今週は歯科医にも同行しています。今日は歯の後遺障害について。

 歯牙の欠損は以下のように明確に定められています。欠損とは歯肉から上、4分の3以上折れてしまった事を指します。

10 級 4 号 → 14 歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

11 級 4 号 → 10 歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

12 級 3 号 → 7 歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

13 級 5 号 → 5 歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

14 級 2 号 → 3 歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

※ 補綴…難しい漢字ですが「ほてつ」と読みます。先日歯科医に教えて頂きました。

 3本以上というのは少し厳しめですが、理由はなんとなくわかります。インプラント方式で見違えるように芸能人の歯になってしまう?からでしょうか。

 数年前、交通事故で4本歯を失った方とお会いしましたが、その方は保険会社と徹底的に交渉し、義歯はすべて最新のインプラントを施してもらったそうです。治療費は数十万円になったと思います。しかし、「後遺障害保険金はもらいましたか?」と質問したところ、「えっ、全部直してもらったからOKです。と歯医者さんに言われましたよ。」

 …そうですか(短くため息)。本人のためにそれ以上は言いませんでした。

 この方は14級2号の対象です。しかし保険会社は請求しなければ賠償金をくれません。味方である歯医者さんが後遺障害基準を知らなければお手上げです。

 インプラント施術や義歯代はあくまで治療費です。これは損害実費です。しかし本来自身の歯が使えなくなった事については後遺障害の補償と捉えます。例えとして「手を失った人が義手にしてもらったから、元通り!」な訳ありません。
 歯についてはとかく見落とされがちです。

 歯の後遺障害については専用の後遺障害診断書があります。