交通事故被害者さんに対する無責任なアドバイス・・「弱気ではダメ、保険屋には強気でガンガン言うべき」・・・元保険会社側の秋葉が検証します。

あくまで、保険会社側からの視線ですが、生意気な被害者、具体的には被害者感情丸出しの態度、乱暴な口調、過大・増長した請求や滅茶苦茶な請求、あるいは、「担当者を代えてくれ」、「会社のお客様相談に陳情」・・・これらは、絶対に自身に不利に跳ね返ってくると思います。

弱気の態度では保険会社に舐められる?・・確かに一理ありますが、賠償請求とは、証拠書類を揃えて紳士的に理路整然と交渉することで果たせばよいのであって、ケンカ腰で口論することではありません。保険会社の担当者も人間ですから、当然、「俺は被害者様だぞ!」との態度では頭にきます。恨みを買えば、露骨な意地悪はしないにせよ、今後、良い対応は望めません。100件もの案件を抱える担当者にとって、「よく吼える犬だなぁ」位にしか思わないのです。

仮に担当者を変えても、それは口調が柔らかくなるだけ、もらえる賠償金など大して変わりません。彼らは同じ穴の狢(ムジナ・・・穴熊のことらしいです)です。ケンカ上等の交渉態度では、いずれどこかで足を引っ張られます。また、最悪は弁護士対応となって突き放されます。

交通事故の賠償交渉とは、ほとんどお金の請求に他なりません。したがって、自身の損害に見合ったお金を確保することが勝利のはずです。担当者を代えさせることや、口ケンカで勝つことではありません。私が一番心配していることは、後遺障害の審査で、担当者から自賠責の調査員にネガティブ情報が伝達されることです。恨みを買った担当者から、どのような意見書が行くか、何を言われるかわかりません。

断言します。資本主義社会では払う側が強者、お金を請求する側が圧倒的に弱いのです。

なぜなら、治療費や休業損害を支払っているのは保険会社であり、彼らはいつでもそれを止めることができます。それらで紛糾して、治療費打切りとなれば・・治療費をめぐって治療中に裁判を起こすなど現実的ではありません。困るのは被害者であって、保険会社は屁の河童なのです。 

争いは、治療費と休業損害をある程度確保した後、後遺障害が確定してからとすべきです。それまでは、被害者は(我慢して)紳士的な態度で、着実に証拠を揃え、粛々と諸費用の請求を進めるべきです。些細な費用の請求でケンカするなど、愚の骨頂です。つまり、最大の賠償金(後遺障害)を危うくするような交渉態度に、秋葉事務所は警鐘を鳴らしたいのです。

言わば、後遺障害認定を受けるまでは、”羊の皮を被った被害者”であるべきです。最大の後遺障害等級さえ取ったら、”狼に転身”、鬼の首を獲った弁護士から強烈な賠償請求をすること、これが交通事故解決のコツに思えます。

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何度も言いますが、保険会社とケンカするな