目や耳では様々な障害の種類があります。代表的な症状に、視力を失う失明や視力低下、二重に見える複視、見える範囲が狭まる視野狭窄があります。耳であれば、聴力が低下する難聴、耳鳴りでしょうか。これらが障害として認定される場合、目や耳、または脳に直接の損傷あれば容易でしょう。しかし、直接の損傷がない場合が問題なのです。
目立った外傷のない頭部への衝撃や、頚椎捻挫(いわゆる、むち打ち)で視覚や聴覚の症状を訴える被害者さんは多く、今までも相談会に多数参加されました。おそらく、神経系統に何らかの衝撃があったのでしょう。しかし、直接の器質的損傷がないケガでは、自賠責は因果関係を疑います。確かに、ケガがなくとも視力や聴覚の低下は起きますので、内在的な病気の影響を捨て切れません。
秋葉事務所では、これら因果関係に乏しいケースの立証に数例、成功しています。ポイントは受傷直後からの症状の訴えと専門科の受診、早期の検査実施です。そして、その症状が好悪転せず、一貫して続いていることでしょうか。自賠責は、因果関係に確固たる証拠がなくとも、症状の信憑性と一貫性で認定することがあるのです。
逆に、障害を否定された被害者さんは、症状の発生、もしくは訴えが事故受傷からしばらく経ってからで、眼科・耳鼻科への受診が遅く、又は、検査数値が好調不調から?上下動します。つまり、原因が事故外傷から離れてしまうのです。
以下の実例からも、「顔面骨折や脳損傷なら立証は容易、直接に損傷の無かったケースは苦労」、がお解かりと思います。
- 12級相当:耳鳴り(50代男性・埼玉県)
- 11級5号:両感音性難聴(60代女性・東京都)
- 12級13号:良性発作性めまい症(60代女性・東京都)
- 8級1号:視神経管骨折・失明(30代男性・千葉県)
- 8級1号:眼窩底骨折・失明(20代男性・岩手県)
- 12級13号:目眩症(70代男性・静岡県)
- 12級相当:耳鳴り(50代男性・東京都)
- 12級相当:耳鳴り(60代女性・埼玉県)
- 12級相当:耳鳴り(60代男性・埼玉県)
- 14級相当:耳鳴り(50代男性・群馬県)
- 14級9号:めまい(50代男性・群馬県)
- 14級相当:耳鳴り(30代女性・東京都)
- 12級相当:耳鳴り(70代女性・埼玉県)
- 9級3号:視野狭窄(40代男性・東京都)
- 8級1号:視力障害(50代男性・長野県)
- 12級相当:耳鳴り(40代男性・山梨県)
- 13級2号:視野障害(30代男性・千葉県)
- 13級3号:視野障害(20代男性・福井県)
- 9級7号:聴力障害(60代女性・大阪府)
- 12級相当:耳鳴り(40代女性・茨城県)
- 12級相当:耳鳴り(40代男性・愛知県)
- 13級9号:視野狭窄(50代女性・静岡県)