ここ3年に渡り、アジア圏を超えて世界規模で、日本の(当時の呼び名)ニューミュージックがバズっています。昭和の時代、外国の音楽が輸入されることは、それを媒介する音楽関係者、スポンサーが不可欠でした。輸入されてこないアーティストや曲を知る機会が限られていたのです。ところが、今やYOU TUBEにUPされたら、即座に世界中からアクセス可能です。一夜で世界規模のスター誕生が起きます。すごい時代になったと思います。

 最近では、アメリカで成功した韓国のポップスですが、当然にシティポップにも注目、多くのカバーを目にしました。そして、この夏、最も注目を受けたのは、ダンスグループのニュージーンズのハニさんの歌う松田 聖子さん「青い珊瑚礁」です。YOU TUBEの再生回数は1か月で合計100万回に接近し、瞬く間に韓国のカラオケチャートで1位、恐らく一般チャートにも入っていると思います。話題は日本海を超えて、日本のテレビにも出演しました。

 「青い珊瑚礁」は、ご存知1980年、松田 聖子さんデビュー3曲目にして、大ヒットを記録しました。一方、当時の韓国は日本文化遮断中の軍事政権下でした。韓国の歌手はこぞって日本のテレビに出演していましたが、韓国の人達は外国の音楽、とくに日本に触れる機会が無かったようです。それから40年、時代は変わったものです。

 私は、昭和の音楽番組、その代表的な「ザ・ベストテン」などはあまり観なかったと思います。なぜなら当時、「ベストヒットUSA」など洋楽に傾倒していた時期で、シンディー・ローパーやマドンナ、カイリー・ミノーグをチェックしていました。対してアイドル歌謡など、ちょっとさげすんでいた、言わば反抗期だったのかもしれません。ところが、後年、アイドル歌謡の中でも、松田 聖子さんや中森 明菜さんの歌唱力やジャンルを独走する独創性を思い知らされました。やはり、良いものは良いのです。それも、40年を経て外国に評価されているのです。

 ハニさんはベトナムとオーストラリアの二重国籍で、韓国のグループに所属しています。これからも、日本のアイドル歌謡のカバーをすると思います。他のアーティストも続くはずですから、アイドル歌謡(と言うジャンル)が復活すると思います。今年の紅白歌合戦では、きっとハニさんの「青い珊瑚礁」を観る事になると予想します。
 
 👉 https://www.youtube.com/watch?v=hL0sp9eePcA
 
 ヒップホップではなく、キレキレのダンスでもなく、ただただ可愛いアイドル歌謡。若者には新鮮で、中高年には懐古に、良いものは時代を超えます。