骨格模型のトワテックさんのメディカルレポートからいつも勉強させていただいています。足関節についてありがたい記事を拝見しました。(整形外科医 北村 大也 先生の記事から引用させていただきました。)
骨折・脱臼がなかった場合、足関節の損傷は診断が難しく、いつまでも捻挫扱いで処置が遅れる傾向です。読影力のある医師はXP(レントゲン)から各関節の関節列隙を観察、靭帯損傷や軟骨損傷を予断します。そして、即座にMRI検査の指示となります。しかし、これは理想であって、相談会では正しい診断が成されないまま足を引きずって参加される方が少なくありません。適切な治療が遅れれば回復も悪く、さらに最悪なのは、診断の遅れによって外傷との因果関係が否定されます。つまり、後遺障害の補償すら逃します。
誰かが気づいて、適切な検査・治療へ誘導しなければなりません。だからこそ、メディカルコーディネーターに医学的な知識が求められるのです。これはなにも素人が医者に勝ろうとすることではありません。医師疎通(医師と意思疎通する意味の造語、洒落?)、会話が出来るレベルの知識は必要だということです。
今日は足関節と関節機能について整理しましょう。
〇 距腿関節
脛骨・腓骨の下端と距骨の上面との間のらせん関節。狭義の足関節。足関節の背屈・底屈のほかに、底屈位でわずかな内・外転が可能。
〇 距骨下関節
距骨下面と踵骨上前面との間の顆状関節。内がえし・外がえしはこの関節で起こる。
〇 横足根関節(ショパール)
踵立方関節と距舟関節からなる。わずかではあるが、背屈・底屈・内がえし・外がえしに関与。
〇 足根中足関節(リスフラン)
足根骨と中足骨との間の関節。わずかではあるが、背屈・底屈・外転・内転に関与。
〇 中足間関節
横アーチが形成される部分。
〇 指節間関節
PIP・DIP関節に分けられ、いずれも蝶番関節。
以上の機能が頭に入っていなければ、足関節・可動域制限の正確な予断はできません。