頭部外傷の最後にどうしても触れておかねばならない傷病名です。10年前の弁護士向け研修のレジュメを追記修正の上、再度UPします。また、高次脳機能障害は専門カテゴリーにて取り上げる予定です。

最近、めっきり居なくなったけど・・      頭部に直接の衝撃が加わり、硬膜下・くも膜下血腫、脳挫傷、びまん性軸索損傷などの脳損傷では、通常、6時間以上の昏睡を含む意識障害が生じ、CT・MRI画像においても、脳の器質的損傷を捉えることができ、これを頭部外傷後の高次脳機能障害と呼んでいます。

 高次脳機能障害については、この13年間におよそ140人の相談受けました。その内、受任して等級認定を得た件は60件に及びます。    高次脳の実績 👉 高次脳機能障害の相談は実績で選んで下さい    自賠責保険における高次脳機能障害の3要件から、以下のように整理できます。   続きを読む »

 秋葉は、被害者さんの意を酌んだ仕事を目標にしています。しかし、時として、お気持ち<お金 とした解決を推奨します。それは何も賠償交渉だけの話ではありません。後遺障害の等級認定の場面でもあるのです。

 本件は、心臓機能の障害より脳障害でまとめた方が、高い等級が付くと睨みました。軽重様々な障害が現れる高次脳機能障害は、「神経系統の障害」で総合的に判断される傾向です。審査側のその思考こそ、障害の実態に沿うものです。依頼者さんに損得の面から説得の上、狙い通りの結果を得て弁護士に引継ぎました。損害賠償とは、結局のところ金銭の多寡、「なんぼ取ったか」です。本例は高次脳機能障害・立証の応用例として、事務所の実績に刻みたいと思います。

 でも、「お金より内容を!」と言われたら・・悩みどころです。  

7級4号:高次脳機能障害(40代男性・神奈川県)

【事案】

夜間、道路を横断中、自動車に跳ねられた。加害自動車はそのまま逃走した(翌日出頭、任意保険の存在も確認できた)。幸い、目撃者の通報で救急搬送された。胸部の大動脈に損傷があり、人工血管置換術にて回復。他に脳挫傷、頚椎棘突起骨折、肋骨骨折など。   【問題点】

ご本人にとって、血管の手術後の体力低下や運動制限が将来に禍根を残すものとなった。脳外傷としては、易疲労性や鬱症状などが見られたが、比較的軽微と言えた。ご本人の訴える症状すべてに漏らさず等級を付ける原則は変わらないが、どれも12級レベル、12級をいくつ取っても併合11級止まり。   【立証ポイント】

熟考の結果、「神経系統の障害」を一まとめに高い等級を狙う方針とした。ただし、目立った脳障害・精神障害は見られず、神経心理学検査では有意な結果は得られそうにない。初期に受診したのみで「もう来なくていいよ」と言われた脳外科を再診し、症状を細かく医師に伝え、高次脳機能障害を主訴に診断書を揃えて審査に付した。

審査側に意図が伝わったのか、総合的な判断で7級4号の結果が返った。ご本人の訴える障害とは違ったものの、賠償金が目的である以上、「何が認められるか」より「数字」である。異例の成功例となった。

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 昨夜は深夜に東京駅に戻り、今朝は早起き、東京駅からバスに乗って病院同行。昨日は沼津港、今日は銚子港・・まるで漁師。今夏の病院同行です。    海からの風のおかげか、やや涼みを感じます。県道沿いの玩具屋さんは目にも鮮やか、店先に浮袋と花火が並んでいます。無人の店内に「ガラガラ」とくたびれた扇風機が回っています。これだけで潮と火薬の香りを感じます。 海まで出かけるのか、家族連れのワゴン車が止まりました。       あと1週間で夏休みです。厳しい仕事が続きますが、猛暑&コロナにも負けず、突き抜けよう。    

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 昨夜からの雨のせいで、酷暑も一息、本日は割と涼しい中でのセミナーでした。コロナでご無沙汰していた皆様との再会、セミナー後の懇親会も大いに盛り上がりました。

