シリーズ再開! かつて相談会に参加した相談者さまの実例から計算してみましょう。    その前に、2019年10月にシリーズ化したまま途絶した前回記事は以下の通り。

👉 受傷機転について、その衝撃を科学する ② 自動車事故の衝撃度   

1、自動車の単独事故 ~ 壁に衝突した場合

 Aさんは小型自動車(日産マーチ 940kg)で壁に衝突、つまり自爆事故で負傷しました。その時のスピードは30kmだっだったそうです。マーチは全損となりました。シートベルトをしていなかった為、フロントガラスに顔面を強打、10針を縫うケガに。6か月の通院の後、後遺障害は醜状痕の9級16号、頚椎捻挫14級9号が認定されました。

 どの位の衝撃か、例の「ビル落下衝撃度」から計算してみましょう。   ○ 時速36km = 秒速10m/s の場合・・・5.1mの落下衝撃となります。

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 被害者さんに代わり、診断書や画像を代理取得することは日常業務の一つです。病院によっては、同意書を提出しても「患者本人じゃなきゃダメです」と受け付けない病院もあります。また、「郵便はダメです。窓口申請で」との対応もあります。何かと、苦労する医証の代理取得ですが、10年前に比べると病院側が柔軟になった印象です。    そもそも、病院側のルールは絶対です。法律や理屈をこねてもダメなものはダメとはねつけられます。請求する患者及び、私共のような業者は従うしかありません。恐らく、交通事故などもめ事に関与したくない病院側の警戒も加算していると思います。それが月日と共に軟化しています。理由は、数が増えたことに尽きると思います。昔に比べ、賠償意識の向上とネット情報の増大が、交通事故賠償で泣き寝入りをする人を減らしています。積極的に診断書等を収集する被害者が増えたはずです。また、関連する業者も10年前に比べ、数倍の数になったと思います。結果、病院側が慣れてきたのだと思います。

 また、ここ数年はコロナ禍により、病院窓口への接触機会を減らすこと=大義名分が加わりました。「コロナ禍ですので・・」との言い訳は各所に有効です。    とかく、病院に対して患者側は平身低頭、弱い立場です。診断書はじめ、医証の収集は治療とは別の問題として、患者側の負担になっています。病院側の理解がより深まり、より融通が利くようになって欲しいものです。   

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 先日は渋谷で打ち合わせでしたが、本日は品川、明後日は新宿です。灯台下暗し・・都内の病院は、交通パターンが多く、交通手段と経路の工夫が必要です。事前によく調べています。

 都心に事務所がありながら、関東甲信越はおろか、わりと全国区で動いていました。ところが徐々に活動範囲は狭まっているように思います。原因は、やはりコロナです。この2年、セミナーの開催が途絶え、全国規模の研修会もなくなりました。その結果であると言えます。高次脳機能障害はじめ重傷者からの御依頼は、飛行機や新幹線代がかかろうと、わざわざ御指名を頂くことが多いのです。その点、全国の重傷被害者さんに手が及ばず・・心配です。    そろそろ、コロナ終息を見据えた活動計画を進めたいと思います。コロナ下の業務量低下、この間、ここ10年の無理が発露したように思います。私にとってコロナは体調を整える契機になりました。

 桜のつぼみも色づき始めました。心機一転、再スタートはもうすぐだと期待しています。  

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 秋葉事務所では申請直前まで集めきった医証から、ほぼ等級は予想しています。その過程は、単なる調査業を超えて、被害者さんの後遺症の苦しみに見合った等級に一致させる仕事です。

 しかし、たまに予想を外すこともあるわけで、それが一番多く生じるケースこそ、むち打ちや腰椎捻挫の14級9号です。本件の初回申請の結果、しかもわずか10日の門前払いは解せなかった。およそ、医証不足や検査不足ならば、明らかに理由が分かります。また、症状を疑われたな?と思う件も、その原因に心当たりがあるものです。本件はそれが見当たらない。    審査員の中には、ヒステリックに「むち打ちで後遺障害など起きるはずがない!」と信奉する(つまり、全件を疑い、まずは非該当とする)、ある種の原理主義者でもいるのでしょうか。    以下のように、再請求にて認定に漕ぎつけましたが・・理由や原因が不明、心当たりのない門前払い非該当は珍しいものです。究極的には「人が審査するものだから」に尽きるのでしょうか。   延長11回まで投げ切った気分です  

非該当⇒併合14級:頚椎・腰椎捻挫(20代男性・千葉県)

