(旧会社名)東京海上さんが平成23年に、続いて損保ジャパンさんも翌年の約款改定で交通乗用具(への補償)を廃止しました。24年内に、各社も続きました。しかし、三井住友さん、あいおいさん、日新さん、AIG(富士火災時代から)、全労災までも(?)が、何故か堅持しています。

 このシリーズの冒頭にも言いましたが、廃止の理由はリザルト(損害率=支払保険金/掛金)の悪化とされます。では、堅持してる会社はそれが保てているのでしょうか?

 某保険会社の社内資料、「交通乗用具廃止のお知らせ」には、より詳しく説明されています。それは、「人身傷害の自転車単独事故での支払が増えたこと、それも、事故状況に疑いが残るものが大半」とのことです。私も、廃止の真の理由は、偽装請求が多発したことが大きいと思っています。その、某保険会社が以下のように例示しています(注意すべき情報の為、事故内容は脚色します)。   ○ 詐欺が疑われる手口   (例1)自転車走行中に転倒、アキレス腱を断裂しました

Aさん、休日に自転車でテニスに行って、その帰宅中に自転車が転倒して受傷、病院に入院しました。診断はアキレス腱の断裂で、治療費(手術費用・入院費用含む)と、休業損害、該当期間の慰謝料を請求、保険会社はAさんが加入する自動車保険の人身傷害(交通乗用具)で支払いました。事故に関する証明は、診断書と本人記載の事故状況説明書のみです。

しかし、担当者は疑惑を持っています。本当に自転車の転倒なのか? 自転車転倒の目撃者はいません。また、この契約者さんは過去に、テニスでアキレス腱を何度か痛めたことがあるそうです。本件事故の当日もテニスに行っています。ゲーム中にケガをしたのでは?とも考えられます。友人とのゲームですから(友人が口裏を合わせれば)第三者的な目撃者もいません。結局、Aさんを信じるしかありません。   (例2)歩行中、自転車と接触・転倒、手首を骨折(橈骨にひび)しました

Bさんは会社の昼休み、お弁当を買いに行く際、路上で自転車がすれ違いざまに接触して転倒、右手をついて骨折しました。レントゲンを撮ったところ、亀裂骨折がありました。病院ではシーネで固定を行い、3ヶ月の通院となりました。これも同じく治療費と、1ヶ月の休業補償、該当期間の慰謝料を請求、保険会社はBさんが加入する自動車保険の人身傷害(交通乗用具)で支払いました。事故に関する証明は、診断書と本人記載の事故状況説明書のみです。

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 人身傷害保険はその補償範囲の面で、ぱっくり二つのグループに分かれます。

 交通乗用具を人身傷害の補償範囲から廃止した会社と、残している会社です。

 飛行機や船、またはエレベーターや人力車での事故は、それなりにレアケースです。やはり、自転車単独事故、自転車同士の事故でも人身傷害が適用される、(以下、赤字で示した)日新、全労災、三井住友、あいおい、AIGの会社の優位性が引立ちます(この保険の収支も赤字にならないとよいのですが)。

 とくに、ご主人が自転車通勤をしている、子供さんが自転車を乗り回している・・・このようなご家族は、絶対に日新、全労災、三井住友、あいおい、AIGを選ぶべきです。乗合代理店さんにとって、お客様にお勧めする保険会社を選ぶ際には重要ポイントと思います。   ○ 交通乗用具を廃止した会社、対象外の会社

東京海上日動 損保ジャパン日本興亜 朝日火災 セコム損害 セゾン火災 ソニー損保 そんぽ24 イーデザイン 続きを読む »

 あからさまな詐欺事件に限らず、保険会社が「怪しいぞ?」と感じつつ保険金支払を行い、それが結局、約款改訂で補償対象から外れる・・このようなことは珍しくありません。前日に続き、その代表的な例を挙げましょう。

 今から8年前に、人身傷害保険(特約)の補償範囲である「交通乗用具」について、東京海上、損保ジャパン(当時の会社名)が相次いで、補償範囲から外しました。理由は、毎度のことですが、「リザルトの悪化」です。つまり、掛金に対して支払保険金が多すぎる状態です。

 例によって、保険内容の説明からですので、前置きが長くなります。    (1)人身傷害保険(特約)とは?     (念のため人身傷害について ⇒ 人身傷害特約について ご存知の方はクリックするまでもないと思います)       ○ 対象となる乗り物

 自動車保険ですから、契約自動車、契約バイクに搭乗中は当然に補償対象です。

  

 また、保険契約者が他の自動車搭乗中(タクシーも含む)の事故、また、歩行中・自転車走行中に他の自動車やバイクにぶつけられた場合は、「車外事故特約(損保ジャパン日本興亜での名称)」を付けておけば補償されます。

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 反響の大きさからいつの間にかシリーズになった「詐欺」の記事、もう少し続けたいと思います。    

ノンフリート等級のすえ置き事故が無くなった・・

  (1)自動車保険の無事故割引・無事故等級の制度

 まず、おさらいですが、個人で契約する自動車保険には1年毎(最近は2~3年の複数年契約も増えましたが)に無事故(保険を使わなかった場合)で割引等級が上がり、次年度の掛金が安くなります。逆に事故で保険を使えば3等級降格して、次年度掛金が上がります。等級は1~20等級で初年度は6等級からスタートします。保険料の自由化後も各社、ほとんど同じ仕組みです。

 このおなじみの制度ですが、5年前の改定で、事故で保険を使った場合、より割増の重い別の体系「デメリット等級」に移動するようになりました。つまり、無事故と事故有、二つの分類となったのですが、背景には保険料収入の増加を切望する保険会社が、事故で保険金を支払った契約者に対し、真っ先に負担を重くしたと考えられます。反対の声も各地で挙がったようですが、よくこの制度の認可が下りたものだと思います。

