自賠責の申請書類を収集・完備したら、後は連携弁護士に引き継いで私たちの業務は終了します。多くの場合、後は事務的な連絡を残すだけです。
しかし、裁判ともなればそうもいきません。保険会社側の相手弁護士は、自賠責が認定した等級をあっさり否定してきます。提出した診断書はじめ、色々とケチをつけてきます。被告側の権利主張ですから、つき合わざるを得ません。
私達の場合、後遺障害認定を自ら行う「被害者請求」の段階で、厳しく後遺症の状態を調べ上げています。必要な検査を実施、医師面談を重ねて、障害の全容を完全に把握し、書類を揃えています。さらに、複雑な後遺障害の場合、自賠責からの医療照会や追加的に書類の提出要請が入ります。それらに対して、実に丁寧に対応・提出を続けていきます。すると、認定までの作業から、相手の反論は予想の範疇となります。裁判でも堂々、豊富な証拠書類を突きつけるだけです。
逆に、事前認定(相手保険会社に後遺障害申請を委ねる申請方法)での等級認定は、被害者側の弁護士は一から調べ直しをしなければなりません。その負担たるや、次回の裁判期日まで時間との争いになります。相当な時間が経ってから改めて検査をしても、時機を失することになります。何より、裁判になってから医師面談を申し入れても、(裁判に巻き込まれたくない)医師の協力は得られないでしょう。つまり、準備不足の戦いです。事前認定=保険会社任せの等級認定の不利を悟ることになります。
本日は、連携弁護士と裁判対策、相手の反論潰しの打合せでした。後遺障害の手続きを被害者請求にて手の内に置き、自賠責等級を盤石にしておけば、裁判の結果も伴うものと思っています。