 会場の沼津は人気アニメの舞台となっているそうで、ファンからは聖地とされています。確かに、伊豆箱根鉄道は萌え鉄でした。セミナー会場でも、催し物のポスターが萌え一色でした。 (あ、セミナー中の写真を撮るのは忘れました。)      テーマは人身傷害保険の約款改定でした。ここ数年の交通乗用具特約の変更を、各社比較で解説しました。また、ご質問やご意見も活発に飛び交い、お互いの経験則を共有することができました。今回も有意義な時間となりました。  

(今日の旅猫)駅前のロータリーに佇むトラちゃん

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 お仕事やご家庭の事情から、通院を阻むことがあります。もちろん、体が第一、ケガの治療が最優先のはずです。しかし、そうもいかない事情もあるのです。本例の場合、むち打ち治療ごときで仕事に穴を開けるわけにはいきませんでした。それでもし、安易に転院すれば、転院先の医師が「最初から症状を診ていないから、後遺症の診断書は書けないよ」と判断する事があるのです。つまり、「治っていない」のに、後遺障害を断念することになります。    秋葉事務所には、各地域の整形外科医のリストがあり、リハビリ対応や診断書記載から医師のお考えまで、情報集積を13年続けています。その情報から安全に治療先を選ぶことができ、また、情報の無い病院であっても、医師面談の励行により、後の診断書確保に余念がありません。本例も、転院後の継続治療と後の診断書依頼について、医師の理解を促しました。ここまで対応するからこそ、遺漏の無い等級認定と、間違いのない解決へ誘導できるのです。

よかったです  

14級9号:頚椎捻挫(40代女性・山梨県)

【事案】

自動車を運転中、渋滞のため停止していたところに追突される。その衝撃により前方車にも衝突し、いわゆる玉突き衝突による2重の衝撃で負傷した。直後から頚腰部痛、両手の痺れ等、強烈な神経症状に悩まされる。

【問題点】

早期にご連絡をいただいたため、順調に進んでいた。しかし、事故から3ヶ月半が経過したときに、仕事の都合から通院先整形外科の診察時間に間に合わなくなってしまう状況に・・。通院回数が激減してしまうという観点から、「転院する」か「後遺障害申請を諦めるか」の二択となった。

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 骨折後の骨変形、この後遺障害は画像で等級が決まります。私共は「画像勝負」なんて呼んでいます。

 骨折後の癒合状態で判断されますから、本人の治療努力は別として、私共の立証作業は等級の軽重に寄与しない、とも言えます。すると、弊所にご依頼頂き、医療調査費を依頼者さんにご負担頂く意味は薄れるものでしょうか? 確かにそのようなケースもありますが、審査する担当者、あるいは顧問医が変形の程度をどのように判定するのか・・変形の度合いを重度か軽度か、その判断が微妙なケースもあるわけです。後遺障害の判定全般に言えることですが、軽重を分ける基準が存在するも、審査員の判断に左右されることもあると思います。

 ↓ 椎体の圧壊率は椎体の前方高(A)・後方高(P)から計算しますが・・    本例は受傷直後の画像から、早くも「11級確定だが、8級に及ぶか」を検討していました。そして、6か月後の症状固定を計画し、経時的に胸椎のCT、MRIの観察を続けました。だらだら治療を続け、症状固定を遅らせることにより、基準を超えた骨癒合での審査を避けたかったのです。結果、11級を覚悟しましたが、運よく8級判定となりました。ご依頼者から報酬を頂ける仕事をしたと思います。   やった!  

8級相当:胸椎圧迫骨折(40代男性・群馬県)

   【事案】

自転車で片側一車線の道路を直進中、後方から走行してきた自動車が自転車を追い越した後、急に左折したため、避けきれず衝突し負傷。救急搬送され、即日入院となった。   【問題点】

事故当日にご家族より事故報告が届いた。受傷直後~解決までの計画を策案、問題なく進めることができた。   【立証ポイント】

事故に理解がある医師であったため、後遺障害診断書の出来はばっちりであった。しかし今回は、画像で勝負が決まる案件であったため、受傷時と症状固定時に撮影したMRI・CT画像の比較を資料として打出し、後遺障害診断書を補強して提出した。

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 正直、なじみのない傷病名で、弊所でも未経験です。交通事故110番の相談例から解説します。   (1)病態