 本記事の主題は、いわゆる「すえ置き」事故の扱いが同時に制度変更されたことです。旧制度のすえ置き事故とは、下(2)に挙げる特定の事故の場合、修理で自動車の車両保険を使っても3等級降格せず、かと言って来年に無事故等級が上がることなく、前年と同等級に足踏みします。   (2)すえ置き事故のケース

・火災や爆発 ・盗難 ・騒じょうなどにともなう暴力行為や破損行為 ・窓ガラス破損(飛び石や飛来物、落下物による窓ガラスの破損のみ) ・落書きやいたずら ・台風、竜巻、洪水、高潮

 見ての通り、これらの事故は契約者に落ち度がなく、掛金を上げるのはフェアではないと考慮されてのルールと思います。それなりに、契約者の理解、好評を得ていたはずです。しかし、このルールはノンフリート等級の新制度で廃止され、等級はすえ置かれず、次年度は1等級降格の措置となりました。せっかくのフェアな制度だったのですが・・。  これも他物の衝突?

(3)すえ置き事故の措置が何故、無くなったのか

 保険会社の言い訳は常に「リザルトの悪化」です。つまり、支払保険金/掛金収入 の収支バランスである損害率の悪化を是正するための約款改定と説明されます。毎度、それで話が終わるものですが、私はその背景に注目しています。”すえ置き事故をすえ置けない”事情があるのです。前置きが長くなりましたが、ある詐欺の手口=疑わしい請求の増加から、保険会社がキレたのが実情ではないかと。   (4)すえ置き事故を利用した詐欺の手口

 一つは、フロントガラスの業社がグルのケースです。例えば、高速道路などで対向車の跳ね石がフロントガラスに当たって破損したとします。わずかなひびでも車検が通りませんし、危険ですから速やかに修理するものです。この場合、相手は不明なので警察の届出なしに、保険会社は「すえ置き」事故として修理費を支払います。車種にもよりますが、小型車のフロントガラスの付け替えは7~15万円程度でしょうか。高級車・外車はもっと高くなります。ガラス業社は自動車を工場に入れることなく、電話一本でガラス付け替えの出張修理に来ます。代金は保険会社に請求しますので、少し高めの部品代+工賃+出張費であってもなんとかいけそうです。わずか60分の手間でわりの良い売上となります。

 契約者は来年の掛金が上がる事はありませんが、無事故割引きの1等級UPを損することになります。しかし、ガラス業社からバックマージン1~2万円を受け取っていたとすれば・・・。何より、ガラスのひびを人為的につけたとしたら・・・。

 何故か、自営業者や法人含め車を数台所有している者に限って、しょっちゅう、跳ね石による被害を受けます。まるで、順番にガラス交換しているようです。契約者とガラス業社はWinWin、保険会社は忸怩たる気分でしょう。いたずらや盗難による被害の場合は、原則、警察への届出を要求されます。天災は時期が限られます。その点、跳ね石によるすえ置き事故を利用した詐欺は、ちょい悪感覚で誰でも簡単、いつでもどこでも気軽にできるのです。    結局、これら不届き者のせいで、自動車保険のフェアかつ好制度が失われたと思います。ちょい悪も皆が行えば、巨額の保険金ロスとなり、それは結局、契約者に跳ね返ってくるのです。    続きを読む »

 あたり屋は主に人身事故に関する詐欺ですが、事故を装う詐欺の手口は様々です。長くこの業界におりますと、定番的な手口には必ず遭遇します。保険会社・代理店時代の2例を紹介したいと思います。  

○ 追突事故で腕時計が割れた!

 使い古された手口ですが、いまだに腕時計被害を訴えて相談会にやってくる者がおります・・・ネットを通じて詐欺方法が広く流布されているのだと思います。

 歩行中や自転車搭乗中、自動車に跳ねられて転倒した場合、腕時計の破損はありうると思います。しかし、自動車同士の衝突、それも軽微な追突事故で腕時計が割れることなど、あるのでしょうか? 

 実際、自動車の修理費20万円位の事故で、相手方が1週間後にもなって、割れた腕時計を持って保険会社にやってきました。ローレックスの代金80万円の請求です。保険会社担当は、「またかよ」と心で呟き、支払いを拒絶します。「事故の衝撃で腕時計をハンドルに打ちつけた」など、不自然極まりない説明です。さらに、事故直後に破損に気付かないわけはありません。「何日かしてから気付いた」などと言いますが、その間、1回も時刻を見なかったのでしょうか。ちなみに、割れたバッタもんのローレックスは東京・上野のアメ横で売っています。何の為に割れたまま売っているのか?・・。→ その調達に要した1週間かもしれません。  その後、すったもんだを繰り返して、諦めさせることが通例です。私の場合、本件事故は過失20:80でしたので、時計の修理代金の一部をみる代わりに、過失割合を有利に、加えて代車代を含めた賠償金を対案にして、相手保険会社に飲ませました。すっきりしない解決ですが、お客様第一は果たしたと思います。

 昔はヤクザ者や半グレなどが頻繁に使った手口ですが、今や堅気の衆がチョイ悪感覚で詐欺を行うことが多いのです。保険会社や警察に一層の対策が望まれますが、根本的には道徳の問題ではないかと思ってしまいます。  

○ 家が3回燃えた

 世の中には不幸な人がいるもので、今まで住んだ家が3度も全焼したそうです。当時、担当していたお客様の事故連絡を受けて、現場に駆けつけました。

 3回も不審な出火で全焼?そんなわけありません。やはりというか、焼け跡の実調に外部の損害調査会社の方がきまして、一通り見回った後に私に一言、「この人、3回目だ」と。

