先日、会食のため、飛び込みで入った日本橋の居酒屋が地味にすごかった。

 お母さん一人で切り盛りしている。席は16席ほど。「予約しないとダメよ」、来客は次々と入店を拒まれる。

 生ビールのお代わりは同じグラス。いっぺんに料理を頼むと怒られる。メニューにあるものがいつもでるとは限らない。お酒の銘柄はお母さん次第。そんな小粋なお店ですが、素朴な家庭料理ながらどれもみな上手い。簡単な調理であっても味付けのセンスが秀逸なのだと思う。特に馬刺しはどんな高級店を上回る。肉質はやわらかく舌にまとわりつくようで、溜まり醤油と少々のにんにくを添えれば上品な甘みが乗っかってくる。臭みはまったく感じず、肉のうまみだけが喉を通り、箸と杯が進む。

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 焼酎も良質の銘柄あり、赤芋のボトルを入れた。いずれまた来るかもしれない。予約しなければならないのが面倒かな。