めまい感、メニエール病、メニエール症候群、眩暈症にお馴染みのお薬です。
 
 交通事故外傷でも、むち打ちや頭部外傷後にめまいを訴える患者さんは多いものです。まずは、この薬が処方されます。

 この薬が効かない患者さんは、紹介状を得て大学病院で検査をするべきです。治療上の理由だけではなく、後の後遺障害認定に向けて、しっかり準備する必要があります。

① 主成分 ベタヒスチンメシル酸塩(Betahistine mesilate)

 この成分によって、内耳の血流を促し、むくみなどを改善、主に回転性のめまい、難聴を抑制します。

※ メリスロンとはエーザイ㈱の名称です。ジェネリック薬品では、日本ジェネリック㈱、東和薬品㈱、日医工㈱などが「ベタヒスチンメシル酸塩錠」と、そのままの名称で発売しています。
 
② 副作用

 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うことが必要です。
 
1,消化器:(0.1〜5%未満)悪心・嘔吐。 2,過敏症:(0.1〜5%未満)発疹。
 
3,合併症・既往歴等のある患者さん

・消化性潰瘍の既往歴のある患者及び活動性消化性潰瘍のある患者:本剤はヒスタミン類似作用を有するため、H2受容体を介して胃酸分泌亢進を引きおこすおそれがあります。

・気管支喘息の患者:本剤はヒスタミン類似作用を有するため、H1受容体を介して気道の収縮を引きおこすおそれがあります。

・褐色細胞腫のある患者:本剤はヒスタミン類似作用を有するため、アドレナリンの過剰分泌により血圧上昇を引きおこすおそれがあります。

・妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ、投与します。

・小児等を対象とした臨床試験は実施していないそうです。

・高齢者は減量するなど注意(一般に生理機能が低下しているため)。