 このお客様、保険会社の窓口に自動車保険の車両入替手続きに来店、その手続きについて、たまたま支社に居合わせた私に振られたものです。それを契機に、後に自動車保険、火災保険の契約に繋がりました。火災保険の契約の際には、家財の貴重品について細かく設定しました。貴金属や書画・骨董品は「明記物件」として、予め保険契約の際に申告し、証券に記載します。やけに宝石類が多く、細かい人だなぁと思いつつも、基本通り丁寧に保険契約したつもりです。この時に(怪しいと)気付くべきでした。それから3ヶ月後の火事でした。

 火災後、調査レポートを受け取った保険会社は、頑なに支払いを留保しました。有責(支払う)とも無責任(支払わない)とも明言せず、ただひたすら「調査中です」との回答です。その間、保険会社側は私に繰り返し契約の経緯を聴取してきました。今思うと、「代理店もグル」のケースもあるので、わずかに疑われていたのかもしれません。(代理店さんは気をつけた方が良いです。いざとなったら、保険会社は代理店ごと切捨てることもあります)

 そしてさらに3ヶ月、業を煮やした仮被害者さん(としておく)は、私を事務所と言うか倉庫に呼びつけ、物騒な若い衆数名でぐるりと囲みながら、「何故、火災保険金を払わないのか」と尋問です。当然ですが、一営業マンに支払いの権限などありません。私も「保険会社は調査中とのことです」としか答えられません。逆に、こちらからも「何故、過去2回も火災がありながら、黙っていたのですか!」と怒りの追及です。対して、「お前はどっちの味方だ!」とキレまくる始末。なんとか(「支払います」との)言質を取ろうとしているのでしょうか、不毛な恫喝が繰り返されます。このようなやり取りが2時間、世間では「監禁」と言うそうですが。

 その後、相手が保険金請求訴訟をしてきてもビクともしない情報を集めたのか、保険会社の態度は毅然としたものでした。そして3ヶ月、仮被害者さん事務所に行くと、引越して跡形もなくなっていました。何も言わずに去った・・この辺では顔を知られすぎたのでしょうか、新しい職場?を求めて他地域に移ったようです。

 この仮被害者さんの奥さん・ご家族、経営する会社の従業員(若い衆)のすべてにお会いしたわけですが、誰もが自ら放火した保険金詐欺と薄々わかっていたはずです。それでも、沈黙をもって、詐欺的請求を容認する人間模様をみた感があります。詐欺を行う人間の性質を鑑みるに、どうも、「偽装事故でも証拠さえなければ、本当の被害事故である」と定義する、確固たる信念を持っているように感じます。犯罪心理学的には、「行為障害者」の類でしょうか。道徳的な内省など皆無、「自分さえ良ければ他人は関係ない」利己主義の突き抜けた状態です。    いずれにしても、このような小悪党、職業的な犯罪集団の存在が、保険金の損害率を不当に悪化させ、善良な請求に対しても疑いをもつ=保険会社の支払姿勢を硬化させる原因となります。このような輩に弁護士はじめ、関係する業者は絶対に肩入れはできません。「社会全体をもって締め出す」、このような共通認識が必要かと思います。  

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ファミバイについておさらいです

 ファミリーバイク特約とは、自動車にかけている保険に、被保険者やその同居家族が125CC以下のバイク(以下スクーター等)を搭乗中に事故をした場合にも適用できるようにする特約です。

 例えば、一家に一台、自動車はありますが、普段の買い物等で奥様が、または学生のお子さんが通勤等で、それぞれスクーター等を利用することがあります。このような場合、本来、バイクを運転する場合、そのバイクに保険をかけるものですが、一台一台保険をかけていると、その分保険料金がかかることになり、負担が大きくなっていきます。

 また、専業主婦や学生の場合、独自の収入がない可能性があり、すべてに保険をかけるのは現実的ではありません。

 そこで、自動車にかけている保険にファミリーバイク特約を付帯しておくことで、仮に、上記家族がスクーター等に乗ったときに事故に遭ったとしても、自動車保険で対応できるようになります。

 

 このファミリーバイク特約は2種類あります。一つは、自損型といい、もう一つは人身型と、それぞれ一般的に呼びます。

 前者の自損型とは、スクーター等に搭乗中で、相手方がいない自爆事故や、相手方に過失がまったくない事故(こちらが過失100%の加害者)で相手方の保険で補償が受けられない場合の、いわゆる自損事故の場合に定額の保険金を出して頂けるものです。

 これに対し、後者の人身型とは、上記自損事故以外の事故も対象になり、自動車保険でかけられている人身傷害補償特約が内蔵され、その保険金の範囲内で実際にかかった治療費等の費用分の保険金を出して頂けるものです。

 また、スクーター等で事故して相手方(加害者やその任意保険会社)と治療費や後遺障害で争った場合、自動車保険に弁護士費用特約が適用されており、かつ、ファミリーバイク特約も付帯していれば、弁護士費用特約も利用できます。

 スクーター等の購入を考えている方は、ご自宅に自動車があれば是非ご検討ください。そして、もし可能であれば、人身型をおすすめしたいと思います。  

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 本日は、かつての古巣とも呼ぶべき、所属していた保険会社の代理店で研修でした。この代理店所属の損保マンはかつての仲間です。3度目となる今回もホームの雰囲気でした。 テーマは、後遺障害の総論でしたが、最も主張したいことについて、アジってきました。この業務日誌にも書きたいと思います。    この日誌のタイトルに至った経緯ですが、以前、地方の代理店さんから、「秋葉は保険金の支払いを増大させる、保険会社の敵」との烙印を押されたことに端を発します。確かに、保険会社基準での支払いに飽き足らず、そっとしておけばよいのに、後遺障害を掘り起こし、毎度、弁護士を介入させ、裁判基準で保険金をかっさらっていく・・・確かに、保険会社から見れば秋葉は極悪人です。

