腓骨筋腱周囲炎(ひこつきんけんしゅういえん)    2015年5月3日、広島の黒田博樹投手が、出場選手登録を抹消されました。チームドクターの診察では、右腓骨筋腱周囲炎と発表されています。開幕から、慢性的な痛みがあり、アイシング治療を続けてきたが、改善していないとのことです。そこで、箸休めですが、腓骨筋腱炎を検証してみます。直接の交通事故外傷では、まず、みられませんが、予後に二次的発症の可能性はあります。

(1)病態

 上図は、オレンジ色が短腓骨筋、青色が長腓骨筋で、どちらも、足首を外へ返す働きをしています。印は、腱鞘の中を、長・短腓骨筋腱が並んで走行しています。腓骨の下部骨端に付着した腓骨筋腱は、膝の外側の下から足首の外くるぶしの後を通り、足の甲に付いていて、足を外返しするときに使う筋肉で、下半分は腱で構成されています。

 そうです、右腓骨筋腱炎は、下腿に発症する腱鞘炎なのです。黒田博樹投手は右投げですから、右が軸足となります。右足を強く踏ん張る動作の繰り返しで、炎症を起こしたものではないかと予想されるのです。   (2)症状

 腱鞘炎ですから、患部の痛みと腫れです。メジャーに比較して、日本球界のマウンドは、やわらかい?マウンドの斜面では、日本球界の角度は、急である?マスコミでは、こんな指摘がなされていますが、右足への負担がどうだったのか、今のところ不明です。   (3)治療

 発症の原因となっている動作が制限されます。保存的に、テーピングや外用剤で湿布を行いますが、関節の拘縮を防止する必要から、リハビリでは、軽いストレッチが行われています。痛みが激しいときは、ステロイド注射を併用します。

 いよいよ改善が得られないときは、腱鞘の切開術が行われ、圧迫を開放しています。   (4)後遺障害のポイント

 ほとんどは、保存療法で改善が得られます。改善が得られなくても、腱鞘の切開術で完治しますから、後遺障害は残しません。    次回 ⇒ 変形性足関節症  

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 足関節離断性骨軟骨炎(そくかんせつりだんせいこつなんこつえん)

外側の前距腓靱帯が断裂し、距骨と脛骨が衝突しています

  (1)病態

 足関節離断性骨軟骨炎は、足首の捻挫に伴う二次的な損傷ですから、受傷直後は、足首に痛みを感じることはなく、違和感を自覚する程度です。

 そして、この症例は、骨端線が閉鎖する以前の小・中学生に多く見られるのが特徴です。後段の55距骨軟骨損傷でも解説していますが、足首の内返し捻挫で、距骨と脛骨が衝突すると、その衝撃で、前距腓靱帯は部分断裂を起こします。   (2)症状

 足関節の痛みと腫れ、足首の不安定な感じ、捻挫を繰り返す、適切な治療が行われず、靱帯損傷が放置されても、安静にしていれば、腫れや痛みは引いてくるのですが、足関節には不安定性が残り、歩行や運動で、捻挫を繰り返すことになります。

 内返し捻挫の回数を重ねるうちに、脛骨の衝突を受けた距骨軟骨が傷つき、さらに症状が進行すると、距骨軟骨下の骨が壊死を起こし、軟骨が剥がれてしまいます。剥がれた軟骨は、関節遊離体(※)となって関節の中を動き回り、激痛、関節水腫を発症、また、関節の間に挟まって、ロッキングを起こすこともあります。 続きを読む »

 一番軽い後遺障害である14級9号ですが、その最終的な賠償金はバカにできたものでありません。主婦であっても、300万円を超すお金がお財布に入ります。痛みが半年も続けば、保険会社の治療費対応を止めて、後遺障害申請の一手のみです。

 ただし、骨折等明らかな損傷、画像所見が乏しい中、症状の一貫性と受傷機転など信憑性からジャッジされますので、時には苦難の末の認定となります。必然的に再請求=2度目の申請による認定も多くなります。今月の認定から、味のある認定を2つ紹介します。      いずれも簡単ではありません   併合14級:膝関節挫傷(40代男性・東京都)    続きを読む »

 𦙾腓靱帯損傷(けいひじんたいそんしょう)   (1)病態

 前距腓靭帯よりも、上側に位置し、前方を前脛腓靱帯、後方は、後脛腓靱帯と呼び、脛骨と腓骨の下部を離れないように締結しています。

 