【事案】

側道に駐車中、後方からノーブレーキで自動車が突っ込んできたため、負傷した。直後から頚・腰部痛に悩まされる。

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 連日、ウクライナ情勢がニュースされています。恐らく当事国を含め、世界中の99%の人が戦争反対で、武力紛争の終結を願っていると思います。ただし、1%の人が「やっちまえ!」と思っているとしたら・・その1%の中に、決定権を持つ権力者がいるから戦争は無くならないのかもしれません。一般市民にとって戦争は最悪の迷惑と思います。    さて、世界十数か国を旅した経験で、最も危機を感じた国はアメリカでも中国でもなく、ロシアでした。政情が不安定、あるいは紛争地を除く平穏な情勢下でと言う条件においてです。100か国を旅しているバックパッカーの猛者に比べれば、大した経験・比較ではありませんが、東西冷戦が終結して10数年後でも、ロシアのピリピリ感は半端なかったと思います。何せ、街を普通に歩いていてもお巡りさんから職質です。単純に外国人=スパイとみなす風潮で、(旅行者に難癖付けて賄賂を取る目的ではなく)純粋にしょっ引こうとします。駅でも空港でも、すべての役人も皆強面で怖い印象でした。    わずか2週間程度の滞在ながら3回の緊張、そのエピソードは以下の通りです。   1、ウラジオストクの食品店でお惣菜を買ったら・・    旧共産圏の夜は早く、20時になると次々に店が閉まります。レストランも入れません。24時間どころか深夜まで空いている店などないのです。ギリギリ、食品店で身振り手振りでお惣菜のショーケースを指さし、サーモンのカルパッチョ?、ペリメニ(ロシアの餃子みたい)を買うことに成功しました。ただし、大きいルーブル札しかなく、店のおばちゃんは「(多分)お釣りが無い」と言いているよう。困ったおばちゃん、店の外にくずしに行ったようです。程なく戻るとお巡りがついてきて・・その風貌は筋骨隆々、まるでヒョードル(※1)、この男につかまれたら最後、逃げることは不可能だろう。体格の良さからKGB上りか元軍人、それも世界最強のスペツナズ(※2)かもしれない。店内は一変、不穏な空気に。細かいお金を持っていないだけで捕まるのか?

※1 エメリヤーエンコ・ヒョードル PRIDE、リングスでお馴染みの総合格闘家。ルーツは柔道。総合格闘技界最強との声も多い。ちなみにウクライナ出身。   ※2 KGBとは旧ソ連の国家保安委員会で、1954年に内務省から分離、反体制派の取り締まり、国境警備、海外での情報収集などが任務。1991年に解体され、ロシア連邦の保安省に引き継がれたが1993年に一旦廃止。現在は新たに防諜局として存続している。  スペツナズとは、旧ソ連軍の特殊部隊。参謀本部諜報局GRUによって運用され、主に海外における隠密作戦や困難な任務を果す。ロシア軍でもエリート中のエリートで編成、世界最強の特殊部隊と言われる。    結局、わらわらと人が集まってきて、その中の人がお金を崩してくれました。そして、おばちゃんを含め数人がヒョードルにあれこれ説明を始めました。どうやら私の味方のようです。その間10分、ヒョードルもどきは帽子を深くかぶりなおすと、諦めたように去っていきました。事の顛末は以上ですが、何か外国人がトラブル起こせば(こんなのトラブルでもないでしょう!)、すぐしょっ引く体制なのです。   2、公園で歌っていたら、ラーゲリに連行?     ラーゲリとはロシア語で広く収容所を意味しますが、諸外国、とくに第二次世界大戦後に抑留されたドイツ人・日本人にとっては、強制収容所を差します。    二度び連行されそうになるも、現地のロックンローラーが助けてくれました。     これは以前書いた記事に ⇒ イエローサブマリン

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 尿路結石(私の場合、より細かく言うと尿管結石)の痛みは、「痛みの王様(king of pain)」と言われ、女性の陣痛に次ぐ激痛と言われています。

 

 私は子供の頃から大きなケガや病気もなく、まぁ健康優良児でした。しかし、50を過ぎて健康診断の標準値を保てなくなりました。やはり40代の激務が祟っているのか・・。昨年は血糖値の高騰から、3カ月にわたり糖尿病治療をしました。まったくの病気知らずは過去のものとなったのです。

