さてBさんは救われたのでしょうか
実話 隠れ特約に翻弄されて 第2話
ようやく無保険車傷害特約にて救済の道が開けたBさん、私もア○サさんの担当者と電話で今後の進め方を協議しました。担当者との信頼関係も大事です。まずは相手の支払い能力を見るために「加害者に請求する」ことから始めます。ア○サさんには少し待ってもらうように話しました。それにいくら自分の保険で救済されるかと言っても本来相手が払うのが筋です。したがってこちらも代理人弁護士を付けて本格的な賠償交渉をすることにしました。裁判までやるかどうかは相手の出方次第です。稀に相手の親や親類が訴えられる加害者A君を見かねて支払うケースもあり得ます。
さて、当方の弁護士も決まり、粛々と進めている間、思わぬ横槍が入りました。
その横槍とは他でもないア○サさんです。Bさんは弁護士と委任契約を済ませ、ひとまず安心していたのですが、今まで保険請求に対し一向に相手にしてくれなかったア○サさんから内密に話があると…。別の担当者からものすごく丁重に今後の事について相談が持ちかけられました。
ア〇サ:「このたびはお見舞い申し上げます。・・・中略・・・Bさんも早く解決したいでしょう。それに相手は支払い能力がないので結局私どもが保険金を支払うことになります。したがって裁判をしても弁護士費用が無駄になるだけです。私どもならすぐに保険金を支払います。」
Bさん:「本当ですか?じゃいくら払ってもらえるのですか?」
ア○サ:「この通りです。」 計算書を用意していた。
Bさん:「でも弁護士先生にもう頼んでしまいました」
ア○サ:「裁判をやめてすぐお金を受け取るかどうかはBさん次第ですよ」
Bさん:「・・・・」 結構な額に心が揺れています。
さて、私や弁護士を差し置いて、ア○サさんがとったこの一連の動き、これを理解できますか?これが説明できれば保険通です。
これは裁判で決まる賠償額と保険会社が独自基準で計算する額があまりにも違うからです。判決によって金額が上下するとしても、裁判で獲得する金額は保険会社基準の2~3倍になります。つまり判決ででた金額を(当然A君は払えないので)そのままア○サの無保険車傷害特約に請求されたらたまらない!とア○サは考えたのでしょう。それで裁判を止めさせ、Bさんを目先の金で釣りこもうと画策したのです。だから担当者も私に内緒で進めたのだと思います。
これが保険会社のやり方だとすれば、被害者救済と言いながら、払い渋りへ一生懸命
・・・情けない気分になります。
続けます。
そしてア○サさんには敵対宣言です。具体的には弁護士からア○サに対して保険金請求に関してBさんとの委任状を突き付け、今後Bさんへの接触を遮断しました。 これで味方であるはずの自身が契約している保険会社も敵となったのです。
つづく