 脛骨と腓骨は距骨を内外側から挟み込むソケットであり、その役目を果たすため、脛腓靱帯により、脛腓間をしっかり連結しています。脛腓靱帯損傷で、脛腓間の連結が緩むと、距骨の円滑な運動が損なわれて、距骨軟骨面である滑車が、脛骨や腓骨の関節面と衝突、関節軟骨の骨折や変形を生ずる原因となるのです。転落で着地するときに、足首を捻ると、その衝撃で距骨が脛骨と腓骨の間に潜り込み、脛骨と腓骨間が拡がり、この2つの骨を締結している前脛腓靭帯が損傷するのです。   (2)症状

 症状は、足首前方の痛みと腫れですが、引き延ばされた、もしくは部分断裂では、大きな腫れや、強い痛みはありません。しかし、前脛腓靭帯と前距腓靱帯の2つが断裂したときは、激痛で、歩けなくなります。   (3)治療

 前脛腓靱帯は、他の靭帯よりやや上にあり、触診でこの部分に圧痛があれば、この靭帯の損傷が疑われ、治療は、引き延ばされたものや部分断裂であれば、包帯やテーピングなどでしっかりと固定し、靭帯がくっつくのを待つことになります。

 重症の断裂では、腫脹をとるためにスポンジ圧迫のテーピングを5日前後行い、以後は、原則としてギプス包帯固定が行われています。固定をしっかり行わないと靭帯が緩んだまま癒着し、関節が不安定になります。このグレードであれば、4週間前後で痛みはなくなり、6週目からは運動を再開することができます。

 しかし、前距腓靱帯と前脛腓靱帯が断裂しているときは、難治性であり、アンカーボルトで固定する手術が選択されます。足首の底・背屈運動では、脛腓靭帯結合部は、1.5mm離開し、前脛腓靱帯にストレスがかかります。ギプス包帯で固定しても、くっつくのに相当の時間がかかり、早期運動療法には馴染まないのです。そこで、靱帯再建術が選択され、時間をかけて注意深くリハビリが行われています。   (4)後遺障害のポイント

 歩行中や自転車、バイクの運転中の交通事故で、右足首を捻挫しました。治療先では、どんな姿勢で捻挫したのか、受傷機転が確認されます。その後、痛みのある部位を触診して、どの靱帯が、どの程度損傷しているのか、腫れも参考にしながら、丁寧にチェックされます。最後に、XP撮影で、骨折の有無が検証され、骨折がなければ、なんとなく、ホッとします。    でも、これで診察が終わるのではありません。    次に、靱帯損傷のレベルをエコー検査で確認することになります。部分損傷、断裂では、ギプス固定+早期運動療法が診断され、治療方針が説明されます。

 ギプス包帯で固定し、松葉杖の貸し出しで初診は終了します。完全断裂でも腫れが強いときは、入院となり、MRI検査が指示されます。患部に対しては、RICEの処置がなされます。

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 前距腓靱帯断裂 (ぜんきょひじんたいだんれつ)

内返し捻挫

  (0)まず、足関節の主要靭帯を整理します

 かつての無料相談会では、内返しと、外返し捻挫を混同している被害者が、たくさんいらっしゃいました。内返しとは、土踏まずが上を向き、足の裏が、内側に向く捻挫と覚えてください。ゆっくり試してみると、すぐに分かりますが、足裏は、外には向きにくい構造となっており、大多数は内返しに捻るので、外側靭帯を損傷することが多いのです。もちろん、急激、偶然かつ外来の交通事故では、外返し捻挫も、発生しています。

 足首は、下腿骨の脛骨と腓骨で形成されるソケットに、距骨がはまり込む構造となっています。前距腓靱帯(ぜんきょひじんたい)、踵腓靱帯(しょうひじんたい)、後距腓靱帯(こうきょひじんたい)の3つをまとめて外側靱帯と呼んでおり、外くるぶしの下側に付着しています。

 前距腓靭帯は、距骨が前に滑ることを、踵腓靭帯は、距骨が内側に傾斜することを防止しています。足首の捻挫で、損傷頻度が高いのは、前距腓靱帯です。その次は、踵腓靱帯ですが、後距腓靱帯損傷は、滅多に発生しません。