 それから半年、生活習慣の改善、食事のバランスを心掛け、LDLコレステロールのみ標準値オーバーながら、すべての数値を正常値に戻したのです。順調に8キロ体重を落とし、筋トレから体脂肪率をどんどん下げていきました。順調です。あと3月もすれば、10年前の体に戻れます。

 しかし、そこには陥穽がありました。血糖値を下げることに専念したことで、ビタミン補給に注力のあまり、葉物野菜の過剰摂取からショウ酸を取り過ぎたのでした。たんぱく質を意識して、ショウ酸形成となる肉類も多かった。さらに飲料はコーヒーと紅茶、ビールばかりで、純粋な水分補給がまったく足らなかった。結果、尿管結石で苦しむことに。バランスの取れた食事とはかくも難しいものか・・何事も性急や極端は必ず無理がくるもの、時間をかけて改善すべきだったのです。

 尿管結石を経験した方はご存じと思いますが、その激痛は逃げ場なく、私の場合は最初の疝痛発作は14時間続きました。とくに痛み止め処方前の4時間はきつかった。のたうち回る痛みでした。10日~1か月程で石が排出すれば、痛みの発作はなくなります。その間、痛み止め常備の生活となります。    健康の維持、それはとてつもなく高尚な目標とせざるをえなくなりました。仕切り直して、体質改善・健康維持に時間をかけて取り組むことにします。有名な話ですが、田中 みな実さんは一日2ℓの水を飲むと聞きました。「まさか、そんなに飲めるかぁ?」と思っていましたが、実際モデルさんの多くは普通に毎日、水を1~2ℓ摂取しており、芸能人の美容法は理にかなっているようです。尿管結石の予防はまさにそれ、水を毎日2ℓ位飲まなきゃダメなのです。

 今後は、「目指せ、田中 みな実さん」をモットーに取り組みたいと思います。    日頃、画像の掲載に快く応じて下さった被害者様に感謝ですが、今回、秋葉も画像を提供しましょう。医師から「CDを観ても(石は)わからないよ」と言われたCT画像でしたが、職業柄「わかってしまうんだなぁ」。

(水平断)

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 理学療法に関する機器の充実はもちろん、硬膜外ブロック注射やヒアルロン酸注射、骨癒合を促進させる高圧酸素療法、様々な治療オプションを持つ整形外科があります。治療手段を多く揃えることは、設備や人材、そして技術などの負担がありますから、病院・医師の努力が伺えます。そのような病院の営業?ではなく診療体制は、集客?ではなく患者さんの治療効果につながるようです。

 今日の病院同行は埼玉県さいたま市、いくつか最新の療法を意欲的に取り入れていました。しかし、人気からか待ち時間が長い! 病院はホームセンターの2階、アーケード型の院です。呼ばれる時間さえわかれば、1階で買い物をして、お茶でも飲んでくつろぎたいものです。それが叶わないのが病院同行です。いつ呼ばれるか分からないからです。  待ち時間1時間、診察5分を終え、一階で枕カバーを買って帰りました。昨年買った枕ですが、長らくバスタオルを巻いて使っていました。都心に居ると日用品を買いに行く暇がないもので・・(あ~生活に追われている)。  

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損Jの新保険 紹介!

 都市部では自家用車を持たない家庭が徐々に増えてきている印象ですが、そのようなユーザーに嬉しい保険が発売されました。損保ジャパンのUGOKUです。この保険は、ネットから申し込むのですが、なんといっても補償内容が充実しています。早速みてみましょう!    ① 個人賠償責任特約・・・お馴染みの個賠の付帯です。国内で発生した事故については無制限、国外で発生した事故については1事故につき1億円程度です。尚、国内で発生した事故については、示談交渉もしてくれるので安心ですね。    ② 自転車等のロードアシスタンス特約・・・ロードアシスタンスは今まで自動車保険だけのものでした。1事故につき5万円限度ですが、自転車や車いすが壊れた際の運搬費用を払ってくれます。