 本件事故は、大阪市大正区の眼鏡橋、木津川に架設されたループ橋で発生しました。朝まで、南のクラブで大騒ぎし、17歳のガールフレンドを自宅に送っていく途上ですが、眼鏡橋のループを高速、かつ、センターラインオーバーで駆け下り、対向の4トントラックと正面衝突したのです。

 女性は助手席でウツラウツラの居眠り状態でしたが、衝突の衝撃で、フロントガラス上部のフレームに右顔面部を打ちつけ、意識を失いました。救命救急センターに搬送され、主たる傷病名は、頭蓋底骨折、顔面裂創、右視神経管骨折でした。

 直ちに、内視鏡下で視神経管開放術が実施されたのですが、視神経周囲の骨が視神経を切断しており、結果として右眼は失明となりました。入院中に、外傷性右内頚動脈海綿静脈洞瘻の傷病名が追加され、プラチナ・コイルで瘻孔を塞ぐ血管内治療が行われました。   (2)症状と治療

 この交通事故で初めて経験した右内頚動脈海綿静脈洞瘻ですが、外傷性では、頭部外傷、特に頭蓋底骨折に合併する内頚動脈の破裂などにより発症しています。血管は、太い動脈から細い動脈へ、さらに細い毛細血管を経て静脈へと繋がっていきます。内頚動脈は、硬膜でできた静脈の袋=海綿状静脈洞を貫通する特殊な構造であり、洞瘻では、内頸動脈に穴が開いたことで、動脈と静脈が直接繋がった状態となっているのです。

 静脈洞内に動脈血が直接流入することにより、洞内圧が上昇し、眼静脈などに逆流が起こります。拍動性眼球突出、眼球結膜充血・浮腫、視力低下、頭痛、外眼筋麻痺による複視、耳鳴りなどの軽い症状から、脳内に逆流すると脳梗塞や頭蓋内出血を生じることや、脳動脈への血流不足により、虚血性症状が出現することもあり、放置すると、重篤な後遺症を残し、ときには、死に至ります。治療は、プラチナ製の金属コイルで瘻孔を塞ぐ血管内オペが実施されています。

 血管の中を誘導する外径.3mmのマイクロガイドワイヤー、外径0.7mmの細い管であるマイクロカテーテル、血管の内側より血管を広げることができる風船付きの細い管=バルーンカテーテル、通電することにより切り離しができるプラチナ製の金属コイル、切り離しの可能な風船・・・これらの開発が進んだことにより、脳内の細かな血管にまでカテーテルを挿入して血管を拡張し、金属コイルを動脈瘤内に運ぶことで、異常な血管の瘻孔を塞栓するが可能となりました。    内頚動脈海綿静脈洞瘻の塞栓術により、以下の治療効果が期待できます。

・ 視力障害、脳内出血、脳梗塞の発生を防止すること、

・ 症状が軽快すること、

・ ただし、神経障害が不可逆性のときは、後遺症を残す可能性も予想されます。    さて、先の女性ですが、右内頚動脈海綿静脈洞瘻はプラチナ製の金属コイルで塞栓術が行われたのですが、退院後、大量の鼻出血があり、金属コイルの一部が鼻にはみ出てくる騒ぎがありました。再塞栓術で治癒したのですが、この部分の後遺障害は、右眼の失明に吸収され、顔面の醜状痕で旧基準の7級12号、右眼の失明で8級1号、併合5級が認定されました。   (3)後遺障害のポイント

 その後、頭蓋底骨折に伴う内頚動脈海綿静脈洞瘻を2例経験しましたが、1例でのみ正面視の複視で10級2号の後遺障害を残しました。複視には正面視での複視、左右上下の複視の2種類があります。

 検査には、ヘスコオルジメーターを使用し、複像表のパターンで立証します。

 正面視の複視は、両眼で見ると高度の頭痛や眩暈が生じるので、日常生活や業務に著しい支障を来すものとして10級2号が認定されています。左右上下の複視は、正面視の複視ほどの大きな支障はないものの、軽度の頭痛や眼精疲労は認められます。このときは、13級2号の認定がなされます。      次回 ⇒ 頭部外傷 ⑪ MTBI  

