今年の温泉、群馬シリーズも佳境を迎えています。
仕事の合間を見つけて、少しづつ群馬の温泉マップを塗りつぶしています。今回は、今まで何故か未湯だった、法師温泉をレポートします。有名どころなので、それは数多くのHP記事があります。そちらを参照頂くとして、感想を端的にまとめたいと思います。
テルマエ・ロマエⅡでは、上戸彩さんの実家の温泉だったかな?
湯屋は撮影禁止なので、写真は風情ある帳場(↑)のみとします。湯屋は源泉地である河原の真上に建築され、すでに1世紀を超えています。泉質は無色透明のカルシウム・ナトリウム硫酸塩泉(石膏泉)でPh値は7~8の弱アルカリ性、軟らかい感触です。そして、ちょうど良い温度の源泉が、なんと、湯舟の底からポコポコと湧き出ているではないですか! 「足元湧出(あしもとゆうしゅつ)」なのです。温泉は源泉地からパイプでお湯を引いていることが普通です。当然、引き湯の距離が長いほど、温泉の新鮮度は下がります。また、源泉地に湯舟を設置しようにも、たいてい熱すぎるか冷たすぎるか、温度調整はままなりません。それが、都合よく適温で湧き出ている・・これは、まごうことなき奇跡なのです。
湯温は季節や日によって多少の変化があるものの、湯舟ごとに39~43°を保っており、のぼせることなく、いつまでも浸かっていられます。30分もぼーっと、屋根裏、柱、梁を眺めていると、あらゆる思考が湯に溶けていくようで、脳が休まるお湯と感じました。たまに、背中を辿って空気玉がコロコロと昇っていきます。足元湧出とは、まさに体が地球と一体化するもの、自然と融合する場です。それは、太古の生物より、あらゆる生命が水から誕生したことをDNAが記憶しているからでしょうか、まるで羊水に包まれた赤子の安心感をもたらすのです。
群馬の温泉と言えば東の横綱:草津ですが、法師温泉はじめ日本を代表する湯が点在しています。また、折をみて再訪したいと思います。