については2年)以内の保障性商品の引受のみを行う事業として、「少額短期保険業」が設けられたのです。この少額短期保険を、通称ミニ保険と呼ぶ会社もあります。ミニ保険会社には、通常の保険会社に同じく保険業法の規定が適用され、監督官庁は金融庁ではなく財務局です。

 特徴として、資産運用は預金や国債等に限られています。ここが従来の保険会社と異なる点です。株式や外貨建債券による資産運用をしてはならないことが定められていますので、資産運用リスクが小さく、財務の健全性を自ずと図る仕組みとなっています。     少額短期保険業に係る保険金額には限度額が定められており、下表の通り保険の区分に応じて一人の被保険者について引受ける保険金額の上限が設けられています。なお、1~6の保険の保険金額の合計額は1,000万円が上限となります。

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 毎週の伊豆通い(病院同行です)、毎度まっすぐ東京に帰るのは芸がありません。ましてや土曜日の病院同行です。一泊して帰りましょう。    修善寺駅前からバスに揺られて1時間、実際に山道は揺れに揺れて、鼻からお茶を飲む羽目になりました。これが「天城ぃ~越ぉえ~ ♪」か・・(実際は伊豆高原横断です)。

 東伊豆の伊東に至ると、眼下に温泉街と相模湾が広がります。今年初めて海を見たかもしれません。「伊東に行くならハトヤ♪」(古い)、しかし、ここはスルーです。そこからJRで1駅目、ややマニアックな宇佐美温泉に決めました。

   知る人ぞ知る、いえ、猫好きが知る温泉民宿です。宿は地域の保護猫を数匹飼っていおり、客間にも出入り自由、宿泊客に可愛がられています。それを目当てとするお客さんが多く、猫さん側も仕事を心得ているのか、よくなついてきます。さながらネコンパニオンです。   続きを読む »

鬱の検査シリーズ    QIDS-Jとは、Quick Inventory of Depressive Symptomatology(※JはJapaneseのことだと思います。)の略で簡易抑うつ症状尺度と呼ばれています。この検査は、16項目の自己記入式の評価尺度で、うつ病の重症度を評価できるほか、アメリカ精神医学会の診断基準DSM-IVの大うつ病性障害(中核的なうつ病)の診断基準に対応しているという特長を持っているようです。世界的に知られた精神科医ジョン ラッシュ先生によって開発され、世界10ヵ国以上で使用されています。尚、日本語版は慶応大学医学部の藤澤大介先生のグループによって作成されました。    それでは、質問について記載していきます。

第1.

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 前回、SDS検査を特集しましたが、うつ病について、簡易検査がいくつかありましたので、シリーズとして少し記載してみます。    PHQ-9とは、Patient Health Questionnaire-9の略で患者の健康状態に関する9つのアンケートという訳になるでしょうか。元々はアメリカの多忙なプライマリ・ケア医(普段から何でも診てくれるような身近な医師のこと)が、短時間で精神疾患を診断・評価するシステムとしてPRIME-MD(Primary Care Evaluation of Mental Disorders)が開発されましたが、実施時間がかかるため、時間短縮のために改良されたのがPHQのようです。そこから更に大うつ病性障害に関わる9つの質問項目のみを抽出したのがPHQ-9だとされています。    この2週間、次のような問題にどのくらい頻繁に悩まされていますか?右の欄の最もよく当てはまる選択肢( 0.

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鬱の検査です    交通事故では、精神面にも影響が出てしまうことがあります。後遺障害申請の場面で必要とすることはあまりないかもしれませんが、精神科の病院などを受診すると、入口としてこの検査を実施することがあるようです。

 SDSとはSelf-rating Depression Scaleの略で自己評価式抑うつ性尺度と呼ばれています。この検査では患者さんが20の質問に答えていく心理検査で、うつの程度を客観的に数値化することができるようです。主観的な心理検査なので、SDSの結果でうつ病が診断できるわけではないようですが、症状の程度を推測することで、治療方針や治療効果の判定に生かすなどを目的として用いられているようです。この検査の原案を作ったのは、デューク大学のツアン教授ですが、日本においては1965年に福田一彦さん、小林重雄さんらで日本語版の作成に至りました。作成時から大幅な改定もありませんが、古くなるということもなく妥当性を得られている検査なので、未だに多くの医療機関の心理検査として実施されています。    SDSはうつ症状による心身両面の特徴的な症状を質問(下記の表)し、点数の高さである程度の状態判断をします。

