交通事故で受傷してレントゲンを撮ったら「骨折」が見つかりました。被害者は「事故でこんなひどい状態に!」と騒然、相談に訪れます。しかし、診断名を鵜呑みにしません。まずは読影です。

 受傷機転に不相応な骨折であれば、事故による新鮮骨折か陳旧性(古い骨折)か?、MRIにて区別しなければなりません。現場の医師がそれを判断できればよいのですが、残念ながらすべての整形外科医にMRIの読影能力が備わっているわけではありません。時には医師の診断名ですら疑います。

 さらに、事故での骨折と思い込んだ被害者さんに対して、読影能力のない法律家は「〇級が認められます」と早とちり、すると、認定結果がでた後に依頼者のクレームと異議申立ての大合唱が待っています。 20130926

   それでは、私たちの読影能力による冷静な対処をご覧ください。

 

14級9号:陳旧性・腰椎隅角骨折 (30代男性・埼玉県)

【事案】

車外から助手席の荷物を出そうとしている際、スリップした自動車に追突された。腰を痛め、レントゲンを撮ったところ、腰椎の角が折れていることがわかった。

【問題点】

まず弁護士が受任し、「隅角骨折」として依頼を受けた。受傷機転から、その衝撃で腰椎が折れるかをまず検証すべく、CT、MRI画像を読影した。やはりというか、MRI上、骨折部が新鮮骨折でなく陳旧性と判断できた。他にシュモール結節もあり、事故による損壊との認識はできなかった。

【立証ポイント】

診断名を鵜呑みに申請しても11級7号など望めないことはわかっていた。事前に依頼者を諭し、14級を抑えることを目標に申請を進めた。過度な期待を持たせればトラブルに発展することになる。このようなケースでも正確な読影力が不可欠なのである。

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 ”門前の小僧、習わぬ経を読む” 

 私たちは日々画像とにらめっこ、そして適時、放射線科医・専門医の指導を頂いています。これが障害立証の場面で大きな力となっています。こればかりは他の弁護士、行政書士や業者とは一線を画していると自負しているところです。年間の被害者面談は300人以上、さらに年間200件以上の医師面談を続けています。うち少なくとも100人の画像を観ています。

 メディカルコーディネーターはまさに”門前の小僧”、画像はもはや”習わぬ経”なのです。

 それでは、小僧の力量をお見せしましょう。

 

14級9号⇒12級13号:膝蓋骨骨折 異議申立(40代男性・神奈川県)

【事案】

バイクで直進中、左路外から飛び出してきた自動車と衝突。その際、右膝を自動車とバイクに挟まれ膝蓋骨、脛骨を骨折、さらに転倒の際に左手をつき手根骨(大菱形骨・小菱形骨)と橈骨形状突起(剥離骨折)を骨折。

【問題点】

事前認定での結果は「ゆ合は良好で変形や関節面の不整も認められず・・」とあり、14級9号、つまり、受傷様態と治療経過から神経症状の残存に留まる判断であった。

【立証ポイント】

まずは画像読影である。

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 HPを見渡せば、誰もがこぞって「交通事故はお任せください!」と宣伝しています。確かに詳しい記述が満載で、一見頼もしそうです。もはやHP上、誰もが専門家です。依頼先を検討する際、被害者さんは大いに悩むことでしょう。

 交通事故を扱う業者の力量を測るバロメーターは何でしょうか?私達チームはこう提言します。

 「画像読影力」

 もちろん正確な鑑定、医学的な証明は医師の領分です。それでも交通事故相談を受ける法律家・業者にこそ、求められる能力と思います。読影力=専門家の証なのです。それは今日から3日連続でUPする実績から痛感するはずです。

 それでは、私たちの力量をお見せしましょう。

 

14級9号⇒12級13号:頬骨骨折 異議申立(70代女性・東京都)

【事案】

自転車で走行中、突然、駐車車両のドアが開いた為、衝突・転倒したもの。その際、顔面を強打、頬骨(ほほの骨)と下顎骨を骨折した。骨折部はプレートで固定した。

【問題点】

まず、症状固定まで3年半かかったことが問題である。さらに、専門的な検査を未実施で申請してしまった。おかげで骨折後の嗅覚や味覚の減退は認められず、顔面のしびれや痛みも14級9号でお茶を濁された。時間が経てば経つほど検査数値は曖昧になり、なんといっても因果関係が否定されることになる。