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 足関節不安定症(そくかんせつふあんていしょう)

(1)病態

 いわゆる捻挫癖で、なんども捻挫を繰り返し、痛みが持続する障害を足関節不安定症といいます。

 内返し捻挫で損傷した、外踝下にある外側靭帯、前距腓靭帯と踵腓靭帯が、十分修復されていないことを原因として、足関節不安定症が出現するのですが、さらに放置しておくと、足関節の軟骨も損傷し、変形性足関節症に増悪、日常歩行に、深刻なダメージを与えます。    (2)症状

 足関節の鈍痛、歩行や階段の昇降で、足首がぐらつく、頻繁に足首を捻挫する等。   (3)治療

 足首を強固に締結する主要な靱帯は、前距腓靱帯、踵腓靱帯、後距腓靱帯、脛腓靱帯の4つです。

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 中足骨とは、足の甲の5本です。弊所でも、第5中足骨の骨折例は多く、足部でも折れやすい骨です。外傷がなくとも、疲労で折れることから「疲労骨折」の代表部位です。他に「ジョーンズ骨折」とも呼びます。中足骨は、長時間の歩行でも折れることから「行軍骨折」なんて呼び方もあります。

 さて、本件の被害者さんは料理店の女将さんです。お店を切り盛りしている立場ながら、骨折でしばらくお店に出れませんでした。目標は年末の繁忙期までに回復させることです。一方、佐藤としては、足趾の可動域制限の13級を追いかけましたが・・医師の尽力と本人の努力から回復、痛みの14級に下がりました。

 ケガに比して、賠償金は今一つ伸びないと思います。出来るだけ通院慰謝料での増額を期して、弁護士に引継ました。14級を超える賠償金を、愛のある解決を頼みます!

 

14級9号:第1~4中足骨骨折(40代女性・神奈川県)

【事案】

横断歩道を歩行中、左方より走行してきた自動車に接触し、負傷した。直後から足の痛み、神経症状に悩まされる。第5中足骨のみの骨折は多いが、第5以外の4本は珍しい。 続きを読む »

アキレス腱滑液包炎(あきれすけんかつえきほうえん)

オレンジ色 正常な滑液包

オレンジ色 腫れた滑液包   (1)病態   ① 滑液包は、アキレス腱とかかとの骨の間に1つのみ存在しているもので、この滑液包が炎症を起こすと腫れて痛み、アキレス腱前滑液包炎を発症します。   ② アキレス腱に対する強い圧迫が続くと、アキレス腱と皮膚の間に防護的に滑液包が形成されることがあり、この滑液包も炎症すると腫れて痛み、アキレス腱後滑液包炎を発症します。アキレス腱と皮膚、踵骨の間には、液体で満たされた袋状の、滑液包があり、クッション材として摩擦防止の役目を果たしていますが、この滑液包が炎症を起こすことがあります。    この症例は、若い女性に多く、ハイヒールなど、かかとの後ろを支える部分が硬い靴で歩いていると、かかと後方の軟部組織が繰り返し圧迫され、アキレス腱に過度の負荷がかかることにより炎症するものと考えられています。

 交通事故では、かかと部に対する直接的な打撲で発症しています。外傷では、直後から症状が出現するのですが、外傷でないときは、症状は徐々に進行していきます。   (2)症状

 腫れで赤くなり、熱感、かかと後方の痛み、炎症している滑液包が大きくなると、かかとの皮下に赤いしこりが出現、痛みが生じます。炎症が慢性化したときは、腫れは硬く、大きくなり、赤色は薄れてきます。   (3)治療

 症状の確認と触診がなされ、XP検査を行って診断されています。踵骨骨折の可能性を除外する必要から、XP検査が行われているのです。治療は、かかとの後方にかかる圧迫をなくす必要から、靴の底にヒールパッドを入れます。

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  (1)病態

 アキレス腱断裂とは、アキレス腱=踵骨腱が断裂することです。アキレス腱は、体の中でもっとも大きな腱で、ヒトが立ち上がる、歩くときに使用しています。

 交通事故では、歩行中、突然、車が突っ込んできて、それを避けようとした際に、ヒラメ筋が急激に収縮すること、車の衝突を受けた際の、直接の外力によって、アキレス腱を断裂することがあります。

