毎回、うんちく、いえ専門的な知識を展開しています高次脳シリーズですが、たまには成果報告をします。
高次脳機能障害の立証に必要な設備や検査体制の整っている病院はわずかです。さらに立証について理解いただける医師も多くありません。したがって検査先の確保が最重要課題です。やはり全国の協力行政書士間での情報網、紹介がものをいいます。
しかし新しい病院の開拓も大事で、普段から心がけています。それに取り組む中、ある被害者さんの等級が認定されました。比較的高齢で、かつもっとも審査が困難といわれる3級です。高齢者は「もともと認知障害気味ではないのか?」という審査の壁があります。加えて、3級5級7級は一見健常者に見えながら、ある一面では深刻な症状を示すので、それを3分する審査は慎重かつ難解なのです。主観が入り込みやすいともいえます。寝たきりや常時介護状態の1~2級は診断・症状も明確になりますので、審査上判断しやすいのです。
今回の立証が成功したポイントは・・
1、主治医と何度も面談・協議し、立証について最大限の理解、協力を得ることができた。
T先生は診断・執刀・お人柄、すべてにおいて一流でした。
2、家族、とくに後見人となった長女さんがしかっりしていて、私と二人三脚で進めることができた。
3、医療関連の映像制作経験のあるビデオスタッフをスカウト、私が監督となって立証ビデオを制作した。
このような盤石の協力体制と緻密な立証作業の結果、わずか2ヶ月と5日の審査期間で間違いの無い等級が認定されました。
診断名+画像所見+自覚症状 が後遺障害立証、共通の3大要素ですが、自覚症状を自ら語れない高次脳機能障害は家族の観察がすべてです。その観察を医師の診断と検査結果に結びつけ、第三者(調査事務所)の信用を獲得する作業は一つの映画・作品を作るような気概が必要です。
まだ確立されたとは言い難い高次脳機能障害の立証、それは医師をはじめ周囲の理解が及ばないが故に、最難関の後遺障害ではないかと思います。だからこそ私はライフワークとして取り組んでいるのです。