3、注意障害、遂行機能

 注意障害と遂行能力障害の兆候は重なる部分が多く、多くの場合、併発します。障害ではなく、そもそも飽きっぽい人、要領が悪い人がおります。元々の能力、性格かもしれません。やはり事故前後の比較が必要で、家族の観察を聞かねば判断できません。

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☐ 仕事を始めてもすぐぼーっとしてしまう。集中力がもたない

☐ お皿を洗っている途中で、テレビを観始めてしまう

☐ 窓の掃除をすると、ずっと同じところを拭いている
 
 注意障害とは集中力が極端に低下します。したがって脈絡のない行動にでたり、会話もまとまりがなく、話が飛びがちです。同時にいくつかの作業を進めることができなくなります。また逆に一つのことに固執してしまうこともあります。これでは仕事や勉強も長続きしません。

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☐ 旅行の計画はおろか、スケジュールを組むことができない

☐ 買い物の段取りが悪く、売り場を行ったり来たりして何倍も時間がかかる

☐ コピーを取ってFAXをする、その間に電話をするなど同時並行で複数の作業ができない

☐ 家族に促されないと病院に行かない、薬を飲まない
 

 物事を計画する、効率よく処理する、最後までやり遂げることができません。注意障害に同じく、同時に二つの作業を進めることができません。
 児童で典型的な例を経験しています。「コップを取ってきて」と一つの作業を頼めば問題ないのですが、「一つのコップに牛乳を注いで、もう一つはジュースを注いで持ってきて」と頼むと、何もできずに固まってしまいます。このように作業が重なると脳の処理が追いつかなくなるのです。

 また「自発性の低下」と言って自ら行動する意欲が失われます。お腹が空いているのに、家族が配膳しなければ食事をしないでずっと待ってます。