【立証ポイント】

受任したのは受傷から4年以上も経過していた。嗅覚障害などは専門医の受診が4年後ではおそらく否定されるであろう。12級に引き上げられるものはないかと精査、やはりここでもまず画像を丹念に検証した。 続きを読む »

【事案】

信号停車中に追突されたもの

【問題点】

症状固定時期について非常に困っておられた。完全に治癒するまで治療しようと考えておられた。

治療期間が非常に延びていた。

【立証のポイント】

理想的な交通事故の解決とは?このことについて被害者と丹念にお話合いをさせていただいた。そのうえで、どのように解決をしていくか、改めて方針・道筋を作成。

その方針のもと、今までの経過を大転換して対応を行う。症状固定時には医師面談を行い、後遺障害診断書の作成について協力を賜る。無事に14級9号が認定された。

(平成27年2月)

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 医師が記載した診断書がすべてではありません。認知障害や記憶障害、注意・遂行能力障害は専門医の観察と神経心理学検査である程度、診断、数値化ができます。つまり、客観的な医証を揃えることが可能です。しかし、厄介なのは性格変化です。当然ですが医師はケガをする前の被害者の性格を知らないからです。     高次脳機能障害の患者で易怒性を発露するケースを多く経験しています。怒るようなことでもないことに激怒する、いったんキレると収まりがつかない、突然キレる、暴言、物に当たる、興奮して奇行を行う、人見知りが極端・・このような症状を示します。家族は事故前後の変化に戸惑い、または精神的に追いつめられていきます。実際、被害者が暴れだして警察を呼ぶような騒ぎに発展したり、対処する家族がノイローゼ気味になるなど、非常に危険な状況に陥るのです。これら家族の苦痛は医師や周囲の人にはなかなか伝わりません。

 多少の記憶障害、注意障害は事務処理能力の低下にとどまりますが、実は易怒性を含む、性格変化、情動障害が家族にとって一番深刻な障害なのです。高次脳機能障害の症状でもっとも大きな障害とさえ思います。これを立証する検査がまったくないわけではありませんが、家族の記載する「日常生活状況報告書」が重要な判断材料になります。そして、このA3二枚の書類だけでは到底書ききれない、家族の観察、エピソードを別紙に克明にまとめる必要があります。この作業が等級判定に非常に重要になるのです。家族と何度も何度も修正を重ね、完成させます。また、医師に診断書を記載していただく前にも家族の観察としてある程度まとめたものを示すようにしています。これは易怒性の立証にもっとも重要なプロセスです。お医者さんは24時間患者を診ているわけではないからです。まして診察や検査の時は割と大人しく、易怒性を発揮しない患者もいます。

 家族・医師と連携し、この易怒性をしっかり立証した被害者で3級の認定へ導いたケースがあります。逆に最近の相談例では易怒性が評価されず、わずかな記憶・注意障害で9級の認定となった被害者さんがおりました。家族はもちろん、私も悔しくてならないのです。  

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 日曜午後は福岡で高次脳機能障害の被害者と面談です。羽田からの飛行機は30分遅延し、福岡空港に着陸。空港で担当弁護士の先生と待ち合わせです。先生はミャンマー出張から帰着の足で即合流です。福岡空港は国内線と国際線がえらく離れています。現地スタッフの車にてそれぞれピックアップしていただき、相談者の待つ事務所へ。  被害者及びご家族と面談後、博多へ戻り、今度は西新にて交通事故相談会を終えたチームとホテルの前で合流です。打合せを兼ねて会食、ようやく長い一日が終わりました。

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 翌日(つまり今日)は昼の便で東京に戻り、荷物を換装、埼玉の弁護士事務所へ。被害者面談を2件対応させていただきました。

 このようなランデブーの連続を果たせたのも、それぞれの事務所の弁護士先生とスタッフの皆様のおかげです。両日、大変お世話になりました。ありがとうございました。  

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 相談会以外にも、いくつかの弁護士事務所にお邪魔して被害者さまの相談を受けています。私の担当は交通事故外傷の相談です。しかし当然ですが、多くの方は後遺障害を残さない軽傷、および物損事故です。それらは法律家の介入なく、相手保険会社との交渉にて解決でも良いと思っています。これは以前、「軽傷事故の解決方法」で解説しました。多くは保険会社との相対交渉=「保険会社マター」となるはずです。それでも、上手く交渉できない被害者さんや、損害の立証に工夫が必要な案件もあります。その際、頼りになるのは弁護士先生です。