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 五十肩の痛み、私、秋葉も今年経験することになりました。

 持病なく、さしたるケガもなく、今まで病気らしい病気にかかったことが無い健康優良児であっても、寄る年波を感じるところです。    日常において、それほど困る痛みではありませんが、後ろに腕を回す、ふいに斜め方向に腕を伸ばすなどから、それなりの激痛を感じます。最近は和らいできたと思います。仕事上でも、肩の痛みを訴える大勢の被害者さんと接してきました。おかげで、痛みの表現や感じ方の勉強になりました。

 病院に行くほどのことはないのですが、せっかくの機会です。接骨院と整形外科、両者に行ってみました。自ら患者に、これも貴重な体験になります。それぞれレポートします。   1、接骨院

 事務所の金澤(柔道整復師)に近隣の院から厳選してもらいました。その院では女性が担当でした。しっかりとした施術であれば、男女の関係はありません。まぁ院としては、中年のおっさん対策なのかもしれません。問診では、肩関節の痛みを緩和したいとリクエストしました。

 彼ら柔道整復師は、経験と感性、いわゆる「腕」がものをいう世界と思います。触診から、「三角筋の痛みが原因」と判断しました(そうは思いませんが・・)。お馴染みの電気をあて、さらにハイボルトでグリグリ患部にあてました。そして、曲がり辛かった肩の可動域を広げていきました。前後のマッサージは気持ち良かった印象ですが、ハイボルト後、肩の痛みが増しました。これも症状軽快に向けての痛みなら納得できますが・・。

 二回目の施術では、ハイボルト後の痛みを訴えましたが、「それは悪化ではありません」と。そして、またもやハイボルトを・・。「痛い」って言っているのに、何故、ふたたび・・。    私は修行僧ではありません。マゾでもありません。    3度目はありませんでした。   2、整形外科

 やっぱり医者じゃないと信用できません。接骨院・整骨院では、レントゲンなど画像を観ずに経験と感性で施術をするものです。触診と勘で判断?とも言えますが、当たればすばらしい治療者となります。しかし、的外れでは無意味な施術、いえ、むしろ悪化します。痛みの増した肩をさすりつつ、近隣の整形外科に行きました。

 診察で症状を説明したところ、冷たく「単なる五十肩だね」と切り捨てセリフ。(五十肩程度で病院に行くまでもないのか?)なんか、医師の姿勢が高圧的に感じられました。さらに、いきなり腕を掴んで、後ろにぐいっと捻りました。「ギャーッ!」と悲鳴を上げそうでした。最初に言いますと、私はわりと痛みを耐える方です。若い頃ですが、旅行先で脚に切創を負った時は、お酒で消毒しながら、自分で5針縫いました。

 しばし悶絶・・。なんで急に曲げるかなぁ。普通、「後ろに曲げますね」とか言わないものか。もっとゆっくり曲げられないのか。正直、医師に対して殺意がわきました。

 以前に肩を痛めた依頼者さんを思い出しました。その患者さんも医師にいきなり腕を曲げられ、却って痛めてしまったそうです。お年寄りだったら、肩関節脱臼や棘上筋断裂の危険性だってあります。親の仇のように、なんで急に強引に曲げるのかなぁ。このようは話は被害者さんからよく聞きます。乱雑な医師が多いこと。もっとも、急に曲げる医師は、仕事柄もあるのでしょうが、圧倒的に整形外科医です。おおむね他科のお医者さんは説明も丁寧で、触診の際に気遣いを感じます。このような話はまったく聞きません。

 最後に整骨院でもできる電気とホットパットを指示、リハビリに通うよう言われました。正直、こんな気休めの理学療法で良くなるとは思えません。また、痛み止め薬の処方箋も持たされました。薬を飲む程の痛みではありません。この医師に腕をひねられさえしなければ・・。    理学療法の予約をせず、処方箋を破り捨て、この院への2度目はありませんでした。