 しかし、賠償金(保険金)を得た被害者さんは法律上、正当な賠償金を得て解決しただけです。端から、一方的に保険会社を利するような保険会社基準の安い金額が当然として、会社の利益の為に被害者への支払いを抑制する姿勢こそ筋違い、すり替えないで欲しいと思います。まして、お客様を守る立場でもある代理店さんが、保険会社の利益を代弁するのかぁ~?と嫌な気分になります。(もちろん、代理店とて、保険会社の立場でお客さんを説得する場面もありますが、こんな代理店には契約したくないです。)

 そして、私が意図しているのは、決して「誰でも、何でもかんでも助ける」ことではありません。やはり、解決後、代理店さんや私達、弁護士に感謝してくれ、「万が一に備えて、もっと保険に入っておこう」という被害者さんを助けたいのです。 せっかく助けても「感謝しない」、そもそも「保険にあまり入らない」方達は、それほど躍起に助ける必要はないと思っています。まして、「詐病者(うそのケガ)」や大げさ、保険金詐欺の類は、保険会社とも協力して徹底的に排除すべきです。一方、保険会社の不当な払い渋りも同罪と思います。

 代理店の皆さんに毎度訴えていることは、「皆さんの顧客様でも、本当に気の毒な人、助けたい人だけを紹介して下さい」です。賠償志向が度を越している人、人柄や態度に問題のある人、あまり保険に入らない人は、保険会社との相対交渉=安い賠償金解決で十分だと思っています。 残念ながら、そのような方々はこちらが頑張ってもそれ程感謝しません。逆に「支払いが少ない!」と逆恨みすらしかねません。そして、そのような人こそ、解決後に代理店さんがより充実した補償内容の保険を勧めても、入るわけではないのです。まぁケチです。

 感謝して下さる被害者さんは、解決後、より補償の厚い保険に、さらに別口契約と、私達を紹介した代理店さんに報いてくれます。保険契約の動機の一つは、「保険の良さを知った時」と言われています。そのような皆様に惜しみなくじゃんじゃん保険金を払うべきです。それは、いずれ返ってくるものだからです。つまり、大きな視点に立てば、優良顧客への保険金の支払い=保険料収入の増大に繋がります。もし、払い過ぎでも、損害率の悪化は掛金や約款条件で調整されます。この調整が保険のシステムそのものだからです。ズルい請求と払い渋りが、このシステムを阻害するのです。    「Each for All, All for Each(1人は万人の為、万人は一人の為)」 これが、お馴染み保険の根源精神です。事故で保険に助けられた人こそ、より保険に入る、その掛金は次の被害者に生かされます。保険金は循環しているのです。秋葉の立場は、これを支払い面で促進している者です。

 本当の敵が見えてきませんでしょうか。     毎度、研修で吠えております!    

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 中国地方の大雨に始まり、相次ぐ台風上陸、そして、北海道地震・・・南北に長い日本列島は災害の連続です。

 大規模災害での損保の動きは、ダイナミックです。被災したお客様の事故報告を待っているなど、悠長ではありません。被災地を損保社員はもちろん、代理店や外部の調査員総出で回ります。

 今から27年前の台風19号の被害の時、私は保険会社社員でしたが、3日間、水害地域を回りました。長靴を履いてはいましたが、スーツ2着は泥だらけになりました。市役所で明治時代の古地図を入手、今は住宅地ですが、かつての低地や元湿地の地域を優先して回りました。そこには、泥にまみれた家財を片付けながら途方にくれた被災者がおりました。印鑑など省略、保険金請求用紙にサインを促すと、「保険がでるの!」と安堵の顔に・・。ある程度の査定権限を与えれていましたから、迅速な保険金の支払いができました。少なからず、被災者さまからその時のご縁で、ご契約をたくさん頂いたものです。

 災害に際してレンジャーや自衛隊、消防隊、地元の消防団、続くボランティアの皆さんの活躍はテレビ・新聞で知るところになります。保険金を迅速に支払うべく奔走する損保マンの活躍は人知れず・・地味ながら、これも災害救助の一つの役割と思います。ニュースによると、この夏の災害続きで、損保も人手が足りなく、OBもかりだされるようです。安全第一で頑張って欲しいものです。

損保大手、北海道地震で人員確保にOB活用へ

    北海道地震を受け、損害保険大手は建物などの被害状況を調査する人員確保のため、OBやOGを活用する検討に入った。台風21号の被災者対応で多くの社員を関西に派遣し、迅速な保険金支払いに向けた人繰りが逼迫(ひっぱく)しているため。復旧に向け、金融各社は支援体制の整備を急いでいる。

 東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン日本興亜、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険の大手4社は現地に対策部署を設置、各社数十人から数百人の人員を確保して顧客対応にあたる。

 生命保険会社では、住友生命保険が札幌市のコールセンターや保険金支払いの事務部門が停電や交通機関のまひで業務が行えない状態にあるため、機能を大阪府などに移管した。

 3メガ銀やりそな銀行は、被災者に自宅復旧のための貸出金利引き下げや通帳や印鑑なしでの預金引き出し、企業向け融資の金利優遇などの支援を行う。

(産経ビジネス様 記事より引用)  

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 損保代理店時代、毎月、支社の代理店会がありました。会社が音頭をとっての会議ですので・・本当に面倒で退屈、渋々列席したものです。

 昨日は、懇意にしている代理店さまのお引き合いで、某県の代理店会に参加しました。会議の中、1時間を頂き、弁護士と共に講義をさせていただきました。テーマは人身傷害、各社の最新約款比較を行いました。

 代理店さま方の厳しい意見、それを受け止める支社長と社員、キャンペーンの表彰・・全てが懐かしく、往時を思い出しました。あれほど面倒だった会議ですが、外に出てみると、地域の社員と代理店が集まる機会は貴重であり、仕事は常に相互のコミュニケーションが大事であることを再確認した次第です。

 懇親会も参加させていただき、代理店さま、社員さまと大いに語らい、楽しいひと時となりました。いずれ機会が巡れば、当地の皆様と一緒に仕事をすることもあるかと思います。

 K社長はじめ代理店の皆様、H支社長と社員の皆様、昨日はありがとうございました。

  支社裏の駐車場には、なんと湧き水が!