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 寝落ち、皆様もご経験の”お酒を飲んで帰宅してバタンキュー”とは違います。前触れの無い、突然の寝落ちです。     (1)病態・症状    ナルコレプシー(Narcolepsy)とは、日中、突如として眠り込む、寝落ちする睡眠発作です。夢遊病、眠れない等、睡眠障害とは逆の症状です。以下に整理します。   ◆ 睡眠障害(パラソムニア)

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 秋葉も頭痛持ちで、仕事上でも「(予期せぬ)非該当」を食らうと生じることがあります。

     交通事故によって生じた頭痛で後遺障害が認められるのか? 以下、弊所の実績から読み取って下さい。  

(1)病態    外傷性頭痛の原因は、主に以下の5つが考えられます。   ① 頭部の挫傷や創傷、脳出血から発症する疼痛

② 動脈の発作性拡張で生じる血管性頭痛、片頭痛はこの代表的なものです。

③ 頚部、頭部の筋より疼痛が発生する筋攣縮性頭痛、過緊張(★)とも言われます。

④ 後頚部交感神経の異常により発生する頚性頭痛、バレ・リュー症候群(※)と呼んでいます。

⑤ 上位頚神経の痛みの大後頭神経痛と後頭部から額面や眼にかけての三叉神経痛、    ①は、頭部外傷・脳外傷による器質的損傷を立証しない限り、後遺障害等級の認定はありません。③ ④ ⑤ は、いわゆるムチウチを原因としたものであり、頚部神経を起因とする一時的な神経症状です。それが何か月も続くことは稀で、普通は後遺障害の対象ではありません。やはり、頭痛単独での認定例は少なく、他の神経症状と丸めて14級9号の認定のケースが普通です。

※ バレ・リュー症候群とは、頚部交感神経の暴走を原因としたもので、外傷性頚部症候群の周辺症状と言われており、治療先は、麻酔科医のペインクリニックでの治療として、交感神経ブロック療法が行われています。受傷後、早期に整形外科と併用すれば、大多数は2、3カ月で改善が得られています。    ① を原因とする認定  👉  14級9号:外傷性くも膜下出血・頭痛(40代男性・千葉県)   ③ を原因とした、よくある認定パターン  👉 続きを読む »

(5)後遺障害のポイント   1、めまい・平衡機能障害の原因である頭蓋骨骨折、とくに側頭骨骨折については、ターゲットCTの撮影で、三半規管や耳石の前庭系が損傷されたことを描出すること、つまり、画像所見が後遺障害の立証の第一歩です。   2、眼科での眼振検査は、画像所見の有無に関わらず、めまいの種別・状態を明らかにできます。   3、あとは、耳鼻咽喉科におけるロンベルグなどの検査で、障害のレベルを明らかにすれば完成です。

(Q)頭部外傷後のめまいについて?(交通事故110番に寄せられた相談例)

 私は21歳ですが、10/1の深夜、原付に乗っていたところ自動車との交通事故で受傷しました。医師の診断書には、外傷性くも膜下出血・脳挫傷・背挫傷とありました。幸い、出血量も少なく、1週間の入院で退院となりました。

 先日までは、支障や異常を感じることはなかったのですが、最近、頻繁にめまいが起きます。1、2分程度でおさまるめまいですが、頻度が高く、横になっているときでも起こります。やはり、ヤバイめまいでしょうか? 事故からまだ日が浅いので少々心配なところです。

 12/12に脳外科への再診が入っていますが、それ以前にでも病院に行くべきでしょうか?ご意見を聞かせてください。   (A)宮尾氏の回答

 ヤバイめまいかどうか? 私では分かりません。やはり、12/12を待たずに、脳外科を受診、めまい症状を訴えてください。脳外科がめまいを扱っていなければ、眼科もしくは耳鼻咽喉科の専門医が紹介されると考えます。専門医による赤外線眼球運動検査等を受け、めまい改善の治療を続けることです。 続きを読む »

(4)めまいの類型   ① 平衡感覚を感知する器官の障害

 耳には、音を聞く働きの他に、身体のバランスをとる、平衡感覚の役割があります。耳の平衡感覚を感知する器官としては、耳石器と半規管があります。耳石器は2つあり、卵形嚢は水平に、球形嚢は垂直に位置していて、この2つの袋の中には、リンパ液と炭酸カルシウムでできている耳石という小さい石が入っています。

