自賠法に規定される自賠責保険は、交通事故・被害者救済の第一の制度と言えます。今号は目先を変えて、他国の自賠責保険を勉強、日本と比較してみましょう。
(損害保険協会資料より引用、修正・加筆しています)
国名
|
強制保険に |
最低保険金額 |
無保険・ひき逃げへの被害者保護 |
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対人 |
対物 |
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1名 |
1事故 |
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日本 |
自賠法 |
傷害= 死亡= |
無制限 |
なし |
政府の保障事業 |
イギリス |
道路交通法 |
無制限 |
100万ポンド |
全自動車保険会社の加入が義務付けられている自動車保障基金(任意保険会社の基金) |
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ドイツ |
義務保険法 保険契約法 |
750万ユーロ |
112万ユーロ |
交通事故被害者救済基金 (任意保険会社の基金) |
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フランス |
保険法 |
無制限 |
112万ユーロ |
義務保険保証基金 (自賠責保険会社の基金) |
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アメリカ カルフォルニア州 |
賠償資力法 強制賠償責任保険法 |
1万5千ドル |
3万ドル |
5千ドル |
無保険運転者危険担保条項(任意付保) |
マサチューセッツ州 |
賠償資力法 強制賠償責任保険法 ノーフォルト保険法 |
2万ドル (226万円) |
4万ドル |
5千ドル |
無保険運転者危険担保条項(強制付保) |
ニューヨーク州 |
2万5千ドル |
5万ドル 死亡=10万ドル |
1万ドル |
無保険運転者危険担保条項(強制付保) 自動車事故保障法人(任意保険会社の基金) |
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中国 |
自動車交通事故責任強制保険条例 |
傷害= 死亡= |
不明 |
2000元 |
すみません、調査中です。 |
( 30.11.1現在 1ユーロ≒128円 1ポンド≒145円 1ドル≒113円 1元≒16.2円 で換算しました。)
※ 死亡は後遺障害を含みます。
まず、日本との比較で留意する事があります。日本、中国は自賠責保険と任意保険が分離・2階建て構造になっていますが、欧州諸国の多くは、任意保険のアマウントの一部を国が法律で定めた最低加入金額として、自賠責保険に組み込みます。
アメリカは任意保険のみで、自賠責保険としての運営はありません。ただし、各州の法律で最低金額を定め、保険加入を義務付けています。州によって差がありますが、自動車大国でありながらえらく低額、自由の国は無保険車も多そうです。「C’MON baby AMERICA ♪」と言われても、しっかり保険に入ってから行きます。
対して、ヨーロッパ各国は総じて最低金額が高く、対人・対物はほとんど無制限、自賠と任意の差を感じません。任意保険としての加入は、人身傷害と車両保険だけと言っても過言ではありません。
謎の多い中国の保険、かの国はもはや経済大国ですが、物価を考慮しても人命の信じられない安さに驚かされます。
その他アジア・南米について広げると・・・別の機会に特集したいと思います。