 

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 なんだかんだ言っても、自賠責保険の等級認定は精度が高く、認定結果の多くはその論理的な判定基準に納得しています。

 一方、交通事故でも、加害車両がない自転車事故のように、自賠責保険の後遺障害審査にふす事ができないケースがあります。すると、対応する保険契約を探し、その自社認定に頼ることになります。自賠責保険は任意保険の会社と密接でありながら、第3者機関としての立場で審査します。比して、自社認定は保険金を支払う保険会社が独自審査するのですから、判定のブレはもちろん、一抹の不安があるわけです。

 本件の場合、自身加入の保険会社と加害者が加入する賠償保険(工事業者が工事中、第3者に損害を与えた場合に補償を行う請負賠償保険)双方に審査・請求を行いました。何故、そんなことをするのかは、以下の通りです。

保険請求のプロを自負しています

請負賠償12級13号:膝蓋骨骨折(50代男性・埼玉県)

【事案】

自転車に搭乗中、道路工事の工事中の標識がなかった為、工事現場に進入してしまい転倒、膝を強打、膝のお皿を骨折した。

【問題点】

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 他記事からの引用で恐縮ですが、損保会社の気になる新システムです。完全普及と言えそうなスマホを活用した新システムは、各分野で近々の課題となっています。弊所でも応用したシステムが望まれます。本格的な導入は無理としても、アイデアは参考にしたいものです。   「視界共有システム」の全国展開  ~迅速な損害調査でお客さまを全力でサポート!!~

 MS&ADインシュアランスグループのあいおいニッセイ同和損害保険株式会社(社長:金杉 恭三)は、ICT(Information and Communication Technology) を活用した商品・サービス強化の一環として、2016年度よりスマートフォンを活用した「視界共有システム」を、一部の提携修理工場との間でトライアル導入を進めてきました。6月より全国の修理工場へ対象範囲を拡大し、動画と音声によるリアルタイムな損害調査を実現し、これまで以上に迅速な対応でお客さまを全力でサポートしていきます。

1、「視界共有システム」導入の背景

 当社の損害サービス業務は、゛お待たせしないサービス゛、゛親身な対応゛、゛プロフェッショナルの安心゛を提供する「全力サポート宣言」を掲げ、サービスの向上に努めています。とりわけ、事故車両の見積業務の精度向上と修理期間短縮を目指して取り組んできました。  事故車両の損害調査は、技術アジャスター(物損事故調査員)が修理工場などに出向き損害を直接確認する方法、工場から伝送された静止画像にて確認する方法、または写真プリントで損傷を確認する方法を用いていますが、いずれの方法も損害確認・修理開始までに一定の時間を要していました。

2、リアルタイム損害調査を可能にした「視界共有システム」

 スマートフォンを活用した「視界共有システム」は、高品質な動画映像により、静止画像では確認が困難であった細かい線傷やパネルの歪みなどが確認でき、遠隔地の修理工場ともリアルタイムで修理内容の打合せ・決定が可能となります。その結果、修理工場はお客さまへ修理 内容・金額を早期に案内することができ、迅速な修理着工・納車や保険金支払いが可能となりました。

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受傷機転とは、簡単に言えば、どんな事故だったのか、ということです。

自動車同士の事故だったのか、オートバイと自動車との衝突事故だったのか、歩行者がオートバイにはねられたという事故だったのか、自動車運転中に追突されたのか等、被害者(相談者)がどこで、どのように衝撃を受けて、どんな怪我を負ったのか、を相談者から確認します。

何故なら、自賠責の後遺障害等級申請手続きや保険手続きだけでなく、弁護士が相手方保険会社に請求するときにも極めて重要な情報になるからです。

過去の例をあげていきたいと思います。

(1)交通事故で肩腱板を損傷しました、という相談者がおりました。 診断書には肩腱板損傷とありますが、画像所見が明確ではありませんでした。受傷機転を確認すると、自動車運転中、後ろから相手方自動車が追突してきたというものでした。肩に直接衝撃を受けたわけではなかったのです。 通常、交通事故の強い衝撃で肩腱板を損傷するような場合、受傷直後は激痛で動けなかったり、MRIで明確な水分反応があったりする等、損傷箇所が素人でもわかります。また逆を言えば、それだけの強い衝撃が肩になければ、通常、事故によって損傷することはありえないのです。通常、自動車乗車中に追突されたようなレベルの衝撃では、完全に損傷することはないといえます。よって、受傷機転から、その相談者には自賠責等級の認定は厳しい旨伝えました。 その後、後遺障害等級を被害者請求で申請したようですが、案の定、非該当となりました。

(2)膝の靱帯を損傷しました、という相談者がおりました。 画像上、靱帯損傷が認められそうでしたが、診断名が上がったのが事故から何カ月も経過してからでした。保険会社も治療費をこれ以上出すのが厳しいという対応で、症状固定はやむを得なかった状況でした。 他方、受傷機転を確認したところ、オートバイ運転中に大型トラックが衝突してきたというもので、はねられた後、相談者は身を投げ出されてアスファルトに激突の上、ガードレールにあたってひどい痛みを発症したそうです。相談者はすぐに救急搬送されました。 事故の衝撃から、靱帯損傷をしても無理はない事故状況であったことから、必要な検査を十分にした上で、後遺障害等級申請をして、ギリギリ、等級が認定されました。

これらのことからいえるのは、受傷機転は怪我や症状の確認の基本と言えることです。

受傷機転で発症した症状とその原因をしっかり説明が出来なければ、どんな素晴らしい(?)診断名があったとしても、自賠責調査事務所は診断名を疑い、症状を疑ってきます。他方で、画像所見が明確であったとしても、受傷機転からそのような怪我をするはずがないと判断されてしまうと、事故と怪我との因果関係を疑ってきます(実際に、事故以外の怪我であったことが判明したケースもあります)。