 ここで問題となるのは2点、  

① 弁護士介入の増額効果と弁護士報酬が見合わないケース

 弁護士に交渉していただき10万円増額できた。しかし、報酬が20万円となる・・いわゆる費用倒れの案件です。これは通常、弁護士が介入すべき事件ではないかも知れません。弁護士事務所の報酬体系も「増額した金額の10%+20万円(税別)」としているところが多く、このルールでは増額が0円でも最低20万円はかかってしまいます。

  ② 弁特があるけれども・・

 仮に弁護士費用特約があり、被害者に費用負担がない場合でも、10万円の増額に20万円の弁護士費用の請求?・・これは不自然です。弁護士費用を支払う保険会社はこの請求に不道徳感をもっています。被害者さんの「弁特があるから(懐痛まないから)先生お願い!」は下品とまでは言わないまでも、好ましい姿勢ではありません。また、弁護士も「(普通は断るけど)弁特があるから受任しよう」もどうもスッキリしない姿勢です。もっともLAC基準にて支払う場合は少額案件は着手金10万円に限定されます。仮に増額なしの場合、10万円ぽっきりです。作業に見合わないことが生じ、これまた弁護士を悩ませます。  

 ①のケースでは関西の某弁護士事務所が柔軟な対応をしています。  ①の場合、「増額した額を被害者と弁護士で折半」する方法です。保険会社の提示から20万円増額したら、仲良く10万円ずつね、です。非常に被害者の納得感、満足感を得られているそうです。    ②のケースは少々勇気がいります。

 とくにLAC基準により着手金が10万円に制限される少額案件の多くは苦労して交渉した割にわずかの回収しかできません。着手金の10万円だけでは立ち行かないケースが起きます。トラウマ(弁特に拘束される?)を捨て、弁特で賄いきれない費用を請求すべきと思います。弁護士側としては「弁特からの着手金10万円にて初期費用を補てんしますが、事務の内容から仮に増額がわずかでも報酬は最低10万円いただきます。この金額は弁特社が拒否すれば自腹となります」と事前に説明すれば足ります。そこで依頼者は損得を検討した上で判断します。  

 このように報酬体系を柔軟に設定すれば済む話です。HP等で報酬体系を硬直化させたがため、被害者さんはもちろん、現場の弁護士は苦慮を強いられています。商売上の都合、宣伝文句としての「着手金無料!」「増額した金額からのみ10%!」「弁特で費用が賄えます!」・・これら流行り文句を見直す時期に来たように思います。現場では、被害者救済を前提にもっと柔軟な報酬体系が望まれているということです。

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 今日は方々の弁護士先生から電話・メールが殺到、と言っても7人ですが。それぞれ案件や相談会の打合せはもちろんですが、情報交換にも及びます。

 どの先生からも聞こえてくるのが最近の交通事故業界、受任事情です。私も先日の研修会にて全国の弁護士先生から情報を収集できました。傾向としてセカンドオピニオンが多い。これは狭義には既に他事務所に相談しつつも別事務所に相談を広げることです。さらに長じて、委任しながら別事務所に契約を切り替えることも含みます。

 分析するに、これはネットの普及はもちろん、多くの弁護士が交通事故に乗り出した結果と思います。特に大手法人事務所はクレサラ業務と入れ替えに大変な予算のかけようです。一説には一か月のリスティング広告費に1千万円以上も使っているようです。結果、多くの被害者に弁護士への相談の道がひらけたことになり、これは良い効果かもしれません。しかし、交通事故は専門性の高い分野です。交通事故は数百種類ある弁護士の仕事の一つに過ぎないのです。弁護士なら誰でも専門家ではありません。自賠責保険への請求書を代書するに過ぎない行政書士も同様です。付け焼刃の事務所による、不慣れな法律家による、ひどい対応ばかりが耳に入ります。他業者に対するコメントは非紳士的、避けたいところですが、ある弁護士先生は「被害者への二次被害だ!」と手厳しいコメント。昨年から他事務所の委任を解除、乗り換えた受任が数十件にも上るそうです。私のような小さい事務所でさえ数件あるのです。

