今日は方々の弁護士先生から電話・メールが殺到、と言っても7人ですが。それぞれ案件や相談会の打合せはもちろんですが、情報交換にも及びます。
どの先生からも聞こえてくるのが最近の交通事故業界、受任事情です。私も先日の研修会にて全国の弁護士先生から情報を収集できました。傾向としてセカンドオピニオンが多い。これは狭義には既に他事務所に相談しつつも別事務所に相談を広げることです。さらに長じて、委任しながら別事務所に契約を切り替えることも含みます。
分析するに、これはネットの普及はもちろん、多くの弁護士が交通事故に乗り出した結果と思います。特に大手法人事務所はクレサラ業務と入れ替えに大変な予算のかけようです。一説には一か月のリスティング広告費に1千万円以上も使っているようです。結果、多くの被害者に弁護士への相談の道がひらけたことになり、これは良い効果かもしれません。しかし、交通事故は専門性の高い分野です。交通事故は数百種類ある弁護士の仕事の一つに過ぎないのです。弁護士なら誰でも専門家ではありません。自賠責保険への請求書を代書するに過ぎない行政書士も同様です。付け焼刃の事務所による、不慣れな法律家による、ひどい対応ばかりが耳に入ります。他業者に対するコメントは非紳士的、避けたいところですが、ある弁護士先生は「被害者への二次被害だ!」と手厳しいコメント。昨年から他事務所の委任を解除、乗り換えた受任が数十件にも上るそうです。私のような小さい事務所でさえ数件あるのです。
相談先を間違えると、適正な後遺障害等級を得られない損失、不十分な賠償額しか得られない損失、この二つの失敗があります。しかし、依頼先を選ぶのも被害者の責任です。先の弁護士先生はこうも言いました。「(依頼先によって失敗する)それも被害者の運命。」残念ながら現実は厳しいのです。