上肢、下肢については割と労災・自賠責と同視できましたが、体幹(骨)からは独特のカテゴリーとなります。

 そもそも障害者手帳はケガのみならず病気のケースも含みます。また生まれつきである先天性、元気な人があるときケガや病気で障害を負うこともあります。交通事故は当然ながら「あるときに起きたケガ」なのでその程度・評価は限定的です。上肢・下肢では先天性と後天性の障害にそれほど差がないのでしょうか、同じ表となっています。しかし体幹では障害判定を分ける必要があるようで、障害等級は「あるとき」に負った後天性の障害と、「生まれつきの脳障害」である先天性の障害に区分されています。

 最初に体幹の定義ですが、一般に脊椎と胸骨、肋骨、肩甲骨、骨盤骨を指します。障害はそれぞれ骨折だけではなく、病気による変形(奇形)とそれに付随する運動障害(可動域制限)、荷重障害が該当します。

c_g_sp_1
c_g_sp_7
c_g_sp_8
等級 肢体不自由( 体幹(骨) )
1級 体幹の機能障害により坐っていることができないもの
2 1 体幹の機能障害により坐位又は起立位を保つことが困難なもの
2 体幹の機能障害により立ちあがることが困難なもの
3 体幹の機能障害により歩行が困難なもの
4 ?-
5級 体幹の機能の著しい障害
6級 ?-
備考1 同一の等級について二つの重複する障害がある場合は、1級上の級とする。但し、二つの重複する障害が特に本表中に指定せられているものは、該当等級とする。
2 肢体不自由においては、7級に該当する障害が二つ以上重複する場合は、6級とする。
3 異なる等級について二つ以上の重複する障害がある場合については、障害の程度を勘案して、当該等級より上位の等級とすることができる。

? わかり易く表現しますと1級は常時介護、2級は随時介護、3級は車イス移動でしょうか。5級は労災・自賠の8級2号「脊柱に運動障害を残すもの」、もしくは6級5号「脊柱に著しい変形または運動障害を残すもの」の判断ですが、6級判断が主となるはずです。11級レベル(圧迫骨折が確認できる)では該当しません。
 審査基準が違いますので少々乱暴な比較・当てはめです。自賠責は障害が明らかであると認められる画像が決め手で、可動域の数値は付加的・参考的な判断材料と思っています。障害者手帳の判定は医師の診断を重んじ、より柔軟に実状・実態を把握して判断しているようです。 

 明日は先天性の表をUPします。