 相談先を間違えると、適正な後遺障害等級を得られない損失、不十分な賠償額しか得られない損失、この二つの失敗があります。しかし、依頼先を選ぶのも被害者の責任です。先の弁護士先生はこうも言いました。「(依頼先によって失敗する)それも被害者の運命。」残念ながら現実は厳しいのです。 pics260  

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 今日の新聞記事から・・民法改正案が来月提出されます。

 今まで法の不備が指摘されていた分野にテコ入れです。交通事故に関係する具体的な項目は、まず遅延利息5%の改定です。市場金利の変動に対応すべく、一定期間(3年ごと)で見直しすべきとの声は以前からありました。おそらく、今改定で3%に変更と思います。

 また、約款についても法律で規制、もしくは無効とできる条項が加わります。ちょうど先日の実務講座にて、「消費者の権利を害する保険約款の問題」について指摘したところです。弁護士が保険会社に約款を曲げた保険金請求をする際、今回新設される民法条文が主張の根拠となるはずです。

 内容を以下、抜粋しました。(2月10日 時事通信)    法制審議会(法相の諮問機関)の民法部会は10日、契約ルールなど債権に関する規定を見直す民法改正要綱案を決めた。事業者が消費者に示す「約款」をめぐる規定を新たに設け、消費者の利益を一方的に害するような約款は無効とする。法制審は24日に要綱案を上川陽子法相に答申。これを受け、法務省は3月下旬に民法改正案を国会に提出する見通しだ。  今回の改正項目は約200に及び、法制審はそのほとんどを昨年8月に固めたが、約款の規制については経済界が反発し、調整が続いていた。民法の債権規定の大幅改正は1896年の制定以来初めてとなる。  約款は、保険や公共交通機関、インターネットサイトなどの利用規約として使われる。消費者が約款の内容や存在を知らずに事業者とトラブルになるケースが多く、消費者保護の観点から検討を進めていた。

 要綱案によると、 (1)事業者が約款を契約内容とすることを明示していれば、消費者が理解していなくても有効 (2)消費者の利益を一方的に害し、信義則に反する約款の条項は無効 (3)契約後の約款の変更は、消費者の利益になる場合などに限定―との原則を明記する。   

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 お知らせの通り、今回は後遺障害から離れて法律事務所・事務員の電話対応、自動車保険・約款を勉強しました。

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 一日目はテレビや著書で有名な尾形先生をお招きして電話対応を中心にお客様の接遇について講義を頂きました。私も含め、改善の必要を強く感じました。言葉のくせや間違った敬語など、全然できていない・・この講義を機に、普段から注意して向上に努めたいと思います。

 講義に続いて実際にロールプレイを行いました。参加された事務員・パラリーガルの皆さんも大奮闘でした。 20150207154621(1)続きを読む »

 前日の今日、最終打ち合わせです。今回は電話対応のロールプレイが企画されています。  その際、使用するヘッドホンマイクを新たに購入しました。音響チェックも余念がありません。

2015020916250000  これで、通販系損保のように颯爽と電話対応ができます。研修では多くの事務員、パラリーガルの皆さんにチャレンジしていただこうと思います。  

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 昨日は埼玉の損害保険代理店協会の支部会にお招きいただき、「交通事故・後遺障害」をテーマに2時間、研修講師を務めました。

image1   30名の代理店店主及び営業マンの皆様の集まりです。普段から交通事故の最前線で活躍している代理店さんですが、後遺障害はめったにない大事故、やはり距離感があります。それでも、今後、顧客様への対応強化につながる内容です。概ね好評価を頂くことができました。これを機に具体的な案件の相談が続くと思います。  今回のような研修・セミナー形式も良いですが、私の真骨頂は代理店様の事務所にのりこんでの店内研修です。お客様に対面している1人1人の担当者様に訴えかけていきたい内容だからです。

 終了後の懇親会では代理店様から色々な悩み、本音を聞くことができました。実はこれが非常に心に響くことばかりで、真っ先に今週末の弁護士研修会に活かしたいと思っています。   続きを読む »

