私の仕事は等級認定で一区切り、その後の賠償交渉は弁護士に引き継いで進めていきます。その賠償交渉も長びくことがあります。紛争センター等の斡旋機関に持ち込めば数か月で済みますが、裁判に発展すれば1年はかかります。その間、交渉が順調であれば見守るだけになりますが、追加の医証が必要となれば再び私も走り回ることになります。そして今月、数件の難交渉案件が解決を迎えました。苦しい戦いを共に戦ってきた被害者さんもようやく安堵し、弁護士も私も晴れ晴れしい気持ちになります。
毎回、それら解決事案を検証します。どの案件にも共通するのは、交通事故の解決は早いうちに手を打つこと、一貫性をもつことです。つまり受傷後初期から解決までの全体的な戦略を立てることです。行き当たりばったりでは、実利ある解決は遠のくばかりです。難交渉となったものの多くは、最初のつまずきさえなければ、このような長く苦しい戦いにならずに済んだのでは?と思います。その悪い例として3つのパターンがあります。
・相手保険会社に任せっきり
・中途半端な代理人に任せたおかげで迷走した
・そしてなにより被害者自身が冷静に対処できなかった
相手の保険会社は急場の治療費や休業損害を補てんしてくれるありがたい存在です。しかし自らの権利を守るのはあくまで自分自身です。保険会社には冷静な対応が必要です。そして自分に代わって動いてくれる代理人、多くは法律職者と思いますが、すべてが専門家ではありません。どの弁護士、行政書士も商売上、専門家を謳っていますが、本当に力があるのは、ほんの一握りです。被害者は依頼する相手をしっかり見極めなければなりません。
良い解決事例のほとんどが、交通事故専門の優秀な弁護士の圧倒的な力、もしくは手前味噌ですが、私と連携した弁護士の連携・共同体制の好取組の成果です。
債務から企業法務やら何でも屋の弁護士事務所は専門性に疑問があります。後遺障害の知識のない弁護士では相手保険会社に負けてしまいます。また代理交渉のできない行政書士に任せても、尻切れトンボのように中途半端な状態に置かれます。後遺障害の立証と後の賠償交渉は一体の戦略で臨むべきです。それは連携先弁護士と気脈を通じて立証作業を進めることによって成し得ます。
私たちメディカルコーディネーターは全国およそ20地域の弁護士事務所と連携体制を敷いています。この交通事故解決チームで続々と成果を上げています。