これも難事案です。
高齢で事故前から認知症状があり、交通事故の頭部外傷で悪化、介護状態が続いています。しかも、過失は被害者の方が大きいとされて、相手保険会社から治療費(一括対応)対応されていません。逆に自動車の修理費を請求されています。
この逆境をひっくり返すのは、認知症と高次脳機能障害を切り分けて、その評価を自賠責の後遺障害等級に収めることです。自賠責のルールを駆使することが勝機でしょうか。そして、「これが出来る事務所は日本で秋葉だけ!」との強烈な自負のもと、着手金なしの手弁当で新幹線の往復を続けています。等級が取れなければ大損です。このような、賭けとなる案件は年に1~2件あります。多くの法律家・専門家は、利益の計算が立たない状態では着手しません。利益が見込めるまで、つまり、後遺障害等級が定まるまで様子見を決め込むからです。
もちろん、賭けに負けることもあります。私はギャンブラーではありませんし、山師でもなく、間違いなく堅実派です。それでも、賭けてみたい案件があります。被害者の窮状によっては、誰かが勝負しなければならないからです。