 後遺障害の申請方法は主に「事前認定」と「被害者請求」に二分します。「事前認定」は加害者側に任意保険があり、一括対応(治療費を病院に支払ってくれる)していれば、その流れで後遺障害診断書を任意保険会社に託して申請を進めます。任意保険会社が書類を集めて、自賠責調査事務所に申請してくれるので非常に楽ちんです。対して、自ら申請書類を集積し、チェック・修正を経てから申請する方法が被害者請求です。

c_g_a_5 どちらの方法であっても審査するところは同じなので、「結果は変わらない」と保険会社は言います。そのように思っている弁護士さんも少なくないようです。一理ありますが、他人に証拠を集めさせ、内容を吟味せずに提出されることに不安がないわけありません。まして、その他人とは被害者になるべくお金を払いたくない保険会社です。  そもそも両者の認定方法に差はあるのでしょうか?統計数字を目にすることができませんが、提出書類がまったく同一であれば、ほぼ100%同じ結果のはずです。審査結果を左右するのは、いかに正確な症状の記録を入手するか、それらを漏えいなく集積するかです。それを実現するのはどちらの申請方法がベターなのか・・それが答えです。    さて、本例は同乗者二人に14級が認められたケースです。その二人はそれぞれ「事前認定」、「被害者請求」と申請方法を違えました。顛末は・・。  

14級9号:頚椎棘突起骨折、頚椎捻挫

【事案】

高速道路で渋滞停車中、後続車に追突された。衝撃が強く、CT検査で第六頚椎の棘突起骨折が判明した。大事に至らずも、頚部の痛み、左上肢のしびれが継続した。

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 すみません、病院同行が続き、レジュメ作成が遅れています。まして土日の相談会でふらふら、睡眠時間を削る毎日です。今日は早めに休ませて下さい。  新橋の病院から戻って16時、仕事を切り上げ少し眠ります。事務所の対応は補助者に任せます。zzz…

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 土日の相談会は下肢の骨折(未だ癒合せず・・)の重傷者が2名いらっしゃいました。弁護士による賠償交渉はおろか、等級認定もまだずっと先です。しかし、病院の選定・転院・誘致や検査、労災や健保の手続き、諸保険の請求・・やることがたくさんあります。すべてを被害者一人が抱え込むのは本当につらいはず。早めの相談を推奨しているのは何も商売上の都合ではないのです。早めに専門家のバックアップを確保すべきです。これは言わば、交通事故の戦いにおける軍師を招へいすることです。被害者さんは間違った治療、間違った方向へ流れないためにも軍師を傍らに置いて進めるべきです。

 さて、今日はチンチン電車に乗って荒川区の病院へ。明日はお隣の新橋、明後日は板橋区・・他県への遠征はなく、東京24区内の病院同行です。先週から研修準備で忙殺されていますので、近場は助かります。それでも電車に5分座れば寝てしまう状況、乗り越しが怖いです。

2015020211400000  都電 三ノ輪駅は下町風情満点

2015020211380001続きを読む »

 毎年1月の交通事故相談会の参加者は少な目です。毎回、びっしり予約が埋まりますが、今回は以下、予約空き時間があります。参加ご希望の方は急ぎお電話・メール下さい。  

1/31 大宮  13:00~  16:45~ の2枠   2/1 本厚木 11:30~  13:00~  14:00~ の3枠

    賠償問題は弁護士、後遺障害は行政書士・メディカルコーディネーターが対応、万全の対応をお約束します。

souweb keitui続きを読む »

 来週は研修講師が目白押しです。水曜は損保代理店向けセミナー、週末は弁護士向け研修もあります。それぞれ自動車保険に関することがテーマです。現在、猛烈にレジュメの作成中です。いきなり数十ページの資料を作成することはできません。やはり日々の業務日誌や研究資料の蓄積がものを言います。それでも加筆・修正で20時間はかかりそうです。

 実務家を標榜、毎日のように病院同行に明け暮れる毎日です。加えて毎月3回の相談会、出版に耐えうる文筆業、人前での講師業、求められるオーダーは多肢にわたります。試練の1月となりましたが、乗り越えなければなりません。   akb2  

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 今朝は7:24の新幹線で長野入り、東京も寒かったですがこっちもキツいです。晴れているのにチラチラ小雪が舞っています。気温は-2°でした。本日、長野の病院同行2件は高次脳機能障害です。