 

 

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 14級9号が認定される部位では、圧倒的に頚部(くび → むちうち)です。次いで、腰(腰椎捻挫)でしょうか。これらは、症状の一貫性と信憑性が認定のポイントです。

 上肢・下肢の捻挫の場合も同じように検討されますが、神経症状に陥るなど症状が残りやすい頚部や腰部に比べて、はるかに改善する傾向です。したがって、骨折のない腕や脚の認定は取りづらい印象です。秋葉事務所の実績からも数は少なく、毎度苦戦しています。そこで本件の場合、被害者さんの訴えを曲げてでも、認定が容易な腰部を主訴として作業を進め、診断書をまとめました。

 自賠責保険の認定パターンからすると、頚部や腰部で14級9号を認定すると、診断名や訴えのある肩やら膝やら各部位にもついでに(?)14級を付けてきます。14級はいくつあっても併合で等級が上がりませんから、実質、保険金の増額はありません。ある意味”おまけ認定”と弊所では受け取っています。

保険金は上がらない「おまけ認定」ですが、多少は賠償交渉の役に立ちます  

14級9号:膝関節打撲・挫創・血腫(60代男性・東京都)

【事案】

自動車で走行中、路外より急な転回を試みた自動車に衝突され受傷する。直後から右脚の痛み、強烈な神経症状に悩まされる。

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テレマティクスのことです    今朝、朝食を食べながらTVを観ていると、あいおいニッセイ同和損保のCMが流れており、岡田准一さんが「テレマ」という言葉を若者(なにわ男子の西畑大吾さん)に説明しているというものでした。あいおいニッセイのHPを確認したところ、10月25日から全国で放送されているとの事なので、聞きなれない「テレマ」という言葉について調べてみました。

 テレマとは、テレマティクス(Telematics)の略でテレコミュニケーション(Telecommunication/電気通信)とインフォマティクス(Informatics/情報処理)を合成した造語で、移動体に対し通信を介してサービスを提供することを指すようです。テレマティクス自動車保険は、自動車に搭載している機器が自動車や運転者の情報を通信システムを介して保険会社に送信するため、保険会社はそのデータを分析し、保険料金に反映させるといった構造になっています。

 従来の自動車保険とは、加入時の条件や補償内容で料金が決まり、保険を使わなければ等級が上がり保険料がだんだん安くなっていくというシステムになっており、若者や運転歴の浅い方、バイクなどは割高なイメージがあるかもしれません。それは蓄積されたデータ上、そういった方々が事故を起こす確率が高いことが関係しています。「普段から安全運転を心掛けているのに…。」と思っている方も多いでしょう。そのような方にとって、このテレマティクス保険はメリットがあるかもしれません。どのようなことがあるのか見ていきましょう。

 テレマティクス保険には走行距離連動型と運転行動連動型があります。走行距離連動型はそのままの意味で、走行距離が短ければ保険料が安くなり、長くなればその分高くなります。運転行動連動型とは、運転速度や急ブレーキ・急アクセル、ハンドリングなどの運転特性を測定し、安全な運転をしていると判定されれば保険料が安くなり、逆に危険な運転をしていると判定されれば高くなるというものです。この仕組みだと安全運転をするほど安くなるので、運転者の意識が高まり、交通事故が減少するのではないかと期待されています。

 テレマティクスという名前がついていなくても、自動車自体に安全運転を判定してくれる機能が搭載しているものもあれば、ドライブレコーダーと連動して事故の連絡ができる保険も登場しています。交通事故の減少はもちろんですが、無保険の自動車が少しでも減ることを期待しています。   テレマ?  テレマーケティング(電話の営業)かと思ったよ  

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 数年前、まだ事務所が築地にあった頃の話です。ある日のお昼休み、事務所に近いお蕎麦屋さんでかつ丼を頼みました。

