11. 精査受診 ( 3ヶ月~症状固定 )
検査へ同行します。場合によってはメディカル・コーディネイターを派遣します。
初めての病院は何かと不安なものです。必要があれば病院へ同行します。特にMRI等の画像診断の場合、読影医や技師との打ち合わせが重要です。ピンポイントでヘルニアの突出や脊髄損傷の病変部を捉える、又は頭蓋底骨折や肩甲骨骨折、靭帯損傷など、受傷直後で見落とされがちな症状を描出するためです。
12. 後遺障害診断書 依頼 ( 症状固定~ )
医師と面談、後遺障害診断書の依頼をします。必要な記載項目について助言、理想的な診断書が作成されます。
既に診断書が出来ている場合はその分析から行います。
① 後遺障害診断書、画像の分析
② 後遺障害診断書の依頼、回収
③ 診断書添付書類の作成、収集
いよいよ後遺障害立証のクライマックスです。今後この診断書が被害者の運命を左右します。受傷から症状固定日までの症状、治療内容、診断を一連の流れとし、残存する症状を刻銘に記載していただきます。
関節の可動域制限が残れば計測してもらいます。計測方法は自賠責保険調査事務所の標榜する基準に合わせなければなりまん。しかしながらOT(作業療法士)のように専門学習を積んでいない医師はほとんど自己流で計測します。例えば左イラストのように無理やり曲げてしまったり・・・これでは等級は獲れません。
また後遺障害診断書の書き方や自賠責の審査基準を熟知している医師はほとんどいません。「医師任せは運任せ」です。「とりあえず書いてもう」は危険であることを認識して下さい。
また相手保険会社も「この検査が足りません」「この用紙の添付が必要です」のような、敵(被害者)に塩を贈るような親切心は持ち合わせていません。くれぐれも慎重に進める必要があります。
自賠責保険請求の書類のチェックを行います。
等級審査方法は二通りあります。
この信条は譲りません。
一部に「被害者請求は面倒なだけ、相手保険会社にやってもらえば楽だよ」、「とりあえず事前申請してダメだったら異議申立をすればいい」…このような無責任な事を平気で言う専門家がいるので困ります。
あなたは「あなたに賠償金を払いたくない保険会社」に「賠償金を増やす為の作業」を任せられますか? これ以上は面談時に詳しく説明します。
請求書の記載自体は簡単なので、ご自身で記載可能です。その場合は完璧を期すため内容のチェックを行います。ご希望があれば代書・提出まで行います。
自賠責保険の時効は3年です。時効が迫ったら時効中断申請書の提出・承認を行います。
14. 労災請求サポート ( 後遺障害 診断後 )
請求や支給調整について関係者へ説明、潤滑に手続きを進めていただきます。
① 障害一時金・障害年金の請求方法について
② 医師へ専用診断書の作成依頼
障害一時金の請求も並行して行います。労災の認定の方が自賠責より早くて簡易に思われます。その際、「労災、相手保険、両方からでませんよ」と言われる事がままあります。支給調整といって後遺障害・逸失利益でだぶる部分は相殺されますが、慰謝料はしっかり相手保険会社から受け取ります。このようなやり取りの調整で毎度説明に奔走させられます。
15. 公的補助申請 ( 後遺障害 診断後 )
公的補助のある障害となった場合、その請求のお手伝いをします。
① 身体障害者手帳の申請
② 精神障害者保健福祉手帳の申請
③健保・国保の障害年金申請
④要介護認定手続き
⑤自動車交通事故対策機構の介護料請求
公的補助は申請しなければもらえません。各市町村のケースワーカーさんに相談すると良いです。特に高次脳機能障害の被害者の場合、その家族と同行して①~④まで滞りなく進めます。被害者救済の仕事は完璧が求められます。
16. 後見審判 ( 確定診断後 ~ )
精神障害のため後見人の設定が必要な場合、家庭裁判所への手続きをサポートします。
高次脳機能障害・被害者の立証を進める場合、家族の協力は必須です。そして後見人を設定することで、後のあらゆる手続きがスムーズになります。障害の確定診断が下ったら早急に家庭裁判所に申し立てます。
17. その他保険請求 (受傷 ~ 後遺障害 診断後 )
① ご自身が加入している傷害保険、生命保険、共済の 請求手続き。
② 歩行者・自転車で自らに責任のある場合、個人賠償 責任保険請求の手続き
ご自身ご加入の各保険でも傷害や入院、後遺障害にそれぞれ該当するものがあれば、忘れず請求を行います。
特に②のケースでは自身の過失分の賠償に適用できます。
「自らの保険加入状況を洗い直す」ことも基本です。
次回は最終回です。交通事故はいよいよ解決へ向かいます。