 ③ 宿泊・移動費用特・・・上のロードアシスタンスに同じく、自転車までも・・。自動車はもちろん、自転車等で遠方に行った際に事故やトラブルに巻き込まれてしまい、その車両が運搬された場合、宿泊費は1事故1被保険者につき1万円限度、移動費用は1事故1被保険者につき2万円限度で払ってくれます。(この特約を請求する方は珍しいと思いますけどね。サイクリングが趣味の方には最適?)    ④ 弁護士費用特約・・・被害事故の場合、1事故1被保険者につき300万円限度、法律相談・書類作成費用は1事故1被保険者につき10万円限度。今度はこちらが加害者となった場合、刑事弁護士費用が1事故1被保険者につき150万円限度、法律相談費用は1事故1被保険者につき10万円限度で払ってくれます。     損Jの自動車保険の弁護士費用特約を転用した形でしょうか。これも、自動車がなくても携帯できる補償です!    👉 損保ジャパン日本興亜の新型・弁護士費用特約    ⑤ 人身傷害 交通乗用具事故保険(自動車運転中対象外)・・・交通乗用具に搭乗中や歩行中の交通乗用具事故(自動車、自転車、車椅子、ベビーカー、電車、ロープウェー等)の場合、1事故1被保険者につき3000万円限度、尚且つ入通院日数が5日以上となった場合には入通院定額給付金として10万円がもらえます。これは本当に嬉しいサービスです。

※ ただし、加害者のいない自爆事故の場合、慰謝料と休業損害、定額給付金はでないようです。死亡・後遺障害なら、これらもでるようです。

 同社、今年の自動車保険・人身傷害の改定で交通乗用具を復活させました。この異例の補償復活劇は、この保険と揃える為だったのかもしれません。    👉 人身傷害・今年の約款改定 ① ~ 損保ジャパン、交通乗用具・復活の日    自動車保険でこのラインナップをフルセットすると掛金が相当な金額になるので、仮に、損保ジャパンやあいおいニッセイ同和以外の自動車保険に加入している方の場合には、このUGOKUに別枠で加入するというのも選択肢の一つかもしれません。交通乗用具が次々に廃止の方向に進んでいく中、損保ジャパンが今後どのように進んでいくのか、注目すべき点だと思います。   続きを読む »

 本件からの教訓は2つです。    1、申請は素早く    2、主訴を絞る    ノロノロした申請では、被害者の窮状が薄まります。審査側に緊迫感が伝わらないのです。神経症状の14級9号認定は症状の一貫性、そして、信憑性が問われます。だからこそ、障害の窮状を理解頂く上でも、素早く申請することに越したことはありません。その点、被害者請求を推奨します。事前認定は超多忙な保険会社社員に任せることになり、たいていのんびりした手続きとなります。さらに、診断書の記載など急ぐ必要のない医師・病院を急かすこと、これも必須の仕事となります。秋葉事務所は成果はもちろんですが、その事務スピードはここぞと言うときに「神速」になります。    それと、あっちも痛い、こっちも痛い・・・症状が多枝に渡るとも、神経症状としてはっきりしたもの、言わば認定されやすい部位に絞ることも大事です。こればかりは経験とセンスです。   最近の再申請は勝率7割越かな  

非該当⇒14級9号:腰椎捻挫(20代男性・静岡県)

【事案】

自動車で走行中、交差点で左方よりの自動車と出合い頭衝突、主に頚部と腰部を痛めた。   【問題点】

通院日数はそれなりであったが、「肩こり」などの症状が書かれた”ぼやけた診断書”の記載・回収に4か月、申請の遅れから非該当の回答はさらに3か月後。

そこからも行動が遅く、面談・打ち合わせの実施まで3か月待ち・・グズグズした申請は良くない結果になりがちです。   続きを読む »

 👉 年金手帳の再発行     通常、20歳になった方や、20歳にならずとも10代から就職した方などには、年金手帳が発行されていました。20歳の誕生日を迎える頃に、日本年金機構から「国民年金被保険者資格取得届」が届きます。これに必要事項を記入して提出すると、後日年金手帳が送られてきます。10代で就職した方の場合は、勤務先で厚生年金の加入手続きを行うことで、勤務先経由で自動的に年金手帳が届きます。しかし、今年の4月から年金手帳の新規発行が行われなくなります。失くして再発行することが多い証明書ですが、その心配が無くなったようです。

 とはいえ、基礎年金番号は生きており、2022年4月以降は、年金手帳の代わりに「基礎年金番号通知書」という書類が送られます。これからは、この書類を失くさないようにしなければなりません。

 一方、すでにお持ちの年金手帳は、年金手帳の廃止後も引き続き基礎年金番号を明らかにする書類として利用できます。ただし、年金手帳廃止後は再交付の申請ができなくなります。今後は、基礎年金番号通知書の発行・再発行に代わります。手帳にこだわる方は、今の内に再発行しておくとよいです。記念にはなります。