当たり前といえば当たり前の話だと思われますが、どんな時であっても基本(常識)を忘れるようなことがあってはならないということでしょうか。

 

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交通事故で肩腱板を損傷しました、膝の半月板が損傷しました等、過去に様々な相談がきました。

相談会では診断書だけでなく、画像も可能であれば持参して頂いて、総合的に判断します。

ここで注意が必要になるのが、まず、診断書に明確に診断名がない場合とある場合とがあることです。例えば、相談者は骨折したと主張していますが、診断書上では「不全骨折」や「骨挫傷」とあるだけ、もっと酷ければ「骨折の疑い」とされている状態で、完全に骨折したと主張してくる相談者もおりました。

医師が明確に診断できない場合もありますが、実際に明確な所見がない場合もあります。保険手続き上の観点でしか確認することはできませんが、念の為、画像も確認させて頂くようにしています。

他方で、明確に診断名がある場合でも、画像を確認すると、明確でない場合もあります(実際に病院同行して確認すると、医師の方から明確ではない、次回に書く診断書に「疑い」と記入したりすることもありました)。

明確な診断ができる場合とできない場合があることはよくあることですが、交通事故被害者にとっては心配の種です。その場合、専門医に診て頂き、診断名を確定した上で治療方針を相談されるのが理想です。

画像を診て診断できるのは医師のみです。あくまで診断等はせず、保険手続き上の観点で画像上、所見が明確はどうかを判断することがあります。何故なら、交通事故の場合、後遺障害等級の判断に直接影響があるからです。

しかし、今まで見た画像の中には画像所見が不明確な場合も多く、専門医でないとわからないようなことがありました。

それでは、そのような場合、他に判断材料はないのかという問題になってしまいますが、私たちは診断書や画像の他に、もう一つ注目することがあります。それが表題に上がっている「受傷機転」です。  

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 東京オリンピックを前に、事務所周辺のホテル建設ラッシュはすさまじいものがあります。既に事務所から半径500m以内に軽く20軒のホテルがありますが、まだまだ足りないようです。そこで、近年注目されている民泊すが、法整備も進みましたので、次いで新しい保険の開発となりました。以下、概要がわかりましたので、周辺知識として書き留めておきたいと思います。

 

MS&ADインシュアランス グループのあいおいニッセイ同和損害保険株式会社(社長:金杉 恭三)は、2018年6月の住宅宿泊事業法(以下、民泊新法)施行を踏まえ、民泊事業に伴うリスクに対応すべく、民泊事業者向け商品を発売します(2018年6月15日以降保険始期契約より)。   1、背景

・近年、外国人観光客の急増に伴う宿泊施設の不足等を背景に、民泊事業への期待が高まっています。

・法制度面でも、民泊新法施行により、旅館業法の許可を取得していない事業者についても、一定条件を満たすことで民泊事業(住宅宿泊事業)を営むことが可能となりマーケットの拡大が予想されます。

・一方で、事業リスクへの対応の必要性も増していくものと思われることから、民泊事業者(ホスト)と宿泊者(ゲスト)のリスクに対応した「民泊事業者向け商品」を開発し、販売を開始しました。    2、商品改定の概要

民泊新法に基づく「住宅宿泊事業者」向けのプランと旅館業法の許可が必要となる「簡易宿泊事業者」向けのプランを用意しました。

対象商品

施設所有(管理)者賠償責任保険(住宅宿泊事業者向け)   旅館賠償責任保険(簡易宿所事業者向け)   商品概要

住宅宿泊事業者・簡易宿所事業者を対象とした保険で、損害賠償責任とそれに伴う費用をカバーする商品です。    この保険は、施設賠償責任保険が元になっています。簡単に言いますと、受け入れ側の不手際で、宿泊客に損害を与えてしまった場合、その賠償金を肩代わりする保険です。従来からの宿泊施設の専用商品として、旅館賠償責任保険もあります。一般住宅への宿泊、いわゆる民泊は施設賠の特約に、簡易宿泊施設には従来の旅館賠の特約でカバーするようです。   

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 朝5時からレジュメをまとめ、午前のうちに東京駅を出発、現地で代理店さんと打合せ後、相談者さま1名を経て、セミナー突入。今回は久々に人身傷害の約款22社比較。

 ここ数年は約款改定のペースが速く、ほとんど不定期に変化があります。今回も老眼の進行も顧みず、22社の約款に目を通しました。やはりと言うか、1年前の内容から変わっている会社がありました。約款をテーマにした講義では、このようなチェックは欠かせません。油断のならない作業となります。その変化については、非常にマニアックですので、またの機会に解説したいと思います。

 とくに時間を割いた会社はAIGです。今年からAIUと富士火災が合併しましたが、自動車保険の約款は概ね富士火災を踏襲しています。とくに、人身傷害の支払基準上、人傷先行のケースは、三井住友、あいおいニッセイ同和に同じく、「過失分限定払い」となっています。また、賠償先行のケースでは、相手から賠償金を獲得後、自己の過失分を自身加入の人身傷害保険に請求する場合、その損害総額の算定に当たって、裁判上の判決・和解で決まった額であれば、それを損害総額とみなす、損J日興タイプの約款を組み込んでいます。悪い事と良い事を併用していますが、最終的にもめた場合、契約者との協議、それでもダメなら自社との裁判ですから、居直り約款の域を出ていません。だいだい、明確な基準を示すべき約款が、「自社基準が嫌なら話し合いで決めましょう、それでもだめなら訴えて」・・・おかしな話です。約款ですから、単に基準を示すだけで良いのに、もめることを予定したような書きよう・・・なにか後ろめたさを自覚しているのでしょうか。

