セカンドオピニオンの多さは相変わらずですが、最近気になる相談パターンを少々。
 

 すでに弁護士に依頼していながら・・・

○ 自賠責の被害者請求を手伝って欲しい

○ 異議申立ての可能性を見て欲しい

○ 労災の手続きを相談したい

○ 画像を見て欲しい

○ 病院を紹介して欲しい

 ご相談をいただくことはまことに光栄なのですが、思わず「ちょっと待って、既に契約している弁護士さんに何で相談しないの?」と質問してしまいます。すると、相談者はばつが悪そうに以下のような返答をします。
 

 「弁護士さんは示談交渉のみしかやらないと言っていまして・・」

 「弁護士さんは「異議申立の結果を待っています」と・・」

 「それは、別のところで聞いて・・と言われました」

 「細かいことは(弁護士先生に)聞きづらくて・・」

 「(弁護士先生に)電話をかけても折り返しが遅かったり無かったり・・」

  
 このような被害者さんはせっかく、お金を出して弁護士に依頼したにも関わらず、様々な手続きを独力でやらねばならず困っているようです。つまり、依頼した弁護士は”資格を持った示談屋さん”です。「賠償交渉に特化している」と言えば聞こえは良いですが、そのような先生に限って交通事故裁判の経験が乏しく、もちろん判例など取ったことはありません。”賠償交渉のスペシャリスト?”に疑問がつきます。優秀な先生はたいてい何でも相談にのってくれるものです。
 

 もしかするとこれは氷山の一角、”弁護士に依頼しながら困っている被害者さん”、実はたくさんいるかもしれません。

 賠償交渉しかやらない先生に依頼すると多くの事は望めません。「示談交渉」が交通事故業務のメインとは言え、他に手続きが山ほどあり、それらは自分でやるしかないのです。事案によっては賠償交渉は解決までの作業の一部に過ぎないかもしれません。受傷から解決まで、被害者に課せられた手続きは山ほどあるのです。特に障害の立証(後遺障害等級の認定)は前半の山場です。被害者にとって一番助けて欲しい場面です。

 私と連携弁護士さんの協働のきっかけですが、実は、このような被害者さんのニーズに対応するために、弁護士事務所から弊事務所に相談してきたケースが多いのです。賠償交渉以外の事務について、私どものサポートを加えれば鬼に金棒と気づいたのでしょう。まさに、被害者救済業をしています。
 逆に、残念ながら未だ多くの弁護士さんは連携の有用性を否定、「行政書士ごときに何で頼らなければいけないのか?」「立証はうちの事務所でもできる!」「弁護士に任せれば大丈夫、他に相談する必要はない!」、ひどいと「行政書士は非弁だ!」と非難が返ってきます。
  
 ならば、単独で、被害者の窮状すべての局面に対応していただけないものでしょうか。

 もっとも、交通事故専門?を掲げながら、医療立証や賠償外の事務に精通している行政書士が極めて少なく、確かに非弁まがいの書士が多いことも問題ですが・・。
 
 債務整理でも似たような話を聞きます。過払金返還請求をして終わり、任意整理に関する残った処理はやらないで委任契約終了にする事務所があるそうです。その依頼者はまた別の弁護士を探すことになります。

 資格を持った示談屋・・それもありでしょう。しかし、依頼者第一主義を掲げるのであれば、受傷初期から解決まで一貫してフォローしてくれなければ困ります。それが出来ないのであれば、士業間の連携を駆使して完遂すべきです。これは、職業倫理、責任感の有無が問われているのです。
 

 被害者さんも依頼先を探す際、よくよく弁護士の仕事の範囲を確かめる必要があります。法律事務所もサービス業、事務所によって仕事の守備範囲は違います。つまり、差があるのです。

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 より深刻なケースは、上記のように宣伝しながら、実際は「等級が取れてから来て」と対応する事務所、最悪は「受任しながら等級が出るまで何もしない」事務所ですが・・