学生時代、警備会社でバイトしていました
職業別の賠償保険を調べてみました。警備業社賠責は、施設賠償責任保険がベースとなっているようです。
警備業者賠償責任保険とは、警備業務の遂行により、(1)事故で他人の身体に障害を加えてしまった場合、(2)事故で財物を損壊・紛失したり、窃取・詐取されたりした場合、それぞれで発生した損害を担保する保険です。
この保険は、警備業者(会社)が入る保険です。基本的な仕組みとしては、まず、賠償責任保険条項に施設賠償責任保険の特約を付して、そこからさらに、警備業者補償用の特約を組み込むことになります。
通常の支払い対象の例として、以下のものがあげられます。
(1)事故で他人の身体に障害を加えてしまった場合の例
・花火等のイベント開催中、警備員の誘導ミスによって通行人が将棋倒しとなり、けが人が出てしまった場合。
・要人の身辺警備(ボディーガード)を行っていた警備員の誤認で、無関係の人を取り押さえてしまい、ケガを負わせてしまった場合。
(2)事故で財物を損壊・紛失したり、窃取・詐取されたりした場合の例
・警備員の不注意で、火災の発生に気づかず、建物が全焼してしまった場合。
・警備会社が設置した火災警報器が、正常に作動しなかったため、火災発生を感知できず建物が全焼してしまった場合。
これらの損害は、警備員・警備会社の過失によるものである場合に保険金が支払われますが、故意・重過失(わずかな注意でもしていれば損害等の結果が発生してしまうことがわかっていたのに見過ごすこと)の場合には支払われません。
また、火薬や医療用の器具(放射性物質を含む)等の危険物の警備についての事故や、現金や美術品を移送中に、紛失したり、落として壊してしまった場合の事故等は、基本的に支払い対象外です。
保険会社によっては補償対象にできる特約を別に付けることも可能なので、警備会社は業務拡大を目指す場合、保険内容を十分に確認してから業務を請け負う必要があります。
※ 最近の花火大会の中止が相次いでいるようですが、主な原因の一つとして、警備の必要性が高くなっていること、警備員の人件費が高額になってしまうこと、があるようです。警備員の数が少ないと、イベント開催中の警備という激務中、常に気を張って注意し続けるというのは大変酷だと思います。
多くの損害が補償されている保険、特約に入り、少しでも業務中のリスクを軽減できればよいのですが、他方で警備会社の保険料の負担も大きくなりそうです。保険販売を専門としている信頼できる代理店さんによく相談して、業務範囲内で必要な保険と必要な特約をよく吟味する必要があります。