 今後も適時、約款チェックを続けていかねばなりません。事故が起きてから加入していた保険にがっかりさせられる・・これだけ約款が複雑になれば、契約前のパンフレットや代理店さんの説明が追いつきませんので、仕方のない現象かもしれません。それでも、交通事故のプロを自称する以上、常に約款ウォッチャーでなければなりません。  

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 ご存知の通り、西日本は未曾有の大雨によって、歴史的災害となってしまいました。火災保険でも、総合タイプは水害による家屋浸水は保険支払いの対象です。気になる記事を見つけたので、取り上げます。

 火災保険の掛金は全国一律ではありません。地域によって料率が定められており、住んでいる場所によって掛金が違ってきます。過去の災害記録からでしょうか、崖や扇状地など、都市部では住宅密集地が高いように思います。このような大雨災害が続けは・・料率の見直しが進み、又は引き受け禁止地区もあり得ます。

 さらに、土砂災害は雨とは限りません。地震や地盤面の変動・・・地震によるものであれば、地震保険に加入していなければなりません。雨や地震以外、自然に起こる地盤面の陥没や崩落には、対応する保険がありません。

 日本列島は危険な所なのだと実感します。外資系の保険会社が、(通販であれだけ自動車保険を売りながら)火災保険に参入しない理由の一つと言われています。      日本は災害大国。至る所に断層が走り、全国に約66万区域もの土砂災害警戒区域があり、地震や豪雨による災害がほぼ毎年、各地で起きています。7月、西日本は記録的な豪雨に見舞われ、土砂災害や浸水などの被害が相次ぎました。先々も安心して暮らすには、居住地の災害リスクを軽視できません。

 しかし、損害保険料率算出機構の調査によると、住まい取得時の立地条件について、4割の人は交通の便や通勤時間を、2割の人は価格を最も優先すると答えました。一方、災害リスクの低さを優先するとした人は僅かで、地震や火山などのリスクは7%強、洪水など風水害のリスクに至っては1%強の人しか優先するとしていません。

 土砂災害から国民の生命・身体を保護するため、国は2001年に土砂災害防止法を施行しています。同法による「警戒区域」の指定は、土砂災害が起こる区域を事前に示し、被害を防止するためにあります。自治体は土砂災害が起こり得る危険箇所のうち、住民などの生命・身体に危害が生じる恐れがある区域を「土砂災害警戒区域(イエローゾーン)」に指定し、ハザードマップなどでの危険周知や、避難体制などの必要な措置を講じることになっています。

 さらに、著しい危害が生じる恐れがある区域は「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」と定め、特定の開発行為を規制したり、移転勧告などの措置を講じたりすることとなります。

 しかし、イエローゾーン・レッドゾーン共に、住宅の新築は禁止されていません。こうした危険な地域でも火災保険や地震保険には加入できますし、一定の損害については保険金を受け取れます。

 豪雨や融雪洪水などを原因とする災害は「水災」として補償されます。例えば、14年の広島土砂災害の土石流は豪雨が、17年の九州北部豪雨災害は台風が原因の水災ですから、火災保険に水災の補償が含まれていれば補償対象です。16年の熊本地震では土砂崩れが起きましたが、こちらは地震保険の契約があれば補償を受けられます。

 一方、18年4月に起きた大分県中津市の土砂災害。こちらは豪雨や地震ではなく、地質が原因で起きた災害とみられています。この場合、火災保険・地震保険のいずれからも補償が受けられません。「不測かつ突発的な事故(破損・汚損)」を補償する火災保険もありますが、「土地の沈下・隆起・移動などに起因する損害」は対象外であり、保険でカバーされません。

 危険箇所でも住宅は建てられますし、火災保険にも加入できます。しかし保険金を受け取れない災害なら、被災後の経済的ダメージが相当深刻になることは言うまでもありません。自然災害が頻発する今、住まいの立地選択にはより慎重であるべきでしょう

(清水香さま記事 日経マネー2018年8月号の記事から引用しました)  

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 近年、台風以外の大雨での災害が増えたように思います。都市部ではゲリラ豪雨、山間部では雨で地盤が緩んだ土砂崩れなど、雨による保険支払は地震災害を凌ぐとさえ言われています。

 古い記事で恐縮ですが、損保商品の水害補償を復習したいと思います。基本は以下の通りですが、新商品では支払基準や新しい特約で、内容が違っている可能性があります。記事を鵜呑みにせず、必ず約款を確認し、担当者に問い合わせて下さい。(交通事故以外にはなかなか手が回りませんので・・・)

 

火災保険の風水害支払

地震や津波、噴火は別途、地震保険に加入する必要があります。台風の被害も自然災害ですが、普通の火災保険でもカバーされます。住宅火災保険、普通火災保険、団地保険などでは風災は補償されますが水災の補償は付帯していません。「風災」「水害」共に補償しているのは住宅総合保険、店舗総合、住宅金融公庫特約火災保険、債権保全火災保険(ローンを組む時に強制的に加入された火災保険)などです。

1、(旧約款)「水害」は以下のどちからで支払われます。

(ア)保険金額(再調達価額)の30%以上の損害生じた場合、実損額。

(イ)床上浸水もしくは地盤面から45cmを超える浸水の場合、保険金額の5%。

例・・・建物を1000万円評価で契約した場合、(ア)修理費実額、(イ)50万円となります。

※ (ア)の実損額、(イ)の5%の部分は最近明記していない会社が多いです。恐らく災害規模に応じて流動的な運用部分かもしれません。   2、(新約款) 損保ジャパン日本興亜 個人用火災総合保険『THE すまいの保険』の場合

● 建物

台風や豪雨等によって洪水(こうずい)となり、家屋が流されたり(建物の協定再調達価額の30%以上の損害*)、居住部分が床上浸水したことにより建物が損害を受けた場合に、保険金をお支払いします。