   立ち昇る湯気が実に香しく、だし汁にやや半熟の溶き卵が被さったカツ、しっとりとしながらも微妙にサクサク感か残り、玉ねぎが助長する甘辛い味とごはんのハーモニー、三つ葉でも飾れば最高です。かつ丼はお店によって多少の違いはあっても、どこのお店でも美味しい。    この日も上機嫌に頬張っていましたが、奥歯にかすかな違和感、明らかに堅い繊維上のもの。確認したらホチキスの針でした。私は大雑把な性格ですから、吐き出して気にせず食べ続けることに苦痛はありません。しかし、ここで以下の選択肢が浮かびます。   1、店員に苦情を言いつけて、席を立つ。当然、代金は支払わない。   2、店員に苦情を言いつけて、作り直してもらう。したがって、代金は支払う。   3、何事もなかったように気にせず、食べ続ける。苦情を言うのも面倒、もめるのは勘弁したい。    対応は、ざっとこれ位でしょうか。今、話題のカスハラ(カスタマーハラスメント)のように、延々と文句を言い続けて、店主に謝罪を求める(出来れば土下座要求)か、「誠意を見せろ」(≒金品の要求)などの選択肢は無しとします。

 忙しいので、3を選択したいところでした。しかし、ちょっと待て・・ホチキスの針は私のかつ丼だけではなく、食材に複数混入していた場合、他のお客さんにも混入の危険性があります。中には口内をケガする方がでるかもしれません。これは、お店の為だけではなく、公共の福祉の為、言うべきでは・・妙な正義感が湧き出したのです。

 勇気をもって、店員のおばさんに、「あの、ホチキス混入してます。」と告げたのでした。すると、店員さんは「あらっ、すみません」と言うと、返す刀で厨房に「ホチキスが入っていたって」と声を掛けました。厨房からは活きの良い声で「さぁーせーん」と、店長らしき人の声が聞こえました。世の中には顔を見せない謝罪もあるのです。

 どうも、これで終りのようでした。もう少し丁寧に謝罪するか、ケガへの気遣いをするか、神妙に状態を聞いてくるか、そのような対応はなく、やや肩透かしでした。日々何千何万食を作っていれば、異物混入を100%避けることは難しく、お店側の苦慮も想像できますが、もう少し慎重な態度が必要かと思います。

 途中まで食べたかつ丼ですが、異常はないようです。私は食品ロス撲滅信者でもあります。残すことへの罪悪感が勝りました。。完食後、席を立ちレジ前へ。すると先のおばさん、微笑を浮かべ「代金は結構です」と。対して、私は「いえ、食べましたので代金は支払います」。それでも、受け取る気はないようです。しばしの間にらみ合い、まるで剣の達人同士の立会、膠着状態に…。

 一方、他のお客さんの視点は・・「いちゃもんつけて、代金を払わない人」の構図が完成です。厨房の店主も様子を窺っているに違いありません。(そう言う問題じゃないんだけどなぁ)正しい事をしたつもりが、なんで、こんなピンチになってしまったのか。大人しく3を選択すれば良かった。

 引っ込みがつかない私は、幸いお釣りがないちょうどの金額をレジ台に乗せると、逃げるようにお店を後にしました。終始、店員にかすかな余裕が感じられました。もしかしたら、食品にいちゃもんつける客が多く、その対応はマニュアル化されているのでは?。なんだか、そのマニュアルに照らして「あしらわれた」感が残りました。私は私心なく、公共心をもって苦情を言ったのですが・・。    世の中には、まっとうな正義感が裏目になることがあります。これもその一つと思います。お店の対応は心無いと思いますが、間違っているとも断言できません。そう、答えは一つではないことがあるのです。

 せっかく美味しいかつ丼でしたが、二度とそのお店に足を運ぶことはありませんでした。  

  

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真性の腱板損傷:後遺障害10級レベルの立証

 本件では可能性が極めて低いのですが、もし、事故受傷による棘上筋断裂であれば、肩の専門医の診断を乞います。肩関節の1/2制限など、本来、手術が適用される重度損傷です。

 秋葉事務所が指定した専門医のもと、すでにMRI撮影済みでも再度3.0テスラMRI検査、あるいはエコー検査を重ね、専門医の診断(書)と検査所見を完備します。

 それまで通院した小池クリニックの診断や、精度の低いMRIは、あくまで治療経過を辿るものとして補強的な医証へ下げます。そして、間違いのない10級、あるいは12級レベルの医証を固めてから弁護士につなぎます。