 耳石器の内部は、薄い膜で覆われており、その奥には有毛細胞という細かい毛の生えた感覚細胞があって、耳石がリンパ液のなかを動くと、この有毛細胞の毛が刺激されて、位置を感知することができるのです。卵形嚢は水平方向の動きを、球形嚢は垂直方向の動きを感知しています。

 半規管は、前半規管・後半規管・外側半規管の3つがあり、まとめて三半規管と呼ばれています。半規管は3つの中空のリングから構成されており、内部は内リンパ液で満たされています。前庭の近くに膨大部と呼ばれるふくらみがあり、そこには感覚毛をもった有毛細胞があります。感覚毛の上にはクプラと呼ばれるゼラチン状のものが載っています。内リンパ液が動くことによって、クプラが押され、感覚毛が曲がり、有毛細胞が興奮します。頭部が回転すると、内リンパ液はしばらく静止したままなので、感覚毛が逆に曲がります。この情報と視覚の情報から体が回転したと認識します。

 三半規管は、それぞれ別の面にあるので、あらゆる回転方向を認識することができます。これらの半規管はそれぞれ直角に交わっていてX・Y・Z軸のように3次元空間の回転運動の位置感覚を感知しています。G難度、E難度をいとも簡単に達成する体操の内村航平さんは、研ぎ澄まされた3次元空間の回転運動の位置感覚を有しているものと思われます。    三半規管を原因とするめまいを立証 👉 12級13号:目眩症(70代男性・静岡県)   ② 末梢性めまい

 中枢性めまいの外にも、末梢性めまいと頚性のめまいがあります。末梢性めまいは、大多数は内耳の異常によるもので、交通事故では、内耳の外傷となります。その他の疾患としては、事故との因果関係はありませんが、メニエール病、前庭神経炎、突発性難聴に伴うめまい、中耳炎や中耳真珠腫に伴うめまいなどがあります。良性発作性頭位めまい症も病的疾患の可能性が指摘されます。   ※ メニエール病 続きを読む »

   事務所の売り上げ表を見ては、毎月襲われる症状でもあります。

   頭部外傷後の「めまい」について、失調・平衡機能障害と併せてまとめます。      

  (1)病態

 めまいは、通常、内耳、内耳神経、脳幹の前庭、小脳の障害で発症すると考えられています。人間の身体の平衡機能は、三半規管や耳石の前庭系、視覚系、表在・深部知覚系の3系統から発信された情報を小脳および中枢神経系が統合して左右のバランスを取り、維持されています。したがって、平衡機能障害を来す部位は上記の3つの系統以外にも脳幹・脊髄・小脳の中枢神経系が考えられるのです。

 失調とは運動失調のことですが、平衡機能障害によって複雑な運動ができない状態のことと言われており、深部知覚、前庭、眼、小脳、大脳の障害によって発症すると考えられます。

(2)症状

 側頭骨骨折、頭蓋骨陥没骨折、頭蓋底骨折など頭部外傷後に、めまいを訴える被害者さんを何人も経験しています。頭部の器質的損傷を原因としためまいは、中枢性めまいとして、後遺障害の対象となっています。大多数は、側頭骨の骨折により、三半規管や耳石の前庭系が損傷されたことで、平衡機能障害を発症しているのですが、以下の検査を受けて立証しなければなりません。   (3)診断と検査   A:耳鼻咽喉科、めまい外来などでの検査   ① ロンベルグテスト

 両足をそろえて開眼でまず立たせ、ついで閉眼させ身体の動揺を調べます。

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 昨日は久々に甲府でセミナーを開催しました。

 コロナ収束を見越して準備しておりましたところ、またしてもBa-5の蔓延がかつての感染を上回る勢いです。開催が危ぶまれる程の状況ではありますが、行政指針は「行動制限をしないで感染対策をする」とのこと、それに準えてセミナーを開催しました。実に2年4か月ぶりです。

