交通事故に携わって20年、なんて謳っています秋葉です。20年もやっていれば色々なドラマに直面するものです。TVドラマの1シーン、留置所で被疑者と家族が透明のアクリル板越しに会話する場面がありますね。何回か同席しています。特に交通事故の加害者となって警察署に収監されている場合、家族の心情は凄まじいものがあります。以下役に立つ?(機会がないほうがいいですが)面会の流れを・・・
1. まず受付。面会申請書と差し入れリストの記入をします。
・洋服・・・3日分程度の着替え。ベルトや紐が付いたものはNGです。自殺防止の為です。スエットパンツなどは腰紐をスルスルと抜き取ります。
・現金・・・警察署内の購買店で買い物ができます。一度「上限は?」と聞いたことがあります。答えは「ないですが、担当警官の判断で高額は遠慮してもらいます」とのこと。食事もデリバリーOKなのでかつ丼やラーメンも注文できます。
・本・・・漫画、雑誌もOKです。ただし一度に3冊までです。当然刺激的なものはダメです。
2. 待合室へ通されます。
なんか訳ありの人達が静かに面会を待っています。乳飲み子を抱いている奥さんなんか見ると心が痛みます。面会時間は15分が標準なのですが同時間に面会が集中しないよう事前予約制の警察署が多いです。毎日面会する場合、取り調べの日、検察送致の日などは面会できないのでスケジュールを確認しておくとよいです。
3. 呼び出され、まず面会者が面会室に着席。
1分ほどしてアクリル板の向こうのドアが開きます。立ち合い警官に連れられ被疑者が着席します。
その瞬間、面会者の家族共々号泣となります。積もる話もありますが、なかなか言葉になりません。私が今後のこと、手続きを説明し、「○○弁護士を手配したので午後面会に来ます。安心して下さい。」と続けます。
4. 少し落ち着いてきます
被疑者「次は漫画の○○の6巻から9巻を持ってきて」、家族「えっどこにあるの?」と連絡事項のやり取りです。後ろで立ち合い官が漫画のタイトルまで記述しています。暗号や、文章・写真を見せる、手を使ってのサイン等はNGです。でも子供の写真はOKしてくれます。
そして足りないはずの15分は残り3分位残して「もういいです」となります。
5. 帰り際
家族は受付で洗濯物を預かって帰宅します。この僅かな時間で家族は濃密な経験をします。特にさっきまでメソメソしていた奥さんも腹が据わってきて保釈まで大活躍します。つくづく女性は強いなぁ、と感心します。
あまり経験したくないことですね。私も運転をしますので加害者になる可能性がないわけではありません。家族にはもし私が逮捕されたら、「○○弁護士先生にすぐ連絡して」と言っています。つくづく運転には気を付けたいものです。