昨年から首都圏を中心に10を超える弁護士事務所に「連携」を説いて回っています。
私たちが常日頃口するこの「連携」とは、単に業務提携を呼びかけたものではありません。また自賠責被害者請求は行政書士、相手との交渉は弁護士、この2局面をつなぐだけの単純なものでもありません。これは交通事故の被害者を救済する、まったく新しい発想と自負しています。それは「被害者救済業務」すべてをひとつの事業と考えるプロジェクトです。
これを今日から数回、腰を据えてじっくり解説します。
まず被害者救済業務の全体像を把握してもらうことから始まります。およそ交通事故に遭ってから解決まで、被害者本人、病院、メディカルコーディネーター(行政書士等)、弁護士の4者の仕事を整理します。
<完全解決までの基本的な流れと役割>
事故 発生 |
治 療 |
症状 固定 |
等級 認定 |
賠償交渉 |
解決 |
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被 |
警察
|
事故 |
健保 手続 |
保険会社との折衝 |
保険 請求 |
検査 後遺 |
事前認定 被害者 請求 |
示談交渉 紛争センター 裁判 |
報酬 |
物損 |
|||||||||
病 |
救急 |
治療・検査・リハビリ |
診断書 |
リハビリ継続 |
|||||
行政 |
サポート |
立 証 |
書類収集 |
||||||
弁 |
|
代理交渉 |
交通事故の被害者が解決までに、「どのような局面でピンチに陥っているのか?」、「どのような救済を欲しているのか?」、この表から想像ができると思います。
被害者さん達は弁護士事務所へ相談にいくまで様々な困難を経験します。
例えば・・・
1、当初軽いケガと思って、事故の届出を「物損事故」としてしまった
2、警察の現場検証が不正確のまま、検察に書類を送られてしまった
3、保険会社と過失割合で対立している
4、保険会社が修理費のみで代車代や格落損害を払ってくれない
5、自分が悪い事故なので、治療費を健康保険で支払わなければならないのに、病院が健康保険を使わせてくれない
6、医師が「捻挫ですね」と言ってよく診てくれない、検査をしてくれない
7、病院が混んでいて予約が取りづらく、神経症状がでているのに、近隣の接骨院で施術を進めている
8、事故前年は休職中だったので所得が低いのに、その金額で休業補償を計算されている
9、会社が労災を使わせてくれない
10、保険会社が治療費の打ち切りを迫ってきた
代表的なものを挙げましたが、他にも色々と問題がおきます。それでふらふらになってから弁護士事務所のドアをたたくのです。その時期になると問題がこじれて、抜き差しならないことになっている場合もあります。
では、事故直後から誰かが被害者に寄り添ってフォローしてきたらいいのでは?
ここに行きついたのです。
しかし現実はそう簡単ではありません。 それは明日以降に。