 大事なのは10桁の基礎年金番号であって、年金手続きで番号が必要な場合、個人の証明書を持参すれば、年金の窓口で教えてくれます。年金のサイトによると、「年金の手続きではマイナンバーまたは基礎年金番号を利用するが、海外に転出された場合や国民年金保険料の口座振替の申し出などではマイナンバーではなく基礎年金番号で手続きを行う」と説明されていました。     今後、マイナンバーカードは否応なしに普及が進むと思います。それにプラス「基礎年金番号」ですね。  

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 ドクターショッピングとセカンドオピニオン、それぞれの意味ですが、以下の通りです。医療用語ですが、大分一般的になってきたと思います。    さて、交通事故受傷に限らず、複数の病院に足を運ぶ患者さんが一定数おります。改めて、両者の違いを整理したいと思います。   (1)セカンドオピニオンとは?    セカンドオピニオンとは、自分の病状や治療方針について、主治医以外の他の医師の意見を求めることです。

 患者さんが他院の医師の意見を求める場合、まず、主治医に相談し、紹介状と共にそこでの診療データの提供をお願いすることが基本的な流れです。

 ひと昔前は、「俺の診察が気に入らないのか(怒)」とへそを曲げる医師もおりましたが、現在はより良い医療を検討、あるいは別の医師の見解を活かすことから、ほとんどの医師が理解を示しています。   (2)ドクターショッピングとは?    一つ目の病院の診察に満足がいかず、二つ目の病院へ行ったけれど納得せず、さらに別の病院へ行く、このような病院巡礼を繰り返すことを言います。

 患者の「もっとよい治療法があるはず」との気持ちはわかりますが、多くは根拠の乏しい単なる思い込みのもと、理想の治療や見解を示す医者を探し求めています。経験上、精神的に弱っている患者さんに多いようです。

  (3)ドクターショッピングとセカンドオピニオンの違い    ドクターショッピングをする患者さんにしてみれば、「自分が納得する治療を受けるために意見を求めるのだから、セカンドオピニオンもドクターショッピングも同じでしょう?」と思います。

 しかし、両者は似て非なるものです。その違いとは、まず、セカンドオピニオンは主治医の「第一の意見」に、別の視点を追加・検討し、患者さんにとって最善の治療法を選択するためのものです。これに対してドクターショッピングは、患者さん自身の勝手な期待から、「理想の治療法を勧める病院・医師を探す」ことに終始します。

 また、セカンドオピニオンでは医師間で診療情報をやり取りし、そのうえで「第二の意見」を聞いて、改めて主治医と患者さんで治療方針を話し合います。対して、ドクターショッピングではこのようなやり取りをすっ飛ばして、勝手に別院に受診することが多いようです。最終的にバラバラに医療情報が集まるだけで、主治医の統括が及びません。結局、自分にとって最善の治療がわからず、医師からも「面倒な患者」扱い・・このような窮地に陥るのです。

「知らんわい」

 

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 膝関節はじめ、各関節の痛みの軽減によく目にする治療法です。スポーツ選手の治療法としても有名です。少し調べてみました。   (1)PRP療法(自己多血小板血漿 注入療法)とは? その効果は?

 ご自身の血液中に含まれる血小板を利用した再生医療です。血小板の成分だけを高い濃度で抽出し、患部に注射します。

 スポーツ外来では肘や膝、靭帯損傷・骨折などの治癒を高める目的で行われます。従来の治療法として、テニス肘、ゴルフ肘、ジャンパー膝などの膝の膝蓋腱炎、アキレス腱炎には、ステロイド剤を注射していました。また、変形性関節症の方に対する薬物療法としては、痛み止めの内服やヒアルロン酸の注射などを行ってきました。総じて、靭帯損傷や骨折では、固定して時間を待つしかありませんでしたが、この療法で積極的に改善を図ることができるようになりました。    この療法が痛みを軽減させる理屈を説明します。血液中の血小板には組織修復=自然治癒力を促進する様々な成長因子、サイトカインなどの分子が多く含まれており、これらの分子が周囲の細胞に働きかけ、損傷した組織の修復が促進され、「早期治癒」や「痛みを軽減」させるのです。   (2)膝の痛みに対するPRP治療

 ひざの変形・痛みは、PRP療法との相性が良いと言われています。例えば、膝関節の変形で悩んでいる方は変形の進行に伴い、軟骨がすり減ったり、半月板が傷んだり、炎症が起きてひざに水がたまったりします。PRPはこうした組織の修復を促したり、関節の炎症を抑制を図ります。