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 長野市では実施済の神経心理学検査の確認と追加診断書の依頼でした。昨年もお世話になった医師でしたので、話が早く助かりました。その後、必要な作業を打合せし、後遺障害認定に向けてまっしぐらです。書類がまったく揃わない状況で申請する愚を避けることができました。

 その後、特急に乗り松本方面に下りました。ここでは高次脳機能障害の診断が定かではない高齢の依頼者について、昨年末から専門医の診断・検査をお願いしています。そして、正式な診断を受け、診断書を依頼しました。これで相手保険会社から今後の治療費を容易に確保できます。危なく、単なる痴呆で打ち切られるところでした。 2015012816380000続きを読む »

 昨日の記事から専門用語を解説します。それと専門医から最新の治療情報を。

  ※1 デブリ洗浄=デブリードマン、デブリードメント、略してデブリと呼ばれます。感染、壊死組織は 正常な肉芽組織の成長の妨げとなるため、は創傷外科治癒において最初の処置です。  開放骨折の場合、傷口を洗うような生ぬるいものではありません。骨折面のゴミや骨片を洗浄・除去するにとどまらず、骨と骨髄をゴリゴリ削り取ります。感染症のリスクを低くするため、なるべく多めに組織を除去する必要があるのです。したがって骨の癒合・再生は遅くなります。  

※2 イリザロフ法=1951年、ロシアの医師ガブリル・イリザロフが初めて実施しました。人工的に骨を切り、創外固定器(通称、イリザロフ)をつけます。 そして、外から1日1mmぐらいのペースで骨の隙間を広げていきます。その間、骨の自然治癒力により隙間が修復され伸びていくわけです。最近ではケガ(下肢の短縮障害)だけではなく身長を伸ばす手術としても知られています。原始的な方法ですが脚を伸ばすには最も効果があります。 c_g_l_26

★ 最新知識

 本日、専門医の面談にて、感染症の監視のためのPET検査があり、これが有用であることを聞きました。開放骨折では感染症を防ぐことが基本中の基本です。PET検査は一般にガン検査に用いられますが、この専用PET検査はまだ一般的には流布していないようです。

pet_001続きを読む »

 現在、下肢の重症案件を数件お預かりしています。下肢の骨折の中でもやっかいなのは開放骨折です。これは骨折部が皮膚を突き破り、外に出てしまった骨折を指します。人体の内部での骨折と違い、骨の内部にゴミやばい菌が入ってしまうからです。 kaihou 過去記事 ⇒ 開放骨折のガステロ分類  治療は骨の整復の前に、骨の開放部のごみや骨片を綺麗にする必要があります。洗浄と言うより、骨や骨髄までゴリゴリ削り取る作業です。ばい菌を残さないために組織ごと、多めに削り取らなければなりません。したがって骨の癒合が大幅に遅れてしまうのです。これを「デブリ洗浄」(※1)と言います。  そして、ばい菌が暴れださない様、血液、骨髄の監視が続きます。昨年、ようやく解決した被害者さんは受傷から1年後になって感染症となり、せっかく骨も傷口も塞がってきたのに、再度切開し、感染部をデブリ洗浄しました。また整復のやり直しです。おかげで症状固定まで3年を要しました。

 現在も感染症の危険を抱えた、開放骨折の依頼者さんを3人お預かりしています。治療費を支払う保険会社との折衝、長期的に診てくれる病院・医師の確保で奔走することになります。場当たり的で何もできない病院には早く見切りをつける必要があります。また、相手保険会社からしっかり治療費を確保しなければなりません。保険会社としては長期かつ手術が数度伴うので健保の使用を強く要請してきます。しかし、病院側は健保使用により、イリザロフ法(※2)など特殊治療、入院期間の縛りなどの治療内容の制限がなにかと妨げになるので困ります。自由診療による治療費の利益(=健保の2倍以上)だけの問題ではないのです。  このような周囲の思惑が絡み、うかうかしていられないのです。色々な調整、交渉が必要となりますので、ここはメディカルコーディネーターの真骨頂です。

 交通事故の解決では、この前半戦が重要となることがしばしばあります。重度の骨折の被害者さんは早期に専門家を確保して下さい。賠償問題は後回し、まずは自らの足で再び歩くことが目標です。

※1~2は明日解説します。  つづく 

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部位別解説 後遺障害等級認定実績(初回申請) 後遺障害等級認定実績(異議申立)

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