 具体的には、専門医の診断書とMRI・エコー画像に、治療経過としての診断書・MRIを揃え、説得力のある受傷機転の説明を加え、可動域制限を裏付けるリハビリ記録、手術を検討するカルテの記述など、あらゆる証拠を収集します。これは、ある意味、審査側をも助ける作業になるはずです。

 

陳旧性の腱板損傷:現実的戦略と回復努力

 被害者さんの受傷機転と直後の治療経緯から 、恐らく陳旧性の病変と予測できた場合。被害者さんのスポーツ歴、職歴を尋ね、確信を得たら、元々事故前から肩に変性があったと説明、枝野さんの理解を促します。

 ここでもし本当に肩関節の可動域に2分の1制限があったとしても、10級を主張すれば詐病者扱いになる場合があるのです。

 肩関節:外転80°の計測記録でも・・・最悪、「非該当」の結果が返ってきます。自賠責の怒りを買った結果です。可動域の数値通りに肩関節の障害とみてくれません。

 そんな、無謀な申請は敬遠させます。先日の説明通り、自賠責の視点を知っているからです。受傷後の肩関節の痛みから、あまり動かさずにいた為に関節拘縮が進んだ場合であれば、専門医へお連れして、理学療法を工夫して継続、可動域の回復へ向かわせます。お金を取ることだけが秋葉事務所の仕事ではありません。

 このように、被害者さんに現実的な等級認定・解決への理解と、回復への努力を促します。そして、次の③に進ませます。  

事故直後から肩の痛みが発症した場合・・後遺障害14級9号だけでも確保

 陳旧性損傷や年齢変性であっても、事故以前は何ともなく、事故後から痛みを発症するケースもあります。これはムチウチに同じく、引き金論(元々あった損傷が事故を契機に痛みを発症)として、医学的に説明がつきます。事故の衝撃でインピンジメント症候群を発症したケースも数件、経験しています。簡単に言うと、歳をとって棘上筋等のささくれが肩関節を動きを邪魔し、場合によっては関節部に石灰化が起き、中高年のいわゆる四十肩・五十肩の症状となります。これは経年性の内在的な病変ですが、運悪く、事故を契機に痛みを発することがあります。これを、続きを読む »

    今回3つのパターンを紹介しますが、⑴、⑵の先生に依頼すると残念な結果と迷走が待っています(弁護士名は仮名です)。   (1)交通事故経験の少ない弁護士:甘利先生

 患者の言う事と医者の診断書を信じすぎる傾向にあり。   (2)そこそこ経験がある弁護士:石原先生

 必要無い検査や画像鑑定を行い、結局は事故との因果関係を的確に立証できない傾向。    (3)秋葉事務所の場合

 多くの被害者さんは悲惨な結果になってから、やっとセカンドオピニオンで秋葉事務所に来ます。「相談が遅すぎて手遅れ」と、涙で枕を濡らすこともあります。    それでは、これらの顛末を追ってみましょう。  

肩腱板損傷の取り組み、2つの典型例と秋葉の対策

 ※「後遺障害が取れたら、またご連絡下さい」と言う弁護士は論外とします

 

(1)交通事故案件の経験少ない甘利弁護士の場合

 診断書を見て、「腱板損傷」を最初から丸ごと信じます。「肩関節の可動域制限が1/2ですので、後遺障害は10級10号が見込めます!」と息巻きます。今後、請求する慰謝料や逸失利益を計算して、「これは利益の大きな案件だ」と張り切ります。

 しかし、自賠責の等級は「非該当」、もしくは大サービスで「14級9号」となるはずです。腱板損傷で10級取り、3000万を超える慰謝料が貰えると、期待させた依頼者:枝野さんから散々責められて・・面目立たずに委任解除となります。または、引っ込みがつかなくなった甘利先生は、軽薄な診断書一枚を持って裁判に持ち込みますが、有効な立証などできようもなく青色吐息、画像所見は相手損保の顧問医の意見書から否定され、負けは必至となりました。毎度お馴染みですが、裁判所の和解案にすがり、「この辺で手を打つよう」必死に依頼者の説得にかかります。結局、低額の和解(実際はボロ負け)=最初から裁判の必要などない結果(獲得額)となります。

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