 スポーツ・武道では、球技全般に起きますが、何と言っても剣道が多いようです。秋葉の学生時代、3例みています。   (2)症状

 アキレス腱の部位の激痛、歩けない、足をつくと、たちまち転倒する、つま先立ちができない、階段の上り下りができない、などです。足関節がぶらぶら状態の完全断裂では、縫合が急がれます。   (3)診断と治療

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(1)病態

 前回㊳で果部骨折を解説しましたが、コットン骨折は、内果と外果の両果骨折に、脛骨の後部、後果骨折を合併したものを三果骨折、コットン骨折といいます。

 コットン骨折の多くは、距骨が前方もしくは後方に脱臼するので、足関節の脱臼骨折を伴います。交通事故では、軽貨物車を運転中、2トンとラックとの衝突で、自車がスピンし、電柱に激突した、バイクを運転中に、軽トラックの追突を受け、堤防から転落した、そして、意外に多かったのは、トラックからの荷物の積みおらし作業で、荷物を足下に落とした例です。   (2)症状

 激烈な痛み、腫れ、骨折部の内反もしくは外反変形、皮下出血などで立ち上がることができません。   (3)診断と治療

 診断は、足関節の腫れ、圧痛、変形、皮下出血をチェック、骨折は、XPで確定します。後果の骨折は、正面からのXPでは発見されないこともり、CT、特に3DCTやMRI撮影が有用です。

 従来は、麻酔科で徒手整復後、ギプスをタイトに巻いて8~10週間の固定が実施されていましたが、現在は、スクリュー(海綿骨ねじ)で内・外果骨折部と脛腓間を固定、後果部もスクリューで内固定し、術後は6~8週のギプス固定、4週よりはPTB歩行ギプスになります。

 整復不能例では、スクリュー、鋼線による引き寄せ締結法、プレート固定が行われています。三果骨折、コットン骨折後の足関節の可動域の予後は不良です。後果部の骨折が3分の1以上のものは、この治療を行っても、予後は不良とされています。レアケースですが、難治性疼痛症候群やCRPSを惹起しやすい部位でもあります。   (4)後遺障害のポイント

Ⅰ.

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足関節果部骨折(そくかんせつかぶこっせつ)

    (1)病態

 足関節果部骨折とは、足首のくるぶしの骨折のことです。足関節は、足関節の上にある脛骨と腓骨の遠位端部をソケットに見立てれば、これに、はまり込んでいる距骨、脛骨、腓骨と靭帯でつながっている踵骨の4つの骨で構成されています。交通事故では、バイク対自動車の衝突で、バイクの運転者が跳ね飛ばされたときなど、足関節に強い外力が働くと、足関節周囲の靱帯損傷や脱臼、骨折が生じます。下腿の骨折で最も頻度の高い骨折です。

 果部とは、俗に梅干しと呼ばれる出っぱりの部分で、自分で触れて、確認することができます。果部骨折は、内側の脛骨の出っぱりを骨折した内果骨折、外側の腓骨の出っぱりを骨折した外顆骨折、内果と外果の両方を骨折した両果骨折の3つがあります。さらに、脛骨の内果と後果が折れた上に、腓骨の外果を骨折した三果骨折があります。

 両果と三果の場合、関節のソケットは破壊され、多くは足関節の脱臼を伴います。さらに、少なからず周辺の靭帯も損傷します。後遺症なく回復することは極めて少ないと言えます。両果、外果、内果は、(4)後遺障害にそれぞれの認定例を挿入しています。また、三果骨折は(コットン骨折)は次回に集中解説します。    続きを読む »

(4)後遺障害のポイント

 交通事故外傷では、癒合で完治と断定することはできません。成長の著しい幼児~10代は、爆発的に骨組織が伸長するので、容易に癒合します。しかし、その後、骨折しなかった方の足と比べ、転位や骨成長の左右差、軟骨の不具合による関節裂隙の左右差などが残存することがあります。これが、骨短縮、可動域制限、疼痛などにつながれば後遺障害の対象となります。    解説 👉 骨端線損傷と成長線骨折   Ⅰ.