 しかし、血小板自体は軟骨や半月板にはならない細胞のため、完全に軟骨が無くなってしまった部分にPRPが軟骨を作ることは不可能です(それは、iPS細胞による再生医療の分野に期待がかかっています)。完全に軟骨が削れて、骨どうしがぶつかり合い骨も削れてしまいO脚が進行、変形性膝関節症になりますが、PRPではそれを進行を抑制する効果を期待しているのです。

 薬物に頼った既存の治療が無効であった方の中にも、PRPを関節に注射することにより痛みが取れる方がいることが分かりました。また、PRPは自分の血液ですので、薬物のように副作用を起こすことは滅多にないというのも、この治療が欧米でも広く支持されている理由の一つです。    <順天堂医院さま、Dr.KAKUKOスポーツクリニックさまHPを参照しました>  

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 プーチン大統領、やる気ですね。いよいよ、明日にもウクライナへ軍事行動でしょうか。      連日、テレビでプーチン大統領を観ることになっていますが、その顔から思い出すのは歴史漫画「センゴク」です。2004年から連載のこの漫画、今月ついに18年の長期連載に終止符、完結するそうです。織田 信長の美濃制圧から始まり関ケ原まで、従来の通説にとらわれず、リアル感を意識した画期的な歴史漫画と思います。もっとも最初の10年は読んでいましたが、長いせいで途中で飽きてしまい途絶・・最終回を前に改めて読み直したいと思います。    この漫画をさらに面白く印象的にしたことは、戦国史上の有名武将の顔に、あるテーマ括りでモデルを採用したことです。観れば一目瞭然、作者の宮下 英樹 先生も確信犯で、キャラのモデルを認めています。今日、改めて確認してみました。わかる範囲ですが。(敬称略)   ○ 上杉家・・・北陸の雄はロシア一家?   ・上杉 謙信 ⇒ ウラジーミル・プーチン

 筋骨隆々、元KGB、柔道家のプーチン! もう謙信のイメージが固まっちゃいました。

・上杉 景勝 ⇒ ウラジーミル・レーニン

 ちょんまげなので一見わかりませんが、よく見ると・・です。あるいは、チャイコフスキーかもしれない。

・蔵田 五郎左衛門 ⇒ カール・マルクス

 確かエンゲルスもいたような・・忘れてしまいましたが。

・直江 景綱 ⇒ グリゴリー・ラスプーチン

 なんと、怪僧ラスプーチンまで! さすがに笑った。

 

○ ...

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 最近、とある依頼者さまの検査でサーモグラフィーを実施することになりました。お馴染みの赤~緑色に温度変化を観る画像検査です。最近では、コロナ対策として病院の入り口に体温を計るカメラがありますが、これはサーモグラフィーの応用で、スポット放射温度計と呼んでいます。

 サーモグラフィーは様々な症例に使われますが、多くは抹消神経障害や血流障害を観察するものです。どこの病院でも設備があるものではありません。来週あたりに紹介状を得て、患者さんに撮ってもらおうと思います。   (1)サーモグラフィーとは

 簡単に言いますと、赤外線(放射線)温度カメラを用いて皮膚表面の温度分布を測定し、画像表示したものです。この検査は末梢の循環障害検査などに用いられています。   (2)標準値(温度)は?

① 手指:31.1〜33.7℃ 手背:31.8〜34.2℃

② 大腿:32.6〜35.4℃ 下腿:32.6〜35.8℃ 

③ 足首:32.0〜35.4℃ 足背:32.0〜34.6℃    通常、皮下脂肪の多い部分の温度は低く、皮下脂肪の薄い筋肉質の部分では温度が高くなります。また、手指、足趾先端は、血管運動が他の部分に比べて高度であるため、温度変化が大きく、左右差が出やすくなります。四肢の場合、左右対称で、左右差が0.6℃以下が正常とされています。

< 参照:『新訂版 検査値早わかりガイド 第2版』 (編著)江口正信 >      この検査機器、大学病院にしかないと思いきや、意外と個人開業医でもできたりします。かつて、むち打ち患者で上肢~手指に神経症状が残った患者さんのエビデンス(医学的な証拠)として、熱心に検査をして頂いたお医者さんがおりました。面白いので自賠責の後遺障害申請に検査画像を提出しました。

