(3)膵臓の内分泌機能の低下
 
 経口糖負荷検査により判定します。

① 正常型 膵損傷後に障害を残さないものであって、

 空腹時血糖値<110mg/dlかつ75g OGTT 2時間値<140mg/dlであるもの

② 境界型 膵損傷後に軽微な耐糖能異常を残すもの

 空腹時血糖値≧110mg/dlまたは75g OGTT 2時間値≧140mg/dlであって、 糖尿病型に該当しないもの

③ 糖尿病型 膵損傷後に高度な耐糖能異常を残すもの

 空腹時血糖≧126mg/dlまたは75g OGTT 2時間値≧200mg/dlのいずれかの要件を満たすもの。要件を満たすとは、異なる日に行った検査により2回以上確認されたことを要します。

 内分泌機能の障害による後遺障害の認定基準

① 経口糖負荷検査で境界型または糖尿病型と判断されること。

 インスリン投与を必要とする者は除かれています。

② インスリン異常低値を示すこと。

 インスリン異常低値とは、空腹時血漿中のC-ペプチド=CPRが0.5ng/ml以下であるものを言います。

③ 2型糖尿病に該当しないこと。

 上記3つの要件を満たせば、内分泌機能の障害として、11級10号が認定されています。
 
○ 経口糖負荷検査

空腹時血糖値および75gOGTTによる判定区分と判定基準

[ 75gOGTTの手順 ]

① 前夜21:00以後絶食で、朝まで空腹のまま来院させる。

② 空腹のまま採血し、血糖値を測定します。

③ ブドウ糖75gを溶かした水を飲ませる。

④ ブドウ糖を負荷した後、30分、1時間、2時間後に採血し、血糖値を測定します。

⑤ 糖尿病型、正常型、境界型のいずれかを判定します。
 

※ 2型糖尿病
1型糖尿病は、インスリンを作り出す膵臓=膵βベータ細胞が破壊・消失することで発症します。
2型糖尿病は、過食や運動不足などの生活習慣が発症に関係しています。
交通事故を原因として、2型糖尿病を発症することはありません。 したがって、2型糖尿病の治療の基本は、生活習慣改善のための食事療法や運動療法ですが、1型糖尿病の治療は、インスリンを継続的に適切に補充することです。