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腓骨遠位端損傷・骨端線損傷(ひこつえんいたんそんしょう・こったんせんそんしょう)  

  (1)病態

 成長期の子ども、(女子では15歳、男子では17歳頃まで)に特有な骨折です。足関節の脛骨および腓骨の遠位端には成長軟骨層があり、骨端核を中心に成長していきます。骨端線損傷は、骨の骨端線部分およびその周囲に起こる骨折のことです。

 ここでは、腓骨の遠位端・骨端線損傷を中心に解説します。

 成長期では、どんどん骨組織が発達します。下腿骨の脛骨と腓骨が、どんどん伸びていくのです。この時期に、足の捻挫などにより骨端線、成長軟骨部分を損傷することがあります。足関節を構成する脛骨および腓骨の遠位端には成長軟骨層があり、骨端核を中心として、成長と共に成人の骨へと変化していくのですが、骨端部分が成人に近い状態にまで完成されても、脛骨と腓骨の成長が終了するまでは、骨幹と骨端の間に骨端線が残っています。

 骨端線部分は完成された骨よりも当然に、強度が弱く、外力による影響を受けやすい部分であることから、強い外力の働いた捻挫や衝撃で骨端線損傷を起こしやすいのです。損傷の程度が軽いものでは、XP検査でも分かりにくく、捻挫と診断されるようなものから、骨端線からきれいにスライスしたように骨折している重傷例まで、いくつかの種類に分かれます。   ◆ 骨端線損傷のパターン

① 脛骨の骨端線を横断するように骨端線が離開したもの続きを読む »

浅腓骨神経麻痺(せんひこつしんけいまひ)

 軽い内返し捻挫をイメージしてイラストを作成しています。   (1)病態

 膝窩部で坐骨神経から枝分かれした総腓骨神経は、腓骨々頭の後ろから前側に回り込むように走行し、膝下部、深腓骨神経と浅腓骨神経に分岐して腓骨に寄り添って足趾まで下降しています。

 下腿を走行、下降してきた浅腓骨神経は、足関節の手前で、中間足背神経と、内側足背神経に分岐し、足趾に到達、足の甲から足指の上側の感覚を支配しています。

 上のイラストですが、上の青○印の部分で、浅腓骨神経が圧迫されることが多いのです。下の青○印は、足首を内返しに捻挫したときに、距骨の角が隆起して浅腓骨神経を下から押し上げ、伸びてしまうことがあります。   (2)症状

 いずれも、足の甲の先部分にしびれと痛みを発症します。   (3)治療

 浅腓骨神経麻痺は、足の甲部周辺の感覚を支配する神経であり、この神経に麻痺が生じても、足関節や足趾の自動運動が不能になること、筋萎縮することもありません。

 青○印の2つのポイントを圧迫しないようにすれば、程なく改善するもので、交通事故であっても、後遺障害の対象ではありません。   (4)後遺障害のポイント   Ⅰ.

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深腓骨神経麻痺=前足根管症候群(しんひこつしんけいまひ)

    (1)病態

 イラストのピンク色の線が深腓骨神経で、赤色で表示された部分の感覚を支配しています。青色の部分は、下伸筋支帯といい、筋膜が変性してできた腱で、ちょうど足首を回り込むようにして存在し、トンネルのような形状で足の背部を通る4つの筋肉を足根骨に押しつける役割を果たしているのですが、深腓骨神経はこの下を通り抜けて出てくるのです。

 サンダルのストラップによる圧迫、ジョギングシューズの紐の締め付けなどの繰り返しで、前足根管症候群を発症すると考えられています。足の下伸筋支帯の圧迫により生じる深腓骨神経麻痺は、前足根管症候群と診断されています。

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(4)後遺障害のポイント   ◆ 腓骨神経麻痺の経験は、交通事故110番宮尾氏が医療調査員時代、1999年5月から1年間、治療先に複数回の同行にて学習を続けました。まず、そのレポートから、確定診断までの観察。   ① 好発部位が、膝の外側周辺と、足関節の周辺であること、

② 骨折がなくても、強い打撲で発症する可能性のあること、

② 腓骨神経断裂では、自力で足首や足趾を曲げることができなくなること、

③ 足関節は、drop foot、下垂足の状態となること、

 これらを経験則としてマスターしたことから、傷病名に腓骨神経麻痺がなくても、受傷機転から、腓骨神経麻痺を疑うことができるようになり、結果、この19年で80例を超える経験則を積み上げたのです。   続きを読む »

 腓骨神経麻痺(ひこつしんけいまひ)