 結果は・・当然に14級9号止まり。やはり、自賠責では検査結果として重きを成していないようです。  

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 通常、電車での移動が多くを占めまが、東京駅から高速バスを利用することがあります。関東周辺県は電車の便が良く、また遠方は新幹線の利用がファーストチョイスとなります。高速バスはちょっと半端な距離であったり、特急電車の本数が少なく、総じて便の悪い地域になります。    そもそも事務所を都心、東京駅へ徒歩圏内に置いた理由こそ、移動の利便です。電車網・新幹線発着の為の東京都心です。加えて、東京駅からバス一本で行ける病院同行はまさに狙い通りなのですが・・。過去、きつかった高速バスによる病院同行ルートは以下の通り。   ○ 長野県飯田市・茅野市・・・新宿バスタから5時間。山梨・長野方面は東京駅発はなく、もっぱら新宿発です。まず中央線で新宿に電車移動の面倒が入ります。そこから甲府や松本までの特急一本ならさほど不便を感じませんが、とくに南アルプスのおかげで山脈を迂回する長野県南部は、特急の便少なくローカル線の接続悪く、バスが優先となるのです。   ○ 静岡県富士宮市・・・こちらのバス路線はよく遅れます。東京駅発の時間も珍しく遅延が二回。帰りは都心の渋滞にあいやすく、やはり遅れます。にもかかわらず、新幹線で沼津、あるいは新富士からの接続が悪く、バスを選択することになります。   ○ 千葉県銚子市・旭市・・・東京駅からの特急しおさいの本数が少なすぎ、たいてい、希望時間通りに動けません。すると、高速バスは運賃安く、乗り換え無しから選択します。しかし、往路で2時間20分、復路で2時間40分、この間、休憩はありません。その日は5時間バスに乗りっぱなしとなり、やはり疲れるものです。本日がその日でした。

 

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 かつて、有名雑誌2誌から取材を受けたことがありました。   👉 女性セブンの取材 報告    インタビューは1時間足らずでしたが、出来上がった記事を読むと、大分、話が端折られている印象でした。何より、記事に書きたい事は予め決まっているようで、記者は私の回答をそれに近づけようとしていた節があります。誘導?なるほど・・これがマスコミなんだなぁと、妙に感心したものです。    さて、やや悪意のある質問に対して、神対応した有名人の話を二つ紹介します。真のスターは、マスコミの悪意など跳ね飛ばす光をまとっています。

 

杉良太郎さん、被災地の炊き出しは「売名行為です」と    時代劇の大スター、スギさま。杉 良太郎さんと演歌界のスター伍代 夏子夫人は長年にわたって被災地支援や福祉活動に精力的に取り組んいます。東日本大震災の後、トラック20台分の支援物資を集め、被災地で炊き出しをしていた際、記者から「売名ですか?」と聞かれた時のエピソードは、いまだに語り草になっています。

 スギ様がカレーを温めてる時に、テレビカメラを伴ったリポーターが取材、質問は「売名ですか?」と。    スギ様は、「もちろん売名だよ。売名に決まってるじゃないか」と返しました。    これはテレビで放送された一幕でした。この記者は、売名などする必要のないほどの大スターにこれを言わせてしまった・・。

 シニカルな返しに聞こえますが、深い言葉と思います。困っている被災者にとって、温かい食べ物や物資の支給が有難いことは言うまでもありません。その意図が善意だろうと、ある種の計算が込められたものだろうと、その温もりは変わるものでありません。私はボランティアの行為に関して、その真意など、どうでもよいと思っています。マスコミが偉そうに真意を探る、行為を貶めるなど、ゲスの勘繰りどころか醜悪極まりない。大スターの返答を前に、この記者がこっけいに見えたのは言うまでもありません。     養護学校でサッカーをするカズに意地悪な質問    ご存じサッカー界のレジェンド、カズこと三浦 知良選手の話です。ある時、障害を抱えてる子供達の施設を訪問、子供達とサッカーを始めました。子供たちの中には重度の障害で手足が満足に動かない子もいましたが、皆必死にサッカーをしました。

 サッカーが終わると、取材で来ていた新聞記者はカズさんに質問をしました。「カズさん〇〇新聞ですけど、こういう施設にきて子供たちとサッカーをしてあげているというのは、やはり好感度とか人気取りなんでしょうか?」と少し意地悪な口調で聞きました。

 突然のインタビュー、かつ不快な質問に対して、三浦知良選手は笑顔でこう言いました。     「僕が彼らに何かをしてあげてるって?いいや!そんなことはない、逆に僕が何かをもらっているようには見えなかったかい?」     こう言うとカズさんは、車を走らせて立ち去ったそうです。 かっけぇ~! 