次の算式により算出した額とします。ただし、火災保険の保険金額を限度とします。    損害額*1-自己負担額*2=損害保険金*3   * 1 損害額とは、協定再調達価額を基準として算出し、保険の対象を事故発生直前の状態に復旧するために必要な費用をいいます。(協定再調達価額限度)

* 2 建物を復旧できない場合または建物の損害の額が協定再調達価額に達した場合は、自己負担額を差し引かず、協定再調達価額を損害保険金としてお支払いします。ただし、火災保険の保険金額を限度とします。

* 3 セットされる特約によっては、上記とお支払いする損害保険金の額や支払限度額が異なります。

● 家財

台風や豪雨等によって洪水(こうずい)となり、家財が流されたり(家財の再調達価額の30%以上の損害*)、保険の対象である家財を収容する建物の居住部分が床上浸水したことにより家財が損害を受けた場合に、保険金をお支払いします。

次の算式により算出した額とします。ただし、火災保険の保険金額を限度とします。    損害額*1-自己負担額=損害保険金*2   * 1 損害額とは、再調達価額を基準として算出し、保険の対象を事故発生直前の状態に復旧するために必要な費用をいいます。(再調達価額限度) ただし、明記物件の場合は時価額を基準に算出します。

* 2 セットされる特約によっては、上記とお支払いする損害保険金の額や支払限度額が異なります。   ★ 「雨による」土砂崩れは「水害」として対象となります。雨以外の土砂崩れは、「土地の沈下・隆起・移動などに起因する損害」で免責となります。

★ 「津波」による水害は、地震保険の補償範囲になります。     

自動車保険(車両保険)

一般条件、エコノミー+A特約、共に風水災による被害(風で看板が飛んできてフロントガラスが割れた、ドアを開けた際にあおられドアが壊れた等々)、大雨や洪水の水没(修理費や清掃費)について保険金がおります。

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 1年に2~3件は、審査を間違えたような認定に出くわします。それは、実態よりも軽く判断されることだけではなく、重めの等級が付いてしまうことも含みます。秋葉事務所でも、疑問の残る認定を今年上半期で既に3件カウントしています。

 もちろん、自賠責も労災も厳密な基準が存在し、また、微妙な案件については、自賠責は専門部会があり、13級以上の認定となれば、全件ではないようですが、上部審査を仰ぐことになります。この内部的な基準や審査過程は非公表なので、推察するしかありません。労災は顧問医の診断がありますので、書面審査を原則とする自賠責に比べて、やや安心感をもっています。

 冒頭に戻りますが、明らかな骨折等の器質的損傷があれば、明確な基準に当てはめやすいと思います。しかし、頚椎捻挫などによる神経症状は、客観的な数値がありませんので、症状の一貫性など、全体的に信憑性を判断します。しかし、これもどちらともいえない微妙な判断を強いられる案件もあるはずです。その場合、やはり、審査員の裁量如何になってしまうと思います。年間5万件ほどの14級9号認定に、より精密な調査・審査をすることに限界があります。これ以上、多くの人員や時間を割く事は不可能だと思います。恐らく、14級9号が一番、審査員によって、判断がぶれると思っています。

 その他、鎖骨の変形の判断も、やはり、基準は明確な左右差としていながら、微妙な差の場合は、判断する人の主観に委ねられます。醜状痕なども、○cm以上との基準がありますが、前提として「目立つか否か」を検討しますので、審査側の判断や面接官(1名ではなく、2名となっていますが)の主観で分かれることが少なからずありました。

 高次脳機能障害の等級判定も、専門的な審査会の合議を経ていますが、障害の実像を1、2、3、5、7、9の6段階で判別することは決して簡単ではないと思います。診断書はじめ、各種検査データ等、提出書類の充実が明暗を分けます。しかしながら、これら書類は自動的に集まるものではなく、医師も完全に把握していません。審査側も、審査上欠かせない書類は追加要請してくれますが、親切に提出すべき書類を教えてくれるわけではありません。したがって、主張していないこと=書面化していない障害は「存在しない」ことになります。ですから、私達のような業者が必要であるとアピールしています。個人的には、自賠責側が被害者さんとご家族に面接する必要性を感じていますが、これも、人的・時間的に不可能でしょう。

 人が審査する以上、このようなジャッジのぶれは仕方ないと言えます。ただし、その結果、数十万~数百万円の賠償金をほとんど決定してしまう、自賠責・後遺障害等級の怖さがあります。この分野のプロを名乗る以上、しっかり証拠や主張を揃え、審査側のぶれを少なくする努力をしていきたいと思います。   

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  本日は久々に、都内北部の損保代理店さま向けのセミナーでした。いつも相談を頂いているお馴染みの代理店さまだけではなく、全くの新顔の皆様も参加され、活発にご質問を頂きました。

 

 交通事故は身近なトラブルではありますが、近年の権利意識の向上によって、様々な民事トラブルが起きています。それは、代理店様の経験・相談内容から垣間見ることができます。例えば、昨日の相談ケースでは、公園で犬の散歩中、犬が急に吠えたことに驚いて転倒した高齢者の事故がありました。

この場合、真っ先に浮かぶ保険は、飼い主(加害者)側の個人賠償責任保険です。これは日常生活において、第3者に損害を与えた場合、その賠償金を肩代わりしてくれる保険です(超簡単に説明)。

 被害者側は、まず、各種傷害保険の加入を探します。共済も含め、通院1日あたり○○円と通院補償があります。

 さらに、相手との賠償交渉で弁護士費用特約が強い味方となります。自動車保険の弁護士費用特約でも、三井住友さん、あいおいさん、AIGさん、ソニーさんの場合、「日常型」であれば、このような事故でも対応できます。東京海上日動さんは”超保険”にて「日常型」が選択できます。チャブさんはすべて「日常型」ですし、プリベント小額短期保険はより広い範囲で活用できます。この補償の違いを、すらすら言える人が専門家ではないかと思います。

 

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