印は、腓骨神経断裂の好発部位です。   (1)病態

 長時間の正座で、足が痺れて立つことも歩くこともできなくなることがありますが、これは、一過性の腓骨神経麻痺です。腓骨神経は、坐骨神経から腓骨神経と脛骨神経に分岐しています。腓骨神経は、膝の外側を通り、腓骨の側面を下降して、足関節を通り、足指に達します。

 腓骨神経は、最も外傷を受けやすい神経で、膝窩部周辺や足関節の外傷で断裂することがあり、大腿骨顆部や脛骨顆部、足関節果部の粉砕骨折では、要注意です。   (2)症状

 腓骨神経麻痺では、足関節の背屈や足関節は自動運動が不能で、下垂足(かすいそく)となり、あひる歩行(※)=鶏歩、また、外反運動が不能になり内反尖足(ないはんせんそく※)を示し、足背の痛みを訴えます。腓骨神経の完全断裂では、足趾の自動運動も不能となります。

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 脛骨神経麻痺(けいこつしんけいまひ)

  (1)病態

 脛骨神経は、大腿後面の中央より遠位で坐骨神経の内側部分として分岐し、中央を下行、足関節の底屈と足趾の屈曲を行う筋群と、足関節外果より足背外側、足底の知覚を支配しています。

 脛骨神経は深部を走行しており、外傷の際に損傷を受けることはほとんどありません。稀に、膝窩部で損傷を受けることもありますが、腓骨神経麻痺に比較すれば少数例です。脛骨神経麻痺の代表は、神経の完全断裂ではなく、絞扼性神経障害の足根管症候群です。   (2)症状

 足根管症候群では、つま先立ちができない、足趾の屈曲が困難、足底の夜間痛、痺れなどの症状が出現します。大半は、保存療法もしくはオペで改善が得られるものであり、であれば、過剰反応することもありません。脛骨神経が完全麻痺すると、腓腹筋、ヒラメ筋の麻痺により足関節の底屈、内反、足趾の屈曲が困難となり外反鉤足を示します。   ※ 外反鉤足(がいはんこうそく)  踵足は、足のつま先が宙に浮き、踵だけで接地する足の変形です。中足骨の骨間筋は、神経麻痺のため、足趾に鉤爪変形が生じ、また、足底の感覚障害も起きます。   (3)診断と治療

 治療としては、足根管症候群であれば、保存的に、ステロイド剤の局注、鎮痛消炎剤の内服、足底板の装用、安静で改善を見ることもありますが、効果が得られなければ、屈筋支帯を切離し、神経剥離術を実施します。   (4)後遺障害のポイント   Ⅰ.

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 坐骨神経麻痺(ざこつしんけいまひ)

    (1)病態

 坐骨神経は背骨から出発、お尻を貫いて太ももの後面を下がり、ふくらはぎを通って足に分布します。

 坐骨神経は、末梢神経では、最も太くて、長さが1mの神経です。大腿後側の中央まで下降して、そこで、総腓骨神経と脛骨神経とに分岐しています。つまり、膝の裏までは、坐骨神経であり、そこから脛骨神経と腓骨神経の2手に分岐し、この2つの神経が足の運動と感覚を支配しているのです。   (2)症状

 坐骨神経麻痺では、ふくらはぎの裏側や足の裏の痺れや感覚鈍麻、うずき、灼熱感、疼痛を発症し、膝や足の脱力感を訴え、歩行困難となります。

 完全断裂では、足関節の自動運動不能、下垂足を示し、膝の屈曲が自動でできなくなります。   (3)診断と治療

 坐骨神経麻痺は、坐骨神経が圧迫されたことによる絞扼性神経障害もしくは座骨神経痛であることが大半であり、この因子を除去してやれば、改善が果たせます。

 MRI、針筋電図、神経伝達速度検査で診断されていますが、腰部脊柱管狭窄症、腰部椎間板ヘルニアに合併しているときは、ラセーグテストやアキレス腱反射の神経学的検査でも確認できます。

 治療は、保存療法が中心で、鎮痛消炎剤や筋弛緩剤の内服で、炎症を抑制しつつ、物理療法として超音波治療などが行われています。保存療法で改善が得られないときは、圧迫している梨状筋切離術などの手術が行われています。   (4)後遺障害のポイント   Ⅰ.

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