 記者は自分の質問を後悔したはずです。これぞキングカズ、彼こそ真のスーパースターなのです。

 

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 失くしてしまう大事な書類の上位にくるものです。このオレンジ色の手帳。       新卒でサラリーマンになり、退職時にもらった記憶があります。失くしてしまった場合、市役所(あるいは年金事務所)で簡単に再発行できます。

 時折、年金事務所から既払い額+予想支給額の明細が葉書で届きます。もう10数年で年金をもらう歳になったのですね。  

○ 質問    年金手帳を紛失してしまった場合、どうすればよいですか。   👉 回答    お手元に見当たらない場合、紛失してしまった場合は再発行できます。    お住まいの区の区役所・総合支所担当課または住所地を管轄する年金事務所でお手続きください。後日郵送されます。    お持ちいただくものは免許証や保険証など本人の確認できるもの、年金番号のわかるものです。   ※ ...

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 今までの相談者さんに弁護士や医師もおりました。どの職業であっても交通事故を起こしては「まずい」ことは言うまでもありません。とりわけ、世間で先生と呼ばれる立場ですから、かなり「まずい」ものです。    振り返ると、交通事故被害者で弁護士さんが2名、加害者の医師が2名おりました。守秘義務から詳しくはお話できませんが、通常の被害者と違うことがあり、その特殊性だけでも少し。    被害者の場合ですが、相手保険会社との交渉において、それが弁護士なら話が早いと思いますが、そうでもありません。被害者の職業が法律の専門家であろうと、保険の担当者は保険会社基準での賠償金提示、弁護士の請求するいわゆる「赤い本」はガン無視です。そこは、弁護士(本人)からの交渉であっても、普通の被害者扱いなのです。仕方なく、その被害者先生は別の弁護士に依頼し、その代理人弁護士の交渉により「赤い本」基準での慰謝料に増額、解決しました。被害者の職業が弁護士であっても、弁護士に依頼しないと・・損保は態度を変えません。まぁ、そういうもんなんでしょう。    加害者の医師は困った人でした。これは依頼者さんではないので秘密厳守はありませんけど、やはり、詳しく話すことはできません・・。その、医師だったということは、後の警察の説明で分かったことです。なぜなら、当て逃げでしたので。結局、保険会社に任せて解決したのですが、相手の職業によってはやるせなさが増すものです。    また、変わったところでは、受任した被害者さんの主治医がひき逃げで捕まった件はありました。かつて、弁護士先生でもちょっと、いえ相当問題ある人がいました。医師も弁護士も金に汚い人は普通に存在しています。もちろん、行政書士もです。不道徳、悪い人は一定数いるもので、その職業は関係ないと言う事でしょうか。

   以前、弁護士費用特約から報酬をMAXとって、裁判でも弁護士費用10%を重ねて収入した弁護士さんがいました。物の筋から、二重取りせずに差額は返還すべきでしょう。子供でも分かる理屈です。    

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 これは、常日頃から感じていることですが、自賠責の認定基準はかっちり決まっている前提ながら、微妙なさじ加減で等級のバランスをとっているのではないか・・。それは等級の系統や序列に準じた、認定基準の範囲での調整となりますが、複合的に障害が重なっている場合はとくに、自賠責側の思惑を感じるのです。

 同じ○級でも実際の障害に比して軽い、あるいは重すぎるジャッジになることがあります。それは基準に照らした結果ですが、複数の障害認定がある場合、わずかに軽重を調整しているように感じます。認定ルールに矛盾を持ち込む程ではありませんが、そのような認定をいくつか経験しています。本件もその一つと思います。うまく説明できませんが・・。

 

背中が痛くて12級13号は予想外でした  

12級5号:鎖骨骨幹部骨折 12級13号:肋骨骨折(70代女性・山梨県)

【事案】

自転車で交差点を横断中、右折してきた車に衝突され受傷。鎖骨、肋骨を骨折したもの。

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 都市部は雪に弱い。    本日、交通の乱れを予想、午後から事務所を閉めることに決定しました。

 連絡はメールか、お急ぎの場合は担当者の携帯にご連絡下さい。

 皆様も不要不急の外出を控え、明日は路面凍結による転倒に十分ご注意下さい。

 代理店時代も大雪は営業を中止、事務所で事故対応のみとしていました。    明日から3連休で良かったと思います。

 

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「交通事故被害者救済」がスローガン! 病院同行に日夜奔走しています。解決まで二人三脚、一緒に頑張りましょう。

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