昨日は都内の某耳鼻科へ。脳の障害を原因する嗅覚、味覚の異常を訴える被害者さんをお連れしました。
医師から検査の立会についてご許可を頂きました。私は出来るだけ検査に立会うようにしています。まさに被害者と一心同体で進める立証作業です。しかしそれだけではありません。実際に体験、見学すると障害への理解がぐっと深まります。書物だけの知識ではぼんやりしたイメージしか持てませんが、見たもの、体験したものは段違いです。
嗅覚
1、T&Tオルファクトメーター
甘い匂い、焦げた匂い、腐敗臭 等々・・・5種類の匂いを試験管のような筒の先につけて、それを嗅いでもらい、濃淡0~5まで段階評価します。特に腐敗臭は同じ部屋にいても匂ってきます。この強烈な匂いが匂わないの?・・・嗅覚が完全脱出した被害者さんもいました。時間はおよそ20分程度です。
2、アリナミンPテスト
もう一つの嗅覚障害の有無や程度を調べる検査です。静脈性嗅覚検査と呼ばれています。ニンニク臭を感じるようになる注射液を静脈という血管に注射し、ニンニク臭を感じ始めてから消えるまでの時間を測定します。注射液が静脈から肺に流れ、それが呼気に排出され、後鼻孔から嗅裂に達し刺激臭になります。この注射開始から臭いの感覚が生じるまでの時間:潜伏時間、臭いの感覚が起きてから消えるまでの時間:持続時間としてその間隔を開始〇秒、消失〇秒として測定します。 アリナミン・プルスチルアミンとはニンニクとビタミンB1の化合によりできるもので、市販されているビタミン剤に含まれています。元気になる、元気が持続する薬です。検査した被害者さんは「甘い」匂いを感じたそうです。 他にアリナミンFテストがあります。これもアリナミン・フルスルチアミンというビタミンB1誘導体で多くのアリナミン剤の主成分です。 このフルスチルアミンを使った検査は自賠責、労災の審査では参考数値程度として重視されません。ではPテストとFテストで何が違うのか?薬品の成分も親戚のようなものです。検査方法も同じですし・・・今度医師に質問してみます。
続きを読む »