36.4℃ 検温もバッチリ

 今回の内容は近時の人身傷害の約款改定です。とくに、主要社において交通乗用具特約に動きがありましたので、その比較を特集しました。

 感染対策は抜かりなく、出来るだけ継続開催を試みたいと思います。

 甲府の夜、駅前の信玄公を後ろから(かなりピンボケ、まるで油絵)。

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(4)後遺障害のポイント   ①  脳実質に損傷の無い、軽度(亀裂骨折等)の側頭骨骨折・迷路骨折

 高次脳機能障害のような重篤な認知障害を残すことは、ほとんどありません。しかし、難聴、耳鳴り、めまい、ふらつき、顔面神経麻痺など、日常生活上、見過ごせない後遺障害を残すことになり、シッカリと立証して等級を獲得しなければなりません。

 本件の後遺障害では、症状を訴えるだけでは、等級の認定に至りません。画像などにより、器質的損傷を突き止め、自覚症状との整合性を立証しなければなりません。治療先の多くは、耳のXP、頭部のXP、CT撮影のみですが、側頭骨のターゲットCT(※)の撮影は、後遺障害の立証では必須となります。

  ③ 画像検査

★ 側頭骨のターゲットCT

 耳を中心に、耳小骨の細かい変化を撮影する方法です。耳の構造は、骨によって作られているので、骨の変化を見ることにより、種々の外傷性変化を確認することができ、撮影時間が短く、小さな子どもでも耐えられる検査です。

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 頭蓋骨の骨折も最後です。側頭骨骨折(迷路骨折)を解説します。軽度の亀裂骨折は未経験ですが、弊所の受任例では重傷例に連なりました。当然に緊急手術の対応です。脳実質への損傷もあり、高次脳機能障害も3級~5級の重度な障害を残しています。     (1)病態

 側頭骨は、下のイラストの青線で囲まれた部分、耳の周りにある骨で、脳を保護している頭蓋骨の一部です。側頭骨は、大きくは、上部の鱗状部と下部の錐体部の2つに分類されています。

 交通事故による直接の打撃では、耳介の上の部分、鱗状部の縦方向の亀裂骨折が多く、この部位の縦骨折では、大きな障害を残すことはありません。しかし、後頭部からの衝撃により、錐体部を横方向に骨折すると、内耳や顔面神経を損傷することになり、オペが実施されたとしても、治癒は困難であり、確実に後遺障害を残します。

 側頭骨骨折の内、骨折線が迷路骨包を横切るものは、迷路骨折とも呼ばれています。   (2)症状

 錐体部は、頭蓋の内側に入りこんでいて、中耳や内耳、顔面神経などを保護しています。錐体内部には、内耳・内耳道が走行しており、この部位を骨折すると、感音性難聴やめまいの症状が出現し、また、錐体部を構成する鼓室骨、錐体骨、乳様突起に囲まれた形で中耳があり、外耳道と耳管で外へ通じているのですが、耳小骨の離断や鼓膜の損傷・中耳腔ヘの出血により伝音性難聴をきたすことも十分に予想されます。聞こえが悪いときは、骨折が中耳におよんで、鼓膜が破れ、耳小骨が損傷していることが予想され、耳鳴り、めまいを合併していると、内耳も障害されていることを示唆しています。

 顔面神経は、脳を出てから側頭骨、耳骨の中を走行し、骨から外に出ると、耳下腺の中で眼、鼻、口と唇に向かう3つの枝に分かれて、それぞれの筋肉に分布しています。顔面神経麻痺は、通常、顔面のどちらか半分に起こります。

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 <ベストカーwebさま より>

 

 1億円を越える例はさすがに稀だとしても、もっと身近なモノを事故で壊してしまった場合も、意外に高額な請求が来るので要注意。

 例えば、街中でよく見かける飲み物の自動販売機。標準タイプでも80万円すると言われ、大型のものだと200万円級も珍しくない。カーブミラーだとモノ自体は2~4万円と安価だが、設置費用などを加えると20万円は必要。ガードレールは1メートルあたり5000円~1万円が相場だが、工賃や人件費などを考えると30万円ぐらい請求されることも。ETCのゲートのバーは、1本6万5000円ほど。通常、左右一対になっているので、2本折ってしまうと13万円!

 よくニュースになっている、ブレーキとアクセルの踏み間違いで、コンビニの店舗に突っ込んでしまった場合はどうか。これはもちろん程度にもよるが、修理のために店舗が営業できなくなったとすると、店舗休業損害が10日間でおよそ60万円。その他修理費が実費で200万円ぐらいかかったりする。

 電柱は15mタイプで1本約15万円。これに折れた電柱の抜き替え作業が加わると、30~70万円ぐらいは覚悟した方がいい。馬鹿馬鹿しいのは道路標識で、オーソドックスなモノでも40~50万円もかかるらしい。特定企業(天下り系)が受注を独占しているため、強気な価格設定になっているともいわれている!?

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 人身事故、とりわけ後遺症を残すような被害事故を追いかけている秋葉事務所です。しかし、物損事故と人身事故の比率は、地域や年度にもよりますがおよそ25:75と言われています。被害額については、圧倒的に人身事故が高額で、また相手保険会社との交渉では、その賠償額が高額になるほど、増減が激しいものです。対して、物損事故は、相手が対物賠償(任意保険):1000万円でもつけていれば、車1台の損害なら間に合うことが大半で、見積金額の折り合いをつけるだけの交渉とも言えます。    しかし、中には洒落にならない程の高額賠償のケースもあります。今回は「ベストカー」さんのweb記事を参照、お借りして、その事例を紹介したいと思います。  <ベストカーweb 分/藤田隆太さま より>    車を運転するなら保険加入が当たり前。特に最近の判例を見ると、人身事故の際は大変な金額となるため任意保険への加入は必須で、なるべく手厚い保証に設定したい。だが「対物に関しては通常の保証で十分」などと考えていないだろうか? 今回の記事を読んでいただければ、そんな考えは消し飛ぶに違いない。過去にあった高額な事故から、標識や自動販売機など、身近なアイテムとの事故について、その保証額をご紹介しよう。   ○ 対物賠償の加入率は75.1%!!保険なしでは怖すぎる!!

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今回は歩行者の何気ない行動が過失に影響する事例をご紹介します。  

(今回は通勤経路内ではありませんが、病院へ向かう際に危険を感じた場所です。)

   歩車道の区別のない道路を歩行する場合、皆様はなにか特別に気を付けていることはありますでしょうか。ほとんどの方が特に気にすることなく、その時々によって歩く場所を変えているのではないかなと推測します。尚、写真の道路ですが、駅や大通りへの抜け道になっているため、自動車の往来が非常に激しい場所です。

 実は、ここに大きなポイントがあるのです。道路交通法によって、「歩行者は、歩車道の区別のない道路においては、道路の右側端に寄って通行しなければならない。」と定められているのです。(※「一定の場合には道路の左側端に寄って通行することができる。」という文言もついております。)

 道路交通法を守り、右側端を通行していた場合には、当然歩行者に過失はありませんので歩行者0:自動車100となります。但し、「ふらふら歩き」(このふらふら歩きというのは、自動車の予想を超えた動きを想定しているため、よほどのことがない限りは適用されないみたいです。)があった場合には、修正要素として歩行者に+5となっております。(判例タイムス【43】)

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歩行者は守られています    今回は歩行者側に問題のある事例を紹介します。年齢・性別を問わず目立つのが歩行者の信号無視です。ドライバー側からしてみれば、歩行者が違反を繰り返したとしてもお咎めなしというのは正直納得できません。違反切符を切られてもいいような気がしますが、それはさておき歩行者の赤横断と自動車の青信号進入の過失について見てみましょう。  

(前回同様、私の通勤経路内で最も信号無視をする歩行者が多い交差点です。)

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銀ブラではなく、銀座サク(サクサク歩いて通勤)    最近、運動も兼ねて最寄りの八丁堀駅よりも3つ前の銀座駅で降りて、歩くようにしています。猛暑のおかげで、事務所に到着する頃には汗だくになっていますが、たまに吹く風が心地よく、今後も続けられそうです。さて、今回は通勤中によく目にする歩行者VS自動車の事例についてまとめてみます。

 危険な場面に遭遇することが特に多いのは、「信号のない横断歩道」です。(下の写真は私が普段から横断している交差点です。)  

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